アール企業が、ある時期に誰もが知っている大企業に買収された話はすでに何度かこのブログに書いている。
その企業より天下りしてきたケチが現在の社長である。
それ以後、アール企業はその親会社である大企業の天下り先と化した。
まずは社長の友人で、親会社を定年退職した60歳過ぎのある老人が、嘱託社員として総務に入社した。
つまりナオミ課長の部下である。
この老人を、Mrラインと名付ける。
理由は後から出てきます。
Mrラインは天下り社員なので、当然のごとく、わたしたち契約社員よりはるかに良い給料をもらっていた。
時給にして倍近くあったんじゃない?
同じ部署のジンジさんが嘆いていた。
自分よりはるかに働きの悪いMrラインが、自分よりはるかに良い給料をもらっていたことも、ジンジさんがアール企業に絶望して、退職した理由の一つかもしれない。
しかしMrラインは元システムエンジニアだけあって、仕事の覚え等は悪くはなかったみたいよ。
ただ若い女性よりは、はるかに使いにくいわな。
そしてご高齢のため、頻繁に居眠りしていた。
こっそり居眠りする、とか、うっかり居眠りする、とかのレベルではなく、がっつり机に突っ伏して居眠りしていたのである。
そのときのイメージ写真。
この写真はあくまでイメージ画像です。
登場する人物、団体は実在のものとは一切関係ありません。
だがMrラインがどんな人物であろうと、特にわたしに害はない。
だからわたしにとってMrラインはどうでもいい存在だった。
しかしある日、事件が起こる。
職場のあるパート女性のラインに、Mrラインがいつの間にか友達追加されているというのだ。
だからMrラインと名前をつけました。
そしてそのMrラインが自動的に友達追加されたパート女性を、瞳さんという名前にしよう。
瞳さんは気持ち悪いと激怒して、すぐにラインをブロックしたという。
そしてMrラインに、なぜ自分のラインを知っているのか、問い詰めようと思うと言っていた。
当時わたしはラインのシステムがよく分からなくて、フェイスブックと似たものかと思っていた。
フェイスブックって、友人の友人やら、地域が同じ人が勝手に友達候補として上がってくるやん。
それと同じで、Mrラインと同じ部署のジンジさんが友達登録しているか何かで、自動追加されたんじゃないの、と瞳さんを諭した。
ちなみに紙袋さんもジンジさんも、Mrラインが友達追加されているという。
瞳さんは懸命にラインのシステムを調べて、相手の電話番号を知らない限り、ラインが友達追加されることはないと、言い張っていた。
わたしのラインには、Mrラインは友達追加されていなかった。
それはそのように見知らぬ人が友達追加されることを恐れて、最初から許可した人のみ友達に追加するという設定をしていたからである。
だから瞳さんも最初からそういう設定にしておけばいいのに、ラインなんて情報を吸い上げられるアプリだって覚悟を持って使わないとって内心思っていた。
瞳さんが騒ぎ立てることなど、どうでもよかったのである。
そんなわたしが退職をひかえたある日のこと。
わたしは乙女課長とアトム部長の三人で飲みに行った。
会社近くのお店だったので、Mrラインともう一人の天下りじーさんが二人で飲んでいるのに遭遇してしまったのである。
当初は別々に飲んでいた。
しかし酔っ払ったMrラインは帰り間際に、わたしに話しかけてきた。
「ころんさん、辞めるんだってね。
僕のラインに、ころんさんも友達追加されてるよ。」
そしてスマホをいじりながら、わたしのラインを探してるみたいだったが、そもそもわたしのライン設定だと、友達追加されているはずもない。
何言ってんだ、この酔っ払いと思っていたら、Mrラインは結局わたしのラインを見つけるのをあきらめて帰って言った。
わたしの退職後も、ラインで連絡取り合おうってことだったのかな。
よく分からん。
そしてここからは、わたしが退職してから聞いた話。
どうしてもMrラインがライン上で友達追加されたことに納得いかなかった瞳さんは、同じ総務の仲の良い女性に頼んで、調べてもらったらしい。
するとやはりMrラインは、総務という個人情報を閲覧できる立場を利用して、女性社員の携帯のみ、こっそり自分の携帯に登録していたらしい。
なぜそのようなことをしたか、ナオミ課長が問い詰めたところによると、その理由は緊急事態のときに連絡を取るため、だったらしいよ。
それだったら社員全員を自分の携帯に登録する必要があって、なぜ女性社員のみ登録したのが理屈が立たないわな。
間違いなく女性社員の携帯番号のみ盗み取ったのは、下心、女性社員と少しでも仲良くなるきっかけがほしいというスケベ心だったのだろう。
で、Mrラインはナオミ課長の目の前で、女性社員の携帯番号を抹消した。
携帯電話番号を盗みとられた被害者の女性たちは、ひとりひとり会議室に呼び出され、ナオミ課長から直々に謝罪を受けたというわけです。
残念ながら、わたしは退職していたので、ナオミ課長から謝罪は受けられませんでした。
もちろんわたしの携帯番号も盗みとられていたはずなのにね!
だからあの酒の席で、Mrラインに、「ころんさんのライン、知ってるよ。」とからまれたのにね。
これにて一件落着。
とは納得ができない人もいて、瞳さんは、なぜいまだにMrラインがのうのうと総務で働き続けているのか分からんとプリプリ怒っておった。
そらそーだわな。
普通部署移動とか何らかの制裁は受けるわな。
でも社長の友人で天下り社員だから、無罪放免。
ナオミ課長も恐らく社長までこの事件をあげてないでねーの?
似たようなことをして、知り得た個人情報を宗教の勧誘か選挙活動に使った乞食部長は退職まで追い込まれたのにね!
さて、今回でアール企業シリーズは、一応完結です。
最後、こんなしょーもない事件記事でごめんなさいね。
また何か面白いことを思い出したら、記事にします。
ということで、ころんは無事、アール企業を卒業いたしました。
さよなら、アール企業。
さよなら、バカども。
アデュー