刑事コロンボの第9話「パイルD-3の壁/ BLUEPRINT FOR MURDER」のネタバレとあらすじ後半です。
前半はコチラより。
刑事コロンボ#9-1 パイルD-3の壁/ BLUEPRINT FOR MURDER 1972年 あらすじとネタバレ 死体亡き殺人の謎を追え!
コロンボは失踪したボニー・ウィリアムソンが、殺されていることを確信しました。
そしてその犯人が建築士のエリオット・マーカムであることにも気がついています。
後半は、コロンボとマーカムの対立がより色濃くなり、最後の化かし合いが始まります。
パイルD-3の壁/ BLUEPRINT FOR MURDER 1972年
失踪したウィリアムソンの遺品発見?
血染めの帽子
夫が殺されているかもしれないのに、殺したかもしれないマーカムとのんきにテニスを楽しむジェニファー夫人。
恐らくウィリアムソン邸のテニスコートですよ。お金持ちぃ~。
ジェニファーの青いテニスウェアがかわいいです。
テニスも得意なマーカムに
「あなたには不得手な事は何もないの?」
とジェニファーが訪ねると
「あるさ。負けること。」ですって。
たいした自信ですね。
ボールを拾いに行ったジェニファーは、血に染まったウィリアムソンの帽子を見つけます。
怯えるジェニファーですが、一番驚いて恐怖におののいたのは、ウィリアムソンを殺したであろうマーカムでしょう。
警察の捜査を待つ間、マーカムは落ち着きなくお酒とたばこが止まりません。
コロンボがマーカムの飲んでいる酒瓶をいじってると、
「どう?一杯やらないか?」
とマーカムは誘います。
コロンボはお酒を断ってから
それより葉巻が吸いたいな。
と、今のところ禁煙に成功しているようです。
ジェニファーが、ウィリアムソンの軍隊時代の認識票を探し出して、血液型がB+だということが分かりました。
アメリカ人は日本人と違って、血液型を気にしないので、自分の血液型を知らない人も多いそうですよ。
帽子がウィリアムソンのだと限らないというマーカムに、ジェニファーは、縁に独特の癖がついているから主人のだと語ります。
コロンボも特別あつらえだから調べはすぐにつくはずと言います。
そして鑑識から連絡があり、帽子についた血は、B+でした。
ジェニファーは
「それじゃあやっぱり何かあったのね。
死んだんだわ!」と脅えてマーカスにすがりつきます。
血液型だけでは分からないというマーカスに
そりゃまあそうですけど。事件のにおいが濃くなってきましたね。
とコロンボは言います。
ウィリアムソンの遺言状
オフィスにこもり、クラシックを聴きながら、物思いにふけったかと思えば、落ち着きなく動き回るマーカム。
しかし頭のいい彼のこと。
血染めの帽子の謎が解けたようです。
犯人はマーカムのほかに、ウィリアムソンが死んで得する人物です。
マーカムは、ジェニファー夫人に、ウィリアムソンの遺言状の写しを借りたいと電話します。
そしてゴールディの家を訪れて、勝手に戸棚を開けて、元夫ウィリアムソンの帽子が二つあるのを見つけてしまうのです。
この時のゴールディのファッションが、白のショートパンツに、ヘアメイクはツインテールですよ。
現妻のジェニファーのテニスウェアもショートパンツで、新旧の妻同士、脚出し対決ですね。
ゴールディを演じるジャニス・ペイジは当時50歳ぐらいでしょうか。
50歳の貫禄はあるのですが、見た目はとても思えない美しさと若々しさです。
ちなみに今も97歳でご健在のようです。
つまりこの血染めの帽子を仕掛けたのはゴールディということです。
と言うのは、ウィリアムソンの遺言状によると全財産の25%が、ゴールディに支払われることになっているのです。
マーカムに言わせると、捨てられた女としては過分な、びっくりするような額だそうです。
一つだけ-2 コロンボの忠告
血染めの帽子を仕掛けたことを認めないゴールディに、マーカムは「コロンボ先生に電話してみよう。」と応援を頼むつもりです。
マーカムはコロンボを認めているということが分かるシーンですね。
すると神出鬼没のコロンボが
そんなことしないでもここにいますよ。
と、ひょっこりと顔を出します。
ゴールディが、マーカムが失礼な男だとコロンボに助けを求めると
そうですな。しかしなかなか有能だし抜け目ないですよ。
建築家よりは探偵にしたいぐらいだ。
遺言状に目をつけるなんて素人の仕事とは思えない。
と大絶賛です。
そしてコロンボはゴールディに
友達として一つだけ忠告しとこう。
この際正直に打ち明ける事。
隠すとためにならない。
と、口癖の「一つだけ」を使って真実を言うように話します。
コロンボの疑惑-7 ゴールディの傷
何も隠してないと言い張るゴールディに、コロンボはすでにメイドに聞き込みを終えていることを伝えます。
お互いに理解し合えないと、とんでもない結果をまねくことがあるからさ。
とコロンボは言って、ゴールディの仕業である証拠を突き付けます。
メイドの証言により、ゴールディのふくらはぎに傷があること
市役所の婚姻届けにより、ゴールディの血液型がB+だったこと。
そして帽子の血は、24時間以内についたものであること。
ゴールディも、さすがに音を上げて、血染めの帽子は自分が仕掛けたものであることを認めました。
特に法には触れないということでコロンボは
まあ多めに見ときましょ。
しかし今度からはこんなおかしなまねはしないでほしいね。
と念押しします。
そしてコロンボは、マーカムからウィリアムソンの遺言状の写しを借りることに成功します。
ということは、ゴールディはコロンボにとってなかなか良い仕事をしましたよ。
ちなみにウィリアムソンとゴールディの元夫婦は、二人とも血液型がB型ということですね。
この二人、B型カップルって感じします!
パイルD-3
コロンボの疑惑-8 パイルD-3
マーカムに会いに、工事現場を訪れたコロンボ。
現場監督のカールに工程日誌を見せてもらって、一番最初に沈めたパイルは、「D-3」であることを確認しています。
そこへマーカムがやってきてコロンボに言います。
「ところであんたは人からクモみたいだって言われたことないかな?
クモは一見のろまだけど実に執念深くて狙われたら最後。
獲物はまず逃げ出す望みはない。」
なかなかひどい言い草ですが、まあ、コロンボを正確にとらえていますね。
ちなみにコロンボは、カミさんに「すっぽん」と言われたことがあるそうです。
第二話「死者の身代金」でコロンボ自信が語っており、女性殺人犯レスリーにも、「顔も似てるわね。」と同意されてますね。
死者の身代金の記事について詳しくはコチラより。
刑事コロンボ#2-1 死者の身代金/RANSOM FOR A DEAD MAN 美しく野心家の犯人のファッションが素敵♡
刑事コロンボ#2-2 死者の身代金/RANSOM FOR A DEAD MAN 美しく野心家の女性犯人の戦慄のバトルが怖すぎる!
さらにマーカムは、パイルD-3を指し示して、コロンボに言います。
「掘りたいんだろ?
死体を隠すには絶好の場所だ。そう思ってるんだろ?
準備は前日に完了するから一晩穴が開いている。
私が殺人犯人なら死体をこっそり投げ込んでおいて翌日埋めさせる。
コンクリートで厚い蓋をする訳だからピラミッドの底と同じ事だ。
秘密は永劫に葬られる。」
マーカムという男はなかなか大胆な男ですね。
コロンボを挑発しているのでしょうか。
そういえば、物語冒頭でも、「あんたの墓地の設計だけはやらせてもらいましょうか。」なんて言ってウィリアムソンを挑発していましたね。
もし本当にパイルD-3の底にウィリアムソンが埋まっているのなら、マーカムは有言実行の男だということです。
このマーカムの挑発を受けてコロンボは
待ってくださいよ。
あんたがもしホシならアタシに向かってそんな事言わないでしょう。
わざわざ注意を引くようなもんだ。
とまあ、引いてはみせます。
マーカスは
「そうかな。安心させる手かもしれない。
もっとも警察には逆手は通用しないかな。」
と、余裕しゃくしゃく。
うちのカミさん-1 弁護士の義理の兄
マーカムの挑発をこれ幸いとしたのか、コロンボはパイルD-3を掘り返す費用について尋ねます。
コロンボの貯金では足りないぐらい莫大な費用がかかり、役所の許可がいるとマーカムは説明します。
そしてコロンボがウィリアムソンが殺されていると思っていることに、疑問を呈じます。
証拠も死体もなく、ゴールディを除けば殺す動機を持っている人物もいないではないかと。
ところが大ありなんですよ。
問題は遺言状の内容ですよ。
とコロンボは、弁護士である義理の兄に意見を聞いてみたと、続けます。
コロンボはイタリア系ですが、イタリア人はとても家族を大切にする民族なんですって。
だからコロンボは「うちのカミさん」を始め、家族や親せきの話を頻繁にするのですね。
ここでは義理の兄も、定番セリフ「うちのカミさん」として数えています。
コロンボの疑惑-9 遺言状のジェニファー夫人の取り分
コロンボの義理の兄である弁護士によると、ウィリアムソンの遺書の条項はとても変わっているそうです。
ウィリアムソンが死亡すると同時に、妻ジェニファーは遺産に手を付けられなくなります。
遺産の25%は元妻ゴールディに、残りの遺産からジェニファーはかなりの額の年金を受け取るだけになります。
といっても、ジェニファーにマーカムを支援するだけの余裕はなくなります。
マーカムはコロンボがここまで探り当て内心は冷や冷やでしょうが
「どうもおかしいな。そうなると私やジェニファーに疑いをかける理由はますますなくなったじゃないか。」
と言います。
ところが死んでるのにそれが証明できない。
つまり法律上生存している場合夫人には自由に金を使う権利が残ってあんたにいくらでも金を出せるって訳ですよ。
と、コロンボはマーカムのウィリアムソン殺害の動機をつかんだことになります。
「たいした弁護士のようだね。」というマーカムに
ええ。親類中の誇りでしてね。そいつは。
と、家族を大切にするイタリア人のセリフですね。
しかしマーカムは、せっかく弁護士がついているのなら、もう一つ教わるべきだったと続けます。
「死体なしでも死亡抗告はできるが、証拠もなしに人を殺人犯にはできないという事さ。
それが法律の壁というものだよ。」
ああ知ってます。
だからなんとかして、コンクリートの壁を破る腹なんです。
さあ、これがコロンボの宣戦布告でしょうか。
コメディアンコロンボ
コロンボはパイルD-3を掘り起こす許可を取るため、建築局を訪れます。
しかし同じような許可を取るために、人々が行列を作っており、並ぶハメになるコロンボの表情が何とも言えないおかしみを誘います。
白目をむいてますよ。
やっとコロンボの順番がまわってきたのですが、見積もりを取るために、技術課に行くように指示されます。
技術課でもたくさんの人が行列を作り、コロンボは頭をかかえます。
やっと見積もりができて、許可申請に元の場所に戻ったら、
「昼休みです。一時に来てください。」とまあ、サンドウィッチをかじる事務員。
呆然とするコロンボの表情がみものです。
どこの国にも起こり得そうなお役所仕事で、コメディーとしても色あせないコロンボの魅力ですね。
コロンボは刑事なんだから、警察の特権で優先的に許可を取らせてくれないものなんでしょうかね。
パイルD-3の掘り起こし
余裕しゃくしゃくのマーカム
いよいよパイルD-3の掘り起こし作業が始まりました。
パトカーに腰かけ、落ち着かない様子で作業を眺めるコロンボと違って、マーカムは余裕しゃくしゃく。
「コロンボさん。今の内やめた方が履行じゃないのか?」
と話しかけるとコロンボは
いやいや。
さんざんっぱら苦労してここまでこぎ着けたんだ。
一応やってみますよ。
と、信念をのぞかせます。
マーカムは呆れたように
「頑固な人だ。役にも経たん作業をやらされている人の身にもなってみたまえ。」
とたしなめますが
でもそいつはやってみるまで分からんでしょう。
とコロンボは譲りません。
そしてマーカムは、テレビ局が取材に来て今夜のニュースに出るから、しゃんとした方がいいと、コロンボに伝えます。
困るな。こんなことされちゃ。
何しろ宝探しと同じ事で掘ってみるまでは分からないんですからね。
どこで聞いたのかな?
署の同僚もあんまり知らんというのに。
といぶかしがると、マーカムが答えます。
「私が呼んだのさ。作業が済み次第談話を発表する手はずなんだ。」
なるほど。じゃあこっちも受けて立ちますよ。
と勇ましいコロンボ。
マーカムは「強がりも今のうちさ。」と自信満々。
このマーカムの揺るぎのない余裕。
今のところ真実を知っているのはマーカムだけなのですから、この余裕を見ていると、まさかのコロンボの失態?ということを、疑わざるを得ませんね。
元妻と現妻の対比
そこへウィリアムソンの元妻ゴールディが、工事現場に似つかわしくないキンキラキンのファッションで、コロンボの応援にやってきます。
「偉いわ。私が見込んだとおりよ。あなたには行動力があるのね。
お役人で思い切ってここまでやれる人は少ないわ。」
現妻のジェニファーからゴールディに、「死体が出るかもしれない。」と電話があったそうです。
ジェニファーは毛布をかぶって震えているということで、現妻と元妻の対比が面白いですね。
この元妻と現妻が対立しているよういて、何だかんだ言っても実は関係がよさそうなのも微笑ましいです。
掘り起こし作業もいよいよ大詰めに入りました。
落ち着かず、缶ジュースを飲み干すコロンボ。
コロンボが落ち着かないのは、禁煙の禁断症状からでしょうか。
さあ、勝ち誇ったように口笛を吹くマーカム。
ウィリアムソンの遺体は出ませんでした。
ということは、コロンボが、まさかの推理ミス?!
こんなコロンボ見たことない!
コロンボは水戸黄門と同じなのに…。
勝ち誇るマーカム しょんぼりコロンボ
コロンボと愛車プジョー・403を残して、パトカーは去ってゆきます。
がっくりと肩を落とすコロンボに、マーカムは勝ち誇った様子で
「どうだね?コロンボ先生。」
と声をかけます。
一言もなしです。
と言うコロンボに
「敗軍の将は黙って引き上げるんだな。」
とマーカムの勝利宣言は止まりません。
すいませんでした。
余計な手間かけて。
と謝るコロンボに
「あんたは余計な手間をかけただけじゃない。
あらぬ疑いをかけたんだ。
死体はもちろん衣服の切れっ端さえ出なかったじゃないか。
これでハッキリしたな!
初めからあんたの見込み違いさ。
ウィリアムソンが殺されたなんて下衆の勘繰りもいいところだ。」
とその怒りは止まりません。
本当に人殺しの疑いをかけられたなら、この怒りもごもっともですが、わたしたちは、マーカムが殺人犯だと知ってますからね。
マーカムには怒り、コロンボには同情しかないわけです。
言い過ぎですよ、とたしなめるゴールディにも、マーカムの怒りは
「ウィリアムソンは生きている。
結果バカを見たのはこの人と私さ。
とんだ迷惑だ。」
と、悪態は止まりません。
ゴールディはコロンボを
「気を落とさないで。
私が唆したからこんな事になったんだわ。」
と優しく慰めます。
罪滅ぼしにごちそうするというゴールディに
いや結構。
先に帰っててくれないか。
考えたいんだ。
と、しょんぼりした様子のコロンボ。
このかもし出すしょんぼり感。
まさかコロンボがこんなにもしょんぼりが似合う刑事だったとは!?
痛々しくってこんなコロンボ、見たくない!!
ウィリアムソンの遺体の行方
ウィリアムソン農場の納屋
パイルD-3の壁に、ウィリアムソンの遺体がなかった今、彼は本当に殺されたのでしょうか。
パイルの掘り起こし作業後の夜、マーカムが向かったのは、ウィリアムソンを殺めたであろう牧場の納屋です。
実はマーカムは、ウィリアムソンを殺した場所に、そのまま遺体を隠し続けていたということですね。
すでに腐敗してるんじゃないの?って思いますが、建築家なので応急の遺体処理ぐらいはしてあるのでしょうか。
マーカムは新たな隠し場所へ、車で遺体を運びます。
呪い!車のパンク
コロンボとの勝負に勝ったのがよほど嬉しいのか、クラシックをかけてご機嫌で車を運転するマーカム。
すると高速道路を運転中、タイヤがパンクしてしまいます。
きっとウィリアムソンの呪いでしょうね。
しかし何でも器用にこなすマーカムのこと。
上手に車を道端に駐車しますが、通りがかった白バイ警官に見つけられてしまいました。
親切にもタイヤの交換を手伝うから、トランクを開けてと言う警官。
小さな親切余計なお世話。
トランクを開けられると、ウィリアムソンの遺体が見つかってしまい、マーカムは一巻の終わりです。
マーカムは、スペアタイヤの空気が抜けていると、お得意の嘘を言って、その場をしのぐのです。
警官が修理車を呼びに行ってくれている間、マーカムはさっとスペアタイヤに交換して、逃亡するのです。
ウィリアムソンの墓石
マーカムは、パイルD-3を掘り起こした工事現場にやってきました。
そしてウィリアムソンの遺体を運び出そうとしたその時、パッと現場を強烈なライトが照らし出します。
こんばんは。マーカムさん。
と待ち構えていた我らがコロンボ登場です。
パトカーのサイレンの音が響き、これにはマーカムもあっさりと観念しました。
「すっかり見透かされていたようだ。」
と、落ち着いたものです。
長年の勘ですよ。
あんたはそれとなくアタシにパイルを掘り返させようとした。
それでなぜだろうって考えたんですよ。
あんたはへまをしでかすような人じゃないから。
死体がうずめられているはずはない。
と、コロンボは全てお見通しだったようです。
「じゃあ何で掘った?」というマーカムは聞きます。
調子は合わせないとね。
死体がどこかに隠してあるのは分かってたんだ。
だがあんたが欲しいのは間違っても見つからない場所だ。
それには一度捜査を受けた所がうってつけだ。
それも手続きの面倒な場所ならなおさらいい。
パイルD-3をを掘り起こすのは、コロンボの仕掛けた壮大なトラップだったようです。
あのしょぼんと落ち込んだフリをした演技、とても刑事とは思えないですね!
まあコロンボの中の人は、ピーター・フォークという役者さんですけどね。
「アイデアとしては悪くなかったろ?」
とコロンボに完全敗北のくせに、マーカムはまだ自分を上げることを止めませんね。
どんだけ自分が好きなんだか。
そう。完璧に近い。
同じ所は二度は捜さないからね。
とコロンボもマーカムの遺体の隠し場所を大絶賛。
「運んでくるんじゃなかった。」とまあ、マーカムは後悔していますね。
ああそれそれ。
それだけが分からなかったんだ。
どこに隠してたんだ?
とコロンボがウィリアムソンの遺体の隠し場所を聞くと、マーカムは、「彼の馬屋の道具小屋さ。」と答えます。
まさに灯台元暗し。
ウィリアムソンは、自分の牧場の馬屋で眠っていたのですね。
コロンボは
ホトケってのはなかなか葬りにくいもんだよ。
下手に隠しても自分から出てきたりしてね。
その点あんた実にうまかった。
何十階ものビルディングを墓石にするなんて。
とマーカムに感嘆しています。
ですが、マーカムは「うまくいけばね。」と結局ばれてしまったので、少々自虐気味に落ち込んでいます。
カーネギーホールとナッシュビルの違い
そしてコロンボは、マーカムを最初に疑ったのは、音楽だったと言います。
ウエスタンとクラシックじゃ水と油だ。
と言うコロンボに、マーカムは
「建築家と殺人もだ。」
と、返すこのセリフ。
エスプリが聞いて、しゃれてますねぇ。
刑事と殺人犯が逮捕後に、こんなジョークを言い合う刑事ドラマが他にあるでしょうか。
ちなみにこのコロンボの「ウエスタンとクラシックじゃ水と油だ。」というセリフは英語では
Carnegie Hall and Nashville, they don’t mix.
と言ってるそうです。
わたしの英語力で訳すと、「カーネギーホールとナッシュビルは相容れない。」ってところでしょうか。
カーネギーホールは、ニューヨークの有名なコンサートホールですね。
クラシックのメッカといったところでしょうか。
ナッシュビルはよく分からんのですが、アメリカ南部テネシー州にある都市なんですって。
ウエスタン音楽のメッカってところでしょうか。
南部の田舎から出てきた成金じーさんと、都会の洗練された建築士ってことで、水と油で相性が悪かったんでしょうね、きっと。
さて犯人を逮捕してほっと一息、コロンボは勝利の一服のため、葉巻に火をつけようとします。
しかし思い直して葉巻を捨ててしまい、足で踏み潰します。
コロンボの禁煙の決意は固いようです。
これがコロンボ第一シーズンの最終話、パイルD-3の壁のラストシーンでした。
第一シーズン最終話にふさわしい作品
刑事コロンボ第一シーズンはこれで終わりですが、やはり優れたシリーズ作品ですのでこの後も続きます。
最終話にふさわしいこの作品の犯人像は、社会的地位が高く頭脳明晰で自信家という、コロンボのゲストスターおなじみのパターンを踏襲しています。
しかしそれだけでなく、大胆で挑発好きな性格で、今までにないような大きなトラップをコロンボに仕掛けました。
コロンボはまんまとこのトラップにはまり、初敗北かって思ってしまいましたが、最後はやはりコロンボ!
全てお見通しでしたね。
この作品を二度目に観てみると、なるほどゲストスターのエリオット・マーカムは、コロンボを挑発して、パイルD-3を掘り返させようとしているなって気がつきますね。
わたしは一回では分からなかったです。
コミカルなシーンも楽しい、被害者のボニー・ウィリアムソンと新旧二人の妻のキャラクターも濃くて、とても生き生きとした作品でした。
さらにコロンボの敗北を思わせる視聴者を欺くような仕掛け。
高慢ちきな犯人に有無を言わせずばっちり現場を押さえた圧巻のラスト。
そしてコロンボシリーズの犯人らしく、いさぎよく罪を認める誇り高き最期。
これぞコロンボという安定感のある作品でありながら、新しい試みもあった見ごたえのあるお話でした。
コロンボの王手
今回のコロンボの王手は、遺体というこれ以上ないという証拠をおさえました。
「うちのカミさん」は、類似のセリフとして義兄が登場しました。
「一つだけ」は、2回登場しました。
ではまた刑事コロンボでお会いしましょう。
ユーネクストで無料でコロンボを観ることができます。
コチラです↓↓