お昼休み、わたしたち子会社のメンバーを、和室の休憩室から追い出すつもりが、親会社の同僚たちが出て行ってしまったため、一人取り残されたバブル姫。
わたしたち子会社にひどいことしようとするから、罰が当ったんだ。
わーい、ザマーミロ、バブル世代め!
そんなある日のことです。
たまたまわたしの務める子会社の方で社内イベントがあったため、お昼休み、わたし一人になる日があった。
わたし一人になるというより、バブル姫と二人きりで和室で過ごすという日です。
わたしは親会社から総スカンをくらっている嫌われ者のバブル姫と、二人っきりでランチするのがイヤだった。
そこで今日は和室は使わず、オフィス机でお昼休憩をとろうと思っていたところ、ある女性が外出先から帰ってきた。
その女性は、末っ子で、どちらかというとSな性格。
だから末っ子のスエを反対にしてS、とSな性格から、S子さんとでも名付けようか。
S子さんは外出も多く、忙しいときは仕事しながら自分のオフィス机でランチを取ることが多い。
しかしたまに和室に顔を出す。
そこでわたしはS子さんが、お昼どうするのかを聞いてみた。
「S子さん、今日は和室でお昼食べますか?
S子さんがオフィスで過ごされるなら、バブル姫と二人きりになるのがイヤなので、わたしもそうします。」
するとS子さんは、和室に行くので、急いでコンビニで食事を買ってくるということだった。
そこでわたしはお昼休み、先に和室に行ってS子さんを待つことにした。
後からバブル姫がやってきたので
「今日は子会社はわたしとS子さん、二人ですよ。」
とお伝えした。
するとバブル姫は、「そうなの?」と言って、一度和室から出ていったのである。
わたしは荷物でも取りに行ったのかと思ったけど、後から聞いた話によると、バブル姫は、親会社メンバーを呼びに行ったそう。
「今日は和室、三人ぽっちだよ~。」と、とじこさんに声をかけたんだって。
しかしバブル姫直々に声をかけられたにも関わらず、とじこさんも後輩さんもその日、和室に姿を見せることはなかった。
これで完全に答えが出ちゃったね。
すでに分かり切っていた答ですが、改めて出てしまいました…。
結局、親会社の女性社員にとって、和室が混んでいるからという理由は、バブル姫から逃げ出す絶好の口実だったということです。
いや確かに和室は、すでに限界人数に達していたので、何もわざわざあんな狭いところで無理に皆でお昼を食べることはなかろうというぐらいの狭さだった。
それが理由としても、ふつう、今日は和室でごはん食べようって直々に誘われたらさ、相当バブル姫が嫌いでない限り、一日ぐらい我慢して行くよね。
大人なら、そのぐらいの配慮はするよね。
そのような配慮すらもったいないというぐらい、皆、相当バブル姫が嫌いなんだろうな。
わたしたち子会社は、なんだかんだ言っても、お昼休みの1時間だけバブル姫の相手をすればいい。
でも親会社の人たちは、一日中だもんね。
たっぷり8時間。
せめてお昼休みの1時間ぐらい、バブル姫と離れてほっこり過ごしたいんだろうさ。
で、多分ずーっとバブル姫の悪口言ってるはず。
肌ピカちゃんが、更衣室で着替えのときなど、親会社の人たちがずーっとバブル姫の悪口言ってるから、聞くのしんどいって言ってたもん。
しかしバブル姫、いったい何をしでかしたらこんなにも嫌われるんだろうね。
30年もいる会社で、どうやったらこんなにも人望がなくなるんだ。
近頃可哀そうになってきて、哀れ過ぎてみじめ過ぎて泣けてくるわ。
またまたある日のこと。
わたしたち子会社が社内イベントのため、全員休日出勤をすることになった。
休日に出勤した振替の休みとしてある日を当てがって、定休日にした。
そのわたしたち子会社は定休日でも、バブル姫の親会社は稼働している。
つまり、その日の昼休み、バブル姫は一人で和室で休憩することになるね。
するとそれを嫌ったバブル姫は、その日、後輩さんがオフィスからお手洗いに行くのを見計らって、追いかけてきたらしい。
そしてお手洗いのドアをどんどんどんどんたたく。
後輩さんは、気がつかないふりをして無視して、用をすませると、お手洗いの前でバブル姫が待っていたという。
トイレの前で待ち伏せされるって、イヤ過ぎる!
バブル姫は、
「今日は子会社がいないから、一緒に和室でお昼を食べよう。」と後輩さんにせまったのだという。
仕方なくその日、後輩さんは和室でバブル姫と二人で休憩したという。
「そんなに一人になりたくないんですかねぇ。
一人の方が、逆に気楽やと思うんやけど。」
と、わたしが感想を言うと
ザイさんが、
「子会社がいるから、親会社が和室に来られないという理由がなくなるからとちゃう?」
と言った。
つまり、和室に親会社が寄り付かないのは、子会社メンバーがいて満員だからであって、決してバブル姫を嫌っているからではない、という理由を作るためというわけです。
必死でそんな理由を作って自分を納得させたとしても、バブル姫が異常なほど嫌われているという事実は、火を見るより明らかなのです。
いや、すでにバブル姫は嫌われ者だと気がついているが、それを認めずにすむパフォーマンスが必要なのかもしれない。
一体バブル姫は、何から自分の何を守っているのか。
何と戦っているのか。
キチガイの言い分はよく分からん。
まだまだこの話続く。
今日のバブル姫のファッションは、すっかりおなじみのワンピonワンピコーデ。
本当に中にワンピース来ているのか気になって、スカートをめくってみた。
下にデニム地のワンピースを重ねて着ているみたい。
通常厚手のデニム生地は、オーバーとして着ることが多い。
そこを逆手にとって、あえてのインとしてデニムを中に着るのがバブル姫風、一歩先行くファッション。
新しくも古臭い、昭和のバブルの香りに、令和のさわやかな風が吹くようなファッション。
さらに袖口から、ちらりとデニムの裏地をのぞかせて。
おしゃれ番長の上級ファッションテクニック。
デニムの濃い青と、うすでのワンピースの青が、絶妙なグラデーションをかもしだして、これぞ、ワントーンファッションのお見本ですね。