パワハラのパワハラによるパワハラのためのP企業で、働き続けるプチ初老ころん。
ある日のこと、直属の上司である性悪係長から、勉強会を開催するから、いくつかの取引先に、案内のファックスを送るように指示された。
わたしは指示通りに開催日や時間、開催場所が記載されたファックスを一斉送信する。
取引先の数は、だいたい10あるかないかぐらいだったかなぁ。
そしてその勉強会を二日後に控えたある日のことである。
勉強会が仮に金曜日に行われるとしよう。
だからその日は水曜日だったことにする。
正確な日や曜日は覚えてません。
キイさんという男性から、理子さんに、このような連絡があったという。
「勉強会に参加する取引先を、ころんさんが知っているから、聞いて連絡がほしい。」
わたしはいくつかの取引先にファックスは送ったものの、どこの取引先が参加するかまでは知らない。
そこでキイさんに電話をして、その旨を伝える。
何でもその勉強会の後で、反省会という名の宴会を開くという。
その幹事が、一番下っ端のキイさんなので、出欠確認をするべく参加する取引先が知りたいんだとさ。
「わたしはファックスを送るよう性悪課長に指示されただけで、出欠確認まではしてないです。だからどこの取引先さんが、勉強会に参加するまでは、知りません。」
と何度もキイさんに伝えた。
「え~。でもそれやったら出席する取引先が分からんと、誰も来ない可能性だってあるやんなー。」
と、キイさんが困ったように言う。
そらそーなんだけど、今までの勉強会もたいていファックスで案内するように指示を受けてたけど、出欠確認はしたことないなぁ。
後は多分、性悪課長が実際に取引先に出向いたときにでも、出席確認するんでねーの?
今になって思うのだが、ここでわたしの正しい対応は
「性悪課長に確認していただけますか?」
だったのですよ。
なのにキイさんは、どうせどこが勉強会に出席するか確認は必要なんだから、出欠確認と宴会の案内と参加確認を、取引先に電話して聞いてほしいと、わたしに頼んだ。
明日、キイさんがお休みをとってるから、今日中にしてほしいんだとさ。
で、わたしが、宴会はどこのお店で開催されるんですか、と聞くと
「そんなん、どっかこの当たりの駅の近くや。
予算3000円ぐらいで。」
というあまりにざっくりとした、テキトーな答え。
そんなどこのお店かも、正確な予算も分からないのに、明後日に控えた宴会の案内をわたしにしろと?
何たる無茶ぶり。
そして電話が切られてしまった。
そんなわけの分からない依頼を、急に受けたため、何だかわたしは疲れてしまった。
電話を切った後、わたしがぐったりしていたら、後ろにヒトラー所長が立っていた。
「今誰と喋ってたの?
全然会話がかみ合ってなくて、面白いね~。」
だってさ。
その日、わたしにとって運が悪かったのかよかったのか、皆外出していて、数名の内務がいるだけで、オフィスはシーンと静まりかえっていたのです。
その中で、宴会の案内を強要されて、驚いて遠巻きに断ろうとして、
「聞いてません。」
「知りません。」
「分からないです。」
を繰り返していた、わたしの困った声が響きわたっていたという…。
誰と喋っていたの?とヒトラーに聞かれたので、「キイさんです。」とわたしは答える。
ちなみにヒトラー所長は、キイさんのことが嫌いみたい。
以前、キイさんは嘘つきだし、本当は移動させたい、みたいなことをグチられたことがあるのです。
キイさんってお酒飲みで、明け方に目覚めたときに、のどが渇いているとチューハイを飲むんだって。
それやると死ぬで、って同じ部署の男性が言ってた。
で、明け方にチューハイ飲んで、朝仕事に行くやん。
するとまだ酒臭いから、お客様の家に行ったときに、指摘されて出入り禁止になったこともあるんだって。
他にも、外回りのときに、こっそり家に帰ったり、行ってもいない仕事先を行ったと嘘の報告をしたり、ずるいことをしているらしい。
取引先にはデカい態度で、「朝っぱらからしょーもないことで、電話してくんな!」と怒鳴りつけたりするらしい。
キイさんがどんな人間だろうと、わたしが派遣で平和に働く分に影響がないのであれば、どうでもいいこと。
しかし、派遣のわたしに、ほとんど連絡をとったこともない取引先に宴会の案内をさせるというのは、ウワサの通りなかなかの無茶ぶりですな。
仕方ないので、勉強会の案内をした取引先は分かってるから、一件一件電話をかける。
多分10件あるかないかぐらいの数でした。
取引先のなかには、「もうキイさんに、宴会に出席すると返事しましたよ。」なんて人もいた。
全くキイさんは、どこまでもテキトーな男やで。
さて、わたしといえばですね、近頃めっきり婚活記事からは離れておりますが、いちよう元一流結婚相談所の、一流マリッジカウンセラーということをウリにしてこのブログを書いておるわけです。
このパワハラ企業シリーズが終わったら、しばらく婚活記事をメインに書く予定です。
元一流マリッジカウンセラーといいますが、正確にいうと入会案内の営業の仕事をしておったわけです。
当然、まずは電話をかけてアプローチするので、電話営業の仕事をしていたと解釈してください。
要は営業電話ができると言いたいのです。
だから、電話で取引先に宴会のお誘いを、まるで同伴出勤をお願いするキャバ嬢並みの営業トークでこなしてしまったというわけです。
というのは、言い過ぎですが。
「この近くのお店でー。」
「予算3000円ぐらいでー。」
「ぜひお越しくださいー。」
とまあ、宴会の案内電話をかけておったわけです。
ある取引先に電話をかけたときのことです。
最初は、勉強会がありますー、ご参加どうされますか?と聞くわけじゃないですか。
すると取引先は、少し参加をしぶっていたので
「夜は、反省会という名の宴会も予定してますよ。」
というと
「そういうことなら、参加します!」
と張り切って参加表明してくださったわけ。
お酒好きの気のいいおっちゃんだったんだろうね。
わたしもどうせ開催するなら、参加人数が多い方がいいだろうと、愛想をふりまきながら
「ありがとうございます~。」とおおげさにお礼を言って、電話を終わるわけですわ。
すると、また気がついたら、後ろにヒトラー所長が立っていて、
「さっきから聞いていると、本当に面白いねー。
駅の近くで3000円で、反省会するんだねー。」
と話かけてきた。
ん?
これはどういう意味だろう?
宴会の案内などという浮かれた仕事を、業務中にするなってという遠まわしの注意なのか?
分からん。
わたし、空気が読めないから、暗に含んで言われても分からん!
はっきり言えや、このキチガイ独裁者がよー。
何か本当は言いたいことがあるのかな、という気持ちをよそに、わたしは
「ほんまですよー。こんなことさせられたら、わたし、自分の仕事全然できひん。」
と被害者ぶっておいた。
とにかくキイさんに、明日休みと言われたから、今日中に宴会の出欠確認とって、連絡しないといけないもんね。
こんなことで残業させられるとか、ゴメンやし。
そんなわけで、所長が本当はどう思っていたのかなんて、どうでもいいわい、関心なしじゃと、ほっておいて、わたしは宴会の案内の電話をひたすらにかけ続けたのです。
それがあんな恐ろしいことになるとは…。
明日へ続く