刑事コロンボ第5作品目の「ホリスター将軍のコレクション/ DEAD WEIGHT」。
抜群の直観力と観察力ですぐに犯人に気がつくコロンボが、当初は殺人事件の存在を疑っていたという今までとは毛色の違う作品です。
が、とうとうコロンボは、ホリスター将軍の矛盾に気がついたようです。
コロンボの捜査が本格的に始まる後半のあらすじとネタバレです。
前半のあらすじはコチラから。
刑事コロンボ#5-1 ホリスター将軍のコレクション/ DEAD WEIGHT あらすじとネタバレ(前半) コロンボが大阪弁をしゃべる?
#5 ホリスター将軍のコレクション/ DEAD WEIGHT (1971年)
目撃者を懐柔しようとする将軍
口説き文句-1 あなたを罰するため
ホリスター将軍は大胆にも目撃者ヘレンの職場、アーク公園を訪れます。
そしてヘレンを食事に誘うのです。
警戒し「なぜ?」と聞くヘレンに
あなたを罰するためですよ。あなたは確証もなしにこの私を罪人扱いした。これは人権蹂躙ですぞ。付き合う義務があると思いませんか。
と、ホリスター将軍は答えます。
なかなかしゃれた誘い文句だと思いませんか。
ヘレンもまんざらではないようですよ。
やるな!じじい!
口説き文句-2 鬼検事さんに乾杯!
ヘレンを食事に連れ出すことに成功したホリスター将軍。
ピアノの生演奏が流れるしゃれた店です。
鬼検事さんに乾杯。哀れな罪人より。
とまあ、エスプリが聞いていて自虐的なところが懐の深さも感じさせ、ダンディですよね~。
まだ食事が始まっていないのに、乾杯のセリフだけで、女の心に切り込みます。
さすが海兵隊の英雄、切り込み隊長。
婚活男子に見習ってほしいわ。
口説き文句-3 真犯人は海と太陽
恐縮したヘレンは、「検事なんて裁くつもりもなく、見た通りを知らせただけ。」と遠慮がち。
そこで将軍は
あなたは恐らく欺かれてるんだ。あなた自身に。
というより真犯人は海と太陽かな。
長い間海の上にいると誰でも視力がおかしくなってくるもんです。あなただって経験があるはずだ。
と、ヘレンが、発砲事件を見間違えたのだと、暗に諭すのです。
「真犯人は海と太陽」なんて、何ともロマンティックな言い訳ではないですか。
今までヘレンの目撃を信用しなかった、コロンボやヘレンの母と違って、こういう言い方なら、
「海と太陽のせいだったのね。」と彼女も認めてみる気持ちになりそうなものです。
ホリスター将軍は、「これにて反対尋問終了」とこれまたエスプリをきかせて、身の潔白が証明されたことにしてしまうのです。
口説き文句-4 あなたと別れるなんて因果な男だ
ホリスター将軍は、ウォルターズ夫人からヘレンに婚歴があることをすでに聞いています。
あなたと別れるなんて因果な男もいたもんだ。
とまあ、さっそくヘレンを口説きに入ってますよ。
将軍の軍人語録-6 一回戦で負けただけ
バツイチのヘレンをホリスター将軍は
しかしまあ戦で言えば一回戦で負けただけですよ。まだお若いしチャンスはいくらでもある。
と慰めます。
口説き文句-5 しまったと思うことがある
今度はヘレンが独身のホリスター将軍に、おさびしくはありませんか、と質問します。
しまったと思う事はありますよ。例えばゆうべのように偶然美しい方に会った時なんかね。
ですって!
完全にヘレンを落としにかかってます。
「まあ。からかわないで下さいな。
女ってお世辞だってわかっていてもやっぱり本気にしてしまうものなんですよ。」とまんざらでもありません。
そしてヘレンは、発砲事件の加害者と目撃者が一緒に食事してるなんて、おかしいと、少し現実に戻ろうとします。
確かにおかしいね。でもかまわない。これからも時々つきあってもらえませんか?どうです?
と、将軍は見事に次に約束までとりつけるのです。
口説き文句-6 了解の信号ととりますぞ
ホリスター将軍に次の誘いを受けて、一瞬とまどい言葉をなくすヘレン。
ですがその様子を見て将軍は
了解の信号ととりますぞ。
と、ヘレンが承知したことにしてしまいます。
すごいですよね。
相手を尊重しているようで強引。
強引なようで相手を尊重し、選択権はちゃんと与えている。
父娘以上に年が離れているのに、お見事としか言いようがありませんね。
それほど海兵隊の英雄というのは、アメリカではカリスマ的存在なのでしょうか。
日本で言えば長嶋茂雄とか、千代の富士みたいなイメージ?
百戦錬磨の軍人からすれば、バツイチのメンヘラなんてちょろいものだったのかもしれません。
しかしシリーズ開始の第一話「構想の死角」から、ゲストスターは三人連続で独身男性です。
当時アメリカの成功者は、独身貴族がステータスだったんでしょうかね。
あるいは独身男性が殺人者の方が、脚本が練りやすいんでしょうかね。
コロンボの疑惑-3 ヘレンに近づくホリスター将軍
コロンボはヘレンの家で、彼女を待ちながらウォルターズ夫人と話をしています。
ウォルターズ夫人もまたシングルマザーで、ヘレンはだいたい33歳ぐらいみたいです。
そこへヘレンが上機嫌で帰宅し、ホリスター将軍と食事していたことを得意げに話します。
しかもホリスター将軍にヨットに誘われ、次のデートも決まっているのです。
これに疑問を感じないコロンボではありません。
少し変だと思いませんか。
と、コロンボは、ヘレンのこともヘレンの家もホリスター将軍には伝えていないことを不思議に思います。
そして将軍がヘレンに興味を持ったことにも不信に感じます。
ダットン大佐の車が発見される
コロンボは検挙された不良グループが、ダットン大佐の車に乗っていたことをヘレンに知らせます。
ダットン大佐は海兵隊の調達部長で、ホリスター将軍の会社と取引があったこと、休暇をとってスイス行きの飛行機を予約していたのに行方不明になったことを、ヘレンに伝えます。
ダットン大佐の写真を見せますから確認してもらえませんか。
もしホリスター将軍に撃たれた人物と分かればこの事件は一挙に解決がついてしまう訳です。
しかしヘレンは、ダットン大佐の写真では、撃たれた人物かどうか分からないと言います。
そこでコロンボは
死体が見つかるまでその写真をあんたが持っていて下さい。
と言いますが、コロンボはすでにダットン大佐がホリスター将軍に殺されて亡くなったことを確信してるってことですね。
まだダットン大佐の死体がない以上、行方不明の状態なのに。
そしてコロンボはこう言って、ヘレン家を後にします。
女って分からないなぁ。
あんた確かに見たって言ってたでしょうが。
ところが将軍にごちそうになった途端に今までと打って変わった態度だ。
そうですね。ヘレンにはわたしもがっかりです。
正義感の強い女性だと思ってたのに、あんなじーさんにメロメロにされて。
でもわたしもヘレンの立場で、将軍がプルシェンコとか尾崎豊なら、証言をくつがえしたりするのかな…。
ホリスター将軍の懐柔策
ヘレンをヨットで釣りに連れ出したホリスター将軍。
ヨットから将軍の屋敷をヘレンに見るように言います。
ガラスが光って何も見えないというヘレンに
君が事件を見たというのはあの中だよ。時間も今とちょうど同じだ。
と、ヘレンの目撃が見間違いであったことを、彼女自ら体験させることによって証明するのです。
朝鮮戦争の英雄は、その名の通りすごい策略家ですね。
口説き文句-7 上官の命令だ
ホリスター将軍の自宅でディナーを楽しむヘレン。
将軍はヘレンをダンスに誘います。
ヘレンはダンスが苦手だと断るのですが、
踊るんだ。上官の命令だ。
と将軍は強引です。
そして二人はダンスするのですが、アメリカでは男女の仲を深めるために、気軽に踊るんですかね。
日本にはダンスする習慣がないから分かりませんが、映画なんかみてると、二人きりになるとすぐダンスしますよね。
アメリカ人のたしなみみたいなもんなんすかね。
ダンスを踊りながら、二人はキスします。
これ、二回目のデートなのに、キスって早くない?
相手が老獪な海兵隊の英雄で、バツイチの33歳のデートじゃあ、まあ、普通か。
ダットン大佐の遺体発見
ダットン大佐の遺体が、マルゴ湾南2キロの海岸近くで発見されました。
重りで沈められていたのですが、重りのロープが切れたため浮いてきたようです。
コロンボはヨットで、海に出ようとしているホリスター将軍を訪れます。
ヨットのテストと訓練をしたいというホリスター将軍と一緒に、コロンボは船に乗り込むのでした。
コロンボの大嘘
ダットン大佐の遺体が見つかった以上、コロンボはホリスター将軍を守るためにやってきたと言います。
このときコロンボはすでに、ホリスター将軍がダットン大佐を殺害したと確信しています。
アタシとしちゃあ滑稽の一語なんですけど
「ここまで容疑が深まった以上あなたを逮捕すべきだ」
なんてわめく上司も何人かおりましてね。
コロンボは捜査の言い訳に、よく上司を使いますね。
つむじの曲がった(上司)がそろってますから。
それで「お前何しとるんだ?」なんてアタシの尻をたたくんですよ。
もっとも人を疑るのが我々の商売だからしかたありませんが。
コロンボの疑惑-4 ホリスター将軍とダットン大佐の黒い関係
コロンボは、ホリスター将軍がダットン大佐を通じて軍の仕事を請け負い、その契約数がここ2~3年ほどで、異常にのびていることを指摘します。
そして近々検問総監の監査で当然突っ込まれる事象であり、ダットン大佐が消されてしまうのにタイミングが良すぎると言います。
ホリスター将軍は、覚えがないと伝えます。
コロンボの疑惑-5 もう一つ-2 ダットン大佐の遺体が上がった
コロンボは、「もう一つあるんです。」とさらなる疑惑を口にします。
ダットン大佐が行方不明になった翌日の朝、ホリスター将軍はヨットに乗っていました。
そのヨットハーバーの沖合で沈められたものは、4~5日たつと必ず大佐の死体が上がった付近の海にたどりつくのだとコロンボは説明します。
ホリスター将軍は
そいつは推測だろ。あくまでも。いわば山勘にすぎない。
と、自分の関与を否定するのです。
コロンボの疑惑-6 ダットン大佐の車
疑いを向けるコロンボにホリスター将軍は言い放ちます。
このわしを逮捕する腹なら大佐とのつながりを立証してみろとな。二人があの日会ったという証拠はどこにもないじゃないか。
この言い分をいいことにコロンボは指摘します。
アタシ、あの晩大佐のものらしき車がお宅の横に止まってるのをたまたま見かけてるんですがね。
ホリスター将軍は
大佐がどんな車に乗っていたか知らんが、同じ車はこの州だけで何万とあるんじゃないのか?
それとも君はその車のナンバーを手帳にでもメモでもしておいたのかね。
とコロンボを責めます。
その必要はないと思って。
というコロンボに
その必要はない?ベテランの刑事としては手抜かりだったな。
と言ってヨットのスピードを上げます。
かわいそうにコロンボ、すっかり船酔いしてしまったようです。
第二話「死者の身代金」でも殺人犯レスリーに飛行機に乗せられて、縮こまっていましたよね。
コロンボは乗り物に弱いのでしょうか。
コロンボのルーツが明らかに
船酔いしてしまったコロンボをホリスター将軍は
しかし分からんな。
コロンボといえば…コロンブスの子孫じゃないのか?
これしきで酔うとはだらしがないぞ!
と叱咤します。
きっと劣勢遺伝なんでしょう。
あとどのぐらいかかりますか。
と、反論する余裕すらありません。
コロンボは、コロンブスから派生したファミリーネームだったのですね。
ご存知コロンブスはイタリアジェノバで生まれて、アメリカ大陸を発見した有名人ですね。
くつがえされたヘレンの証言
コロンボとホリスター将軍の船がヨットハーバーに近づき、ヘレンが手を振って待っています。
それを見たコロンボは
手はありますよ。あなたとダットン大佐のつながりを証明する。
ヘレンさんですよ。
と将軍に伝えます。
しかしホリスター将軍は余裕しゃくしゃく。
コロンボは、ダットン大佐の遺体が見つかったことをヘレンに伝え、
決め手になるのはあなたが目的した事実。
あなたが何を見たかです。
とヘレンの証言を求めます。
しかしヘレンは何も見ていない、光による目の錯覚で、勘違いだったので取り消すと言うのです。
そして
「もうたくさん。私につきまとわないで。」
とコロンボをつっぱねるのです。
コロンボの疑惑-7 兵士にとって戦利品への価値
船酔いをさましにバートの店を訪れるコロンボ。
たばこを吸おうとしますが、またマッチを持っておらず、バートに借ります。
コロンボは、バートが兵隊をしていた頃の戦利品を大切に持っているのを目にします。
「人には笑われるけど捨てる気にはんらないんでさ。命を的に戦ったときの大事な記念の品だからね。」
これを聞いたコロンボの胸に何かがよぎります。
慌ててヘレンに電話し、呼び出すのです。
物語は一気にクライマックスへ向かいます。
バートは沖縄戦に参加していた?
日本語字幕では分からなかったのですが、バートの戦利品の中に、沖縄で見つけた日本製の木のスプーンがあります。
この画像でコロンボが触れているスプーンです。
バートを演じるティモシー・ケリーは1929年03月11日生まれで、1994年5月11日に没しています。
沖縄戦は1945年ですから、16歳の頃沖縄戦に参加していたと考えれば、無理のない設定ではあります。
コロンボの登場人物バートが、かつて日本の沖縄で戦ったと思えば親しみがわくような…。
でも沖縄をむちゃくちゃにした敵兵だと思えば憎んだ方がいいような…。
日本人としては複雑な気持ちですね。
ただバートの
「戦争はもうまっぴらだけど、思い出を忘れろという法はないでしょう。」
というセリフが、胸にせまります。
ホリスター将軍の最大の名誉である陳列室のコレクション
ある人物を理解するのには過去を知るのが一番だからです。
将軍の命を守った本
ホリスター将軍はの展示物の中に、弾が命中した教則本がありました。
コロンボはヘレンに、この本のおかげで将軍まで弾が届かず命広いしたけど、そのときも将軍は眉一つ動かさなかったとホリスター列伝を話します。
それどころじゃない!
勇気がありすぎるんですよ。
薄気味の悪いぐらいの勇気。
あんたやアタシの100倍もあるんだ。
とても人間とは思えない。
普通の男なら震えてしまうような事でも平気の平左だ。
冷血って言うのか。
どんなときでも絶対に取り乱したりなんかしないんだ。
と、その恐ろしさを言い聞かせるのです。
オーダーメイドの軍服
コロンボは続いて、ヘレンに将軍のオーダーメイドの軍服について説明します。
軍人には珍しく、計算の上作られた軍服です。
ホリスター将軍がいかに自分の持ち物にこだわりがあるかを示すエピソードです。
コロンボ最後の疑問 将軍のコルト45口径の銃
そしてコロンボは、最後にホリスター将軍のトレードマークである真珠のついたコルト45口径の銃を見せます。
たいした銃だ。
将軍には周囲の注意を惹きつける天賦の才能があるんでしょうな。
とコロンボが口にしたところで、
時にはあまり歓迎できん注意もあるがね。
どういう魂胆かね。
と言ってホリスター将軍があらわれました。
コロンボは答えます。
問題はここにある複製の銃ですよ。
そしてコロンボは、戦利品から軍服、ライターまで将軍が身の回りのものを異常と言えるほど大切にしていることを指摘します。
さあ、コロンボ、怒涛のたたみかけです。
ところが真珠をちりばめた愛用の拳銃だけは病院でなくしたという。
そんなことはありうるだろうか?
あれは名将ホリスターの伝説になくてはならんもんだ。
そうでしょ?将軍
コロンボは、自分が将軍だったらその銃を命の次に大事にして、決してなくしたりしないと強調します。
絶えず磨き油を指し弾を込め、ダットン大佐のような人が来て、秘密を漏らすと脅かされれば、いつでも撃てるようにしておくと、言います。
そしてその大切な銃が、どこにあるかがコロンボ最後の疑問でした。
絶好の隠し場所があった。
誰の目にも触れる所。
きれいに飾ったケースの中。
つまりはこの陳列室の中だ。
普通の人間なら犯行後急いで凶器を隠す。
死体に弾が入っている以上、弾道検査をされれば全ての秘密が明るみに出てしまうからだ。
しかしあの拳銃はあまりに貴重だった。
永久に処分するというような事は思いも寄らなかった。
あなたにとっては名誉のシンボルであり過ぎし日の栄光を最も雄弁に物語ってくれるものだからだ。
それにあなた自分の名声に酔ってるからあれは複製だということを誰もが信じて疑わないと誤算した。
複製なんてはじめからなかったんだ。
あんたはこの銃で大佐を殺した。どうです。将軍。
さあ、コロンボが王手をかけました。
ホリスター将軍は
そこまで言う以上、弾道検査もすんでるんだろう。
と言って、罪を認めました。
待機していたコロンボの部下の刑事が、将軍に手錠をかけようとします。
そんな必要はないよ。
とコロンボは、部下が手錠をかけるのを止めます。
軍人として死線をくぐり抜けてきた将軍がいまさら悪あがきしない人物だと敬意を払っていますね。
ホリスター将軍は最後にヘレンに
すまなかった。
と謝罪します。
そして将軍を囲んで腕を持って連行しようとする二人の警官を一瞬静かに威嚇します。
すると二人の警官は、将軍の威厳に飲まれて腕を放すのです。
堂々たる最後ですね。
コロンボの姪
恋人を失ったこと、そして騙されていたことに涙を隠し切れないヘレン。
「どこまでついてないのかな。世界には何十億って男性がいるのにいつも変なのばっかり。カスをつかむ天才なのかしら?」
とすでにホリスター将軍をカス呼ばわりです。
アメリカの英雄なのにね!
「貝みたいに自分の部屋に閉じこもって一生出てこないようにしようかな。」なんて言ってます。
そりゃいけないよ。
アタシの姪のマリリンってのもね離婚した当座はそんなこと言ってたけど今じゃ刑事と一緒になって子供もなんと6人。
結構幸せそうな面してますよ。
とコロンボはヘレンを慰めます。
このマリリンって実はコロンボの奥さんじゃないでしょうか。
だとしたら、最後の最後にやっと「うちのカミさん」登場ですね。
ヘレンは
「警部さん あなたにそんな大きいい姪御さんがいるなんておかしいわ。嘘なんでしょう。」
と問います。
アタシは嘘をつくのが大嫌いな男でね。
とコロンボが答えたので、ヘレンは「じゃあホント?」と聞きます。
すると最後の最後にコロンボのコロンボならではコロンボによる洒脱なこのセリフ。
嘘を扱うのが刑事の商売でね。
これで物語は終わり。
一見落着。
しかしコロンボは嘘つきではなく、嘘を扱っていただけなんですね~。
もうコロンボの何を信じていいのか分からない!
全て嘘だし、全てホント。
これがコロンボ、コロンボのしるし。
刑事コロンボの主役はゲストスター?!
今回の「ホリスター将軍のコレクション」は冒頭に述べた通り、あまりコロンボの活躍が見られない作品でした。
その分、ホリスター将軍や目撃者のヘレンのキャラクターが際立っていたので、今回は将軍の言動にもスポットライトを当ててみました。
ホリスター将軍が主役だと思えば、確かにあますことなく、彼のキャラクターが色濃く打ち出され、強い存在感をはなっています。
特に「ホリスター将軍のコレクション」という題目の通り、前半から戦利品の数々に並々ならぬ思いを寄せる伏線。
そしてその戦利品への執着によりコロンボが愛用の銃の存在に気が付くラストは、将軍のキャラクターとコロンボの観察力がよく表現されたすばらしい構成でした。
彼の軍人語録や口説き文句もとても印象的でした。
「ホリスター将軍のコレクション」の原題は「DEAD WEIGHT」、重荷とかいう意味だそうですが、この話は日本語訳の方が、作品の主旨をとてもとらえていて良いと思います。
もともと刑事コロンボは、ゲストスターの活躍を魅せるために倒叙形式がとられています。
ゲストスターであるエディ・アルバート演じるホリスター将軍の物語だと考えれば、とても見ごたえのある作品だったのではないでしょうか。
ちなみにエディ・アルバートはかの名作「ローマの休日」のカメラマン役で、アカデミー賞助演男優賞候補になった名優なのですって。
写真左手の人物です。
とても若く見えますが、当時47歳、コロンボ出演時で65歳ぐらいですね。
何と99歳まで生きた大往生だったらしいですよ。
コロンボに出演していた役者さんたちは、ほとんどがすでに鬼籍に入っています。
しかし彼らはいつまでも作品の中で永遠に生き続けることができます。
そう考えると役者って
はは~うらやましい仕事だ。
ですね。
コロンボの王手
今回のコロンボの王手は、犯行に使われた凶器を見つけ出した、でした。
これは犯人もぐうの音も出ない見事な証拠でした。
定番セリフ「うちのカミさん」は一度も登場しませんでしたが、家族の話としては「うちの兄」がありました。
またラストに「うちの姪」というセリフも、「うちのカミさん」の類似のセリフです。
「一つだけ」というセリフも一回だけでした。
ではまた、刑事コロンボでお会いしましょう!