職場で嫌われ者として名高いバブル姫の話題を使って、憧れのグリーソンさんと飲みに行く約束ができたプチ初老ころん。
社内イベントが開催されていたこの日、ころんがバブル姫の名前を使ってナンパしたのは、グリーソンさんだけではなかったのです。
何度か説明しているが、バブル姫が務めているのが親会社で、わたしが働いているのは、同じグループの子会社です。
この日の社内イベントに、親会社からバブル姫お気に入りの男性が、お手伝いに来てくれていたのです。
この男性の名前を、高橋さんとしよう。
理由は高橋克典に似ているからです。
バブル姫は社内で宴会があると、酔っぱらってこの高橋さんに抱き着いたり、壁ドンをさせたりするという。
50歳の女が、30歳ぐらいの妻子持ちの新入社員に壁ドンをさせるって、なんというホラー?
この出来事についてはコチラの記事でも綴ってます。
職場に無料のキャバクラ嬢がいる有名企業 イケメン新入社員はもれなく痴女に壁ドンをさせられる
壁ドンをさせられたときの高橋さんは、どんな気持ちだったのだろう。
それを知りたいという好奇心を、わたしはおさえることができなかったのである。
するとそのチャンスがこの日、やってきたのである!
ちょうどわたしがお昼休憩に行く同じタイミングで、高橋さんも休憩に行くところだった。
わたしたち二人は、慣れないイベント会場で休憩場所が分からず、二人で少し、さまよったのである。
しかしわたしは、これはチャンス到来、この人に付きまとってバブル姫のことを聞き出してやれ!
と、高橋さんについていき、休憩場所で隣の席に座ってやった。
そして声をかけた。
高畑さんですよね…。
すると高橋さんは、
「いえ、高橋です。」と言った。
あ、失礼しました。
ころんと申します。
わたしね、高橋さんのこと、知ってるんですよ…。
と意味ありげに馴れ馴れしく話しかけるプチ初老ころん。
「え?何でですか?」
と戸惑う高橋さんに
わたしね、高橋さんのこと親会社まで見に行ったことがあるんです。
とさらに思わせぶりに言うころん。
「えー!?」と驚く高橋さんに、あまり気味の悪い思いをさせてもアレだと思って
バブル姫さんのお気に入りの男性と聞いて、どんな男性かと思って、わざわざ見にいったんです。
と言うと
「それ、僕のこと間違って解釈されてますよー!」
慌てる高橋さん。
「いえ、バブル姫が宴会のときに抱きつくお気に入りの男性がいるって聞いて、どんな人だろうって見に行ったんです。
高橋克典さんや細川茂樹さんに似た、切れ長の目のイケメンですね♡
後輩さんは、鈴木亮平に似てるって言ってたかな…。」
と、わたしはこの後もいろいろ聞き出したいので、歯の浮くようなセリフで高橋さんを持ち上げた。
「それ僕のこと、良く言い過ぎですよー!!」
と、ちゃんと謙遜する立派な青年でした。
そして高橋さんはバブル姫のことを、
「まあ…、あの人は、別次元の人ですから…。」と言った。
ふーん。やっぱ、バブル姫にちょっと引いててるんですね。
そのとき、新入社員の女の子がお昼を食べにやってきて、わたしの隣の席に座った。
その新入社員は、一見清楚でおとなしそうなのだが、わたしは最近目がエロくて案外男好きだなってにらんでいる。
何か、いつもくねくねしている。
この女の子もときどき登場するので名前をつけておくね。
似ている芸能人探したんだけどピンとくる人がいなくて、系統で言えば清楚系ってことで、新垣結衣とか吉高由里子とか夏帆って印象かな…。
線が細い子なので、そこまで似てないけど、吉高由里子からとって、ゆり子さんってことにしておくね。
ゆり子さんにわたしは高橋さんを、「バブル姫のお気に入りの男性、高橋さんです。」と紹介して、二人は挨拶をかわした。
ゆり子さんには悪いけど、わたしはまだまだ高橋さんに聞きたいことが山ほどあったので、話を続けた。
高橋さん、ご自身の歓迎会でバブル姫さんに壁ドンをさせられたんですって?
と聞くと高橋さんは
「何でそんなことまで知ってるんですか!後輩さんに聞いたんですか?!」
と、あせっておる様子でした。
いえ…。後輩さんじゃなくて、わたしは何でも知ってるんですよ。
ウフフ…。
とごまかすわたし。
高橋さんは
「しかも僕ね、勢いが足りないとか言って、二回もさせられたんですよ!
20人ぐらいの前で!」
とたまっていたものを吐き出したかのような言い方だった。
やっぱり嫌だったんだね。高橋さん、かわいそう…。
わたしは高橋さんに同情すべく
入社した早々、自分の歓迎会で壁ドンなんてさせられたら、パワハラのセクハラですよね!
そんな経験された人、なかなかいないですよね。
気の弱い人だったら退職してますよ。
と言ったら高橋さんも大きくうなずき
「どんな会社やって思いましたよ!この会社、おかしいんですよ!」
と怒っておった。
わたしは高橋さんとゆり子さんに
「壁ドンって、突然壁際に追い詰められてどうしていいか分からないというときめきが醍醐味なのに、最初からされることが分かっている壁ドンなんて、何がいいのか分からないですよね。」
と言って、バブル姫を否定した。
高橋さんは、「まあ、そうですね。」と同意してくれた。
そしてわたしは新入社員のゆり子さんに
でも自分のご主人さんが、会社で年上女性に壁ドンとかさせられてたら、奥さんとしては嫌ですよね~。
と話題をふってみたら、ゆり子さんもうなずいておった。
すると高橋さんは
「まあ、妻にはそういう人だって言ってありますから、理解してくれると思います。」
と、ちょっとムッとしていた。
わたしは
「え?バブル姫さんの話、奥さんとしたりするんですか?」と尋ねると
「まあ…、会社にそういう人がいるというのは、話してあります。」と高橋さんは答えた。
ふーん…。
ということは、奥さんとの会話もありーの、信頼関係もありーの、円満で幸せな家庭を築いているってことですね。
残念ながらバブル姫の入り込む隙間は1ミクロンもないようですよ。
しかし笑えるな。
本当はバブル姫はこういう年下の爽やか好青年とときめきオフィスラブがしたかったんですよ。
なのに結局バブル姫を相手にしてくれたのは、ギンタじーさんだけ。
そのギンタじーさんの好意にもつばを吐くようなマネをしてさ。
これが哀れを通り過ぎて滑稽な老女の成れの果て。
ちなみにギンタじーさんとバブル姫のバトルについてはこちらの記事より。
バブル姫最大のスキャンダル-1 姫、同僚をセクハラで訴える!?
食事を終えた高橋さんはそそくさと
「お先に。」
と言って、立ち去ろうとした。
わたしは
どうもぶしつけなことばかり言って、失礼いたしました。
て謝っておいた。
あらら、ころんってばせっかく男を捕獲するのに成功したというのに、また逃げられてしまいました。
一体何人の男に逃げられれば、ころんの婚活は終わるのか。
高橋さんが、バブル姫に付きまとわれているだけでも辟易しているのに、今度は子会社の訳の分からんおばさんにまで目をつけられたで、なんて思ってたらどうしようかしらん。
俺って、年上おばさんを惹き付けてしまうのかなぁなんて、悩んでたりして。
この高橋さんとちゃんとお話ししたのは初めてなのだが、落ち着いた話し方でとても好印象。
りょうさんにこの話をしたら、「あの子、声がいいねん。」て言ってたから、そうなのかもね。
バブル姫がご執心なのも分かる気がするね。
もしもバブル姫の壁ドン事件がなければ、わたしはこの高橋さんという青年に興味を持つこともなかっただろう。
高橋さんは親会社にいるその他大勢の男性として、ただの風景としてわたしの目を素通りしてゆくだけ。
だってさー、入社早々自分の歓迎会で20歳も年上の老女に壁ドンさせられるって、そんな経験した人、日本中探しても高橋さんしかいないんじゃない?
わたしはどうしてもその貴重な体験談を直接聞いてみたかったの。
そんなことを根ほり葉ほり聞くのは、痴漢された女性に、そのときどんな気持ちだった?って聞くのと同じかしら?
セカンドレイプってヤツかしら?
そんなわけで、わたしはバブル姫の話題を使って、グリーソンさんと飲みに行くという願いを叶えた。
さらに高橋克典のイケメンにも話しかけて、顔見知りになることに成功した。
バブル姫の話題が、わたしの社内の交流関係をどんどん広げてくれる。
そこでわたしは気がついたのです。
バブル姫の話をするのは、天気の話をするのと一緒だな、と…。
人は、話しかけるきっかけがほしいときや話題に困ったときに、天気の話をする。
わたしは、話しかけるきっかけがほしいときや、話題に困ったときに、バブル姫の話をする。
これでグリーソンさんと上手くいったらもう、わたしはバブル姫には感謝しかないわけです。
というわけで、職場の嫌われ者を話題をあげることは、天気の話をするのと一緒だな、と気がついた出来事でした。
あなたももし職場で困った有名人がいるのなら、その人の話題を使って気になる人に話しかけてはいかがでしょうか?
すると嫌いだったその人に、感謝しか生まれなくなるかもよ。