結婚相談所でお見合いして結婚を前提としたお付き合い中のセーブタさんと、無事USJデートを終えたプチ初老ころん。
全然無事に終わっとらんわな。
わたしには不満しか残らん。
もともとセーブタさんが、わたしのことを好きだから結婚を前提としてお付き合いしてくださいと情熱的に言い寄ってきたのが始まりである。
わたしとしては、そこまで言ってくださるので、こちらもそのうち情が湧いてきて好きになれるかもしれないしね、程度の気持ちで交際をスタートさせたのに…。
情が湧くどころか、イライラして不愉快さだけがつのっていくだけだわな。
全くセーブタは何をやってるんだ!
もっとわたしに好かれるように必死に頑張れ!!
このハゲー!
違うだろー!!
違うだろー!!
ちーがーうーだーろー!!
と、ハゲは豊田真由子を降臨させることしか、していないわけである。
そしてまたわたしはUSJデートで、多分この先、わたしがセーブタのことを好きになることはないだろうと確信してしまったのである。
確信するなよ、わたし!!
となるともうこの交際を終えるしかないわな。
しかし、当時わたしはもうすぐ無職になるという危機を抱えていた。
パワハラでP企業を辞めることが決まり、次の仕事が決まっていない状態である。
このような状態で、結婚相手まで失ってしまう、これいかに。
ここはひとつ、無職になったときの寄生先として、この不快なハゲをおいておくべきなのだろうか。
恐らく結婚したいなんて気持ちは永久に湧いてこないことは、分かっているというのに。
このようにアレコレモヤモヤと一人で考えていても、最善の答えなどでることはない。
そこで友人に相談するわけである。
で、結婚している友人は、口をそろえてセーブタと結婚しろって言う。
最後のチャンスだって言う。
特に早くに結婚した女、20代で家庭を持った女ほど、結婚をすすめるね。
このときは気がつかなかったんだけど、20代で結婚して、ポンポーンと子供に恵まれると、身動きがとれなくなる。
子育てに追われて自分の人生について、例えば他の生き方があったのではないか、などと深く考えるヒマがなくなるのである。
すると、わたしの人生はこれでよかったのだ、これが正解だったのだと、自分に言い聞かせて生きていくしかないわな。
結婚してよかったのだってさ。
そして売れ残った友人が、最終的に結婚を選ぶことで、やはり結婚するのが正しかったのだ、早くに結婚した自分は間違ってなかったという、自分の人生の証拠にできる。
売れ残った友人に、自分の選んだ道を後追いさせることによって、自分の正しさを証明しようとしているのである。
そういう結婚こそ幸せと思っている女は、逆に結婚せずに幸せそうにしている女にたいしては、ものすごく憎しみをつのらせるんだよね。
主婦が皆そうだというわけでなく、変わり者のわたしの友人なので、たまたまそのように偏った考えをするのかもしれないけどさー。
とにかく何が何でも結婚しろと、でないと皆に迷惑をかける、私にも迷惑がかかるとまで、結婚を勧めててくるのです。
セーブタさんは、頭のいい人だ、あんた程度で手を打たないと結婚できないことが、分かってるんだから、とまで言われたで。
これいかに。
かと思えば、セーブタみたいな人が、近畿大学なんて受かるとは思えないから、浪人してないか聞いてこいというミッションまで与えられた。
セーブタを頭がいいと思ってるのか、バカと思ってるのか、どっちだ!!
そしてわたしがセーブタと結婚したくない最大の理由、それは好きじゃないから、である。
好きじゃないどころか、もしかしたら嫌いかもしれへんで。
大好きにさせてくださいとは言わないからさ、せめて、一つぐらいは何かいいなと思える一面を見せてくださいよー、セーブタさんよー。
わたしの結婚している女友達は
「好きなんて10年もすればなくなるから、そこにこだわらなくてもいいねん!」と無碍もない。
そんなのいやだよー。
10年後に好きがなくなるのは仕方ないとして、最初ぐらいは好きと思える人と結婚したいよー。
あ、セーブタの好きなところ、一つあった。
それはわたしが全くセーブタを好きでないという点である。
好きでないということは、セーブタに全く好かれようとしないということである。
だって好きな男性には好かれたいし、必死で愛されるように努力する。
でも好かれたいと思っていない男の前で、何の努力もする必要はない。
だって別に好かれたくないもんねー。
セーブタのいいところは、こいつの前で一切努力する必要がないってことかな。
そう考えると、一切努力しなくてもよい自堕落で楽ちんな結婚生活が送れる、それが一番いいところやで。
というのは、この女友達、のりこちゃんの旦那もまた郵便局勤務であった。
セーブタと同じく課長代理という役職である。
のりこちゃんは子供が二人いるけど、子供がいないのであれば専業主婦ができるぐらいの年収だと言う。
確かセーブタで620万ぐらいだから、のりこちゃんの旦那もそのぐらい。
そーか、セーブタと結婚して専業主婦をさせてもらえばいいんだ。
そうしよう!
そのぐらいのメリットがないと、わたしにとってセーブタと結婚する意味なんてないもんね。
で、わたしはのりこちゃんが必死にセーブタと結婚しろというものだから、専業主婦という条件つきなら、このまま結婚の話をすすめてもいいかという気持ちになってきたのである。
続く