漫画家になりたい!
と、8歳のわたしが心に決めたきっかけは、「ときめきトゥナイト」という少女漫画でした。
この漫画の魅力はとても語りつくせませんが、とにかく女の子が大好きなもの、素敵なもの、不思議なもの、ときめきやキュンキュン、何もかもがつまっている宝箱のような作品なんです。
何といってもヒロインの江藤蘭世のキュートさと、そしてヒーローである真壁俊のかっこよさ!
ライバル神谷曜子のインパクトの強さや、とりまくキャラクターの魅力的なことといったらありません。
この1982年から連載がスタートした、伝説の少女漫画の展示会が京都で開催されるとなったら、行くという選択肢しかありません!
わたしの憧れた夢そのもの、この素敵なものばかりでできた不朽も名作を、あますことなく紹介しようではありませんか。
ときめきトゥナイトあらすじ
「ときめきトゥナイト」は40年も続く長期漫画ですから、あらすじの説明が難しいのですが、恋愛をベースにおいた少女漫画の王道作品です。
江藤蘭世、市橋なるみ、真壁愛良という3人のヒロインからなる3部作ですが、わたしは初代主人公の江藤蘭世以外正直どうでもいい。
おそらく2部と3部は、わたしが大人になってしまったため、少女漫画でときめかなくなってしまった影響もあるでしょう。
ですが「ときめきトゥナイト」はやはり1部に神がかかったような魅力があります。
でもしょうがないので、3部全て紹介します。
1部 江藤蘭世 1982年~1987年
第一部の主人公は、江藤蘭世という魔界から人間界にやってきた魔界人、モンスターといってもいいかもしれません。
吸血鬼の父と狼女の母を持ち、自身は噛みついた相手に変身でき、くしゃみをすると元に戻るという不思議な能力に目覚めます。
性格はいたってフツーの女の子で、真壁俊というクールな男の子に恋をするわけです。
この一途な少女蘭世と影のある少年真壁君のカップルは、少女漫画の王道設定です。
ここに蘭世の魔界人という設定が見事にはまり、他の少女漫画にはないドラマティックな広がりを魅せてゆくのです。
一筋縄ではいかない蘭世の恋と、徐々に距離を近づけてゆく真壁君の切ない関係に、ときめきが止まりません!
2部 市橋なるみ 1988年~1990年
2部の主人公市橋なるみは、1部のヒロイン江藤蘭世の弟江藤鈴世の幼馴染で恋人です。
当初からカップルが出来上がっているので、片思いをじっくり描いた蘭世編と比べて、ときめき度が低いんですよね…。
しかしラブラブ鉄板カップルに思えたなるみと鈴世にも様々な困難が訪れます。
ここに妖精界という新たな世界がからんでゆき、少し不思議な能力に目覚めたヒロインという、ときめきトゥナイトならではのファンタジー色が活かされていくわけです。
3部 真壁愛良 1991年~1994年 1999年
第3部のヒロイン真壁愛良は第1部の主人公、江藤蘭世と真壁俊の娘です。
愛良が誕生した日、千年に一度しか咲かない予言花が咲き「世界を救うことになる娘」と告げられる選ばれし者設定なんですね。
伝説の魔女になるべく運命と、自身の恋との狭間で揺れ動くという物語です。
また運命で選ばれたかのような幼馴染の男の子も登場します。
何といいますか、運命的なもので、盛り盛りし過ぎると、リアリティが薄くなりすぎてときめきがなくなってしまいますね。
1990年代になると、わたしも少女漫画りぼんから卒業しておりましたので、実は第3部に関しては、ちゃんと読んでないんです…。
ときめきトゥナイト展基本情報
新宿店 ※会期終了
会期:2023年7月19日(水)→8月7日(月)
会場:新宿高島屋 11階特設会場
ご入場時間:午前10時30分〜午後6時30分(午後7時30分閉場)※ 最終日8月7日(月)は午後5時まで(午後6時閉場)
京都店
会期:2023年10月11日(水)→30日(月)
会場:京都高島屋 7階グランドホール
ご入場時間:午前10時〜午後6時(午後7時閉場)
※ 最終日10月30日(月)は午後4時まで(午後5時閉場)
富山会場
会期:2023年12月22日(金) → 2024年1月9日(火)
※2024年1月1日は休業
会場:富山大和6階ホール
ご入場時間:午前10時→午後7時(最終入場午後6時)
※12月31日と1月9日は午後5時まで(最終入場午後4時)
入場料 税込
入場券は会場によって、イープラス、セブンチケット、ローソンチケットで取り扱いがあります。
私は手数料が無料なのでローソンチケットで購入して、京都会場初日に入場しました。
初日は平日だったからか、特に混雑は感じなかったので、当日券でも入場はできるのではないでしょうか。
みどころ
300点以上の原画展示
ときめきトゥナイト展のベースは、ずばり原画展です。
40年以上にわたる連載の中から、直筆原稿、カラーイラスト、 連載当時の予告カットやふろくカットなどに至るまで 、展示原画点数は圧巻の300点以上。
漫画家志望だったわたしにとって、少女時代に憧れた漫画の生原稿を直に見ることができるなんて、眼福この上ありませんでした。
コンセプト
ときめきトゥナイト展のコンセプトは“記憶の扉”
江藤蘭世、市橋なるみ、真壁愛良という3人のヒロインが、不思議な力に導かれて連載当時の姿に戻って時空をさかのぼり“ときめき”を追体験。
このオリジナルエピソードを作者・池野 恋先生の描きおろしまんがで楽しむことができますよ。
さあ、蘭世、なるみ、愛良とともに、記憶の扉を開いてみましょう!
キャラクター紹介
記憶の扉に導かれて、ときめきトゥナイトの世界へ時空をさかのぼると、まず、キャラクター紹介のフロアがあります。
ここに少し仕掛けがあって、ときめきトゥナイトの主な登場人物は、魔界人、モンスターという設定なんですね。
ですから、フレームにおさめられた肖像画風の登場人物たちを角度を変えて観てみると…
このように、人間の姿の蘭世と、モンスターの蘭世と二通りの姿が映し出されるわけです。
こういう絵をレンチキュラー印刷というのですって。
蘭世の恋のライバル神谷陽子は、この作品きってのマスコットキャラクターヨーコ犬へ…。
後の王妃フィラは怒ると、髪が蛇でできている恐ろしい容姿のために、見たものを石に変えるというギリシャ神話の魔物メドゥーサに変身します。
他にもレンチキュラーで表現された魔界人はたくさんいますから、ぜひ、全部見つけてください。
壁ドンの先駆者?真壁君のときめきスポット
ときめきトィナイト、屈指のヒーローといえば真壁俊!
普段はクールな自称一匹オオカミの真壁君が、時々魅せる情熱に胸をキュンキュンさせた200万乙女たちも多いのではないでしょうか。
200万乙女とは、ときめきトゥナイトが連載されていた当時少女雑誌りぼんは、黄金期200万部の発行部数を誇っていたからです。
今や20万部も発行されていないようですよ。
初恋の人が真壁君だったため、理想の男性像が爆上がりし、売れ残った少女たちが多いのは、何をかくそうわたしたちときめきトゥナイト世代でしょう。
少子化対策として、少女漫画でかっこいい男の子描くの禁止にしたらいいんだよ。
この真壁君に、壁ドンをしてもらえるフォトスポットが、この展示会の一つの見せ場ですね。
わたしは真壁くん壁ドンの先駆者じゃないかと密に思ってます。
わたしの記憶が確かならば、この壁ドンのシーンを以下解説。
冥界の王ゾーンと戦いに行く真壁くんについて行こうとする蘭世。
蘭世を危険な目に合わせたくない真壁くんが、ごてる蘭世に突然キスしてからの~壁ドンしてからの~
「たのむ。ここにいてくれ…。」
だったような…。
この短いシーンと、真壁くんの短いセリフに、どれだけのキュンキュンがつまっているんでしょう。
わたしもう、キュン死しそうです!!
想いヶ池告白体験
ときめきトゥナイトの魔界には、飛び込むと想う場所に連れていってくれる想いヶ池という池が登場します。
ドラえもんのどこでもドアみたいなもんです。
ときめきトゥナイト展では、この想いヶ池スポットが登場し、覗きこむと告白を受けることができるんです!
後ろに誰も並んでないと、何回でもボタンを押して告白を受けることができるんですが、わたしが受けた告白相手は…
新庄彬水
「おれはおまえを気に入っている。おれがおまえを守ってやる」
とか、そんなセリフでした。
新庄彬水は第三部のヒーローですが、正直あんまりちゃんと読んでないので誰か分かりませんでした。
そして二回目の告白の相手は…
神谷玉三郎
神谷玉三郎は、蘭世の恋のライバル、神谷陽子の父親ですね。
シングルマザーの真壁くんのお母さんに想いを寄せています。
「あなたを一生お守りします。」
この告白は、天皇陛下も皇后陛下にされた告白…。
素敵ですね。
ときめきトゥナイトグッズ
展示会の楽しみといえば、記念に残るグッズ販売ですよね。
どのグッズもキュートで素敵で全部ほしいぐらいだったのですが、こんな80年代のブリブリ少女漫画イラスト、どこで使うねん!ってことになって、実用性のあるものだけ購入しました。
紅茶とヨーコ犬のぬいぐるみです。
それからここには載せてませんが、毎日真壁くんというカレンダーも購入しました。
ヨーコ犬は思っていたより小さくて、かばんに下げられるぐらいの大きさです。
毎日真壁くんのカレンダーは、なかなか楽しくて、このセリフはあのときのこのシーンだなと毎日楽しみにしています。
多感な少女時代に熱心に読んだ漫画って、けっこう覚えているものなんですね。
これ、ときめきファンにはおすすめのグッズです。
わたしの中の少女の夢
不朽の少女漫画作品「ときめきトゥナイト」の時空を巡る旅は終わります。
本当に素晴らしかったですね~。
少女の頃の夢や憧れ、ときめきを思い出してわたしは途中でちょっと泣きそうになりました。
いえ、泣いていました。
何もかも素晴らしいですけど、やっぱり絵ですね。
絵の魅力がすごい。
特に初期、おしゃれなんですよ。
絵がきれいなのは、なるみ編当たりなんですけど、ちょっと完成されてしまって上手すぎて愛嬌がないかな。
初期の絵がイラストっぽくてキュートで素敵です。
そして何といってもノスタルジィー。
70年代当たりの少女漫画チックな絵を受け継ぎながらも、独自に進化させていってるんですよね。
この懐かしさは、昭和生まれにしか分かるまい。
この絵の魅力については別記事で書きたいのですが、何分忙しくて時間がない。
こういうとき、ホント、仕事辞めて再び漫画が描きたいって思う。
それからキャラクター、ストーリー、漫画に必要な魅力的要素はすべてつまっている作品です。
そして少女漫画ならではの、そのタイトル通りのときめき、胸きゅん、蘭世の長い髪への憧れ、一途な想い、純真さ、清らかさ、ひたむきさ、弱さと強さ、…
それはわたしの浅田真央への想いと同じで、浅田真央ってリアル少女漫画の主人公みたいな人ですよね。
そしてわたしは今もわたしの胸の中にあるこの少女の夢を、これからどうやって叶えていこう。
わたしの中の少女の夢が終わることはありません。
いつだってわたしはこの漫画を開けば、あの頃の夢、憧れ、愛、ときめきをそのまま蘇らせることができる。
それを人はバイブル、と言います。
それはきっと旧約聖書を越えたもの。
だってヤハウェーを信じている人たち、殺し合いばっかりしてるやんか。
ときめきトィナイトをバイブルにしてる人は、殺し合いなんて絶対しないもんね!
では、今夜もときめきトゥナイトを。
毎晩ときめきトゥナイトを。
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