結婚を前提としたお付き合いをしているセーブタさんとウキウキUSJデート中のはずなのに、不快感しかないプチ初老ころん。
もうこんな男とはしゃべりたくないで、と、わたしはUSJのアプリで次に乗りたいアトラクションの時間を調べることにした。
「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド ~バックドロップ」に乗ったことがなかったので、体験したかったけど、待ち時間が長い。
「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド ~バックドロップ」は背中方向に進んで落ちていくジェットコースターで、その珍しさから人気のアトラクションです。
わたしは多少待ち時間が長くてもよかったのだが、年間パスポートを持っているセーブタが、イヤかなと思って気にしていると
「乗りましょう!」
と言ってくれたので、並ぶことにしました。
そのバックドロップのアトラクションの入り口に入ろうとしたときのことである。
クルーから、セーブタさんが呼び止められていた。
このアトラクション、乗ったことがありますか?とセーブタさんは質問されて、「あります。」と答えるとそれで話は終わった。
そのときは、何でセーブタがクルーに、話しかけられたのか分からなかった。
しかしその後すぐひらめいた。
USJのアトラクションは、体格が大きすぎてシートに座れないと、利用ができない。
つまりセーブタがデブ過ぎて、ライドに乗ることができないのでは?とクルーに思われたってことである。
セーブタは、どんだけデブなのか。
身長172㎝、95キロ。
ところでわたし、最近乗馬を始めようかと思ってる。
乗馬するには、90キロ以下の体重が望ましいんだと。
あかんやん!
セーブタ、乗馬もできひんやん!
セーブタって、規格におさまらないぐらいのデブなんだなと思うと、さらに憂鬱さが増すころんなのであった。
こうなってくると、一緒に歩くのすら恥ずかしくなってくるレベルだわな。
ま、今日で終わる男だからいっか。
さて、今からころんたちが乗り込もうとしているジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」は2タイプある。
一つは通常の前向きに進むタイプで、もう一つは「バック・ドロップ」という背中から落ちてゆくタイプである。
わたしは通常タイプは乗ったことがあったが、バックドロップは体験したことがなかった。
バックドロップの方が、後から出来た、つまり新しいので人気もあり、並び時間も長かった。
しかしセーブタさんは、通常の前から落ちるタイプの方が好きなんだと。
「前から落ちるとき、おなかがフワっと浮く感覚がありますよね。
あれが怖くて…。」
とわたしが言うと
「あれが気持ちいいんですよー。」
とアツくセーブタさんは語っていた。
以前にも書いたが、セーブタさんはUSJの年間パスポートを持っていて、仕事帰りにジェットコースターに乗るのが趣味だとか。
あのおなかがフワッと浮く感覚が気持ちよくて、USJに通いつめているとか?
それって実は、マスターベーションと同じでは…?
USJのアトラクションを、オナニーに使う男なのか。
USJは風俗代わりなのか…。
と思ってしまい、何だかセーブタさんがますます気持ち悪くなるころんなのであった。
あるいはわたしが考え過ぎなのか。
そんな想像をしてしまうわたしの方が気持ちの悪い女なのか?
おかげさまで、素敵な男性に全く抱いていただいていないので、欲求不満なのです。
どんなに欲求不満でも、セーブタのような頭ののろい豚野郎にのしかかられることは、ゴメンなのです。
とは思いながらも、今日はほとんどわたしの都合にセーブタを付き合わせたわけである。
それも悪いな、と思ったので、わたしはセーブタがまた体験したことのない、ハリーポッターの待ち時間を、アプリで調べてやった。
すると思ったより待ち時間が少なく、多分30分ぐらいだったかな。
この待ち時間なら、バックドロップの後に、十分行けそうである。
そしてそのようにセーブタに伝えた。
そして順番が巡ってきて、わたしは、いよいよバックドロップ初体験。
ドキドキ…。
ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドは、音楽を聞きながら体験できるアトラクションである。
確か5曲の候補から、好きな音楽を選ぶのである。
当時はクールジャパンのイベントで、期間限定で、進撃の巨人を選ぶことができた。
多分『心臓を捧げよ!(進撃の巨人・ザ・リアルver.)』だったのかなぁ。
曲だけではなく、リヴァイ兵士長の声も聴くことができたのです。
わたしはこれを選んだのであるが、大正解!
めっちゃ怖くて楽しかった。
ちょうどライドが頂上まで登りつめて、さあ落ちるぞという最も怖い瞬間。
リヴァイ兵士長に確か、「もう逃げられないぜ」みたいなことを言われて、めっちゃ怖かった記憶がある。
が、今そのときの曲を探してみると、多分これ。
「もう逃げられないぜ。」じゃなくて、「今さら降りるなんてできるわけないだろ。」だったね。
人の記憶なんていい加減なものですわ。
とにかく今にも落ちるっていうときに、こんなこと言われてどんなにか怖かったか。
どんなにドキドキワクワクしたか。
そして、これ、めちゃくちゃ楽しかった。
わたしがあまり得意でない、ジェットコースター特有のおなかがフワッとする感覚はほとんどなく、どちらかというと、思わぬ方向に重力がかかって、体が引っ張られてゆく感じ。
思い切って力を抜いて、ライドに体をまかせてみると、まるで重力を無視して、空を飛んでいるような不思議な感覚。
とにかく、これ、めっちゃ楽しいです!
進撃の巨人、最高!!
あの、BGM、期間限定じゃなくずっと選べるようにしてくれたらいいのになぁ。
またリヴァイ兵士長に励ましてもらいながら、ライドに乗りたい。
今度は前向きに落ちる通常の方も体験したいな。
♪捧げよ捧げよ
しーんぞうを捧げよ♪
そんなわけで、「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド ~バックドロップ」は最高でした。
その後、わたしたちはハリーポッターエリアに向かったのです。
続く