ASDパワハラ上司タカピマから逃亡すべく、大好きなグリーソン所長と、新入社員のコウさんと、新商品見学会に出かけたプチ初老ころん。
新商品の置いてある店舗にとうちゃこ!
しかしその店舗はお休みでした。
といっても、同じグループ会社の店舗である。
鍵の暗証番号を教えてもらっているから、勝手入って見学してもよいことになっている。
そこでグリーソンさんがワイヤーロックタイプの鍵を開けようとした。
だけどワイヤーがねじれて裏返しに鍵がかかってたみたいで開かない…。
新入社員のコウさんと二人がかりでガチャガチャしだしたんだけど開かない…。
聞いていた暗証番号が間違っていたみたいで開かない…。
わたしが電話で、担当者に暗証番号を聞くことになった。
やはり担当者に聞いた番号と、グリーソンさんが聞いていた番号と相違があって、つまり暗証番号間違えていたってこってす。
正しい暗証番号が分かれど、鍵のワイヤーがねじれていたので、なかなか開かない。
グリーソンさんとコウさんの二人がかりでそのねじれをなおしていた。
するとなんとか鍵が開いたのです!
二人の鍵を開ける奮闘ぶりをのんきに眺めていただけのころん。
眺めていただけのことがやましい気持ちになったので
わあ♡初めての二人の共同作業ですね♡
といつものごとくテキトーなことを言って、その場をきれいにおさめようとした。
グリーソン所長はこころなしか嬉しそうだった。
これが初めての共同作業になるとは…。
と言っていたけどね。
思わぬところで時間をロスしたとも言っておった。
わたしは少しでもグリーソンさんと一緒にいたいから、思いがけないトラブルで時間をロスしてくれてもむしろ有難い。
もうパワハラタカピマのいるオフィスなんて帰りたくないもん。
何はともあれ、鍵が無事開いたので店舗に入って、グリーソンさんの解説を聞きながら新商品を見学する。
グリーソンさんは写真も撮影していた。
わたしとコウさんが、新商品を見学している写真も撮っていた。
わたしのことが好きだからかしら?
グリーソンさんは、わたしに新商品の購入をすすめていたけど、金額が大きいので無理なことです。
わたしはコウさんに、どれがいい?って聞いたら、割と高額の商品を選んでいた。
そら、高い方が素敵に決まっとるもんね。
やっぱりこの商品いいよね。
所長におねだりしたら買ってくれるかも?
と、いつものごとくテキトーな冗談を言う。
そしてグリーソンさんに
あなた~。
コウちゃんがこれがいいって言ってるわよ。
もうこれに決めましょうよ。
と思い切って夫婦ごっこ、家族ごっこのように言ってみたら
何言ってんねん!
って怒られたぁ。
実はこれは一つの恋愛テクニックです。
夫婦を演じることで相手に暗示をかけ、本当の夫婦のように錯覚させる、妻として意識させるというもくろみがあります。
暗にわたしがグリーソンさんと夫婦ごっこできるぐらいの好意を持っていると伝えることもできるわけです。
でも怒られたぁ。
初老の恋のテクニック、失敗か…。
怒られたってことは、テキトーに流せないってことは、実はわたしのことを意識しているのかもしれない。
と、何でも前向きに考えてみる。
無事新商品の見学を終えて、わたしたちはオフィスにもどる。
帰りの車でもいろいろお話したけど、もう忘れちゃった。
グリーソンさんは新入社員のコウさんに、商品知識を教えたり、販売テクニックを伝えたりしていた。
わたしは
グリーソン所長にたくさん同行してもらったらとても勉強になるし安心ですよ。
もと京都で一番のスーパー営業マンだったんだから!
と、とにかく男は褒めるが恋愛テクニックとばかりに、アホの一つ覚えのように褒めちぎる。
ありがとう。
とグリーソンさんは言ってくれたけど、喜んでくれたのか社交辞令なのか…。
もとスーパー営業マンであるグリーソンさんの、ソツのない社交辞令というのが、この男の本心が読めないところなのよね…。
やがてわたしたちはオフィスに着く。
オフィスに戻りたくないけどね、タカピマの顔なんて見たくない。
帰ったら案の定、ASDパワハラ上司は不機嫌で、わたしにたいする当たりが強かった。
だけどグリーソンさんの運転する車で初めてお出かけして、たくさんの時間を過ごせたわたしは、タカピマの機嫌など全く気にならない。
強気でプンってしてやった。
わたしは今日、余計なこと言っていろいろやらかして、グリーソンさんをドン引きさせちゃった。
それでもグリーソンさんと一緒に過ごせて、楽しかったわ、嬉しかったわ、幸せだったわ。
夫婦プレイまでやっちゃったんだからね。
きっと今日、わたしたちの距離はグッと近づいたに違いないと、わたしは二人の将来に甘い夢を見る。
平凡に毎日を送っていても、昨日と同じような明日を過ごしていても、あるとき、起こるべくして出来事は起こる。
最初からそうこしらえられていたように、日々は少しづつ変わってゆく。
わたしたち二人の関係も…。
起こるべくして起こった出来事なのに、神様が起こしてくださった奇跡なのに、それをどう受け止め、どう行動するか、いつもわたしたちはためされている。
愛の逃避行編 終わり
ころんが最近買って、毎日職場で飲んでる黒酢。
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