お昼休みの休憩場所の和室に、子会社の中に、一人ぽっちで取り残された親会社勤務のバブル姫。
気の毒に思ったザイさんが、子会社は和室から出ていって、親会社に使ってもらおうと提案した。
しかし、翌日、わたしたちが和室から出ていく日のことです。
わたしが昼休み、結局今日はどこで昼休みを過ごすのだとウロウロしていたところ、和室から人の声が聞こえた。
で、覗くと、わたしと同じ子会社のりょうさんがいた。
あれ?わたしたち子会社は、和室から引き上げるんじゃないの?と思ったけど、りょうさんがいるなら、結局あの話はなかったことになったのかなと、そのまま部屋に入った。
で、りょうさんと待てど暮らせど誰も和室に来ないので、
「昨日、子会社は今日から会議室でお昼休みを過ごそうという話になりませんでした?」
とりょうさんに言ってみた。
するとりょうさんは知らないということで、そのまま会議室をのぞきに行った。
案の定、ザイさんや肌ピカちゃんがいたという。
結局その日和室には、バブル姫も親会社の後輩さんもとじこさんも来なかった。
お昼休みの途中でザイさんや肌ピカちゃんが、和室に移動してきた。
そしてザイさんが、後輩さんやとじこさんに、聞いた話。
後輩さんととじこさんは、今日から和室を使うことをバブル姫に伝えたという。
するとバブル姫は、後輩さんやとじこさんに
「わたしは子会社にこの和室を奪われないように、今まで守り続けてきた。」
と言ったのだという。
…………。
ハアアアァァアアアア!?!?
と、疑問があふれ出た後、わたしはおなかがよじれそうなほど、笑ってしまった。
そして改めて確信した。
やっぱりバブル姫は本物だったのだと。
本物というのは、本物のキチガイ。
つまりまちがいなく、バブル姫はどこか脳みそに障害があるということです。
発達障害か知的障害か分からないけれども、どう考えたら、わたしたちが和室を奪おうとしているという考えになるのか。
脳の構造に障害があるとしか思えんな。
わたしたち子会社、というか、もう二十歳をとっくに越えた社会人ならば、どうしても和室で昼休みを取りたいという執着なんて、誰もない。
そして子会社が、親会社と対立しているわけでもない。
和室が手狭になってきたから、何とかしたいという気持ちはあったが、バブル姫とカラさんが不仲なため、どういう判断基準で、人数を分ければいいのか考えあぐねていただけである。
出ていきたくでも、打ち合わせ室はすでに親会社のカラさんが使っているのに、子会社同士別れてお昼を過ごすのもヘンな話だよね。
別に子会社で別れてもいいけど、その場合、バブル姫と和室に取り残される子会社メンバーがわいそうじゃん。
わたしも一度打ち合わせ室に逃亡してやろうかと思ったけど、残された他の人がかわいそうなので止めておいた。
全くバブル姫は何と戦っているのか。
わたしたちはバブル姫から大切な大切な和室という場所を奪う、悪者だったのね。
こりゃまた失礼。
あるいは本当はバブル姫は、後輩さんやとじこさんが、バブル姫から逃げ出したことに気がついているのかもしれない。
しかしそれを認めると、現実の残酷さに精神が崩壊してしまう。
だからバブル姫は、和室を守るために、親会社みんなのために、残ったという妄想で、ひとりぽっちのみじめな自分の心を守ろうとしているのかもしれない。
これって、一種の防衛反応らしいよ。
結局、その日和室に親会社のメンバーは誰も姿を見せなかった。
実はその日の朝、ちょっとしたトラブルをバブル姫が起こしたらしい。
で、子会社から和室を守っていたとか訳の分からないことを言い出したから、後輩さんととじこさんは、和室に行くのがイヤになったらしい。
お昼ぐらい好きなところで食べたらいいやん、という結論になって、いつも通り打ち合わせ室で過ごしたという。
そしてバブル姫は…。
なぜか、いつもよりも1時間半ぐらい遅れて、お昼休憩に入った。
忙しいふりをしていたけど、わたしたち子会社が出ていくことにより、お昼休み和室で一人ぽっちになることを避けたのではないかと言われています。
そんなに一人になりたくないかね。
どうせわたしたちと一緒にいても、話題に入れず、一人ぽつんと携帯いじってるだけやん。
皆の中の孤独よりも、誰の目もきにしない孤独の方がマシだとわたしは思うけどね。
結局どうなったかというと、何も変わらなかった。
その翌日から、今まで通り、和室はわたしたち子会社が使い、バブル姫は、今もそこに居座っています。
話に入れず、ぽつんと一人でスマホをいじったり、たまにグーグー寝たりしている。
よくそんなところで寝れるな、ってみんな言うけど、会議等で難しい話を聞いてるとねむくなったりするやん。
そんな感じで、わたしたちの話が理解できないから眠くなるんじゃない?ってわたしは言ってる。
それにしても、子会社から、和室を守っていたと、わたしたちを諸悪の枢軸みたいな発言をしておいて、よくもまあ、和室に居座れるもんだわ。
そのうち、追い出してやろうかな~。
そんなことしたら、慈悲深い介護士ザイさんに怒られちゃうな。
ちなみにわたしがこの出来事がきっかけて気がついたことは、ザイさんという女性は、判官びいきということです。
ザイさんにそのことを伝えたら、膝を打ったように、笑い転げておった。
「そやねん!私、高校野球でも絶対負けてる方を応援してしまうねん!」
って言ってた。
判官びいきとは、負けてる人を応援したくなる気持ちで、日本人に多いらしいよ。
だからわたしはザイさんのことを、源九郎義経って呼ぶことにしたんだ。
本日のバブル姫のコーデ♡
えりのある鮮やかなターコイズブルーのワンピに、だいたんなチェック柄のシャツを合わせて。
このチェック柄のえりって、ローカラーといえばいいのでしょうか。
えりのあるワンピにえりのあるシャツを合わせるところがバブル姫流。
お手本がないなら、わたしがファッションのお手本を作る!
その意外な切り口は、まさにファッションリーダーにふさわしい力強さです。