#6 二枚のドガの絵/ SUITABLE FOR FRAMING (1971年)
第二の殺人事件
殺人者デイル・キングストンは、共犯者トレイシー・オコーナーと、人気のないマリブヒルで落ち合います。
トレイシーは預かっていた二枚のドガの絵と、マシューズの殺害に使った銃を、デイルに渡しますす。
それから「愛している?」と尋ねるトレイシーに、デイルは
「でなくてこんなこと頼むかい?おばかさんだな。」
と答えて、二人は熱い口づけを交わすのです。
交わすのですが、何とデイルは道に落ちていた大きな石で、トレイシーを撲殺するのです。
キスして互いの愛を確認した直後、殺すとかドSやなぁ~。
松田優作かよ。
若い美術学生を殺人に利用して、邪魔になったら殺す、何と卑劣な!
卑劣で残忍なデイルの性格があらわれるシーンです。
だがこいつが卑劣であればあるほど、ラストのその瞬間、わたしたちはカタルシスを覚えるのです。
コロンボは水戸黄門と同じですから、ほぼ殺人犯は、鮮やかなコロンボのトラップにはまって自滅するということを、わたしたちはもう知っています。
コメディアンコロンボ-3
二枚のドガの絵を持って、帰宅したデイル。
恐らくいるのではないかと思ったのですが…、
まさかこんな夜中にいるわけないと思ったのですが…、
………
やっぱりいた!!
デイル宅でコロンボは、美術の資料を見ながら椅子に座って眠りこけていました!
他人様の家でリラックスし過ぎでしょ!
このシーン、ユーモラスで大好きですね。
しかも本当にうっかり眠りこけていたのか、デイルの帰宅を待ちぶせして眠りこけたのか謎。
トレイシーの殺害を終えたばかりのデイルは疲れ果てており、怒りを隠しきれません。
慌ててコロンボは、
消えます消えます。今すぐにね。
と帰ろうとするのですが、目聡い彼のこと。
デイルが持っているの「二枚のドガの絵」が入っている紙袋に目をつけて、
あっそれ掘り出し物ですか?
ちょっとでいいから見せてもらえませんか。
と言って強引に紙袋に手をつっこみ、絵を見ようとします。
この絵を見られたらデイルは終わりです。
「警部いいかげんにしてもらえませんか!疲れてるんですよ。」
とコロンボの手をとめます。
どうも失礼しました。
少し美術の本読んだものだから。
と仕方なく引き下がろうとするコロンボ。
そのとき、デイル宅に警察からコロンボ当てに電話がかかってきます。
トレイシーの遺体が見つかったことを知らせる電話でした。
ああ嫌な世の中だ。
マリブヒルで若い女の死体が見つかったんです。
車ごと谷底へ墜落したらしい。
因果な商売だ。
と、コロンボは遺体発見の感想を言って、やっとデイル宅を後にするのです。
ランディー・マシューズの遺言状公開
殺されたルディー・マシューズの遺言状が、弁護士のフランク・シンプソン立ち合いの元で公開されることになりました。
参加するのは甥のデイル・キングストン、元妻のエドナ・マシューズ、執事のエバンス夫妻、そしてコロンボです。
うちのカミさん-2 家内の叔父が…。
ルディー・マシューズの元妻エドナ・マシューズは、おしゃべりで気のいい女性です。
えんえんとしゃべってます。
エドナが「私なんか呼び出さなくってもよかったのに。」というものだからコロンボが
いえいえ。こないだアタシの家内の叔父が死んだとき…。
と定番うちのカミさんシリーズのセリフを言おうとしたものの、エドナは全く聞いていません。
「ルディーは生まれながらの実業家だったのよ。」と話をかぶせて、コロンボの言葉をかきけしてしまいました。
そしてあのおしゃべりな…、饒舌なコロンボが…。
エドナの勢いに負けてとうとう話をするのをあきらめて、聞き役に回ることにしたようです。
このエドナというキャラクターも、今回の作品のコメディータッチなノリに合っていて、とてもいいですね。
全く気がつきませんでしたが、演じているのは「欲望という名の電車」でアカデミー助演女優賞を受賞しているキム・ハンターです。
メンヘラの姉と粗野な夫の間で苦しむ、この映画一番の損な役回りでした。
この映画の感想はコチラから。
欲望という名の電車 ネタバレあり キチガイ女の映画 ~アラフォー女の成れの果て
この映画の頃から少し雰囲気は変わってますが、本作品ではオスカー女優らしい味のある存在感をはなっています。
他にも猿の惑星で、ジーラという猿を演じたことで有名な女優さんです。
コロンボの疑惑-10 デイルとトレイシーの関係
コロンボは、先日デイルに殺害されてしまったトレイシーの絵を、デイルに見せます。
「ふん。最低だね。」
とバッサリ。
トレイシーには、絵の才能があるなんて言ってたくせに、デイル本当に彼女を利用したかっただけなんですね。
物語が進めば進むほど、デイルのクソ野郎っぷりがこれでもかというぐらい明らかになってゆきます。
コロンボは絵を描いたのは、先日全身に負傷して亡くなったとトレイシー・オコーナーという美術学生だとデイルに説明します。
そして鍵を借りてデイルの家にいったときに確認したスケジュールに、トレイシーの通う学校での講義記録があったことを指摘するのです。
本当にコロンボは抜け目ないので、留守のときに絶対に家に入れてはいけない人物ですよね!
コロンボはトレイシーの写真をデイルに見せます。
デイルは「見たこともない。」と言い張るのです。
遺言状の遺産分与
マシューズの遺言状により弁護士シンプソンから遺産分与が公開されました。
甥のデイル・キングストン…全財産
元妻エドナ・マシューズ…126点の美術コレクション
この遺産分与を聞いて、エバンス夫妻は嘆き、エドナもデイルに申し訳なさそう。
あと一つだけ…3 マシューズの遺産
弁護士シンプソンによると、マシューズコレクションと呼ばれる126点の美術品は、当初はデイルが受け継ぐはずでした。
なのに、元妻エドナに譲るよう先月に遺言状が書き換えられたばかりだと言うのです。
弁護士シンプソンは
「あれだけのコレクションとなると文化遺産だし、立派に管理するには専門的な知識が必要です。
それをピカソと看板の絵の区別もつかないあんな女性に…。」
と、このマシューズの遺言に反対していたようです。
これを聞いたコロンボは、いつもの定番セリフを使って
あと一つだけ。
絵を除いても故人の遺産は相当な額になるんじゃないんですか?
と、シンプソンに確認します。
シンプソンによると、マシューズは財産のほとんどを絵のコレクションにつぎ込んでいたため、それ以外の遺産は微々たるものだということでした。
コメディアンコロンボ-3 ライターを忘れる
マシューズの財産の価値を知ったコロンボは、デイルに確認するべく、シンプソンの元から慌てて立ち去ろうとします。
しかしシンプソンに
「私のライターを。」と呼び止められてしまいます。
コロンボはいつものごとくうっかりライターを持たず、シンプソンに借りて、そのまま持って帰るところだったみたいですね。
永遠の慌てん坊コロンボ。
コロンボの疑惑-11 デイルは遺言状の中身を知っていた?
追いかけてきたコロンボを待っていたかのようなデイル。
デイルが遺産目当てで叔父を殺したと思っていたコロンボの心を見抜いたように、言うのです。
事実上の相続人は元妻エドナであり、デイルが遺産を受け継ぐために叔父を殺害したという動機がくずれてしまうことを。
遺言状が作り変えられたことを知らなかったのではないかというコロンボの心を、さらに見透かしてデイルは伝えます。
デイルは10日も前に、叔父から手紙をもらって、遺言状の中身を知っていたのです。
これでデイルの言う通り、遺産目当ての叔父殺し疑惑の動機は成立しなくなりました。
コロンボもとても困った様子です。
デイルが犯人だと知っている視聴者のわたしたちにさえ、大きな謎が残されてしまいました。
デイルはなぜ叔父を殺したのでしょう。
物語開始約49分、ここからデイルの本当の叔父殺しの目的が明らかになってゆきます。
コメディアンコロンボ-4
デイルと亡くなった共犯者トレイシーの繋がりを探るため、コロンボは彼女の下宿先を訪れます。
下宿先の女主人に、トレイシーの男性関係を聞きこむコロンボ。
美人だったトレイシーは男性関係も派手だったようですが、コロンボが知りたい男性はたった一人。
年は40ぐらいで身なりのバリッとした男性はいなかったかとコロンボが聞くと、女主人は、なんと!写真があると答えます。
ついてるなぁ。こいつは。
アルバムをめくって、トレイシーの男性が一緒に写った写真を探す女主人。
ですが懐かしい写真を見るにつけ、その思い出をえんえんと語り始め、いっこうにトレイシーまでたどりつきません。
日が暮れる前に見せてもらえませんかね。
というコロンボ。
いつもはコロンボがにおわせ発言をしながら犯人をじらすのに、今回はコロンボがじらされている笑えるシーンです。
やっと、トレイシーと年上の男性が写った写真が見つかりましたが、相手はデイルではありませんでした。
ガクッと肩を落とすコロンボの姿は、まるで志村けんのコント番組を見ているよう。
本作品は画廊の女主人、エドナ、トレイシーの下宿先のオーナー等、よくしゃべる楽しい女性が、コメディタッチに作品を彩っています。
叔父殺しの動機が明らかに…。
マシューズコレクションをエドナが相続した理由
エドナとマシューズは、二~三か月に偶然再会し、旧交を温めたようです。
年を経て、マシューズは我利我利亡者ではなくなり、エドナはイタリアのハンサムボーイを追いかけたりしなくなっていたと、語るエドナ。
二人の離婚理由はエドナの浮気でしょうか…。
マシューズが美術品を買い集めるようになったのは、エドナが勧めたからのようでした。
当初、美術品はエドナが選んでいましたが、離婚後は、甥のデイルが見立てるようになります。
しかしマシューズは美術品の管理をもてあますようになりました。
そこでエドナの「世界的名画は個人で秘蔵すべきじゃない」という考えのもとに、美術館や学校にコレクションを寄贈することを決めたのです。
これがマシューズが相続人にエドナを選んだ理由でした。
コロンボの疑惑-12 凶器の発見
マシューズの殺害に使われた銃38口径のリボルバーは、もとはマシューズの持ち物でした。
が、何と!その凶器が元妻エドナ・マシューズの家の近くから見つかったのです!
マシューズの家は丘の上にたち、その目と鼻の先のふもとにエドナの家があります。
この凶器の発見により、コロンボはエドナ邸を訪れるのです。
うちのカミさん-3 デパート好き
凶器の発見が自宅近くだったことから、不安にかられるエドナ。
コロンボは、友人と買い物の約束をしていたエドナに、予定通り出かけるようにすすめます。
気晴らしには買い物が一番ですからね。
うちのカミさんもデパートに行くとモヤモヤをすっかり忘れてケロッとした顔で戻って来ますから。
エドナは安心して車に乗って、買い物に出かけるのです。
コロンボの疑惑-13 マシューズ宛の包装紙の発見
エドナの家の裏手の納屋に、マシューズ宛の絵を送り返すときに使った包装紙が捨てられていました。
マシューズ殺害に使った拳銃と、二枚のドガの絵を盗むときにくるんだ包装紙。
どちらもトレイシーがマシューズ邸から持ち出して、デイルの手に渡ったものです。
デイルがエドナをマシューズ殺害犯に仕立てようとしていたことが、わたしたち視聴者に分かる瞬間です。
しかしデイルは叔父を殺したあげく、共犯者の恋人を殺したあげく、その罪を叔母になすりつけようとしています。
一体この作品だけで、いくつもの大きな罪を重ねるつもりなのか。
弱い女たちを利用して、卑劣!
あまりにも姑息で卑劣な下衆の極みですね。
デイルは、「エドナにかぎって殺人なんかできるような人じゃない。」と彼女をかばいながらも、暗にコロンボに逮捕できる状態であることをほのめかします。
コロンボは、もしエドナが犯人なら証拠の包装紙を庭先に放置せず、燃やすだろうから、彼女は潔白だと言います。
そしてエドナはのんきにみえて、神経過敏なところがあるから、デイルとコロンボに疑われると精神が参ってしまうとかばうのです。
初めあなたを疑って失敗したけれどももうあんなヘマはしたくない。
今度こそ慎重にやらなくっちゃ。
盗まれた絵が出てくるまでは積極的に動かない事にしますよ。
罪もない人に濡衣を着せるよりはましでしょう?
と、がぜんコロンボはエドナの味方。
デイルもコロンボの意見に同意したふりをしますが、エドナの潔白を証明するためにも、家宅捜査をした方がいいのではないかと提案します。
しかしそうは問屋が、いえ、コロンボがおろしません。
そんな必要ないでしょう。
あなたも私も潔白を信じてるんだから。
時間の無駄ですよ。
新事実が出たらお知らせします。
と、デイルの提案をことごとく否定し、愛車プジョー403に乗って、去っていきます。
コロンボはデイルが犯人であることも、デイルがエドナを罠にはめようとしていることも見抜いていますね。
デイルは、コロンボが思惑通りに動いてくれなかったことに、あせりの表情を浮かべています。
さあ、ここからデイルがどう動くか、コロンボとの最後の化かし合いが始まります。
弁護士を説得しエドナの家宅捜査へ
デイルの思惑外れてしまい、コロンボがエドナに全く疑いの目を向けませんでした。
そのためデイルは弁護士のシンプソンを頼って、エドナ邸の家宅捜査をするようにすすめます。
家宅捜査することでエドナの潔白を証明し、守ってやりたいのだと、デイルはシンプソンに頼みます。
同じくエドナの潔白を信じているシンプソンは、最初はしぶっていましたが、家宅捜査の決意をします。
コロンボに家宅捜査を断られてしまったため、シンプソンのコネを使って別のルートから警察が動くことになりました。
エドナ邸に絵を忍ばせるデイル
デイルはエドナが弁護士シンプソンを訪れている間に、彼女の車にあった買い物品の中に、二枚のドガの絵を忍ばせておきます。
それからエドナとシンプソンとデイルは、エドナ邸に向かうのです。
少しパニックになり「お酒がほしい。」というエドナに、ディルは「僕が作ってあげますからね。」と答えます。
デイルはわざと自分にお酒をこぼして、乾かしてくると言って、エドナ邸の洗面所を借ります。
エドナが買い物してきた箱の中から、忍ばせておいた二枚のドガの絵を取り出して、洗面所の棚に隠すのです。
全ての準備が整ったとき、ちょうど警察が家宅捜査に訪れました。
見つかった二枚のドガの絵
エドナ邸で家宅捜査が行われることを知ったコロンボは、慌てて駆けつけてきます。
何が何だかさっぱり訳が分からない。
担当刑事のアタシが(エドナの)潔白を信じているんだから。
とデイルを責めます。
最後のトラップを仕掛け終えたデイルは勝ち誇った顔で
「上司が君じゃらちが明かないって判断したんだろう。うちへ帰って寝るんだね。」
と、言います。
エドナが心配のコロンボは
こんな事になってびっくりなすったでしょう。
と、彼女に声をかけます。
誰が家宅捜査をすすめたのかと問うコロンボに、弁護士のシンプソンは、自分とデイルだと答えます。
そうだったのか…。はぁ~。
とコロンボは納得したようにうなづきます。
デイルはずっとニヤニヤしています。
やな感じ!
そしてとうとう、二枚のドガの絵が、エドナ邸から見つかってしまったのです!
「どこにあったんです?」としらじらしい演技をするデイル。
自分で隠したくせにね!
そして
「エドナ あんただったのか。」ですって!
はぁ~しらじらしい!!
パニックになって、おしゃべりがとまらなくなるエドナに
「もう何も言わない方がいい。」
とデイルと弁護士シンプソンがストップをかけます。
「逮捕状を請求しますか?」というシンプソンも、もうエドナが犯人だと信じている様子です。
コロンボ最後の疑惑-14 絵についた指紋は誰のもの?
コロンボは、逮捕の前に絵についた指紋を調べたいと言います。
するとデイルが
「そんなことをして何になるんだね。
警部…。
警部 もうはっきりしてるでしょう。」とあせり出しました。
しかしコロンボは、デイルが犯人だという前提に話を始めます。
動機は…。
そうか やはり叔父さんの遺書だ。
マシューズから、コレクションがエドナに贈られることを手紙で知ったデイルが、あきらめきれずに叔父を殺し、その罪を叔母に着せようとしたのだと、コロンボは続けます。
「名誉棄損で訴えられてもいいのかね!」と言うデイル。
現行法によると被相続人を殺害した人間は相続権を失う決まりになっている。
とコロンボは弁護士シンプソンの確認を取ります。
エドナさんが有罪って事になれば相続権は君に移りコレクションも君のものだ。
そしてコロンボはデイルがそのためにエドナ邸に殺害に使った銃や、包装紙、絵を持ち込んだのだと指摘します。
それを聞いたエドナが
「デイル…。なんてひどいことを。」驚きの表情をデイルに向けます。
追い詰められたデイルは、いたちの最後っ屁かのように悪あがきでひどいことを言います。
「どこまでずうずうしい女なんだ。
自分の罪を棚に上げて。」
とまあ、これはエドナのことではなく、デイル自身のことみたいですね。
壮大なブーメランを投げてくださいました。
デイルが、二枚のドガの絵を、自分が持ち込んだことを証明できるのかと問うとコロンボは
できるよ。指紋でな。
と、あっさり答えます。
デイルは、コレクションの絵は、全て自分の指紋だらけなので、指紋で自分が盗んだことは証明できないと言います。
いや。君の指紋じゃないんだよ。
この間アタシが君のアパートに行ったときどこからかえを持って帰ってきたろ?
見せてもらおうとしたら慌ててひっこめたけど。
アタシはあの時触ったんだよ。
事実この絵にはアタシの指紋がある。
さあ、デイルの上を行くコロンボの壮大なトラップが今、獲物をがっちりと捕らえましたよ。
偶然か?必然か?
恐らくコロンボは、デイルのアパートに行ったときから、持っていた絵が絶対に二枚のドガの絵だと確信していたのでしょうね。
こうなることを読んで、指紋をわざとつけたとまでは、さすがに思えませんけれども…。
もしこの結末を読んでいたのならば、もはやコロンボは、警部ではなく、エスパーか宇宙人ですよね!
ちなみにコロンボが絵を触ったシーンはこちら。
しかしデイルは、まだ悪あがきをやめません。
このときのデイルの不穏で落ち着きのない表情のぶざまで笑えることといったら!
ついさっきまで、余裕しゃくしゃく、自信満々で自分の勝利を確信していたのにね!
「いや…。これは何かのワナだ。
汚い手はやめてくれ!
あんたはたった今この絵に触って指紋をつけたんだよ。
そうともみんな見ていただろ!?
語句が気が付かないうちにそっと触ったんだよ。
そうに決まってる。
汚いぞ!
その手 その…」
これを聞いたコロンボはコートのポケットに突っ込んでいた手を出して…。
はい!
この話はここで終わり!
このコロンボの手袋をはめた手では、たった今、指紋をつけることは不可能です。
そしてコロンボのこの表情。
殺人犯を追い詰めている顔ではないですね。
この後、デイルの情けない表情を写して、セリフは一切流れず、エンドロールです。
え!?
これで終わり?って一瞬思いましたが、確かにもうこれで結果が出ちゃってますものね。
まあこの後、自白があろうがなかろうが、デイルは逮捕されることは予想に固くありません。
この結末も、コメディタッチで爽快で、とてもこの作品全体の雰囲気に合っていました。
今回の「二枚のドガの絵」は、親族と恋人を殺すという殺人が二回も起こり、その罪を叔母になすりつけるというおどろおどろしいものでした。
しかし暗くならないよう終始コメディタッチで描かれており、犯人の憎たらしさが、より一層ラストを爽快なものにしていますね。
コロンボは、コメディーとしても楽しめるということを知らしめた伝説の物語だと思います。
人気作品なのも納得!
実はデイルはコロンボの師匠
さて今までで一番憎たらしい犯人デイル・キングストンを演じたゲストスター、ロス・マーティン。
実はコロンボを演じるピーター・フォークの演技の師匠だったのですって!
二人ともそこまで男前というわけではありません。
ですが、キャラクターをそのまま体現したようなコミカルな表情など素晴らしい演技対決でした。
作品中では刑事コロンボに軍配が上がりましたが、演技対決ではどちらが勝利したのでしょうか。
それは観た人の判断にゆだねましょう。
コロンボの王手
今回のコロンボの王手は、絵についた指紋という、動かぬ証拠でした。
証拠を見つけたという解釈で良いでしょう。
「うちのカミさん」は三回、「一つだけ」も三回登場しました。
ではまた、刑事コロンボでお会いしましょう!
今回の作品は、見逃してしまいそうなラストの伏線をより理解するためにも、二回観ることをおすすめします。
ユーネクストなら無料でコロンボを観ることができます。
コチラより↓↓