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それはこっちのセリフです  後書き

漫画

このお話では
信じていた世界を失って
途方にくれる女の子の喪失感や悲しみを
描きたかったのに、
中途半端に新しい恋のお相手、
幼なじみの男性を登場させたがため
何とも薄っぺらな話になってしもうたわ。

 

このてっちゃんってキャラクター
いらなかったよね。

 

こいつが登場したがため
この主役の女の子、
すごいあっさり立ち直ってるし。

 

でもこいつがいないと
主人公の状況が
あまりに
救いがなさすぎる気もする。

 

持ち込みのときも言われたわ。
主人公がさばさばしすぎ。

 

親友の女の子が同情して泣くけど
そりゃ泣くでしょ、
なんであなたが
泣くのじゃないでしょ
ってね。

 

職場の奥様が
わたしの漫画を
見たいっていうから見せたのね。

 

っていうかこの頃、
仕事中に漫画を描いてたわ・た・し。

 

だから仕事をクビになったのではなく
単に営業成績が悪く
数字数字って言われるのがイヤになって
辞めてやった。

 

だって給料下げたくせに
ノルマ上げて
仕事量増やされたんだよ。
やってられませんよ。

上司に文句言ったら
どこも厳しいからそうやー
って怒られたわ。

だから当てつけに
仕事中に漫画描いてやったわ。

 

怒られませんよ。
だってころんちゃんだけ
治外法権ねって言われてたからね。

 

ちなみに漫画描いてる時間の
お給料はもちろんもらってませんよ。
そもそも嘱託社員だもん。

 

で、仕事中に漫画描いてる以上
見せてって言われたら
見せなきゃしょうがないやん。

 

仕方なく見せて
で、読んだ方も
ほめなきゃしょうがないやん。

 

いちよう
全然プロでもおかしくないねー
ってお世辞を言われたわ。

 

で、持込のときに
主人公がさばさばしすぎて
悲しみをきちんと描けてないから
ダメなんだって。

もっとドロドロさせないとダメらしいって
答えたら

 

「そやねー。
ころんさん、
不倫したことないでしょ。」

 

って言われたわ。
ええ、ありませんとも。

 

秩序を愛する
プチ初老ころんにとって
不倫など
最も汚らわしい行いでございます。

 

人の男をほしがって
法律に逆らう行為など
意地汚い
破廉恥な女のすることでございます。

 

基本このような考えのわたしですから
その思いをこめて
彼の既婚が分かったとたん
あっさり見切りをつけた
主人公になったのかもしれないね。

 

漫画の先生にも
持ち込みで
主人公があっさりしすぎって
言われました~
って泣きついたら

 

「ころんさんがそういう性格だから
仕方ないよね。」

 

って言われちゃった。

 

わたしけっこう
ドロドロした性格なんですけどね。

 

そして今この漫画を読み返して思うのは
わたし、
オサレで素敵な恋愛漫画を描こうとして
必死だなというアップアップ感である。

 

主人公のはるかが
貴之と出会うシーンとかさ。
今読んだら恥ずかし過ぎるわ。

 

何とか
素敵で憧れられる恋愛エピソードを
って思って作ったんだろうね。

 

だけど
だいたいモテない人生を
送ってきたわたしに
オサレで素敵な恋愛漫画なんて
描けるわけないやん。

この話を描きながら、
わたしもう、
恋愛漫画描くの無理っすって
思った記憶がある。

 

そのようにアップアップ感溢れる
うっすい作品になったものの
わたしが一番こめたかったこと
ラスト近くのはるかのセリフ

「わたしは誰かに
幸せにしてもらおうとは思わない。
自分の力で幸せになる。」

は、何とか表現できたので
まあ、良しとするか。

 

2年ほど前に書き上げたお話なんだけど
わたしにとって漫画っていうのは
ブログとも似てて
そのとき感じたこと経験したこと
わたしなりの答えや成長を
日記のように
作品にこめて描くわけです。

 

この頃のわたしに
そのように考える出来事、
そのように割り切りたい
何かしらの出来事が
あったのでしょうな。

 

自分の力で幸せになるとは、
永遠のテーマでは
ございませんか。

 

簡単に、幸せとか、幸せにしてやるとか
幸せにできなくてごめんとか言うなってね。

幸せの大安売りだよ。
幸せってそんなちょろいなものなの?

 

ただ漫画にそのような気持ちをこめ
作品として完結はしても
現実のわたしがそのように
ふるまえるかどうかってのは
また別の問題なのである。

 

現実のわたしができないから
こうありたいって理想像を
漫画にこめるってこともあるわけだし。

 

「それはこっちのセリフです」

タイトルは気に入ってるんだけどね。
作品中とも上手くからめられたと思う。

 

でも持ち込みのときに言われたのは
「このセリフ、貴之にたいして
最後にちゃんと言わせないとダメ。」
だって。

なるほどって
って思ったわ。

 

結局このヒロインは
不条理な出来事にたいして心の中で
「それはこっちのセリフです。」
って思うだけで
実際は一度も言ってないんだね。

 

ラストに言うけど
それは全て解決して
締めのセリフとしてで
気持ちの爆発として
言うわけではない。

 

このセリフを一番ピークのときの
主人公の気持ちとして
言わせることによって
作品も盛り上がるし
テーマもはっきりするし
メリハリもつくし
読み手のカタルシスともなるわけである。

 

そうかぁ。

 

せっかく
上手いこと考えたと思ったのに
ツメが甘かったですね。

 

そしてさすが編集。
作品を見るプロですな。

 

だから漫画家を目指すなら
絶対に持ち込みは
行ったほうがいいんだよ。

 

タイトルにもなっている
「それはこっちのセリフです。」
を言わせるところが一番盛り上がるところ
主人公の決めセリフ、
水戸黄門の印籠みたいなものに
しないとダメなんですね。

 

何かいろいろもったいなかったなぁと
思う作品です。

 

もう一度練り直して描こうかとも
思うけど
一度描いた作品だしなぁ。

 

もう飽きちゃったというか
執着がないわ。

 

これはこれでいいねんって感じ。
向上心がないことで困ったことです。

 

 

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