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刑事コロンボ#16 断たれた音/ THE MOST DANGEROUS MATCH 1973年 あらすじとネタバレ解説 満身創痍ローレンス・ハーヴェイの遺作

刑事コロンボ

刑事コロンボ第16話「断たれた音/THE MOST DANGEROUS MATCH 」は、不思議な緊迫感に包まれた作品です。

実は今回のゲストスター、ローレンス・ハーヴェイは撮影時胃がんに犯されており、この作品が遺作となってしまいました。

1973年3月4日にこの「断たれた音」はアメリカで放映され、その年の11月25日に45歳の若さでローレンス・ハーヴェイは死去しました。

ローレンス・ハーヴェイが演じるチェスのチャンピオンクレイトンは、元チャンピオンと世紀の対決のプレッシャーに苦しみます。

クレイトンはその重圧に耐えきれず、とうとう対戦前に元チャンピオンを殺害しようとします。

チャンピオンの重圧と、実際に死期のせまったローレンス・ハーヴェイの危機感が物語にそのまま重なり、非情に張りつめた雰囲気のある作品です。

さあ、ローレンス・ハーヴェイの最後となる、満身創痍の演技を見届けようではありませんか。

最も危険なゲームのスタートです。

断たれた音/ THE MOST DANGEROUS MATCH 1973年

刑事コロンボ:ピーター・フォーク(小池朝雄)

殺人犯:チェスチャンピオン エメット・クレイトン/ローレンス・ハーベイ(小笠原良知)

被害者:元チェスチャンピオン トムリン・デューディック/ジャック・クリューシェン(松村彦次郎)

デューディックの目付:マズール・ベロスキー/ロイド・ボックナー(宮田光)

クレイトンの元婚約者:リンダ・ロビンソン/ハイディ・ブリュール

演出:エドワード・M・エイブロムス
脚本:ジャクソン・ギリス

殺害の動機:チェスの試合で敗北するのを防ぐため

殺害に失敗したのは、ゴミ粉砕機が止まった音が聞き取れない難聴者だったからだと気がついた。
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  1. 殺害の動機と人物関係
    1. 王者クレイトンの重圧
      1. クレイトンの悪夢
      2. クレイトンの重圧が大きすぎる理由
      3. 元王者トムリン・デューディック
      4. 新・旧チャンピオン対決前夜祭
    2. 物語開始16分コロンボ登場
      1. うちのカミさん-1 カミさんが2~3日実家へ
      2. うちのカミさん-2 ハリーとデューディックの蒸発
    3. トムリン・デューディック殺害計画
      1. デューディック失踪計画
      2. デューディックの殺害方法
      3. クレイトンの余裕っぷり
  2. コロンボの捜査開始
    1. コロンボの疑惑-1 デューディックが試合を投げ出すはずがない
    2. コロンボの疑惑-2 デューディックが死んだと思い込んでいたクレイトン
      1. うちのカミさん-3 アルバニーにいるまたいとこ
      2. デューディックからの手紙
      3. 弔いの言葉を口にするクレイトン
    3. コロンボの疑惑-3 デューディックのシャツににんにくのにおい
    4. コロンボの疑惑-4 デューディックは入れ歯だった
      1. もう一つ-1 辛抱を
      2. うちのカミさん-4 アタシのじいさんは40から入れ歯
    5. クレイトンのたくらみ
    6. コロンボの疑惑-5 公式の手紙をびんせんでなくてメモ用紙に書いた
      1. コロンボストーカー、最初のチェック
      2. 悲しい置き手紙
    7. コロンボの疑惑-6 クレイトンの遅刻
      1. もう一つ-2 クレイトンは5~6分遅刻していた
    8. コロンボの疑惑-7 デューディックの署名
      1. コロンボの不思議な鼻歌
    9. コロンボの疑惑-8 クレイトンの隠し事
      1. 疑われていることを認めたクレイトン
      2. クレイトンとデューディックの密会がばれた理由
    10. コロンボの疑惑-9 チェスを持たずに逃亡したデューディック
      1. それでも芝居をやめないコロンボ
    11. コロンボの疑惑-10 クレイトンが密会をリンダにだけ打ち明けた理由
      1. もう一つだけ…3 密会を警察に隠した理由
    12. コロンボのトラップ 病院からの電話
    13. コロンボの疑惑-11 デューディックのチェス日記
      1. クレイトンの閉じられた未来
      2. クレイトンの脅威の記憶力
      3. 塩は白 こしょうは黒
  3. コロンボの追い込み
    1. コロンボの疑惑-12 デューディックの薬
      1. 再びデューディックの首をねらえ
      2. 薬注射後に容体が悪化
      3. もう一つだけ…4 ほんの一分だけ
    2. デューディックが粉砕機に砕かれなかった理由
    3. コロンボ怒涛のチェック
      1. デューディックを偲ぶ催し
      2. コロンボのチェック-1 レストランのチェスの勝敗
      3. コロンボのチェック-2 リンダは目撃していない
      4. コロンボのチェック-3 クレイトンの記憶力
      5. コロンボのチェック-4 病院でクレイトンが書いていたメモ
      6. コロンボのチェック-5 クレイトンの揚げ足を取る
      7. コロンボのチェックメイト
  4. コロンボの王手
    1. ローレンス・ハーベイの娘

殺害の動機と人物関係

王者クレイトンの重圧

クレイトンの悪夢

ローレンス・ハーベイが演じるチェスの世界王者エメット・クレイトンは、元王者トムリン・デューディックとの世紀の対決を翌日に控えています。

その対決のプレッシャーによりクレイトンは悪夢の中で、巨大なチェスボードの上をさまよい、自分よりも大きなデューディックの駒に追い詰められるのです。

叫び声をあげてベッドから転げ落ち、目を覚ますクレイトン。

難聴者であるクレイトンはポケット型補聴器を耳に着け、支度を整えました。

ちなみにわたしはこのポケット型補聴器が、補聴器だって分からずしばらくクレイトンの難聴者設定に気がつきませんでした。

だって母が使っていた補聴器には、あんな長いコードなんてついてませんでしたもの。

クレイトンの重圧が大きすぎる理由

悪夢にうなされるほどの重圧に襲われながらも、クレイトンは勝負に自信のある様子でインタビューに答えます。

クレイトンが戦うトムリン・デューディックは、試合に勝てなくなったのではなく、病気で引退した世界最高の元王者でした。

ですから二人はこれが初めての対決ということになります。

またこの試合をプロモートしたのは、クレイトンの元婚約者であり、母がデューディックの友人であるリンダ・ロビンソンでした。

リンダはデューディックにクレイトンのことを

「卑劣な男なの。あの男がただ一つ誇りにしているものをたたき潰して。」

と頼みます。

いや~、女の恨みは怖いですね~。

二人の間に何があったのか分かりませんが、元婚約者に恥をかかせるためにリンダはこの大きな試合を仕組んだということです。

また作品のニュアンスから、デューディックは共産圏出身らしく、これは国対国の誇りをかけた戦いでもあるようです。

デューディックやリンダの母国は、ロシアという説やチェコスロバキアかもしれません。

1970年代は、ちょうど冷戦時代の真っ只中。

つまりこの試合には、お互いの母国の誇りをかけた代理戦争という意味もあるようですよ。

クレイトンが重すぎるプレッシャーに苦しむのは、アメリカの英雄として、必ず勝利をおさめなければならないという事情もあったのですね。

元王者トムリン・デューディック

クレイトンの対戦相手トムリン・デューディックは、こっそりとホテルを抜け出します。

このトムリン・デューディックは、かっぷくがよく陽気でほがらかな可愛いおじいちゃんです。

前作品の「溶ける糸/ A STITCH IN CRIME」で命をねらわれたエドムンド・ハイデマン博士に続くほのぼのおじいちゃんです。

二作品連続で、こんなかわいいおじいちゃんの命を狙うのやめてほしいですね。

デューディックはホテルを抜け出したのは、町で一番のフレンチ料理のごちそうがお目当てだったようです。

そしてデューディックの病気は、医者より食事制限を強いられていることから、糖尿病のようですね。

デューディックの後をつけて料理屋へ入るクレイトン。

それを見つけたデューディックは、クレイトンを食事に誘いますが、彼は食べません。

実はクレイトンを演じたローレンス・ハーベイは、末期の胃がんにより食事することもできなかったので、食べ物を口にしないシーンとなったのでした。

新・旧チャンピオン対決前夜祭

「チェスは人の心を映す」と語るクレイトンに、デューディックは「チェスは女だと思ってる。」と言います。

そしてテーブルクロスの交差する模様をチェスボードに見立てて、二人はゲームを開始します。

とてもおしゃれなシーンですね。

ゲームはデューディックに有利に進み、劣勢であるクレイトンは集中力を高めるために補聴器を切って、周囲の音を断ちます。

ですがクレイトンは口の動きで会話が読めるので、ゲームに不自由はありませんでした。

白熱した二人のマッチは、レストランからお客が引き上げた後も続きます。

とうとう追い詰められたクレイトンは、レストランでは集中できないと席を立ちます。

そして試合の場をホテルのクレイトンの部屋に移すのです。

しかしやはりデューディックには力及ばず、クレイトンは敗北してしまいました。

デューディックが立ち去った後、ストレスのためかクレイトンは幻聴に苦しみます。

そしてものすごい形相で補聴器を投げつけて壊してしまうのです。

この投げつけた補聴器が鏡かガラスかに当たり、そこにデューディックの悪夢の幻覚が重なって割れます。

これはクレイトンが、デューディックの殺害を決心した心情を暗示しています。

物語開始16分コロンボ登場

うちのカミさん-1 カミさんが2~3日実家へ

まだ殺人は起こっていませんが、物語開始約16分で刑事コロンボ登場です。

ある日曜日の朝のことです。

コロンボは愛犬ドッグの具合が悪いため、動物病院に連れて来て、獣医と「チェッカー」というゲームで時間つぶしをしています。

コロンボ
コロンボ

全く…。

カミさんが2~3日遊びに行くと留守を待っていたみたいに次々と事が起こってね。

 

まず流しが詰まって次はガスのパイロットが消えて…。

まるっきりお手上げですよ。

 

さらに愛犬ドッグの耳の中にエノコログサが入ってしまい、具合が悪くなったため、朝の6時に病院に連れてくるハメとなってしまったのでした。

うちのカミさん-2 ハリーとデューディックの蒸発

さらにコロンボは

コロンボ
コロンボ

とにかくゆうべはそりゃひどいもんでしたよ。

とカミさん不在時の不遇を語ります。

コロンボが2年ぶりにボーリングに出かけようとして

Columbo
Columbo

友達のハリーが向かえに来てクラクション鳴らした途端電話ですよ。

署からね。

と、外国のチェスの名人(トムリン・デューディック)が蒸発したとの知らせを署から受けました。

コロンボは身内の話をよくするという設定なので、個人名が出た友達もハリーも、うちのカミさんとして数えています。

この蒸発の知らせは、クレイトンの部屋でチェスをしていたデューディックの行方を心配した目付け役のマズール・ベロスキーの通報でしょうね。

ですがすぐに通報取り消しの連絡がコロンボにあったのです。

このときのコロンボのセリフが

コロンボ
コロンボ

その名人死んで道端に転がっていたどころか事もあろうに…。

というセリフが続くので紛らわしいのですが、おそらくデューディックはすぐに見つかったのだと思われます。

トムリン・デューディック殺害計画

デューディック失踪計画

コロンボがドッグを獣医に診せていた同じ頃でしょうか、エメット・クレイトンはトムリン・デューディックの殺害を決意します。

脳裏に、デューディックを追いかけてホテルを抜け出すときに使った裏口の、地下室に置かれたゴミ粉砕機が浮かびます。

クレイトンは空港に電話し、トムリン・デューディックの名前でメキシコシティ行きの飛行機を予約します。

これは後のシーンで明らかになることですが、空港行のタクシーもホテルに呼んでいます。

そしてクレイトンは悲壮な様子でデューディックに電話をかけて、ゴミ粉砕機がある地下室に呼び出すのです。

デューディックが出かけて空になった部屋に忍び込んだクレイトン。

デューディックの荷物をかばんにつめて、失踪したように見せかけるようです。

そしてデューディックの母国の公式な紋章入りの封筒を見つけました。

デューディックの殺害方法

クレイトンは、ホテルの地下室で待っていたデューディックに泣きつきます。

元婚約者のリンダ・ロビンソンに、彼女の母国語でお詫びの手紙を書きたいから、お手本をメモに書いてくれと頼むのです。

デューディックとリンダは祖国が同じなんですね。

クレイトンが書きたい手紙の内容は、「許してくれ。僕が悪かった。恥ずかしい。」です。

「恋のいざこざは若い人たちだけの特権だよ。」と、この頼みを引き受ける気のいいおじいちゃんのデューディック。

荷物を持って地下室のドアから出ようとするクレイトンは、ただならぬ様子です。

心配したデューディックは「どこに行くんだね。」とクレイトンを止めようとします。

「試合はお互いの都合がつかなかったと、2~3日延期すればよろしい。」

と、クレイトンの様子を本当に気遣う優しいおじいちゃんですね。

しかしクレイトンが持っている荷物が、自分のものであるとデューディックは気が付きます。

クレイトンは「危険立ち入り禁止」と書かれた地下室にデューディックを押し込み、そのままゴミ粉砕機に突き落とします。

ひどーい。なんとまあ、残酷な殺し方。

こんな気のいいかわいいおじいちゃんを惨殺するなんて、元婚約者リンダの話した通りまさに「卑劣な男」でした。

女の目はあなどれんね。

クレイトンの余裕っぷり

チェスの王座決定戦に、当然のごとくデューディックは現れるはずもありませんでした。

クレイトンは余裕の顔して待ちくたびれた観客に、

「待っている間、一度に5人のお相手をしましょう。10人でもかまいません。お手柔らかに。」なんて軽口をたたいています。

この後コロンボに追い詰められるのも知らずに、のんきなものです。

さあチャンピオンの重圧より怖い、コロンボの与えるプレッシャーが、卑劣な方法で王座を守ったチャンピオンを待ち受けていますよ。

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コロンボの捜査開始

コロンボの疑惑-1 デューディックが試合を投げ出すはずがない

再びトムリン・デューディック失踪の知らせを受け、試合会場であるホテルに駆けつけたコロンボ。

コロンボ
コロンボ

とにかく消えるのが好きなおっさんだな。

と皮肉を言います。

しかし今回デューディックはすぐに見つかったものの、救急車で運ばれて行くのを目前に、少し呆然とするコロンボ。

デューディックが、地下室のゴミ粉砕機に落ちた形跡があったこと。

航空カバンを持っていたこと。

空港までのタクシーを呼びつけてあったこと。

などから、コロンボの部下の刑事ダグラスは、試合から逃げようとして裏口の地下室にまわり、足を滑らせて粉砕機に落ちたのだと推理しました。

しかしデューディックの取り巻きであるベロスキーやリンダはこぞってこれを否定します。

不出世のチェスの天才であることを再び立証できる晴れの日に逃げ出すことなどありえないというベロスキー。

コロンボはベロスキーが医者を連れていたことから、天才にありがちな情緒不安定を疑います。

しかし医者のアートンは内科医で、主にデューディックの持病である糖尿病の食事管理が仕事でした。

またリンダも母がデューディックの何十年来の友人であることから、彼をよく知っており、試合前に逃げ出すような人ではないと断言します。

まだこの時点でコロンボは、デューディックが自ら選んで失踪したというシナリオに半信半疑といったところでしょうか。

コロンボの疑惑-2 デューディックが死んだと思い込んでいたクレイトン

うちのカミさん-3 アルバニーにいるまたいとこ

そこへホテルのチェストーナメントの責任者と、クレイトンがベロスキーたちの部屋を訪ねます。

Columbo
Columbo

チャンピオンのクレイトンさんですね。

お目にかかれて光栄です。

 

アタシのアルバニーにいるまたいとこがですね。

あなたを世界一の将士だと…。

と挨拶するコロンボを

「さあそうかしら。」と横やりを入れるリンダ。

リンダとクレイトンの間に何かただならぬものがあると、コロンボは感じるわけです。

コロンボの親戚の話が出ましたので、うちのカミさんとして数えます。

デューディックからの手紙

クレイトンは自分の部屋に、デューディックからの手紙が残されていたとベロンスキーに打ち明けます。

デューディックの母国の紋章入りの正式な封筒に入った信頼できる手紙です。

手紙の内容は母国語で

「すまない。私が悪かった。恥じ入っている。どうか許してくれ。」と記載されています。

クレイトンがデューディックを粉砕機に突き落とす直前に、書かせた手紙ですね。

これがデューディックの筆跡だったことから、ベロンスキーでさえ、自ら選んだ失踪であることを認めざるを得ませんでした。

しかしリンダだけは

「彼(デューディック)はあなた(クレイトン)なんて恐れていなかったわ。」

とデューディックが逃げ出したことを信じません。

弔いの言葉を口にするクレイトン

一方がっくりと肩を落としたベロンスキーに、クレイトンは

「お気持ちは分かります。

心よりお悔み申し上げます。

トムリン・デューディックは天才でした。」

と弔いの言葉を口にします。

するとコロンボが

コロンボ
コロンボ

あの…。それじゃデューディックさんもう亡くなられたように聞こえて悪いですよ。

とクレイトンをたしなめます。

実はデューディックは重症でありますが、救急車に同乗した主治医によると希望はあるとのことでした。

クレイトンは絶望的だと聞いていたとごまかしますが、困惑した表情で

「たとえ僅かでも見込みがあるなら嬉しいことです。」と言うしかありませんわな。

ここじゃないでしょうか。

最初にコロンボがクレイトンを疑ったのは、生きているデューディックと死んだと思い込んでいたことからではないでしょうか。

死んだと思い込んでいたということは、殺せたと思い込んでいたことですからね。

コロンボの疑惑-3 デューディックのシャツににんにくのにおい

コロンボはデューディックが洗濯に出していたシャツから、にんにくのにおいがすることに気がつきます。

糖尿病ににんにくはタブーではありませんが、主治医の指示した昨夜の夕食メニューに、にんにくはありませんでした。

つまりデューディックは、ホテルを抜け出して、管理された夕食以外のものを食べたということになります。

コロンボは部下のダグラスに命じて、シャツを分析させることにします。

しかしこの刑事ダグラスは、デューディックが事件に巻き込まれたことに疑いを持っているのか面倒くさそうですね。

コロンボの疑惑-4 デューディックは入れ歯だった

もう一つ-1 辛抱を

デューディックの管理責任を問われることを恐れたベロスキーは、コロンボを追い返そうとします。

コロンボ
コロンボ

もう一分だけご辛抱を。

と食らいつくコロンボ。

コロンボの定番セリフ「もう一つだけ。」に加えることにしましょう。

うちのカミさん-4 アタシのじいさんは40から入れ歯

コロンボはデューディックの義歯が、ごみ処理場に落ちていたのを見つけています。

デューディックが入れ歯であったことに目聡く気がついたコロンボ。

ですがデューディックのスーツケースには、入れ歯用の歯ブラシではなく、普通の歯ブラシが荷造りされていました。

コロンボ
コロンボ

アタシの記憶じゃアタシのじいさんは40から入れ歯のご厄介になってそれで覚えてるんですがね。

普通の歯ブラシは絶対使いませんでした。

と、歯と歯ブラシが噛み合わない疑問を口にするコロンボ。

コロンボの身内の話ということで、「うちのカミさん」に数えています。

すると医者のアートンが、デューディックとは浴室が一緒で、普通の歯ブラシは自分のものであると口にします。

つまりデューディックは自分で荷造りをしなかった可能性が濃厚になってきました。

デューディックは事故ではなく、殺人未遂であったことを、コロンボは立証してゆきます。

クレイトンのたくらみ

デューディックが手術を受けている病院を訪ねたクレイトン。

看護師に容体を確認すると、手術が無事終わった後、意識を取り戻すには10~20時間は少なくとも必要ということでした。

クレイトンはその病院で、元婚約者リンダと出くわします。

リンダは主治医に頼まれて、デューディックの糖尿病や心臓の持病の薬をホテルに取りに行く必要があると話します。

薬と効いてクレイトンは何か悪だくみを思いついたようです。

デューディックの容体を心配するリンダを優しく慰めながら、クレイトンは昨夜、彼と友達になったと言います。

そしてチェスを1~2局打ち、自分が勝利したかのようにほのめかし、デューディックが自信を失っていたと大嘘をぶっこくのです。

リンダはクレイトンを卑劣だと罵っていたくせに、なんとまあ、この大嘘を信じて

「あなたにそんな面が…。」なんてクレイトンに同情的。

いやいやいや…、あんたクレイトンを恨みに恨んで恥をかかせるために元凶となったこのゲームを組んだ張本人と違いますのん?

こりゃまた卑劣なクレイトンに何度でもだまされますな。

クレイトンはその隙をついて、リンダが主治医に頼まれたデューディックの薬のメモを手に取ります。

薬のメモをしばらくながめてから、リンダのもとを立ち去ります。

そして病院の別のフロアへ移動して、先ほど目にした薬の記憶が薄れないうちに、必死に文字におこすのです。

そこへ目聡いコロンボがやってくるのですが、クレイトンは適当にごまかして、病院を後にするのでした。

コロンボの疑惑-5 公式の手紙をびんせんでなくてメモ用紙に書いた

コロンボストーカー、最初のチェック

コロンボは病院を出たクレイトンを追いかけます。

クレイトンが置き忘れたペンを届けてくれたのです。

Columbo
Columbo

ところでアイスクリームでもいかがですか?

冷たいものでもなめてお互いしばしこの世の憂さを忘れるってのはどうです?

とコロンボはクレイトンを誘います。

「そんな事で忘れられるとはあなたは幸せな人だ。」

とあっさりクレイトンに断られていまいます。

しかしこんなことであきらめるコロンボではないことを、わたしたちはもう知っています。

再度コロンボは

Columbo
Columbo

いや~。それじゃ白状しますがね。

実はチェスの話を聞いて強くなりたいっていう魂胆だったんです。

と、口実を変えてクレイトンを誘います。

「初心者の指導には通信教育が一番ですよ。」

とまあ確かにクレイトンの言うとおり、初心者がプロに手ほどきをたのむなんて、ほんと、コロンボってばずーずーしい。

まあずうずうしいのがコロンボの魅力ですから。

クレイトンはタクシーを探しますが、見つからないのでコロンボはさらに、自分の車でホテルに送ると誘います。

それでもクレイトンに断られてしまいます。

Columbo
Columbo

クレイトンさん。

本音吐いちゃいますがね。

実はアタシもあなた同様この事件がどうも引っ掛かるんですよ。

 

確かに手がかりはあるんだがその辺がどうもね…。

できればあなたのご意見も伺いたいんですが。

 

と、とうとうコロンボは本音をいい、核心をついてきました。

もちろんクレイトンはこの殺人未遂の犯人ですから、刑事にこの事件が引っ掛かるなんて言われたら、気になって仕方がないわけです。

コロンボの誘いに乗らないはずがない。

コロンボまずは見事に駆け引きと心理戦、頭脳戦を制し、チェックをかけましたよ。

悲しい置き手紙

コロンボはクレイトンの部屋のドアの下にあった、デューディックの悲しい置き手紙が分からないと言います。

クレイトンは、取り乱していたときに手紙を書けただけでも驚きだと言います。

しかしコロンボはクレイトンに同意しつつも、分からないのはそれではなくて、

コロンボ
コロンボ

ちゃんとした便箋も封筒も置いてある部屋で手紙を書いて

正式の封筒に入れて封をしたんなら

なぜ便箋を使わないでただのメモ用紙を使ったのかっていう事です。

と、見事に矛盾を見つけています。

クレイトンは

「異常な心理状態にある者に正常な行動を要求するもは無理でしょう。

手近にあった紙に書きなぐったんでしょうが。」

と意見しますがコロンボは

コロンボ
コロンボ

ところがね

あの部屋にはメモ帳らしきものは何一つなかった。

と、次の矛盾を口にします。

続いてコロンボは、疑惑4の、デューディックが入れ歯なのに、普通の歯ブラシを荷物につめていたという矛盾も伝えます。

クレイトンは歯ブラシ程度で殺人未遂を適用することに疑問を呈し、ホテルのボーイにでも荷造りを頼んだのだろうと予想します。

コロンボの疑惑-6 クレイトンの遅刻

もう一つ-2 クレイトンは5~6分遅刻していた

コロンボは、クレイトンの推理に納得した様子を見せながら、今思いついたかのように定番セリフを口にします。

コロンボ
コロンボ

そうだ。もう一つ伺いたいんですがいいですか?

実はクレイトンはチェスの試合に、5~6分遅刻していました。

コロンボはクレイトンの遅刻の理由を聞いて、アリバイを確かめているのですね。

クレイトンは

大試合の前には軽い散歩をすること
壊れた補聴器を取り換えに行ったこと

の二つを遅刻の説明にしました。

コロンボの疑惑-7 デューディックの署名

コロンボの不思議な鼻歌

車でクレイトンをホテルまで送っているコロンボ。

クレイトンが試合に遅れた理由を口にしたあと、コロンボはハンドルを握りながら突然鼻歌をくちずさみます。

このシーンの意図がよく分かりませんが、コロンボは空気を変えたかったから鼻歌を歌ったのでしょうか。

クレイトンもちょっと驚いて、助手席からコロンボを見つめます。

コロンボ
コロンボ

なぜ署名しなかったんだろう?

と、コロンボはデューディックが置手紙に署名をしていなかったことに疑問を呈します。

さあクレイトンは、矛盾をたくさん突かれて内心は冷や冷やでしょうねぇ。

クレイトンは、デューディックの母国の封筒に入っているし、読めば誰が書いたか分かると思ったのではないかと、推理します。

コロンボ
コロンボ

そう。彼(デューディック)が死んだら誰がトクするのか分かればね…。

というコロンボは、もうデューディックが事故ではなく、殺人未遂であったことを確信しています。

そして実質このセリフは、クレイトンへの挑戦状でしょうね。

クレイトンも

「それは確かにいいポイントだな。」

と、もはやデューディックは事故死であることをほのめかすどころか、コロンボに同意して殺人かもしれないことを認めてしまってるではないですか。

ちょっと投了が早過ぎるのではないのでしょうか。

コロンボの疑惑-8 クレイトンの隠し事

疑われていることを認めたクレイトン

クレイトンはコロンボの車がホテルを過ぎてしまったことに気がつきます。

コロンボはクレイトンを近くのレストランに食事に誘いますが、断られてしまいます。

Columbo
Columbo

アタシとおしゃべりするのお嫌なんですか?

と言うコロンボが遠回しに、

 

「お前が犯人だから嫌なんだろ。」と脅迫しているように聞こえるのは、わたしだけでしょうか。

Columbo
Columbo

ほんの2~3分だけ。いいでしょ。

とコロンボがクレイトンを連れていったのは、昨夜デューディックとチェスを打ったレストランでした。

 

そしてコロンボは、クレイトンとデューディックが昨夜座ったその席に案内します。

二人のチェスの試合の前夜祭をすでに突き止めていることに気がついたクレイトンは、断るすべもありません。

覚悟を決めたクレイトンは、レストランのシェフに

「いい写真だったかい?こちら(コロンボ)の部下が見せにきた僕の写真さ。よく録れてたかい?」

と話しかけて反撃に出ます。

つまりコロンボがクレイトンを疑っていることに、はっきり気が付いたというパフォーマンスですね。

そしてクレイトンが昨夜デューディックとこのレストランに来たことを確かめられたのだから、もう用はないだろうと、立ち去ろうとします。

コロンボ
コロンボ

それがあるんですよ。

とクレイトンを引き留めるコロンボ。

 

クレイトンはコロンボを、愛想も働きも良く、熱心で尊敬に値すると褒めつつ

「だが芝居だけはやめてくれ。」

と、まるで自分がだまされて引っかけられた被害者のような様子で懇願するわけです。

ほほほ…、姑息ですね。

まあコロンボもたいてい姑息ですけどね。

クレイトンとデューディックの密会がばれた理由

コロンボは

コロンボ
コロンボ

デューディックさんとここで会ったのをなぜ隠してたんです?

と、クレイトンを疑った理由を素直に告白します。

 

コロンボは、

デューディックのシャツについていたニンニクのにおいと
デューディック糖尿の食事療法をしていたこと

から、この店にたどり着いたのだとクレイトンに説明しました。

クレイトンはデューディックと会ったことは決して隠していたわけではない。

リンダにも話していることだから、聞いてくれればよかったのにとごまかします。

コロンボの疑惑-9 チェスを持たずに逃亡したデューディック

それでも芝居をやめないコロンボ

コロンボは

Columbo
Columbo

ここ暑いですね。感じませんか。

と立ち上がってコートを脱ごうとして

コロンボ
コロンボ

ああいけねえ!

そうだこれを見せようと思ってたんですよ。

と、コートからデューディックのチェスの駒を取り出しました。

このコート脱ごうとして気がついたフリをする芝居だと思うんですが、どうでしょう。

クレイトンに「芝居はやめてくれ。」って頼まれたばかりなのに、殺人犯にはどんな扱いをしてもいいって思ってるんでしょうかね、コロンボは…。

コロンボが預かったデューディックのチェスの駒は、手彫りの象牙でできている年代物で、クレイトンもその価値に舌を巻くようなシロモノです。

コロンボ
コロンボ

こいつが気になって飯も喉に通らん始末で…。

とコロンボの疑問は、

世界を制した将士であるデューディックが、価値の高いチェスの駒も荷物に入れずに旅立つのはおかしい

ということでした。

「それは非常に興味のある観察だ。」とコロンボの言い分を認めるクレイトン。

なぜならクレイトンもいつもチェスの駒を持ち歩いていると言って、ポケットから駒を取り出して、コロンボに見せました。

クレイトンは、もしもデューディックの荷造りを自分がしたのなら、チェスの駒を入れ忘れるなんてことは絶対にないと、コロンボに言い切ります。

クレイトンの棋士としての、心理的なアリバイみたいなものですね。

コロンボの疑惑-10 クレイトンが密会をリンダにだけ打ち明けた理由

もう一つだけ…3 密会を警察に隠した理由

コロンボ
コロンボ

それじゃ最後にもう一つだけ。

と、コロンボは再度、クレイトンがデューディックとの密会をリンダにだけ話して、警察に隠した理由を聞き出します。

クレイトンは、お店の主人を呼びつけて、昨日の出来事を証言させました。

昨夜、テーブルクロスをチェスボードに見立てて、まずデューディックが塩のびんを駒として置きました。

続いてクレイトンが胡椒のびんを、すすめます。

しかし店の主人はチェスが分からず、どちらが勝ったかは判断できなかったようです。

クレイトンは、自分が勝ったのだと大嘘をコロンボにつきます。

偉大なチェスプレーヤーであるデューディックが試合に負けたことを、あえて口外するのは悪趣味で残酷だと、コロンボに説明します。

コロンボはクレイトンの説明に納得したフリをします。

しかし昨夜二人がチェスのセットを持たず、塩やこしょうで勝負したことについて

コロンボ
コロンボ

セット忘れる人がいやに多いな…。

と、嫌味を言って不信感をほのめかしています。

コロンボ
コロンボ

あとはもうデューディックさんが回復してその証言を待つだけです。

とまあ、クレイトンの疑いが晴れたとは、コロンボは決して言いません。

コロンボのトラップ 病院からの電話

その時、コロンボのポケベルが鳴りました。

Columbo
Columbo

これ新兵器でね。

病院のお医者さんが貸してくれたんです。

とポケベルについて語るコロンボ。

 

ポケベルとはポケットベルの略称で、今の若い人たちは知らないでしょう。

1958年にアメリカで始まった無線サービスのことです。

小さな小型無線機で、電話がかかるとベルが鳴るので、折り返しの電話をかけることができます。

わたしも学生の頃は持ってましたよ。

今は携帯電話があるので、ポケベルの需要はなくなってしまいました。

だけど1970年代はポケットベルが、新兵器だったのですね。

コロンボのポケットベルが鳴ったということは、至急電話しろという合図です。

コロンボは病院に電話をかけます。

病院ということは、デューディックに何かあった連絡の可能性が高いので、クレイトンも気が気でないわけです。

Columbo
Columbo

もしもし先生?ええコロンボです。

 

じゃあ治るんですね?

動いた!?

あ~そりゃよかった。

ええすぐ伺います。

どうも。どうもいろいろ!

コロンボが病院から受けた連絡だと、デューディックの容体は良いようですよ。

デューディックが回復すると、自分の犯罪が隠し切れなくなるため、悲壮な表情を見せるクレイトン。

電話を置いたコロンボは

Columbo
Columbo

うちの犬が手術受けたんですがね。

ついててやれないんで先生が心配して…。

 

でも動き出したそうです。

猛烈にシッポ振っているそうでまあよかった!

さあ行かなくちゃ。

と語って、病院へ向かいます。

実は病院からかかってきた電話は、デューディックの溶体ではなく、コロンボの愛犬ドッグについての知らせでした。

このコロンボの行為は、トラップなのか、天然なのか…。

多分天然に見せかけたクレイトンの心理を揺さぶるトラップでしょうね。

このトラップに気がついたのか、クレイトンは険しい表情をしています。

いやはやコロンボは本当に性格が悪い。

だんだんクレイトンがかわいそうになってきた…。

胃がんで余命僅かな人を、これ以上いじめないでー!

コロンボの疑惑-11 デューディックのチェス日記

クレイトンの閉じられた未来

ホテルに戻ってエレベーターに乗ろうとしたクレイトンは、降りてくるコロンボと鉢合わせします。

クレイトンがそのままエレベーターに乗り込もうとすると、目の前で扉が閉まってしまい、乗り損ねてしまいました。

これはクレイトンの未来と、演じるローレンス・ハーベイの将来が閉じられてしまうという暗示でしょうか。

殺人を犯してコロンボが担当刑事になったら最後、執念の捜査で逮捕されてしまいますからね。

くわばらくわばら。

次のエレベーターが来るまで時間をもてあましたクレイトンは、仕方なくコロンボと話します。

コロンボによるとデューディックの体調は良いそうです。

クレイトンの脅威の記憶力

コロンボはクレイトンに用があったようで、電話をしたけどつながらなかったと言います。

コロンボ
コロンボ

いや実はね

本音を吐いてしまいますがね…。

と切り出すコロンボにクレイトンは

 

「君の切り出し方は型にはまってるな。」と嫌味を言います。

実はコロンボがデューディックとチェスをしたレストランに連れていくために、クレイトンを車に乗せた口実も

Columbo
Columbo

クレイトンさん。

本音吐いちゃいますがね。

実はアタシもあなた同様この事件がどうも引っ掛かるんですよ。

 

 

でしたね。

クレイトンの記憶力にコロンボは

コロンボ
コロンボ

いや~すごい。

驚きました。こんな人初めてだ。

と舌を巻きます。

 

コロンボのクレイトンへの用は、試合当日クレイトンが遅刻したアリバイについてでした。

補聴器の修理で遅れたクレイトンの裏を、近くの商会で取れたとのことです。

これはクレイトンを疑って捜査しているというコロンボのチェックですよね。

塩は白 こしょうは黒

コロンボはクレイトンから立ち去ろうと数歩歩いたところで振り返り

Columbo
Columbo

あ!

クレイトンさん。

そう大事なことを忘れてましたよ。

と、再度戻ってきます。

コロンボが大事なことを忘れるはずはないのに、忘れたふりですよ。

は~、嫌味な天然ブリッコおじさんですね!

コロンボはデューディックのチェス日記を見つけたそうです。

Columbo
Columbo

チェスやる人っていうのは頭の出来が違うんですね。

あの人は全てのゲームを記録していました。

それも一手残らずです。

と感心するコロンボ。

クレイトンも大試合のときは、チェス日記をつけているそうです。

Columbo
Columbo

すごいな。記憶力抜群だ。

と感心しているようですが、この物語はクレイトンの記憶力が鍵を握ります。

ですからこのシーンは物語後半の、重要な伏線になっています。

また将士というのは記憶力も重要な能力です。

クレイトンという将士ならではの記憶力を生かして完全犯罪を成し遂げようとしたことで、殺人犯のキャラクターをより濃いものにしているわけです。

コロンボは、クレイトンとデューディックがレストランで行ったチェスゲームの記録を見つけました。

その記録によると、最後に黒が41手で投了と負けてしまったわけです。

しかしレストランでデューディックは塩のびんを駒に見立てているので、当然白とコロンボは予測しました。

一方迎え撃ったクレイトンは、コショウのびんなので黒い駒だと判断するのが普通ですね。

コロンボ
コロンボ

そこでこんがらがっちゃったんです。

というコロンボですが、クレイトンは自分が白であり勝ったのだと言い張ります。

しかしコロンボの観察力にはホント、脱帽ですね。

まあコロンボとしてはクレイトンが犯人だと確信して動機にも気がついているので、後はそれを立証するストーリーを組み立てていけばいいだけですからね。

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コロンボの追い込み

コロンボの疑惑-12 デューディックの薬

再びデューディックの首をねらえ

クレイトンは再びデューディックの命をねらおうと、彼のホテルの部屋へ忍び込みます。

そして洗面所に置かれていたデューディックの常備薬を他の薬にすりかえます。

クレイトンはリンダが主治医から預かった薬のリストを記憶に刻んでいます。

ですからどの薬がデューディックに使われるのかを知っているというわけです。

ちょうどリンダと医者のアートンが、部屋へ薬を取りにきます。

間一髪、クレイトンは洗面所のクローゼットに身をひそめます。

そしてクレイトンの思惑通り、二人はまんまとすり替えられた薬を持っていってしまったのでした。

薬注射後に容体が悪化

コロンボは愛犬ドッグを引き取りに行った病院で、デューディック危篤の知らせを受けます。

そのまま獣医にドッグを預けて、デューディックの入院する病院に駆けつけるコロンボ。

順調に回復していたデューディックは、容態が急変し、結果的に亡くなってしまいました。

いやーん、ほのぼのおじいちゃんが死んじゃった…。

トムリン・デューディックの「トムリン」というファーストネームも、いかにもほのぼのおじいちゃんの名前らしくて素敵でした。

トムリンの死はショックですね…。

前回の15話「溶ける糸/ A STITCH IN CRIME」のほのぼのおじいちゃんを、コロンボは見事に守ることができたのに、今回はダメでしたね…。

ほのぼのトムリンは、40分前いつも通り糖尿病の注射を打ち、その15分後に、悪化してしまいました。

当然コロンボは、40分前に打った薬を疑うわけです。

その薬は病院外から持ち込まれたものであったし、薬のアンプルを鑑識に見せて内容を分析する提案をコロンボはします。

しかし病院の規則で、開いたアンプルはすぐに破棄されてしまい調べることができませんでした。

もう一つだけ…4 ほんの一分だけ

クレイトンはマスコミより、電話でデューディックの死の知らせを聞きます。

コメントを求められるクレイトンですが、今はショックが多すぎるとしてこれを断ります。

そしてほっと胸をなでおろし、ほくそ笑むのです。

一方でコロンボは、主治医より薬のリストを預かっていたリンダを訪ねます。

コロンボ
コロンボ

申し訳ないんですがほんの一分だけ。

と、デューディックの死に落ち込むリンダに声をかけます。

定番セリフ「もう一つだけ」に足しておきます。

コロンボはリンダが確かに薬を直接主治医に渡したことを確認します。

そしてリンダが薬のリストを誰かに見せなかったかを、しつこく問いただすのです。

リンダがクレイトンから、デューディックとチェスを打った話を聞いたときに、薬のリストを持っていたのではないかと、コロンボは推理します。

実際それはビンゴなわけで、リンダの記憶により、コロンボはクレイトンが薬のリストを手に持って確認したことを突き止めました。

デューディックが粉砕機に砕かれなかった理由

コロンボは愛犬ドッグを連れて、ホテルの地下室にある粉砕機置き場を確認しています。

この時点でドッグにはまだ名前がありません。

どんな名前をつけても、ドッグが気に入らないのですって。

そしてなぜかドッグはゴミが大好きなそうで、階段を駆け上っていってしまいました。

コロンボはドッグが粉砕機に落ちてしまわないか心配して、慌てて後を追います。

しかし清掃員の話によると、ゴミ粉砕機は稼働中に何か落ちたら、自動的にスイッチが切れる安全装置がついています。

ですから犬が一匹落ちたところで、安全装置が起動して機械は止まるので、心配することはないそうです。

何か落として機械が止まっても、スイッチ一つで簡単にまた機械は動き出します。

さあ、これでコロンボのは全ての謎解きは終わり、合点のいった顔をしていますよ。

つまりデューディックが粉砕機に落ちたとき、機械が止まったため、命までは落とさずに済んだということですね。

コロンボ怒涛のチェック

チェックとは、チェスの用語で次の一手でキングを取りに行けるという意味です。

つまり王手のことですね。

ちなみにチェックメイトとは「詰み」のことで、もはや打つ手なしという意味です。

デューディックを偲ぶ催し

一方で全て終わったと思い込んでいるクレイトンは、のんきにデューディック偲ぶ催しを開いています。

クレイトンが早々たるメンバーを招き、一度に複数の相手とチェスの試合をして、その技を披露するというものです。

自分が殺したデューディックの死を利用して、顔を売ろうなんてホント、どこまでも姑息な男です。

そこへのこのこコロンボがやってきますが、クレイトンは

「また現れましたな。」と心なしか余裕の表情。

コロンボは試合の邪魔をしちゃ悪いと控えめにしているフリをします。

ですが余裕のクレイトンは、「どうぞお話をすすめてください。さあどうぞ。」

なんて、この後のデューディックよりも恐ろしいコロンボとのゲーム合戦も知らずにのんきなものですね!

コロンボのチェック-1 レストランのチェスの勝敗

コロンボは、クレイトンとデューディックが最後に行ったレストランのゲームについて

コロンボ
コロンボ

あれがあなたの負けだったという事になりゃつじつまが合うんですがねぇ。

とまあ、もうクレイトンの殺人を断定して、話を進めています。

当然クレイトンはもう証拠であるデューディックは、死亡していませんから、余裕を持ってこれを否定します。

リンダに聞いてくれれば分かると付け加えます。

コロンボのチェック-2 リンダは目撃していない

コロンボは、リンダはクレイトンとデューディックの試合を目撃したわけではないと話します。

法廷用語では「伝聞」といってまた聞きでは、証拠としては弱いというわけです。

さすがにクレイトンも軽く怒り出して

「つまりは私をうたぐってるんですね。

そんなに気に入らぬというなら僕のささやかな能力をその目で確かめたまえ。」

とチェスの試合を続けます。

つまりチェスの才能をコロンボに見せつけて、デューディックに間違いなく勝ったことを証明しようとしてるんですね。

プププ…、本当はデューディックに負けたくせにね!

ホント、クレイトンのチェスの才能は、自負する通りささやかな能力に過ぎなかったってことでしょうか。

コロンボのチェック-3 クレイトンの記憶力

クレイトンはチェスゲームを続けながら、やれ

「これはかつてアナーキーが打った手になりましたな。確か1914年のニムトビッチ選の時です。」

だのやれ

「カパグランカは同時に30人と対局したものです。」

だのやれ

「1922年フランク・マーシャルは155試合を同時にこなし失ったのはわずか8試合。

1週間後対戦した153試合のあらゆる動きを完全に再現しました。」

だのうんちくを述べます。

するとコロンボも同じく

Columbo
Columbo

いやすばらしい記憶力ですな。

感服します。

だのやれ

Columbo
Columbo

いや~あなたの才能はすばらしい。

かぶとを脱ぎますよ。

だの、ほめたたえてからの~

コロンボ
コロンボ

へえ…。

つまりこれほどの記憶力があれば薬のリストを一目見ただけで覚えるのも簡単だったでしょうな。

まさに神業ですね。

とまあ、ホントコロンボは相手の逆手を取って、嫌味を言うのが上手い上手い。

ころん
ころん

まさに神業ですね。

さすがにクレイトンの顔が曇り、一方で挑戦的な瞳でコロンボは彼を見つめます。

コロンボのチェック-4 病院でクレイトンが書いていたメモ

とうとうクレイトンは「名誉棄損だ。」と怒り出します。

しかしすでにコロンボは獲物(クレイトン)をとらえているので、執拗にクレイトンにたたみかけます。

コロンボは病院でクレイトンに会ったときに、書いていたものが薬のリストだったことを指摘します。

「実に不愉快だ。」とクレイトンは否定します。

しかしあの時、クレイトンはうっかりペンを置き忘れて、コロンボに届けてもらいました。

コロンボ
コロンボ

勝手ですが追いかける前にあのペンでちょこちょこと書いてみたんですよ。

 

鑑識の連中はあのペンのインクはデューディックさんの書置きに使ったものと非常によく似ており同じペンの可能性があると。

 

本当にコロンボは抜け目がないことで、クレイトンもそう言います。

「ほのめかし。そして風刺。無能な刑事のやる手だ。」

と、もはやクレイトンの言うことは負け惜しみにしか聞こえませんね。

コロンボ
コロンボ

そのきらいもありますがね。

全部まとめると陪審も納得すると思います。

とコロンボは、すでにクロージングに入ってますね。

「世界最高のチェスプレーヤーたるものが

君の言うような過失を犯すと思っているのか!?」

と言い返すクレイトンにはもはや、チャンピオンの風格はありゃしませんわな。

コロンボのチェック-5 クレイトンの揚げ足を取る

そのとき、クレイトンがチェスの相手をしていたうちの一人が、

「これで積んだと思いますが…。」

とチェックメイトをかけました。

コロンボ
コロンボ

ほらね。見落としってあるんですよ。

と、クレイトンの揚げ足を取るコロンボ。

クレイトンは

「よし立証してみろ。証拠だ。何もないじゃないか。証拠を見せろ。」

とコロンボの挑発に乗るのでした。

コロンボのチェックメイト

コロンボはクレイトンを、ゴミ粉砕機のある地下室に連れていきます。

そして大きな音を立てて動いているゴミ粉砕機を

コロンボ
コロンボ

この装置は公害防止の最新兵器です。

瓶でも缶でも何でもかんでも粉々に砕いちゃうんですよ。

と説明します。

 

コロンボが

コロンボ
コロンボ

もしあんた(クレイトン)が犯人なら…。

と説明をしようとしますが、クレイトンは

 

「証拠だ!証拠はどこにあるんだ警部!」

と興奮して、コロンボの話を聞きやしません。

しかしコロンボも

コロンボ
コロンボ

実に巧みに仕掛けた訳ですな。

まさに完璧な殺人だった。

と、結論をなかなか言わず、証拠を見せないんですね。

 

正確に言えば、証拠を見せる準備をしているのです。

「僕だという証拠はどこだ!」

と叫んで、ゴミ粉砕機の音に耐えられなくなったクレイトンは、補聴器を外します。

これがコロンボのねらっていたポイントですね。

しびれを切らして、立ち去ろうとしたクレイトンを追ってコロンボは言います。

コロンボ
コロンボ

あんたはしらなかったろうがこの粉砕装置はね

自動的にスイッチが切れるんだ。

だからデューディック氏は即死しなかったんです。

落ちた時に機械はすぐ停止したんです。

とコロンボはデューディックが即死しなかった理由を述べますが、追いつめられたクレイトンは

 

「こんな意味もない問答の相手ができるか!

もうたくさんだ!」

と逃げて行こうとします。

コロンボ
コロンボ

今やるから見ててごらんなさい。

とコロンボが言うと、部下の警官がゴミ粉砕機を止めました。

 

つまり音がやんだわけです。

さらにコロンボに引き止められてクレイトンは

「なぜいつまでも僕を引き止めるんだ!」と怒りますね。

コロンボ
コロンボ

こうどならないで済めばアタシだって話やすいんですよ。

でも機械がうるさくって。

と、機械が止まってるのにトラップを仕掛けたコロンボ。

 

クレイトンは見事に乗せられて

「じゃあ機械を止めればどうだ!」

と叫びます。

勝ち誇った顔のコロンボ。

クレイトンはその表情に、自分がトラップにかけられたことに気がつきます。

そしてゴミ粉砕機が止まっていることを確認しました。

クレイトンは補聴器をつけて、さらに粉砕機の音が病んでいることも確かめました。

コロンボ
コロンボ

これが分からなかったんだ。

 

とコロンボは言います。

デューディックを殺害しようとゴミ粉砕機に突き落としても、機械が止まったことに犯人は音で気がつくはずです。

すると犯人は目の前にある粉砕機のスイッチを押して、再度機械を動かすでしょう。

デューディックの殺人未遂前日、クレイトンは補聴器を壊してしまいました。

そしてデューディックが粉砕機に落ちた後の、試合直前まで補聴器は修理されませんでした。

コロンボ
コロンボ

それで分かったんです。

犯人は止まったのが分からなかったからスイッチを入れなかった。

 

今のあなたが分からなかったように、あの時も止まったのが分からなかった。

 

コロンボ
コロンボ

お気の毒だが縦から見ても横から見ても明らかなんだ。

この事件の犯人は耳の聞こえない人物以外にないんです。

これがコロンボのチェックメイトでした。

「縦から見ても横から見ても」というセリフは、チェスボードに見立てた洒脱な言い回しですね。

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コロンボの王手

今回の作品はチェスの将士がゲストスターでした。

ですからので、「王手」ではなく「チェックメイト」というチェス用語を使ってみました。

チェックメイトは、「犯人が難聴者であることを実証した」でした。

このチェックメイトだけでは少し弱い気がしますが、コロンボが見つけ出した細かい証拠と合わせれば、裁判に勝つには十分ではないでしょうか。

小さな証拠をコツコツ集めてストーリーを組み立ててゆく、非常にコロンボらしさのつまった作品でした。

「うちのカミさん」という定番せりふは、4回ありました。

そのうちの三つは、「友人のハリー」と「またいとこ」と「じいさん」だったので、正確に言うと1回だけかもしれません。

「もう一つだけ」は4回と数えましたが、そのうちの二つは「もう1分だけ。」だったので、2回が正解かもしれません。

邦題は「断たれた音」ですが原題は「THE MOST DANGEROUS MATCH」です。

直訳すると「もっとも危険なマッチ」ですが、こちらの方がいいかな。

「断たれた音」は響きはいいけど、意味が伝わりにくいような気がします。

ローレンス・ハーベイの娘

今回のコロンボは、ゲストスターのローレンス・ハーヴェイの死期が迫っていたこともあり、非常に哀愁のただよう作品となりました。

そしてまたローレンス・ハーヴェイの娘「ドミノ・ハーヴェイ」も35歳の若さで亡くなっています。

イギリスの裕福層に生まれたドミノですが、幼い頃に父ローレンスを亡くし、生活が一変してしまいました。

父譲りの美貌を活かしてモデルになったものの、最終的にはバウンティハンター(賞金稼ぎ)になったそうですよ。

その数奇な運命は、キーラ・ナイトレイ主演で映画にもなりました。

これはぜひ観てみたいですね。

ではまた、刑事コロンボでお会いしましょう!

 

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