四十の手習いとばかりに、初老になってからベリーダンスを習い始めたプチ初老ころん。
ダンスは体だけでなく脳にも良いと知って、老後のボケ防止のために当初はフラダンスを習うつもりでした。
しかし近くにフラダンスの良い教室がなく、体験で行ったベリーダンス教室がちょうど初心者クラスで、先生の教え方もていねいだったので、そこに決めました。
結果、ベリーダンスにして大正解でした。
ベリーダンスは初老にぴったりのお稽古事です。
フラダンスもそうなのですが、ベリーダンスはさほど激しい動きをするわけではなく、ダンスの中では難易度が低めで体に優しいからです。
わたしはトルコに旅行に行ったときに、初めてベリーダンスを観たのですが、どうも日本ではまだまだ認知度が低いようですね。
そこで日本ではマイナーなベリーダンスとはどんなダンスなのか、その歴史やスタイル・魅力について綴ってみました。
ベリーダンスとは
発祥
ベリーダンスは日本語で「腹踊り」という意味です。
1893年のアメリカのシカゴ万国博覧会で、お腹をくねらせる踊りを見たアメリカ人かフランス人が、勝手にベリーダンス(おなかのダンス)と名付けたと言われています。
本場のアラビア語では「Raks Sharki=ラクス・シャルキー(東方の踊り)」と言い、正式には「オリエンタルダンス」と呼ぶ方がふさわしいですね。
ベリーダンスの発祥は紀元前のエジプトで、世界最古の踊りと言われていますが、古すぎて正確な起源は明らかになっていません。
紀元前5世紀頃の古代エジプトの壁画にベリーダンスを踊る半裸の女性ダンサー達が描かれていたことから、女性のための踊りだった可能性が強いようです。
安産祈願や子孫繁栄、豊穣祈願、女神に捧げるための踊り…などなどが想像されています。
ベリーダンスの本場エジプシャンスタイルは裸足で踊ります。
フラダンス、ヨガ、日本の相撲などもそうですが、一般的に裸足で行うものは、大地をのエネルギーを感じて神に捧げるという意味がこめられており、スピリチュアル的な要素が強いですよ。
ベリーダンスの種類
古代エジプトで生まれたベリーダンスは、ジプシーたちが世界中に広めていったと言われています。
故郷をもたず、様々な地域を渡り歩きながら、芸などで生計を稼ぐジプシーたちが、ベリーダンスのエンターテインメント性を高めていったのですね。
また女がその日に手っ取り早くお金を稼ぐなら、春を売るという方法がありますね。
ベリーダンスの振付の一部には、そういう行為をにおわせるものがあります。
ジプシーたちが客を誘うために踊ったのが、ベリーダンスだったのかもしれません。
また13世紀末に建国されたオスマン帝国では、スルタン(王様のこと)のために世界中から集められた女性(主に奴隷)がハレムでベリーダンスを学ばされました。
スルタンのために踊る姿が描かれた絵がたくさん残っており、王室のエンターテインメントとして発展したという説が主流です。
主なベリーダンスの種類を紹介します。
オリエンタルスタイル
エジプシャンスタイル
エジプトで発祥したベリーダンスの基本のスタイルともいえるでしょう。
わたしが習っているのがこのスタイルです。初老におすすめです。
もっとも伝統的なスタイルで、大きな動くはなく、優美で繊細、感情表現豊かに踊ります。
大地から湧き上がるエネルギーを感じるように、裸足でどっしりと土に足をつけた振り付けも特徴。
映像はエジプトで最も有名なダンサーDINAです。
ゴージャスで貫禄がありますね。
エジプトでは結婚式の時にベリーダンサーを招き、花嫁は子孫繁栄のためにダンサーのお腹に手をかざして祈願する慣わしがあるのですって。
まさに生活とベリーダンスが根付いているのですね。
ターキッシュ・スタイル
エジプトで発祥したベリーダンスは、海を渡りトルコでも広がります。
エジプシャンスタイルをベースに、よりダイナミックでセクシーなスタイルがトルコで生まれたターキッシュです。
パワフルで時にアクロバティックな動きもあり、床に膝をついたり寝転がるというフロアワークも特徴。
エジプシャンスタイルより衣装の露出が高く、ヒールをはいて踊ることもあります。
映像はトルコで有名なダンサーDidem(ディデム)です。
美貌もスタイルもダンスも完璧ですね!
ジプシー(ロマ)スタイル
エジプシャンスタイルから発展し、ヨーロッパに渡る過程でジプシー(遊牧民)の伝統舞踊として確立されたスタイルです。
インド舞踊やスペインのフラメンコなどの民族舞踊と共通する雰囲気があります。
振り付けはジプシー民族の生活に根ざした生活感のあるものも多く、洗濯物を干す、子どもをあやす、料理を作るといった動作をが見られます。
9分の8拍子など、独特の軽快なジプシーリズムが特徴。
たっぷりとしたスカートをひらひらさせるのが素敵で、このスタイルもやってみたいんですね。
トライバルスタイル
トライバル(Tribal)とは「民族的な」という意味を持つ英語です。
ドライバルスタイルは、アメリカに渡ったオリエンタルダンスが、様々な民族舞踊を取り込んで進化し独自の進化を遂げたダンスです。
アメリカントライバル(ATS)
ヒッピー文化が生んだスタイルで、女性の力強さ・媚びない潔さを表現する世界観が魅力。
フラメンコの影響を受けていると言われています。
腕や背中を大きく反らせ、力強さを強調させるキレのある動きが特徴。
パフォーマンス中も無表情で、衣装はモノトーンやナチュラルな色合いが多く、独特の世界観が魅力です。
キュー(上半身が中心の動きのコンビネーション)とステップが決まっており、キューとステップの組み合わせで即興で踊ります。
まさにその瞬間だけの踊りで、音楽でいえばジャズみたいなものでしょうか。
フュージョン・スタイル
ATS(アメリカンとライバル)を様々なダンスと融合させた独自で自由な踊りです。
決まったスタイルはなく、ダンサー独自のセンスと解釈で表現します。
衣装も音楽も自由で、ルールに縛られないことが特徴。
近年人気の高まっている前衛的なスタイルですね。
動画は世界で唯一、男性だけのフュージョンベリーダンスチームです。
フォークロア(バラディ)
フォークロアはエジプト発祥のスタイルですが、オリエンタルが正式で王道としたら、フォークロアは少しライトなイメージ。
様々な地域の踊りや文化を取り入れた、日本でいうなら浴衣で踊る盆踊りのようなローカルな踊りです。
Baladとは、アラビア語で国、村、土地を意味をさし、形容詞にするとBaladiで、国の、村の、地方の、ローカルという意味になります。
英語ではfolk、労働者階級という意味も含みます。
衣装はバラディドレスというワンピーススタイルがメジャーです。
初めての発表会のとき、露出が少ないバラディドレスがいいと先生にうったえたものの、オリエンタルダンスをバラディの衣装で踊るのはおかしいと却下されました。
動画はわたしが一番好きなウクライナのダンサーJulia Faridのバラディです。
このダンスを見て一目ぼれ。
かわいくてセクシーで痩せすぎず太り過ぎず、テクニックもキレも表現力もあり、何よりキュートな笑顔が最高ですよね!
由緒あるベリーダンスだからこその自由さが魅力
日本ではマイナーなイメージのあるベリーダンスですが、世界最古の踊りといわれる非常に由緒ある伝統的な踊りであるということがご理解いただけたでしょうか。
歴史が長い分、時代や地域をこえて様々なスタイルに進化を遂げています。
たくさんスタイルがあるということは自由度が高く、自分にぴったりの踊りを見つけることができます。
難易度も選べますし、無理せず、等身大の今の自分を飾らずに表現できるところも魅力。
ちょっと衣装の露出が高いのが何ですが、キラキラで華やかなドレス、素敵で着てみたいですよね~。
次回はわたしの衣装選びについてレポートします。
お楽しみに。
今練習中の曲はベールを使うのでコチラを購入しました。
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