刑事コロンボ第11話「悪の温室/ THE GREENHOUSE JUNGLEBLUEPRINT」のあらすじとネタバレ後半です。
今回の殺人者蘭栽培家ジャービス・グッドインは、甥トニーの信託財産を引き出すために、狂言誘拐を企てます。
そして身代金を受け取ったとたん、トニーを殺害し、お金を自分のものにするのです。
殺人事件が起こったところで、いよいよ本格的にコロンボの捜査が開始されます。
前半の詳しいあらすじはコチラより
刑事コロンボ#11-1 悪の温室/ THE GREENHOUSE JUNGLEBLUEPRINT 1972年 あらすじとネタバレ(前半) 高齢独身こじらせ男の狂言誘拐殺人事件
コロンボの疑惑集 誘拐事件の矛盾
うちのカミさん-3 カミさんのアフリカバイオレット
30万ドルの身代金が誘拐犯にわたってしまった翌日、コロンボはジャービスを訪ねます。
ジャービスが訪問理由を聞くと、
うちのカミさんがあちこち八方手を尽くして世話してるんですがね。
このアフリカバイオレットですが…。
と、コロンボは持ってきた、しおれかけた鉢植えを見せます。
アフリカバイオレットを蘇らせる方法をジャービスに聞きにきたようですが、建前で、本音は狂言誘拐を疑っているんですね。
ジャービスの毒舌集-6 ゴミ箱に捨ててしまうのが一番簡単だろう。
コロンボに鉢植えの世話を頼まれたジャービスは
こんなのは君手をかけてやるにも値しないな。
ごみ箱に捨ててしまうのが一番簡単だろう。
とまあ、無下もありません。
そうですか。
そうじゃないかと思った。
というコロンボが切ないですが、これは強がりでしょうか。
コロンボの疑惑-1 トニーの車のギアはニュートラルだった
コロンボは、崖下から発見されたトニーの車のギアがニュートラルだったとジャービスに伝えます。
つまり車は崖から押して落としたことになりますが、わざわざ落とす必要があったのかが、コロンボの疑問です。
犯人はトニーの妻キャシーに脅迫電話をかけているので、夫に異変があったことは分かっています。
その上で、車を崖から落とす必要性が見えないですね。
コロンボの疑惑-2 なぜ誘拐犯がキャシーの性格を知っていたか。
ジャービスは、トニーの手紙の内容を妻キャシーに信じさせるために、わざわざ車を落としたのではないかと予想します。
何しろちょっとやそっとの事では信じない女だからな。
とキャシーの性格を伝えるジャービスにコロンボは
ホシがなぜそれを知っていたか。
おかしい。
と、暗に身内の犯行であることをほのめかしています。
コロンボの疑惑-3 タイヤの跡
コロンボは続けて
それにタイヤの跡がね。
どうもあれがふに落ち…。
と言いかけて、温室の球根に目をやり
え？そいつ何です？
気をとられたふりをして、話を途中で止めます。
話を肝心なところでわざと止めて、犯人をじらして観察する、コロンボお得意の心理戦ですね。
コロンボの思惑通り
タイヤの跡とは？
タイヤの跡が？
と気になって、二度も聞くジャービス。
コロンボは同じ道にトニーのスポーツカーの車のタイヤの跡と、大型車のタイヤの跡が二つあったと説明します。
大型車が犯人の車になるわけですが、大型車はスピードではスポーツカーに追いつけないはずなのに、なぜトニーは逃げ切れなかったのでしょうか。
コロンボの疑惑-4 銃弾の角度と弾道
ジャービスは大型車がスポーツカーに追いつけないというコロンボに
撃たれて止まったんじゃないのかね。
と、トニーの手紙に書かれていた内容を言って辻褄を合わせようとします。
ただね。
妙なんですよ。
撃ち込まれた角度と弾道からいうと体を貫通しているはずなんです。
もし運転中だったとしたらね。
だがやられてない。
その痕がない。
つまり血痕もないし32口径の弾があっただけ。
とさらに疑問を口にするコロンボに
トニーは逃げ隠れする点では慣れていたからね。
とまあ、何とも荒い説明ですね。
そんな説明では、コロンボを欺けませんよ。
コロンボの疑惑-5 ジャービスの32口径の銃
続いてコロンボは
あ～っと ところで…。
あなたも確か拳銃をお持ちでしたね。
やはり32口径の銃とか。
と、お得意のほのめかしです。
物理的に言えば、この銃を調べれば、まあ、事件は解決ですね。
ジャービスは
ああそう持ってるよ。
ここ何年も見てないがね。
トニーがくれたものでどっかにあるはずだ。
それじゃ君は私を疑っているのかね？
と、核心をつきますね。
コロンボがつかせたんでしょうかね。
ですがコロンボはすっとぼけて
いや～とんでもない。
ただ偶然なんでして。
去年あなたが届け出られた事件の報告を見たんで…。
と、コロンボが「偶然」というときは、絶対に偶然なんかじゃないんです。
ちなみにコロンボは頻繁に「偶然」という言葉を使いますが、実は偶然を信じないのもまた、コロンボなんです。
去年、ジャービスの温室に泥棒が入ったため、威嚇射撃をした事件でした。
ジャービスによると、撃った弾はこの温室のどこかの土に入ってしまったそうです。
コロンボの疑惑-6 身代金受け渡し場所の謎
さらにコロンボはウィルソン刑事が撮影した、身代金受け渡し時の犯人の写真をジャービスに見せます。
大した写真じゃないがちょっと変なんでね。
と言って、ジャービスの邸宅にあるビリヤードで遊び始めます。
本気なのか、作戦なのか、コロンボの真意が分かりません。
でも分からないところがコロンボの魅力なのです。
コロンボの思惑通り
何がちょっと変なのかね？
と、ジャービスは訊ねます。
誘拐犯は身代金受け渡し場所を、見晴らしがよく目立ちやすい丘のてっぺんに選びました。
まるで「姿を見てください。撮影してください。」と言わんばかりじゃありませんか。
どう思われます？
と言うコロンボに
確かに奇妙だ。
とまあ、同意するしかありませんわな。
コロンボの疑惑-7 証拠がありすぎる
コロンボはジャービスに、
全てが変なんです。
とこの誘拐事件に疑問を投じます。
手がかりなんてまるでないのが普通なのに、手がかりがありすぎてまごつくぐらいだと、コロンボは言います。
わざとらしさが目立つんですな。
ともう、これが狂言誘拐だって気がついてますね。
私は素人だ。
私に分かる訳がない。
とジャービスは逃げます。
コロンボの疑惑-8 一つだけ-1 身代金受け渡し人
コロンボは定番セリフ「一つだけ」を用いて
あ そうそう。
でも一つだけお聞きしたいんだ。
さらに追い打ちをかけます。
コロンボの疑惑は、犯人がトニーの妻キャシーではなく、ジャービスを身代金受け渡し人として選んだことです。
キャシーに30万も持たせたらそのまま蒸発しかねないと思ったのに決まってるじゃないか！
なぜそう思ったかです。
とこれもう、ほぼコロンボ、犯人はお前だ！って言ってますね。
そのとき、ジャービス邸にコロンボ宛に電話がかかってきます。
トニーの遺体が見つかったという知らせでした。
コロンボの疑惑-9 明瞭過ぎる
コロンボはトニーの遺体が見つかったアジトへ向かいます。
ウィルソン刑事によると、トニーは至近距離で心臓を銃で打ち抜かれて死亡したそうです。
死後硬直から、死後10時間～12時間程度経っているとのことです。
ウィルソンは続けて
「お気づきかと思いますがコップが3個。席が3つ。違うたばこが3種類あります。
つまりガイシャのほかに2名いたことは明瞭ですね。」
と状況を語るとコロンボは
うん。明瞭過ぎるね。
と強い調子で言います。
確かに誘拐殺人犯だと、自分の痕跡なんて消していくのがプロのやり方でしょうしね！
ジャービスの新たな犯行計画
愛人だか受付嬢だかのグロリアの証言
トニーはお金に困っていた
コロンボは、銃殺されたトニーの愛人だか受付嬢だかのグロリア・ウエストを訪ねます。
トニーの妻、キャシーには言わないでほしいというグロリアに
いいですとも。
いいやしませんよ。
というコロンボ。
これ、後述しますが嘘ですからね。
グロリアは、トニーの愛人だと思われているがただの話し相手だったとコロンボに言います。
トニーは、妻キャシーが浮気するので、気にしてないように思わせたり焼かせるために、あえてグロリアの存在を明らかにしていたのだとか。
グロリア、かわいそうですね。
グロリアは胸が大きくてちょっとおバカ顔で、男に利用されそうなタイプです。
トニーにはキャシーよりグロリアの方がお似合いに見えますけどね。
グロリアはトニーは年中おこづかいに困っていたと言います。
トニーはお金の当てができた
「この間も…。」と言いかけて、グロリアは口をつぐみます。
これ以上、話たくないというグロリアにコロンボは
でもねウエストさん。
後になって陪審員の前でしゃべらされるより今アタシにしゃべる方が楽ですよ。
って脅かすんですよ。
ちょっと怯えるグロリアに
ああ脅かしじゃない。
それにアタシはあんた信じてる。
きれいな仲だって事も信じてるんですよ。
あんたうそなんぞつけないお嬢さんだ。
と、脅かしてからのなだめすかし。
手練手管ですよね～。
グロリアは白状します。
キャシーの愛人、おそらくケン・ニコルズのことですね。
トニーが5万ドル払えば、ケンはキャシーと別れるという口約束をしていたそうです。
1972年当時、1ドル＝301円、5万ドル＝1505万円。
手切れ金としては破格ですわな。
お金に困っていたトニーが、まるで5万ドルが手にはいったかのような口ぶりだったことを知ってコロンボは
グロリア君の見たところトニーは誘拐の芝居を打つようなタイプの男だったかね？
と、信託財産からお金を引き出すために、偽の誘拐事件をトニーが目論んだ可能性を確かめます。
もしそうだとするとそれに協力した人物がトニーを殺したことになる。
「わあ…まさか。」というグロリア。
しかしグロリアはもうトニーの話はしたくない、話し相手として自分を求めてくれたのはトニーだけだったと言ってコロンボを追い返します。
しかしグロリア、何か気がつくことがあったみたいで、その後ジャービスに電話をかけるのです。
報われなかったトニーの愛の使者コロンボ
コロンボは、愛人ケンとセーリングに出かけるキャシーを追いかけています。
そんなコロンボを見てケンが
「どっから湧いてきたんだ？」と言うとキャシーは
「殺人課からよ。今は道徳も取り締まるんだって。」と皮肉ります。
このキャシーのセリフ、さばさばしてなかなかかっこいいですよね。
トニーのようなへなちょこおぼっちゃまって、案外こういう気が強い女性が好きなものです。
刑事コロンボシリーズの、人物描写って細かい設定まで練ってあって、それがまたドラマに深みを与えています。
コロンボは、やり手のウィルソン刑事より、トニーが殺された夜に、キャシーとケンがドライブしていたことを突き止めています。
「トニーのために打つべき手は打ったんだからイライラしながらうちにいる必要はないわ。結果は同じですからね。」
というキャシー。
コロンボは
しかし何ですな 奥さん…。
あなたとっても変わっていらっしゃる。
非常に率直ですな。
今後はお邪魔しないことをお約束しますよ。
と言ってから、ケンが5万ドルでキャシーと別れる約束をしていたことを、ばらしてしまいます。
しかもグロリアとキャシーには言わないという約束をしていたのに、グロリア・ウエストに聞いたと言って…。
アタシ、どうも口が軽くってね。
と、コロンボは去ってゆきます。
これで亡き夫トニーの愛が、少しでもキャシーに伝わればいいのですが…。
ジャービスの毒舌集7 ヨレヨレレインコートのぶ男
夜分にジャービスの温室を訪ねるグロリア。
グロリアがジャービスに昼間刑事がやってきたことを伝えると
ヨレヨレのレインコートのぶ男かね。
と、コロンボをぶ男呼ばわりした！
ていうか、アメリカ人の美醜感覚があまり分からないのですが、コロンボはぶ男って設定なんでしょうか？
平べったい顔立ちのわたしたち日本人からしたら、それなりに掘りが深い立派な顔立ちに見えますけどね。
しかしグロリアも
「そいつよ！コロンボとか。」
とジャービスのぶ男発言に同意してますので、やはりコロンボはぶ男設定と認めざるを得ないでしょう。
トニーは32口径の銃で射殺された
グロリアは、トニーは信託財産を引き出すために誘拐事件を仕組んだと、コロンボに聞いたとジャービスに話します。
しかもトニーは、グロリアに車を買ってあげるかもなんて言っていたそうです。
トニーを殺したのは誘拐の共犯者だとコロンボが考えていたことも、ジャービスに伝えます。
コロンボからトニーが32口径の銃で射殺されたと聞いたグロリアは、思い出したのです。
1年ほど前に、トニーが持っていた32口径の銃を誰かにあげたと話していたのを…。
グロリアに、トニーの共犯者だと気づかれたと思ったジャービスは、引き出しにしまった銃にこっそり手をのばします。
第二の殺人発生かと思わせたところで、グロリアが誘拐犯だとにらんだのは、妻のキャシーでした。
トニーはジャービスとグロリアの二人に、32口径の銃をプレゼントしたことになります。
これって、アメリカでは普通の贈り物なんでしょうか…。
確かにこの物語冒頭で、キャシーの寝室のキャビネットに銃がしまってありましたね。
つまりグロリアの予想は、トニーとキャシーで信託財産目当てに狂言誘拐を企てて、その後キャシーは愛人のケンと共謀してトニーを殺したということですね。
もし奪われた身代金を取り返したときに支払われる3万ドルの賞金目当てに、グロリアはジャービスに協力を願いにやってきたのです。
1972年当時、1ドル＝301円 3万ドル＝903万円。
これはほしい！ほしいですね。
ジャービスの毒舌集-8 マヌケな刑事
グロリアは
「あの女(キャシー)を刑務所にブチこんでやってついでに3万どるの賞金ももらうの。」とジャービスに宣言します。
多分もらえることになるだろう。
君があのまぬけな刑事を好かない気持ちもよく分かる。
だからこの事件は私にまかせなさい。
というジャービス。
コロンボをまぬけだなんて、いいところまで追いつめられているくせにね。
そしてジャービスは、新たな犯行計画を思いつくのです。
32口径の銃をすりかえる
ジャービスは、キャシー邸に忍び込んで、自分の32口径の銃とキャシーの銃をすりかえます。
さらに身代金を入れるのに使ったかばんも、キャシーの家に隠すのです。
そしてコロンボではなく、ウィルソン刑事を呼び出します。
盗み出したキャシーの銃を自分の銃だと偽って、ジャービスは、ウィルソン刑事に鑑識にまわしてほしいと頼み込みました。
コロンボに32口径の銃を持っていることを突き止められたジャービスは、それでトニーを殺したと疑われているとウィルソン刑事にうったえます。
身の潔白を証明するために、疑われている銃を探し出したとジャービスは説明します。
それから新たな情報をが入ったとウィルソン刑事に話すのです。
恐らく、キャシーを犯人に仕立てるための情報でしょう。
好物のチリーを頼むコロンボ
レストランで好物のチリーを注文しているコロンボのもとに、ウィルソン刑事が駆けつけます。
ジャービスの供述により、捜査令状を取ってキャシー邸の家宅捜査が行われることになりました。
これで事件解決だと熱く語るウィルソンに、コロンボは捜査指揮をまかせて、自分はチリーを食べるつもりです。
指揮をまかされたウィルソンはとっても嬉しそう。
ウィルソン刑事の勢いに驚いた店主が「ありゃ何だね？」とコロンボに尋ねると
張り切りボーイでね。
おかげでこっちは大助かりなのさ。
と語ります。
キャシー邸家宅捜査で見つかったもの
持っている32口径の銃を差し出すようにウィルソン刑事に求められたキャシーですが、いつもの場所から銃が消えています。
ものものしく家宅捜査が入る中、ジャービスも駆けつけます。
何しに来たの？というキャシーに
君の身を案じてだよ。
弁護士は呼んだかね？
とシレッと答えるジャービス。
そしてトニーの身代金を運ぶのに使ったかばんが、キャシー邸から出てくるのです。
さらに最新の金属探知機を使った必死の捜索で、とうとう拳銃が見つけ出されました。
ウィルソン刑事は、部下のグローバー刑事に、銃を鑑識にまわすように指示します。
「コロンボ刑事に報告しないんで？」というグローバーにウィルソンは
「俺が責任者だ。凶器と断定されたら夫人を勾引する。早くしろ。」
とエラソーに、すっかり鬼の首をとった気分ですね。
後でコロンボにしかられないといいのですが…。
第3の弾はどこから
うちのカミさん-4 アフリカバイオレットのつぼみ
キャシーの家から帰宅したジャービス。
ほっこりしたところで、温室から物音が！！
もちろん神出鬼没のコロンボが、温室でのんきに腰かけて蘭を眺めているのです。
いや～暇潰しに花見てたんです。
実を言うとねおかげでアタシも蘭のよさが分かってきたようです。
って…。
コロンボ最初に温室に訪れたときも、帰ろうとして蘭を眺めながらのー
やっとあなたの花に寄せる並々ならぬ愛情が分かりました。
って同じことを言ってたのにね。
適当な男です。
午前3時だぞ。君。
ここに何の用があるんだ。
というジャービスにコロンボは鑑識の結果を待っていると伝えます。
そして温室の鉢植えを蹴っ飛ばして土をこぼしてしまったので元通りにしますから、とジャービスに謝罪します。
そうそう。
こいつを忘れちゃ事だ。
さすがお見事なもんですな。
とコロンボはジャービスに預けていた、カミさんのアフリカバイオレットを取りに行きます。
アフリカバイオレットは、つぼみまでついて復活を遂げました。
しおれかけたアフリカバイオレットを、ごみ箱に捨ててしまうのが一番と言ってたジャービスですが、ちゃんと世話してくれたようですね。
この男、ツンデレなんでしょうか。
まあ、こじらせていることには間違いないです。
コロンボの待ち人 グローバー刑事
コロンボ君。
いろいろあって私はひどく疲れているんだ。
そのアフリカバイオレットを持ってすぐ帰って下さらんか！
と怒りをあらわにするジャービスですが、そのとき車のエンジン音がします。
ちょい待ち。
聞こえたでしょ。
待ち人が来たようです。
と言うコロンボ。
ちょい待ちって面白い言い方ですよね。
グローバー、おいグローバーか？
とコロンボは、グローバー刑事を待っていたのですが、やってきたのはウィルソン刑事でした。
「これはどういう事です？奥さんを本部に連行する途中でここに引き返せと命じられたんですがね。」
とウィルソンはちょっと怒ってますね。
コロンボは逮捕されたキャシーを
奥さんこんばんは。
お疲れでしょう？
お掛けください。
と、気遣うコロンボ。
キャシーは
「いえ 結構。私立ってます。
刑務所に入ればゆっくり休めるんじゃありませんこと？」
なんて、こんな状況でも強気の皮肉を言ってます。
そこでコロンボが顔色を変えて
フレディ。
本当に奥さんを逮捕したのか？
と怒ってますね。
違うんだな違う。
と言いかけたところで、ジャービスの方が
もったいぶるな！
早く説明しろ！
怒ってますね。
イラついてます。
そこでコロンボが待ちわびていたグローバー刑事が、鑑識の結果を持って駆けつけました。
「警部！コロンボ警部！ああお待ち遠さま。」とやってきたグローバーはちょっと得意げで嬉しそうですね。
最新の金属探知機が見つけた3発目の弾丸
この画像の左側がウィルソン刑事、右側がグローバー刑事ですね。
ウィルソン刑事の方が若いですが上司です。
何となく二人が張り合って見えるのは気のせいでしょうか。
さて、コロンボが待っていたのは、弾丸の線条痕の鑑識結果でした。
第1の弾
トニーの車に撃たれた弾丸
第2の弾
トニーの死体にあった弾丸
この二つの弾丸は、キャシーの家からフレディが見つけ出した32口径の銃から発射されたものでした。
フレディ。気を悪くしないでくれよ。
君のおかげでひらめいたんだからね。
とコロンボにほめられて、ウィルソン刑事は嬉しそうで得意げです。
君はその…
科学捜査に強いからね。
アタシ…金属探知機を始めて使ってみたよ。
新米なんで手間取ったがしかしやっぱり役に立つね。
たいしたもんだ。
と言って、コロンボは金属探知機を取り出しました。
第3の弾
そしてコロンボは、もう一つ、鑑識結果を取り出しました。
第3の弾。
やはり32口径。
そしてやはり鑑識の検査で先の2発と同じ拳銃から発射されたと断定されたものです。
ジャービスさん。あんたこれどう説明するおつもりですか？
なぜ私がそんな…。
と言いかけたジャービスは、思い当たるふしがあるようにはっとしました。
コロンボは、さっきまでジャービスの温室で金属探知機を使って銃弾を捜していました。
それは去年温室に入った泥棒を、ジャービスが威嚇射撃したときに発射された弾です。
これは一体どういう訳なんでしょうね。
土の中の弾を発射した拳銃がです。
なぜ今夜になって奥さんのうちから出てきたのか。
ジャービスに返す言葉はありませんでした。
コロンボは、ウィルソン刑事にジャービスを本部まで連れていくように命じます。
「義務として警告しますが今後あなたの発言は…。」
とウィルソン刑事が形式上の権利の告知をしようとしたところ、ジャービスににらまれて止めてしまいました。
ジャービスは黙って連行されてゆきます。
コロンボの見事な王手でした。
うちのカミさん-5 うちのカミさんおっかなくてね
さすがに気の強く立ちっぱなしだったキャシーも、腰を抜かしたように、椅子に座りこみました。
叔父に夫を殺された上、罪をなすりつけられかけたのですから、無理もありません。
コロンボが優しく気遣い、家まで送ろうとします。
あっ いけねぇ。ちょっと。
うちのカミさんおっかなくてね。
と、コロンボは、アフリカバイオレットを取りに戻ります。
そしてエンドロールですね。
隠れた名作 悪の温室/ THE GREENHOUSE JUNGLEBLUEPRINT
結論から言えば「悪の温室/ THE GREENHOUSE JUNGLEBLUEPRINT」は最の高でしたね。
シリーズではさほど人気のない作品のようですが、役者も構成もコミカルなシーンも何もかも素晴らしかったです。
難を言えば、コロンボ登場後に殺害されたトニーの死が残念でしたね。
止められなかったのでしょうか。
コロンボは当初からジャービスが犯人だとにらんでいましたが、まさか甥を殺すなんて思わなかったのでしょうかね。
ラストシーンもシリーズの中では地味ですが、わたしは大好きです。
トニーの車に放たれた銃が32口径であることから、ジャービスも同じ銃を持っていることをコロンボは早い段階で突き止めているという伏線。
その弾が温室の土の中にあることを知ったコロンボが、最後一人で地道にその弾を見つけ出すという執念。
華麗なる推理力だけがコロンボの魅力ではなく、小さなヒントを見逃さない彼の観察力や地道な捜査力が生かされてのラストでした。
努力する天才、それがコロンボですね。
コロンボの王手
今回のコロンボの王手は、凶器という動かぬ証拠を見つけ出しました。
「うちのカミさん」は5回登場しました。
「一つだけ」は、ありませんでしたね。
古畑任三郎の西園寺守刑事はウイルソン刑事がモデル？
さてこの作品に登場したフレデリック・ウィルソン刑事ですが、何となく既視感のあるキャラクターだなとすぐに思ったのですが…。
和製コロンボとして名高い刑事ドラマ「古畑任三郎」に登場した西園寺守刑事に似ていませんか？
西園寺守は有能でデータ収集が得意で生真面目です。
ウィルソン刑事に性格がとてもよく似ていますね。
コロンボファンの脚本家三谷幸喜が、ウィルソン刑事のオマージュとして作り上げたキャラクターではないでしょうか。
それではまた、刑事コロンボでお会いしましょう。
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