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刑事コロンボ#17 二つの顔/ DOUBLE SHOCK 1973年 あらすじとネタバレ解説 ドラマで描き切れなかった最大の謎をころんが読み解く

刑事コロンボ

作品情報

刑事コロンボ:ピーター・フォーク(小池朝雄)

殺人容疑者:双子のパリス兄弟/マーティン・ランドー(滝田裕介)
兄 銀行家ノーマン  弟 料理研究家デクスター

被害者:双子の伯父 資産家クリフォード・パリス/ポール・スチュワート(杉田俊也)

パリス家の家政婦:ペック夫人/ジャネット・ノーラン(文野朋子)

パリス家の弁護士:マイケル・ハサウェイ/ティム・オコナー(保科三良)

クリフォードの婚約者:リサ・チェンバーズ/ジュリー・ニューマー(清水良英)

演出:ロバート・バトラー
脚本:スティーブン・ボッコ

殺害の動機:遺産目当て

一人で行うには難しい犯罪であるため、双子の共犯だと見抜いた。
仲の悪いはずの双子が20回以上も電話のやりとりをしていたことを見つけた。
状況証拠を押さえて自白させた。
アコーディオンボックス内容
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  1. 殺害の動機と人物関係
    1. 凶器は調理用ミキサー
    2. 殺害の動機
    3. パリス家の家政婦辛口ペック夫人
    4. 警報スイッチを切ったのは誰?
    5. クリフォード・パリス殺害
    6. 花嫁リサ登場
  2. 物語開始約12分コロンボ登場
    1. ペック夫人の猛襲-1
    2. コロンボの疑惑-1 使われた跡のある浴室
    3. ペック夫人の猛襲-2 整理された邸宅を強調
    4. コロンボの疑惑-2 解剖に反対するデクスター
    5. コロンボの疑惑-3 クリフォードの激しい運動
    6. コロンボの疑惑-4 偏平足の足跡
  3. コロンボの捜査開始
    1. 容疑者-1 ノーマン・デクスター
      1. コロンボの疑惑-5 クリフォードは他殺
      2. もう一つ…1 ?
    2. 容疑者-2 リサ・チェンバーズ
      1. コロンボの疑惑-6 クリフォードと甥兄弟の関係
      2. リサの怒りの謎
    3. 容疑者-3 デクスター・パリス
      1. コメディアンコロンボ 料理番組に飛び入り参加
      2. うちのカミさん 4連発
      3. 凶器はミキサーであることに気付くコロンボ
      4. コロンボの本命はデクスター
      5. うちのカミさん-5 気が変わって
    4. 容疑者-4 弁護士 マイケル・ハサウェイ
    5. ペック夫人の猛襲-3 この野蛮人!
    6. うちのカミさん-6 あんまりぼやく
    7. ペック夫人の猛襲-4 お帰り!
  4. クリフォード・パリスの遺産の行方
    1. ノーマンの反応
    2. デクスターの反応
    3. 不可解な死
    4. コロンボのひらめき
    5. ペック夫人の猛襲-5 もう殺してやるから!
  5. コロンボ最後の追い込み
    1. うちのカミさん-7 おふくろの名誉
    2. コロンボの疑惑-7 浴槽から人を持ち上げられるか
    3. コロンボの疑惑-8 浴室から地下室までの距離
    4. コロンボの疑惑-9 双子の電話の回数
  6. コロンボの王手と補足
    1. 結局クリフォードを殺害した実行犯はどちら?
    2. リサを殺害したのはどちらか?
    3. 定番セリフの回数

殺害の動機と人物関係

凶器は調理用ミキサー

黒づくめの男が、料理で使うミキサーのコードを削って、何か仕掛けを作っています。

このミキサーに電源を入れたまま水の入ったバケツに放り込んで、感電の実験をしているようですよ。

つまりこのミキサーが、誰かを感電死させる凶器となります。

ミキサーを使っていることから、この後登場する弟の料理研究家デクスターと思ってしまいがち。
しかし着ている服が違うので見分けがつきます。

殺害の動機

資産家クリフォード・パリスは、自宅のトレーニングルームで弁護士のマイケル・ハサウェイと、フェンシングの手合わせをしています。

クリフォードの方が年上に見えますが、非常にエネルギッシュで完勝したようです。

それもそもはず、クリフォードは明日、孫ほども若い女性リサとの結婚を控えている心身ともに活気あるおじいちゃんです。

そしてお祝いに駆けつけたのが、今回の殺人犯だと思われる、甥で料理研究家のデクスター・パリスですね。

冒頭のミキサーに仕掛けをしていたときは、全身黒の洋服に身を包んでいましたが、今は暖色系のチェックのジャケットとズボンです。

今回の殺害動機ですが、明日伯父が結婚してしまうと、いずれその遺産が若い妻にわたってしまいます。

相続権がデクスターにあるうちに、伯父を殺害しようという魂胆です。

デクスターは軽口をたたいてばかりいる陽気な性格のようですが、一方で堅物の兄ノーマンがいます。

伯父のクリフォード・パリスはこの兄弟の不仲をとても心配しているようです。

パリス家の家政婦辛口ペック夫人

デクスターが、伯父クリフォード・パリス家を訪ねたのは、お祝いを伝えに来ただけではないようでした。

33年もの間クリフォードの世話をしてきた家政婦のペック夫人のために、デクスターはケーキを焼きに来たのです。

ペック夫人は今夜妹に会うそうですが、パリス邸を空にすることを気にしているようです。

だけどデクスターとしては、ペック夫人に出かけてもらって、伯父を一人にしたいわけです。

意味ありげに調理用ミキサーが大写しになって、オーブンからケーキを取り出すデクスター。

料理教室でやった通り、ケーキは会心の出来だったようです。

軽い調子のデクスターと違って、ペック夫人は毒ばかり吐いてますね。

このケーキを見たら、旦那様がくだらないと言ってごみ缶に放り込む、とか

デクスターの料理教室はきざったらない、とか

キッチンを散らかして片づけるからさっさと出て行って、とか

孫ほどの妻をもらうなんてみっともない、とか悪態をついてます。

どうやら新しい妻に,

自分の地位が脅かされる不安もあるようです。

このペック夫人、非常に生真面目な責任感の強い働き者なのですが、後にコロンボを追い詰める刺客となります。

イラついたペック夫人を、「愛してるよ、かわいいおばあちゃん。」と慰めて、デクスターはパリス邸を後にします。

車を走らせたデクスターは、邸宅の窓からのぞくペック夫人に手を振るのです。

ちなみにデクスターの車は、赤いフェラーリです。

実は車に乗って出て行ったのは、同じ服を着た双子の兄のパリスです。
弟のデクスターは、屋敷に残って隠れているというわけです。

 

警報スイッチを切ったのは誰?

デクスターが帰った後、弁護士のマイケル・ハサウェイも帰宅します。

ハサウェイを一緒に見送ったペック夫人に、クリフォード・パリスは、

「妹の家に行かなかったのかい?」と尋ねます。

パリス家を留守にすることが心配だったペック夫人に、クリフォードは、結婚後も家のことは全て任せるつもりだから心配せずに出かけるように、優しくうながします。

ペック夫人は戸締りをして、警報装置のスイッチを入れて、自室に引き上げます。

テレビをつけますが、妹の家へ出かけるつもりなのか上着を着ます。

そしてテレビドラマに夢中になってしまい、部屋の電気を消しました。

電気を消して暗くした方がテレビドラマが見やすいのか、雰囲気が出るからか分かりませんが、ペック夫人はテレビドラマを観るとき、必ず電気を消すようです。

一方で黒づくめの服に身を包んだ人物が、警報装置の電源を切るのです。

警報装置をオフにしたのは、こっそりパリス邸に潜んでいた弟デクスターです。
つまり暖色系の服を着ていたはずなのですが、黒い服に着替えたということになりますね。

クリフォード・パリス殺害

一度帰ったかのように思われたデクスター・パリスが、戻ってきて靴を脱いで庭からペック夫人の部屋をのぞいています。

さきほどは茶系の服だったのに、黒っぽい服に変わってますね。

その後、デクスターは入浴中のクリフォードの浴室まで入り込んで、「また来ましたよ。」と声をかけます。

お風呂までズカズカと入り込まれてびっくりするクリフォードに

「びっくりしたのはこっちですよ。結婚のお祝いを忘れちゃってね。」

と語るデクスターは、先ほどのお調子者キャラと違って、ただならぬ緊迫感。

今から人を殺そうとしているわけですから、シリアスな雰囲気です。

デクスターが黒いかばんから結婚祝いとして取り出したのは、調理用の小型ミキサーでした。

デクスターはこの小型ミキサーをコンセントにつなぎ、電源を入れます。

予想外のプレゼントに困惑しながらも、クリフォードはお礼を言います。

デクスターは、「ハハハ、とういたしまして。いい刺激になると思いますよ。」と言います。

そしてミキサーを、入浴中のクリフォードがつかっているお湯の中に投げ込みます。

そのままクリフォードは感電死ですね。

感電することにより電力を使い過ぎたのか、ヒューズが落ちて停電してしまいます。

ペック夫人が見ていたテレビも消えてしまいました。

慌ててテレビをつけようとするペック夫人ですが、つきません。

ペック夫人は部屋の電気をつけて明るくして確認しようとしたところ、テレビはつきました。

しかしテレビの色彩が悪く、紫になってしまってます。

同じころクリフォード殺害を終えたデクスターは、警報装置のスィッチを入れて、伯父邸を後にするのでした。

裸足でペック夫人の部屋をのぞいていたのは、デクスターに化けて車で出て行ったノーマンです。
クリフォード殺害後、警報装置のスィッチを入れたのはデクスターですが、立ち去って行ったのは双子の兄ノーマンです。
テレビ版で描写はないのですが、デクスターはこのままクリフォード邸にひそんでいます。
警報装置をONにしたら、外に出られなくなるので、先に兄を逃がしたのです。
デクスターは朝まで待って、ペック夫人が警報装置を切った後、脱出する予定でした。
これは小説版にのみ書かれている出来事で、テレビ版での描写はありません。
アコーディオンボックス内容

花嫁リサ登場

タクシーに乗って、クリフォードの花嫁リサがやってきます。

すらりとしたモデル系のクールビューティーですが、若いからか性格はキャピキャピしていますね。

てっきり年の差婚なのでお金目当てかと思ったのですが、このキャピキャピ感は、好きな男性に会いに来たキャピキャピです。

ペック夫人が制止するのを遮って、クリフォードの部屋に向かいます。

浴室に入りますが、浴槽はきれいに片づけられていて、誰もいません。

リサは、自分がプレゼントした自転車をこいでいるのかと、地下のトレーニングルームへと向かいます。

すると自転車の電源を入れたまま、動かなくなっているクリフォードの変わり果てた姿がありました。

結婚前夜に夫を亡くしたリサは号泣するのでした。

リサの来訪は予定になかったアポなしです。
ここで警報装置が切られるので、デクスターはその隙にクリフォード邸から脱出します。
リサの来訪はアポなしで予定になかったことでした。
ここでペック夫人が警報装置を切るので、その隙にデクスターは、クリフォード邸から脱出します。
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物語開始約12分コロンボ登場

ペック夫人の猛襲-1

物語開始約12分で、コロンボが葉巻をくわえながら愛車プジョー403に乗って登場です。

真夜中に呼び出されたからか、とっても眠そうでおおあくびしています。

服装もみだれて、ネクタイも締めずにだらんとたらしています。

警官のドブロンスキーがプジョー403のドアを開けて、「お気持ちよく分かりますよ。」とねぎらうのですが

コロンボ
コロンボ

そうかい?自分じゃ何も分かりやしない。

というほど、頭がもうろうとしているようです。

夫を亡くして泣きながら署へ向かう婚約者のリサに、マレー刑事がコロンボにハンカチを貸すように頼みます。

マレー刑事からクリフォード・パリスの死因が心臓発作であったことを聞くコロンボは、殺人課の自分が呼び出されたことに疑問を呈じます。

リサがヒステリーを起こして、誰かがクリフォードのお金を狙ったとか、健康そのもので死ぬはずがないと、騒いだからでした。

コロンボはクリフォードの遺体が見つかった、トレーニングルームの自転車を調べます。

まだ頭がぼんやりしているコロンボは、煙草の灰を自転車に落としてしまいました。

それを見たペック夫人が

「だらしない。おうちでそんな事ことしますか?どうです?」

とコロンボを注意します。

コロンボ
コロンボ

どうもすみません。こりゃどうもついうっかりして。

すいません。今きれいにします。

と、コロンボは平謝りしてと灰を拭こうとするのですが、ペック夫人は

「おやめなさい!すりこんだりして…。」とさらにご立腹。

コロンボ
コロンボ

いや本当にすみません。

アタシの悪い癖でしてね。つい…。

悪うございました。元どおりに…。

と水差しに入った水で、灰をきれいにしようとして、水差しを割ってしまいました。

クリフォードの大事な品を壊されたペック夫人の怒りは頂点、

「出ておいき!出ておいき!出ていけ!」とコロンボをトレーニングルームから追い出してしまいました。

これはコロンボの捜査を遮るとんでもない刺客がいたものです。

そりゃ誰だって家に煙草の灰を落とされたらイヤですよね。

コロンボの疑惑-1 使われた跡のある浴室

ペック夫人にトレーニングルームから追い出されたコロンボは、クリフォードの広い浴室で、目をさますべく顔を洗っています。

あれほどペック夫人に怒られたのに、ずうずうしくもきれいに掛けられたタオルで顔をふいていますよ。

コロンボはふとこの浴室に違和感を覚えます。

まず三つきれいに並べてかけられているはずの真ん中のタオルがありません。

そのタオルは、使った後のタオルを入れるためのかごにあり、湿っていました。

そこでコロンボは浴槽を調べると、同じく湿った石鹸を見つけます。

つまりこの浴室は、使われた形跡があるということです。

やっとコロンボの頭が冴えてきて、湿ったタオルを手にネクタイを締めて、捜査に入るのでした。

ペック夫人の猛襲-2 整理された邸宅を強調

コロンボが1階へ降りると、駆けつけたデクスター・パリスが警察の聴取を受けていました。

ペック夫人はコロンボを見て不機嫌そうですが、一応謝ります。

コロンボ
コロンボ

いやいやアタシこそおわびしますよ。

と、灰を落としたことを再び謝って、コロンボは今度はきちんと暖炉に煙草の灰を落とします。

なめたようにきれいになったところに灰を落としてしまい、この家には二階にもどこにも塵一つないことに感動するコロンボ。

するとペック夫人がタオルを手にしているコロンボに

「2階にいらしたんですか?

それは旦那様のタオルじゃありませんの?」

とチクチク攻撃を始めます。

コロンボは

コロンボ
コロンボ

正直に白状しちゃいますが様子を見てからちょっと顔を洗いたいと思ったんですよ。

頭スッキリさせたいんでね。

浴室をほんの1分だけ拝借しました。

汚しちゃいませんから。

と、おどおどと自分の事情を説明します。

そして濡れたタオルについてペック夫人に尋ねようとすると、夫人に

「この屋敷は常に整頓されています。昨夜のタオルが残っているはずがありません。」

と言い切られてしまいました。

コロンボ
コロンボ

ええ。

それはもうあなたのなさる事ですからもちろん…。

でもこいつ(タオル)は籠にあったんですよ。

おまけに湿ってる。

しっとりとね。

だからひょっとして…。

というコロンボを、デクスターが

「刑事さん。タオルなんかどうでもいいじゃないですか。

何をそんなに…。」

と話を遮ります。

ここかな?

コロンボがデクスターの犯行を疑ったのは。

コロンボの疑惑-2 解剖に反対するデクスター

マレー刑事が、コロンボにクリフォードの遺体について確認にやってきます。

コロンボは解剖するようにマレー刑事に指示します。

遺体を解剖すると聞いたデクスターは、激しく反対します。

コロンボ
コロンボ

シーッ。お静かに。

またあの人(ペック夫人)が頭にくるじゃありませんか。

とデクスターをたしなめるコロンボ。

解剖を反対したことで、コロンボのデクスターへの疑いは確実になったのではないでしょうか。

解剖を依頼するため立ち去ろうとしたマレー刑事を呼び止めて、コロンボはいくつか確認します。

マレー刑事に、警報装置をつけてから14年間、毎晩7時半頃にオンにすることを聞いたコロンボですが、もう一度チェックするように指示します。

それから外に足跡などが残っていないかチェックすること。

デクスターは、コロンボになぜ捜査を始めたのかと問いかけます。

コロンボ
コロンボ

あのよかったらしたの体育館へご一緒して頂けませんかね。

そうすればあちこち歩いてもペックさんを刺激せずに済むと思うんで。

とコロンボは、デクスターを連れ出すこと、ペック夫人の攻撃をかわすこと、同時に二つのことに成功しました。

ペック夫人に追い詰められてたじたじでしたが、お見事でした。

しかしペック夫人は、まだコロンボがウロウロすることに心穏やかでない様子です。

コロンボの疑惑-3 クリフォードの激しい運動

コロンボは地下のトレーニングルームで器具を調べます。

クリフォードはその年を凌駕するほど厳しいいトレーニングを行っていたことに気がつくコロンボ。

まずは元気な老人が、心臓発作で亡くなるかという疑問がありますね。

そして弁護士のハサウェイと、防具までつけた激しいフェンシング対決の後で、さらに自転車で体を鍛えたことも、疑問です。

また結婚前夜にそこまでトレーニングに熱中することも不思議ですね。

デクスターは、伯父は体を鍛えることに猛烈に凝っていたから不思議でもなく、わざわざトレーニングルームを作ったぐらいだとコロンボに説明します。

しかしコロンボは、クリフォードの死に一つ二つ不審な点があると言って、デクスターを浴室に連れ出すのです。

コロンボの疑惑-4 偏平足の足跡

コロンボは浴室が使われた跡があることを、デクスターに説明します。

そしてお風呂に入って汗を流したのに、さらにトレーニングして汗をかくのは不自然だというのがコロンボの疑惑の一つですね。

これは「疑惑-1 使われた跡のある浴室」でコロンボはすでに気がついていたことです。

そのときペック夫人を連れてマレー刑事がやってきて夫人の部屋の窓の外に、はだしで偏平足の足跡があったことをコロンボに報告します。

ペック夫人はテレビを見ていたので気がつかなかったと説明します。

コロンボは、ペック夫人が警報装置のスイッチをきちんと入れて、リサが来るまで誰も家に入らなかったことを再度確認しようとします。

しかしペック夫人が怖いのか

コロンボ
コロンボ

そう絶対に確かですね。

よく分かりました。

と、彼女の返事を聞くまでもなく、自己解決しています。

笑えるシーンですね。

デクスターは、クリフォード死亡時、家にいたのはペック夫人だけだったので、彼女を疑っているのかとコロンボを責めます。

コロンボは偏平足の足跡のことを持ち出すと、デクスターは刑事に偏平足が多いと聞くから、捜査関係者ではないかとほのめかします。

ちなみに偏平足とは足の裏のアーチがつぶれてしまって、土踏まずのへこみがないことですね。

画像を見ていただければ、足跡の違いがよく分かるでしょう。

コロンボは偏平足の刑事が多いなんて伝説だとデクスターを否定します。

コロンボ
コロンボ

偏平足のデカなんて見た事ないですよ。

例えばアタシだがいい曲線でしてね。

医者は特別製だって言ってますよ。

30年医者やってきたが、アタシみたいなのは初めてだってさ。

と何とコロンボはくつを脱いで、足裏を見せようとします。

そしてデクスターに

Columbo
Columbo

(靴を)脱いでごらんなさい。

アタシのと比べたら納得がいきますよ。

と言って、彼の足を確認しようとしてますね。

デクスターはコロンボのたくらみに気がついたのか

「刑事さん。手間を省いてあげましょうか。」

と言って、自分と兄が伯父の200万の不動産を相続することをすでにコロンボは知っているはずだと言います。

そしてデクスターは自分が偏平足であることも、コロンボに伝えます。

デクスターはコロンボが自分を疑っていることに気がつき、殺人事件をでっちあげようとしていると、ペック夫人に同意を求めます。

しかしコロンボが、クリフォードの死に不審な点、矛盾があると言うと、デクスターは黙ってしまいます。

そこへデクスターの双子の兄、銀行員のノーマン・パリスがやってきました。

デクスターとノーマンの瓜二つぶりに驚き、目を白黒させるコロンボ。

デクスターはノーマンに、

「こちらのコロンボはカミソリのごとき名探偵だ。殺人課でね。うたぐっておいでになる。」

と紹介します。

嫌味なようで、コロンボの実力をすでに認めていますね。

ノーマンは、コロンボにクリフォードの解剖に賛成だと言い切ります。

まるで自分にはこの事件にやましいことはないと言いたげですね。

デクスターは、自分たちが一卵性の双子で、兄のノーマンもまた偏平足だとコロンボに説明します。

コロンボにとっては容疑者がもう一人増えたわけで、混乱した様子で代わる代わる双子の顔を見つめます。

それを見てデクスターは、「ハハハハ」と高笑いし、不敵な笑みを浮かべています。

ここぞというときに、「ハハハ」と高笑いするのがデクスターの性分のようです。

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コロンボの捜査開始

容疑者-1 ノーマン・デクスター

コロンボの疑惑-5 クリフォードは他殺

コロンボは、ノーマン・パリスの職場である銀行を訪ねます。

銀行におさめられた見た事もない大金に落ち着かない様子のコロンボ。

コロンボはノーマンに、クリフォードはは心臓発作ではなく、心室の筋肉性振動で亡くなったことを伝えます。

つまりクリフォードの死因は、外からの強烈なショックによっておこされたすさまじい発作が原因だったので、コロンボは他殺を疑っているわけです。

コロンボの疑惑に気が付いたノーマンは、自ら自分も容疑者の一人に上がっていることをほのめかします。

コロンボ
コロンボ

あなた論理的ですなぁ。

いや参りました。

と素直に認めるコロンボ。

ノーマンは、暗に弟デクスターと違って、自分には遺産目的の動機がないと言い放ちます。

弟のデクスターの正確が、「気まぐれで軽薄、女好き、他人の財産を当てにしている」ため犯人は明らかであると、コロンボに伝えるのです。

もう一つ…1 ?

立ち去ろうとしたノーマンにコロンボは

コロンボ
コロンボ

実はもう一つお話があるんですが。

個人的なことなんで。

と、定番セリフ「もう一つ」を使って食い下がろうとします。

しかしノーマンは、「分かってます。」と言ってコロンボの質問内容を確認せず、以下のことを一方的に話します。

伯父クリフォードが死亡した事により遺産の半分はノーマンが相続すること。

しかしノーマンは自分の財産があるので、遺産目当ての殺人を起こす必要がないこと。

不法にお金を得るには、殺人より公金横領の方がたやすいこと。

よってノーマンに殺害の動機がなく、弟デクスターの犯行をほのめかします。

そしてノーマンは、サンフランシスコ行の飛行機に遅れると言って、立ち去るのです。

ですからコロンボが本当は何が聞きたかったのか、不明のままでした。

容疑者-2 リサ・チェンバーズ

続いてコロンボは、亡くなったクリフォードの婚約者リサを訪問します。

リサはレオタードを身に着け、テラスで、ヨガでいうところの「肩立ちのポーズ/サーランバサルヴァーンガアーサナ」を取っています。

恐らく太陽を浴びたいのでテラスで行っていると思われます。

しかしこのテラスの柵ですが、部屋の階層の高さに比べてちょっと低すぎじゃありませんか?

ちなみに「肩立ちのポーズ」は、逆転のポースの代表的なもので、ホルモンバランスを整えるポーズです。

リサは血を脳に送るためにこの逆転のポーズを行っているそうです。

リサの美しい肢体にコロンボも

Columbo
Columbo

目の保養になる。

なんて軽口をたたいています。

リサ逆立ちのポーズをしているテラスですが、柵が低いですよね。
これをコロンボが指摘する場面が、小説版でのみあります。
これはドラマ版では描写されなかった重大なシーンの伏線なんですね。

 

コロンボの疑惑-6 クリフォードと甥兄弟の関係

コロンボはこのときすでに、双子のノーマンとデクスターのどちらかが犯人だと疑っています。

ですからどちらの動機がより強いのかをリサに聞き込みに来たのですね。

リサは、クリフォードはどちらをひいきにしているかは分からなかったけど、不仲の双子が仲良くすることを望んでいたと言います。

またデクスターとは会ったことがあるけれども、ノーマンと面識はなかったとのことです。

美容意識の高いリサですが、婚約者クリフォードもまた体を鍛えることに凝っていたので、彼に心底心酔していたようです。

リサが言うには、今は挑戦のときで、活力の泉から生命力をくみあげるのだそうです。

そしてクリフォードは、肉体の美しさを愛したとリサは言います。

いかにもヨガにはまり過ぎている人がいいそうなフレーズです。

リサは本当にクリフォードを愛して、世間から年の差が過ぎると笑われていたことも承知していたようです。

ですからリサは、自分がクリフォード殺害の容疑者と思われていることも覚悟していました。

リサの怒りの謎

リサはコロンボと話してると「やな感じなのよ。」と言うのでコロンボは

コロンボ
コロンボ

そりゃどうも人相が悪いもんで。

と謝ります。

コロンボは、リサには動機がないのでクリフォード殺害の容疑者ではないと言います。

もしクリフォードと結婚後なら遺産目当ての殺害で容疑者に浮上するが、結婚前だったので動機が成立しないと説明するのです。

するとリサが気分を害し、コロンボに出ていくように遠回しにうながすのです。

コロンボはリサを微塵も疑っていないので、あっさりと引き上げました。

今回のコロンボ、なぜか女性にひどく嫌われてしまいますね。

この後明らかになりますが、実はリサはクリフォードの遺産の相続権を全て持っていたのですね。
クリフォードを純粋に愛したのに、遺産目当てだったら動機が成立するとコロンボに言われて腹を立てたわけなんです。

容疑者-3 デクスター・パリス

コメディアンコロンボ 料理番組に飛び入り参加

コロンボは、テレビで放送される料理番組に出演中のデクスター・パリスを訪ねます。

観客席の後ろの方で番組を楽しむコロンボですが、何と!デクスターに指名されて、お料理を手伝うことになりました。

とてもコミカルで楽しいシーンです。

何とこのシーンは、アドリブで撮影したそうですよ。

緊張しておのぼりさんっぽくなっているコロンボの演技が秀逸です。

コロンボのエプロン姿、なかなかきまってます。

うちのカミさん 4連発

料理番組終了後

Columbo
Columbo

何だか夢みてるみたいですよ。

アタシがテレビに出たなんて。

もうあがったなぁ。

アタシには一世一代のことでしたからねぇ。

と言うコロンボ。

なかなかよかったとコロンボを褒めるデクスターに

Columbo
Columbo

カミさんあんたのファンでしてね。

だから初めっからあんたの事はアタシは知ってたんだ。

Columbo
Columbo

帰ってからカミさんに話したらもう腰を抜かさんばかりでね。

根堀り葉掘り聞かれました。

Columbo
Columbo

カミさんに何か行ってやるんだった。

せっかくテレビに出たのに忘れしまった。

こりゃえらいこった。

まだどやされるぞ。

とまあ、まだ地に足がついていないのか、カミさん三連発。

もうコロンボの作戦なのか天然なのか分かりまてん。

凶器はミキサーであることに気付くコロンボ

ちょっとコロンボがうざくなったのか、デクスターは

「用は何です?」とコロンボの話を遮ります。

Columbo
Columbo

カミさんがあんたの料理法で作ると必ずひどいんだ。

とっても食えないんだよ。

あんたの言うとおりにやってるのに全くの殺人的。

とにかくもう災難だよ。

と、ここで殺人的という言葉を持ちだす当たり、計算してカミさんの話をしているのがうかがわれます。

Columbo
Columbo

だからアタシはね、道具のせいだと言ってるんですよ。

コロンボのにおわせ、ほのめかし発言を何となく察したのかデクスターは

「あんたの話を聞いていると取りとめなくてイライラしてきちゃうな。」

と、話を遮ろうとします。

しかしコロンボはおかまいなく

コロンボ
コロンボ

いい道具推薦してくれませんかね?

例えばミキサーですがほら片手で持てるようなちっちゃいやつあるでしょ?

とコロンボは、料理用のミキサーがクリフォード殺害に使われたことを、調べ上げているようですね。

デクスターが立場上、特定の銘柄を推薦できないと断ると、コロンボはやっと本題に入ります。

コロンボの本命はデクスター

コロンボはクリフォードが感電のショックで亡くなったことをデクスターに伝えます。

デクスターはクリフォードが最後に乗っていた自転車かとコロンボに尋ねます。

コロンボは自転車は専門家に見せたけど、問題なかったと答えます。

そしてクリフォードが殺されたのは確実だと、コロンボは断言します。

一方デクスターはコロンボに否定的で、クリフォード殺害容疑を「探偵物語」と揶揄し、「頭が変になってくるよ。」と、立ち去ろうとします。

コロンボはかまわず、クリフォードの死因は、入浴中の浴槽に、電気器具が投げ込まれ感電したからではないかとほのめかすのです。

さすがにコロンボに疑いをかけられたことにはっきりと気がついたデクスターは、怒りをあらわにします。

コロンボは、すでにデクスターが先週2台ミキサーを購入したことを秘書から聞いています。

コロンボの、クリフォード殺害の容疑者の本命は、デクスターのようですね。

デクスターは、兄ノーマンが自分を調べるようにけしかけたと感じますが、コロンボは否定します。

デクスターは、先週購入した2台のミキサーをコロンボに見せ、容疑をはらそうとします。

そしてノーマンのモノマネをしてくれます。

「デクスター?散漫で気まぐれだ。

遺産欲しさに伯父の死を願っている。

そう容疑者なら弟から目を離さんことです。

ではこれで。時間ですので。ごきげんよう。」

これはコロンボも絶賛するほどそっくりです!

まるで同一人物かと思うぐらい。

まあ、同一人物なんですけどね…。

コロンボは、ノーマンには財産もあって、クリフォードを殺す動機がないと、デクスターに言います。

するとデクスターは、ノーマンには隠れた一面があり、伯父殺害の動機もあると言って、コロンボを連れ出すのです。

デクスター仕事で忙しいとさっきコロンボを断ろうとしたのに、いいんでしょうかね。

うちのカミさん-5 気が変わって

デクスターはコロンボを、ラスベガスのカジノに飛行機で連れて行きます。

ベガスは初めてか問うデクスターに

コロンボ
コロンボ

2年前に来ることになってたんですがね。

土壇場になってカミさんの気が変わって動物園になっちゃったんですよ。

大変な違いだな。

と、コロンボは答えて、定番セリフの「うちのカミさん」の登場ですね。

ラスベガスのカジノには、ギャンブルに夢中になるノーマンの姿がありました。

ノーマンはギャンブル狂で、毎週水曜日には必ずカジノに行くのでした。

デクスターが再度ノーマンのフリをして、キャシャーに、コロンボが負債を清算してくれると話しかけます。

コロンボも刑事だけあって手慣れたもので、現在の負債がいくらか帳簿を確認したいとキャシャーに申し出ます。

デクスターがノーマンだと疑わないキャシャーは、あっさり帳簿を見せてくれます。

ノーマンの借金は、3万7,500ドル。

1973年同時1ドル=280円。つまり、10,500,000円ですね。

しかも当時より現在の物価は、2倍とも4倍とも言われていますので、2千万から4千万ぐらいの借金があるということです。

これを聞いてコロンボの表情が曇りました。

コロンボの中では、クリフォード殺害容はほぼデクスターで確定していたのに、新たにノーマンという動機十分の容疑者が現われたのです。

コロンボの捜査は振り出しに戻ってしまいました。

容疑者-4 弁護士 マイケル・ハサウェイ

コロンボは、クリフォード邸で遺品の管理中の弁護士マイケル・ハサウェイを訪ねます。

ハサウェイはクリフォードのビジネスマネージャーも務めており、価値ある美術品や不動産の管理もまかされているのですって。

価値あるクリフォードの遺した美術品に、コロンボが何かおいたをしないかとペック夫人が目をひからせていますよ。

コロンボがハサウェイに、クリフォードの双子の甥について尋ねると

「デクスターは役立たず、ノーマンは横柄。」なのですって。

それを聞いて不機嫌を露わにするペック夫人。

双子はペック夫人が育てたので、愛情が並みならぬものだそうです。

ペック夫人の態度を見て、ハサウェイが彼女に嫌われているとコロンボは言います。

さてハサウェイは、双子のどちらがコロンボの本命の容疑者かと尋ねます。

コロンボ
コロンボ

二人ともに動機はあるように思えるんですがね。アタシは動機中心主義で。

と、コロンボが、動機を大切に捜査をしているキャラだって分かりますね。

ハサウェイは、ノーマンのギャンブル好きを知っていましたが、クリフォードには隠していました。

クリフォードは一見堅実そうなノーマンの方がお気に入りでしたが、殺害当日にやってきたのはデクスターでした。

ハサウェイはまた、リサも双子とはほとんど交流がないと言います。

そして自分も容疑者の一人に当たるだろうと、コロンボにかまをかけます。

故人の遺言書がない場合、遺産の管理人が稼げるケースもあるので、ハサウェイも容疑者リストに名は挙がっています。

ですがコロンボの捜査によると、クリフォード殺害時、ハサウェイは弁護士のパーティーに出席していたというアリバイがありました。

コロンボにとっては、ハサウェイはは有力な容疑者ではありませんでした。

ペック夫人の猛襲-3 この野蛮人!

コロンボが灰皿に煙草の灰を落とすと、何とペック夫人が

「何するの この野蛮人!銀製の美術品に安物の葉巻の吸い殻なんて入れて!」

と大激怒!

コロンボ
コロンボ

いや灰皿かと思って…。

うちにあれそっくりのやつがあるもんで。

とコロンボは言い訳しますが、ペック夫人は走り去って行きます。

ペック夫人はキッチンで、コロンボに汚された銀製の美術品を懸命に磨いています。

夫人を追いかけてきたコロンボは、平謝りです。

コロンボ
コロンボ

ペックさんアタシはなっからあんたの気に障るような事ばっかりやってきました。

あんたが宝のように思ってるお屋敷にズカズカ入り込んできたんだから嫌われるのも無理はないでしょうけれども…。

 

アタシにだって感情はあります。

そりゃだらしがなかったのはおわびします。

こいつはどうもアタシの悪い癖で長年直そう直そうとはおもってるんだがどうも治らない。

つまり生まれつきだらしがないんです。

 

しかしあんたに無作法を働いた事はありませんよ。

アタシはあんたの長年のご主人を殺した犯人を一生懸命捜そうとして来てるのにそのアタシを目の敵にして責めるんじゃそれは筋が違うんじゃないでしょうかね。

と素直に謝りつつも、自分の言い分もしっかり言いますね。

コロンボの謝罪を受けてペック夫人の心も動いたのか、コロンボにクッキーをごちそうしてくれるのでした。

うちのカミさん-6 あんまりぼやく

ペック夫人とすっかり和解して、彼女の部屋でくつろぐコロンボ。

クリフォード死亡の当日、ほんのちょっとした事でもいいから気がついたことがないかと、コロンボは夫人に尋ねます。

ペック夫人は、少しの時間テレビが消えて、その後ついたけど色が悪くなってしまったと言います。

コロンボは、テレビの修理がばか高いので、色の調整なら任せてくださいとペック夫人に言います。

Columbo
Columbo

カミさんがあんまりぼやくんでスーパーに行って「修理の手引き」っていうやつ買ってきて猛勉強したんですよ。

と、うちのカミさんの登場です。

ペック夫人の猛襲-4 お帰り!

コロンボはペック夫人のテレビを修理しながら、クリフォード死亡時の詳しい話を聞き出します。

テレビが消えたのは20秒ぐらいで、8時5分頃だった。

部屋の明かりは消してあったので、他の電気機器が消えたかどうかは分からない。

リサが来たのは8時30分頃だった。

しかしコロンボ、うっかりペック夫人のテレビを壊してしまいます。

再び怒りをあらわにするペック夫人は

「お帰り!」とコロンボを追い返そうとします。

コロンボは

コロンボ
コロンボ

修理屋に言えばあっという間に治ります。

修理代はアタシが持ちますから。

と言い訳しますが、ペック夫人は「お帰り!早く」の一点張り。

ちなみに「お帰り!」だと若干丁寧な印象ですが、英語では「OUT!」、つまり「出て行け!」というニュアンスで怒鳴ってますね。

せっかく和解したと思ったのに、コロンボはまたペック夫人の逆鱗に触れてしまいましたとさ。

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クリフォード・パリスの遺産の行方

ノーマンの反応

弁護士ハサウェイは、双子の兄ノーマンの自宅か職場かを訪ねています。

実は亡くなったクリフォード・パリスは、遺産の総てを婚約者のリサに残すという遺言を書いていたのでした。

自分に遺産が渡らないことを知ったノーマンは、戸惑いを隠しきれません。

その様子をニヤニヤしながらながめるハサウェイって、本当に性格が悪いですね。

今時珍しいことですが、リサはクリフォードのの財産に全く関心がなかったのでした。

その様子が逆にクリフォードの心を打ったのでしょうか。

リサの純粋な愛を信じた証として、結婚するしないに関わらず、遺産を全て彼女に残したのです。

つまりクリフォードを殺したとしても無駄骨だったというクリフォードを、パリスは一切否定しないんですね。

ひたすら遺産が自分に渡らないショックを隠そうともしません。

しかし遺言状は、クリフォードとハサウェイとリサが持っている3通だけです。

クリフォードの遺言状を、ハサウェイはすでに入手していますから残るはリサのものだけです。

ハサウェイは

「つまりあの美人だがあまり利口でない娘を口説いてその1通を取り上げる事もできるという事だ。」

とまあひどい言い方。

するとクリフォードの遺言状を無かったことにできるので、遺産はノーマンとデクスターのものになります。

ハサウェイはその条件として、今後も自分を弁護士およびビジネスマネージャーとして契約するようにパリスに言うのです。

デクスターの反応

ハサウェイは続いて、双子の弟デクスターに、同じ条件を示します。

デクスターが承知したので、ハサウェイはリサに電話をかけます。

リサはすでにコロンボの聞き込みを受けて、多少参っているようでした。

それを良いことに、ハサウェイはは、クリフォード殺しの第一容疑者はリサだと脅かすのです。

特にリサに遺産を譲るという遺言書は、クリフォード殺しの決定的な動機と証拠になるとハサウェイは言います。

そして警察の捜索を受ける前に、遺言書をハサウェイに預けることが最善策だとリサに説明するのです。

すっかりクリフォード殺しの犯人にされることに怯えたリサは、ハサウェイと5時に会う約束を承諾するのでした。

リサ、好きなキャラクターですが、確かにちょっと利口ではありませんでしたね。

それにつけてもハサウェイも鼻もちならないヤツですね!

不可解な死

約束の時間に、リサの家を訪ねるハサウェイ。

クリフォードの遺言状は、リサがハサウェイに渡そうと用意していたのか、部屋のテーブルにありました。

しかしリサの姿は見当たらず、ハサウェイがテラスをのぞくと、彼女は転落死していたのです。

慌てて逃げようとするハサウェイでしたが、警察に見つかってしまいました。

リサ、好きなキャラクターだったのに、亡くなって残念です。

このリサの死ですが、実はテラスで逆立ちのポーズをしていたときに、うっかり転落してしまった事故死です。
ドラマ版では一切説明されていないので、視聴者はノーマンかデクスターが殺したと思いがち。
弁護士ハサウェイすらそう思い込んでいます。

 

コロンボのひらめき

弁護士マイケル・ハサウェイのリサ殺し容疑の逮捕を受けて、コロンボはデクスターを訪ねます。

ハサウェイは、リサを訪ねる時間を知っていたデクスターが、先回りして彼女を殺したのだと主張しているからです。

デクスターはもちろんこれを否定します。

コロンボは、ハサウェイから入手した、ノーマンとデクスターのサイン入りの契約書を取り出します。

ハサウェイを弁護士およびビジネスマネージャーとして雇うという契約書でした。

デクスターもノーマンも、クリフォードの遺産を引き継ぐと思ったので、遺産管理に弁護士が必要だから契約したと説明します。

不仲だった双子がともに同じ契約書にサインしていることを不信に思ったコロンボは、仲直りしたのかとデクスターに尋ねます。

デクスターはこの2年間で、兄に電話したのは今日が初めてだと説明します。

そしてその時に、ハサウェイがリサと5時に会うこともノーマンに話したので、彼女を殺したのは兄ではないかと、デクスターは言います。

クリフォードとリサを殺したノーマンは、テレビ番組に出ている自分よりより有名になると、デクスターは軽口をたたくのです。

しかしコロンボが本当にノーマンがリサを殺したと思うかとデクスターに尋ねると、彼は否定します。

デクスターの推理
ハサウェイとリサが手を結び、リサがクリフォードを殺害。
しかし二人の間で何かがもつれて、ハサウェイはリサを殺害。

これを聞いたコロンボは、何かひらめいたのか宙を見つめます。

それを見たデクスターが、コロンボと同じ方向に何かあるのかと見つめるのは、ちょっと笑えるシーンです。

コロンボ
コロンボ

大変参考になりました。

じゃ、さよなら。

としつこいコロンボが、あっさりと帰って行きました。

さあ、コロンボの中で、線と点がつながりました。

最後の追い込みの開始です。

ハサウェイとリサが共謀していたというデクスターの推理を聞いたコロンボ。
デクスターとノーマンの共謀に気がついた。

ペック夫人の猛襲-5 もう殺してやるから!

コロンボは、クリフォード邸で何か実験をしています。

テレビドラマを楽しんでいたペック夫人、コロンボのせいでテレビが消えて大激怒です。

コロンボは、浴室で電気を落とした後、地下室にあるブレーカーをつけに行くまでの時間を計っています。

夢中になっているコロンボはペック夫人の怒りもガン無視です。

ブレーカーをつけたコロンボは、テレビはもうついているはずだから、部屋に戻るようにペック夫人に言います。

コロンボの言う通り、ペック夫人の部屋のテレビはついていました。

しかしテレビの色調が悪く、またしても紫になってしまったので、ペック夫人は怒り心頭。

「もう殺してやるから!」

なんて叫んでますよ。

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コロンボ最後の追い込み

うちのカミさん-7 おふくろの名誉

再度クリフォード邸を訪れたコロンボ。

庭にテレビの修理車が停車しています。

煙草をくわえていたコロンボ。

少し考えたあげく、煙草を庭の花壇にポイ捨てします。

お行儀が悪いというか、あれほどペック夫人に叱られたのに、まだだらしがないことしてますよ。

ペック夫人に、コロンボはテレビの修理代は払うと申し出て。

コロンボ
コロンボ

何も触りません。

それはおふくろの名誉に懸けて誓いますからどうか入れてください。

とクリフォード邸の訪問許可を願います。

ペック夫人はこれを飲みました。

コロンボは家族の話をよくするということで、「おふくろの名誉」も「うちのカミさんとして数えています。」

コロンボの疑惑-7 浴槽から人を持ち上げられるか

コロンボがクリフォード邸に入ると、デクスターとノーマンが、美術品の相続で悪態を突き合っています。

コロンボを見つけた双子に

コロンボ
コロンボ

今日は逮捕したいと思いましてね。

と、核心をつきます。

そしてコロンボは、双子を浴室に案内するのです。

コロンボは、浴槽に入って、ノーマンに引っ張り上げてくれるように頼みました。

ノーマンの力では、コロンボを浴室から引っ張り出すことはできませんでした。

それをニヤニヤ見て「ハハハ」と高笑いしているデクスター。

今コロンボは、犯行の根本にせまる実験をしているのにのんきなものです。

つまりコロンボは、男性一人の力で、浴槽から人を引っ張り出すのは無理だと言いたいのです。

コロンボの疑惑-8 浴室から地下室までの距離

続いてコロンボは浴槽に水をためて、電気の入ったミキサーを放り投げる実験をします。

クリフォードを、火傷も傷も残さずに感電死させる方法でした。

コロンボがミキサーを浴槽に投げ入れると、ヒューズが落ちて、またペック夫人の部屋のテレビが消えてしまいました。

そのままコロンボは、ヒューズのある地下室に皆を案内します。

浴室から地下室に、行くまでにかかった時間は67秒でした。

しかしペック夫人のテレビが消えていた時間は、たったの20秒ほどだったのです。

コロンボの疑惑-9 双子の電話の回数

コロンボが浴室から地下室まで67秒きっかりだと伝えると、デクスターは

「面白いね。新発見だよ。」と茶化します。

コロンボ
コロンボ

いや~そうじゃないでしょう。ご存知だったはずです。

と言い切るコロンボ。

コロンボ
コロンボ

あれには弱りましたよ。

初っぱなから頭痛の種だった。

とコロンボが語るのは、ペック夫人が警報装置のスイッチを入れた後、犯人がどうやって屋敷に入ったかでした。

ノーマンは、デクスターが、事件の前にクリフォード邸にいたことをほのめかします。

しかしデクスターは、家から出て行き、庭からペック夫人に手を振ったことを強調します。

しかしコロンボの推理では、デクスターはそのまま家に残り、ペック夫人に手を振ったのはノーマンだということでした。

デクスターはそのままクリフォード邸に潜み、警報装置のスイッチを切って、ノーマンを招きいれたのです。

「冗談じゃない。」とこの推理を否定するデクスター。

ノーマンも「その説は承服しかねますな。」と同じく否定します。

デクスターは、ハサウェイとの弁護士契約の話をした以外、2年間ノーマンに電話をかけたことがないと言いました。

しかしコロンボの調査では、この10日間で、双子は20回以上も電話をかけあっていたのです。

これがコロンボの決め手でした。

双子の育ての親ペック夫人は

「この二人が旦那様を殺したって…?二人ともよい子どもだちです。」

と否定します。

コロンボ
コロンボ

そのよい子どもたちが金欲しさにけんかを忘れて協力し、大変悪いことをしたんです。

というコロンボ。

コロンボは、浴室から67秒もかかる地下室で、20秒でヒューズを入れるには、誰かが待ち構えているしかないと言います。

そして浴室からクリフォードを持ち上げるのも、一人ではとてもできないので、協力者がいるはずだと主張します。

双子の共犯が明らかになる中、ペック夫人は耐えられず「やめて」と叫びます。

ノーマンが、

「いいんだよペックさん。事実は事実だし。言われた通りだ。ただあなたには見せたくなかった。」

と自白しました。

「黙れ!」と叫ぶデクスター。

双子は警察に連行されてゆきました。

残ったペック夫人をコロンボがいたわります。

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コロンボの王手と補足

今回のコロンボの王手は、一人では無理な犯罪だったので、双子の共犯であったことを突き止めた、でした。

ただはっきりとした証拠があるわけではなく、強いて言えば、動機が明確であること。

そしてと仲の悪いはずの双子の20回を超える電話ぐらいでしょうか。

あくまで状況的に可能な状況証拠ですね。

ですがノーマンが自白したので、王手は「自白に追い込んだ。」も一手となるのでしょうか。

結局クリフォードを殺害した実行犯はどちら?

この物語の最大の謎ですが、結局ミキサーでクリフォードを感電死させたのが双子のどちらかが明確でないんですね。

どうしても分からなかったわたしは、これが明確でないとブログが書けないと思って、以下のサイトで質問しました。

よかったらわたしのコメントがあるので読んでみてください。

17話「二つの顔」 | ブログ刑事ぼろんこ (fact-web.com)

当初わたしは、浴室にミキサーを持ってあらわれた男が、それまでクリフォードと話していたデクスターとすごく雰囲気が違うように感じました。

ですから、この男はノーマンで、彼が殺人実行犯であると考えました。

ドラマの中では、デクスターが暖色系の服、ノーマンが寒色系の服を着ていることもあって、黒い服はノーマンだと思い込んだのです。

しかしこのサイトでコメントしたところ、

クリフォードが殺害時、殺人者は「また来ましたよ。」と言ってるので、さっきまで会話していたデクスターと考えたことが自然であること。

またいくらそっくりの双子だからって、伯父ならば見分けがつくだろうということで、デクスター説が濃厚とのことでした。

そこでわたしはもう一度そのシーンを見ると、殺人者が「ハハハ」と高笑いするんですね。

ノーマンは作品中一度も笑うことがなかったのに、デクスターは頻繁に高笑いしています。

何でこのシーンで笑うんだろうとドラマ観賞中、ずっと気になってたんです。

おそらくデクスターの癖か、キャラクター付け、ノーマンとの差別化だと思われます。

またラストシーン、ノーマンはあっさり罪を認めたのに、デクスターは抵抗しました。

デクスターが殺人者でより罪が大きく、協力しただけのノーマンの方が罪が軽くなります。

ですからノーマンは、デクスターよりは比較的心理的負担が少なく、罪を認めることができたのかもしれません。

そこで実行犯ノーマン説から、デクスター説にわたしの心情が変化しました。

これを証明する方法がないかと思い悩んだところ、刑事コロンボは小説版が存在します。

小説版には、尺の都合でドラマで描き切れなかったシーンを、翻訳者が細くしているそうです。

ちょうど近所の図書館に、小説版があったので借りて読んでみました。

小説版によると、殺人実行犯はデクスターでした。

物語冒頭、ミキサーで感電の実験をしているのも、小説版ではデクスターです。

この殺人計画を立てたのは兄のノーマンで、当初は殺害も彼が請け負う予定でした。

ですが臆病物のノーマンは土壇場になって、殺人実行犯を弟デクスターに頼んだのです。

リサを殺害したのはどちらか?

さらにリサを殺したのも、双子のうちどちらかが分からないままになっています。

実はリサ死亡時のネタバレボックスにすでに記載していますが、リサは殺害されたのではありません。

テラスで逆立ちのポーズをとっているときに、うっかり自分で転落死したんです。

これもドラマ版では説明しておらず、小説版のみの補足になります。

定番セリフの回数

定番セリフ、「うちのカミさん」は、7回登場しましたが、そのうち1回は「カミさん」ではなく、「おふくろ」でした。

ですから6回と数えてもいいかもしれません。

「もう一つ」は、一回だけの登場でした。

今回のコロンボは、殺害実行犯が結局双子のうちどちらかが分からず、わたしにとって最も難解な作品となりました。

刑事コロンボシリーズで「二つの顔」は、それほど評価の高い作品ではないようですが、図書館に小説版があってよかったです。

ただしウイキペディアによると、元になったアメリカ版の小説は存在しないそうです。

ですから、日本の翻訳者が独自に補って書き起こしたもので、オリジナルとはストーリーやトリックに相違がある場合があるそうです。

ではまた、刑事コロンボでお会いしましょう!

 

朗報! BSプレミアムで9月18日(土)より、「刑事コロンボ」の放送が再スタートします。

追いつかれないように頑張ってブログ書きます!

 

 

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