♪ヨーレローレロヒホー ヨヒドゥディ ヤホホー ヨーレローレロヒホヤ ラヒフリヨー♪
スイスと聞けばわたしたち世代が思い浮かべるのはアニメ「アルプスの少女ハイジ」です。
このアニメ、実はわたしが生まれる前の1974年が初放送でしたが、あまりの人気に何度も再放送されています。
NHKの朝ドラ「なつぞら」の中で登場する「大草原の少女ソラ」は実は、ハイジをモチーフにしているようです。
このハイジの舞台となったのが、スイスのマイエンフェルト。
日本アニメのハイジの人気はすさまじく、訪れる観光客は最も日本人が多いのだとか。
基本スイス旅行のツアーを申し込めば、マイエンフェルト観光は組み込まれていることが多いですね。
もちろんわたしも行ってきたわけです。
今回はこのマイエンフェルトとハイジについて紹介します。
アルプスの少女ハイジとは
アルプスの少女ハイジは、スイスの女流作家「ヨハンナ・シュピリ/Johanna Spyri」の児童文学作品です。
舞台となったデルフリ村は、スイスマイエンフェルトの架空の村なんだそうです。
ちなみに「ハイジ」はドイツ語では「ハイディ」と発音するらしく、マイエンフェルトでハイジと言っても伝わらないようですよ。
物語は、両親を早くに亡くした5歳のハイジが、父方の祖父アルムおんじと暮らすことになるところから始まります。
アルム(alm)とは高原草原のことで、高いところや山を意味するアルプスの派生語なのでしょうか。
アルムおんじは、人里離れた高原牧場を一人で営んでいることから名づけられた名前で、偏屈者、アウトサイダーという意味合いも含んでいそうですね。
明るく天真爛漫なハイジとこの偏屈じーさんの心の交流が、物語の一つの見どころです。
そして美しいスイスアルプスの風景は、やはり実写映えするのか、世界中で何度もアニメや映画になっています。
日本アニメ アルプスの少女ハイジ
世界中で映像化されているハイジですが、やはり一番名高いのは、日本でテレビ放送されたズイヨー映像の作品ではないでしょうか。
それもそのはず、今や世界中にその名前を轟かせているアカデミー賞を受賞した宮崎駿や高畑勲、小田部洋一、という夢のようなアニメーターたちがその作品に携わっています。
ちなみに小田部洋一は、NHK連続テレビ小説「なつぞら」で、広瀬すず演じるヒロインなつのモデルとなった奥山玲子の夫です。
このドラマのアニメーション時代考証を担当しているのだとか。
中川大志が演じるなつの夫、坂場一久は高畑勲、染谷将太演じる神地航也は宮崎駿がそれぞれモデルになったと言われています。
最初にこのドラマのアニメーション映像を観たとき、「ジブリのパクリ?」と思ってしまいましたが、パクリどころか、本家本元が担当していたというわけですね。
宮崎駿、高畑勲、小田部洋一は実際にスイスを訪れてその世界観を見事にアニメの中に描き出しました。
ドラマ「なつぞら」でも、アニメーターたちが「大草原の少女ソラ」の舞台となる北海道を訪れて現地調査するシーンがありましたね。
わたしもスイスを訪れたから分かります。
三人のアニメーターたちは、この美しいスイスの風景を、あますことなくアニメで表現することを誓ったに違いないと。
この主題歌の、スイスアルプスを一望するようにハイジが大きなブランコをこぐシーンは、ずっと忘れられないメルヘンティックな憧憬です。
スイスアルプスの美しさ、ハイジの無邪気な愛らしさ、そしてアニメにしかできない夢のような表現。
このアニメーションの素晴らしさが全てこめられたオープニングロールですね!
マイエンフェルト/MAIENFELDについて
マイエンフェルトはスイスの東部のグラウビュンデン州にあり、ちょうどリヒテンシュタインの南側国境付近に位置しています。
リヒテンシュタインについてはこちらの記事を
リヒテンシュタイン~世界で6番目に小さな国 スイス旅行のついでに立ち寄ろう!
チューリッヒから鉄道で1時間強でマイエンフェルトの駅に到着。
もちろんリヒテンシュタインから行くルートや、イタリアミラノから行く方法もあります。
マイエンフェルトの観光スポットは、ハイジ人気にあやかるものが多いようです。
その証拠にマイエンフェルト駅前にあるこの町で最も大きなホテルは「スイスハイジホテル(Swiss Heidi Hotel)」という名前です。
ハイジで町おこししているみたいなもんです。
本当にハイジが好きでたまらないなら、ここで一泊してこのマイエンフェルトの街並みを散策したり、山へハイキングに出かけてみるといいでしょう。
アニメ「アルプスの少女ハイジ」で描かれたまさにその世界を体感することができます。
このイラストの赤のラインが、1:30程度、青のラインが5~6時間程度のハイキングコースです。
ちなみにわたしは観光バスで、人気のハイジスポットをちょこちょこっと訪れただけでした。
マイエンフェルトの観光スポット
ブランディス城/Schloss Brandis
ローマ時代からの歴史を持つ石造りのお城です。
城主ブランディス家は、1499年のシュヴァーベン戦争の結果、このお城を失うことになります。
またこのブランディス城の城主の弟が、現在のリヒテンシュタインにあるファドーツ城の城主だったそうです。
城主を失ったお城は、今はレストランとして観光客たちに愛されています。
ハイジの泉/Heidibrunnen
ハイジの作者ヨハンナ・シュピリを記念して作られた泉です。
ハイジハイキングへ向かう休憩スポットになっています。
ちなみにスイスは水道水が飲めるので、もちろんこの水も飲めます。
周囲には美しい夏のスイスの風景が望めます。
ハイジホフ/Heidihof
ハイジの泉から少し登ったところにある、レストラン・ホテル施設です。
ホフとは庭という意味で、ハイジのお庭といったところでしょうか。
ここまでは車で乗り入れることができるのですが…、
事件発生です!
わたしたちの乗る観光バスが…
この杭に車体をひっかけてしまって…
何と!
こんなことに…!!
乗っているわたしたちにも、すごい音がしたので、驚きました。
杭を見ると一本だけ新しいですよね。
だから以前にもぶつけた人がいたのでしょう。
どうなることかと思ったけど、結局このバスでツアーを敢行しましたよ。
日本ならこんな車で絶対走れないですよね。
恐るべしスイス…。
気を取り直してハイジホフのご紹介です。
ハイジのイメージ画がありますが、日本より少し大人っぽいハイジです。
このハイジホフでは、レストランウェディングもできるようですよ。
スイス、ハイジの村で結婚式なんて素敵ですね。
入り口では、日本で同じみのハイジやペーターが出迎えてくれます。
内観です。
食事です。
スイス料理ですが、料理名は忘れました。
デザートはぶどうのゼリーでした。
ちなみにこのハイジホフというレストラン。
8月のこの季節、ハエがわんさか飛んでました。
これではハイジではなく、ハエジやで、ていうぐらいブンブン飛んでました。
日本のレストランでは考えられないですが、やはり自然豊かな田舎では仕方ないことなのでしょうか。
ハイジドルフ/Heididorf (オーバーロッフェルス村/Oberrofels)
ハイジホフから徒歩10分程度の場所に、ハイジ村という意味のハイジドルフがあります。
ハイジが冬を過ごした村を再現しています。
スイスでは夏場は、アルム(高原草原)で家畜を放牧しますが、冬になるとアルムは雪にうずもれてしまうので、山里に降りて過ごします。
ハイジドルフの風景です。
写真の右手真ん中より少し上に見える噴水では、水を飲んでみました。
ヤギやにわとりと触れ合うこともでき、とても牧歌的な風景を楽しむことができます。
ハイジハウス/Heidihaus
ハイジドルフにある博物館です。
ハイジが暮らした冬の家のモデルで、中は博物館になっています。
入場料が13.90スイスフラン、1フラン100円として1400円ぐらいかかるので、わたしたちのツアーは誰も見学しませんでしたね。
団体だと9.90スイスフランになるそうです。
公式ページのパンフレットより
ドルフラーダ /Dorflada
ハイジドルフにあるおみやげものやさんです。
ハイジのお人形や、セントバーナード犬のぬいぐるみ、絵ハガキなどのおみやげや、お菓子も販売されています。
スイス旅行の初日に訪れたので、荷物になるからわたしは何も購入しませんでした。
母がハイジのキャラメルみたいなものを購入してましたね。
食べてみるとキャラメルとはちょっと違う、固い質感でした。
甘くておいしく、味はキャラメルなんですけどね。
ハイジアルプ/Heidialp (オクセンベルク村/Ochsenberg)
ハイジドルフからさらに1~2時間ほど登ると、ハイジアルプがあります。
ハイジの山とでもいう意味でしょうか。
ここに「ハイジビュッテ/Heidihutte」というハイジの夏の家があります。
アルムおんじとハイジが住む家のモデルとなった山小屋です。
アニメで描かれた屋根裏の藁のベッドも再現されているのだとか。
ここは標高1000mを越えるそう!
少しハードなハイキングですが、ハイジの世界を堪能したいならならぜひ訪れたいスポットですね。
食事もできるし、運がよければアルムおんじに会えるかもしれません。
スイスとマイエンフェルトとハイジと日本の絆
観光はスイスの収入源を大きく占めているため、非常に観光しやすく、ツーリストたちに優しい国です。
アルプスの少女ハイジの影響もあり、スイスを訪れる日本客はとても多く、日本語のパンフレットやメニューもとても充実しています。
特にこのマイエンフェルトは、ほぼハイジで観光業が成り立っており、街中のあちこちで日本版ハイジの姿を見ることができます。
わたしは日本のアニメーションは世界一だと思っています。
その日本アニメのハイジが、遠い国スイスの小さな町マイエンフェルトで、時間と場所をこえて生き生きと輝き続けています。
その情景は、不思議に懐かしく誇らしい気持ちを湧き起こします。
同じくスイスも、ハイジをリスペクトするわたしたち日本人を歓迎し、かつては日本語の標識や音声案内もとても充実していたのですが…。
これに中国人や韓国人が文句つけたんですね。
「何で日本語があって俺たちの国の言語の案内がないんだ!」てね。
それで面倒になったスイスは、日本語の案内を止めてしまったというわけです。
わたしたち日本人は、スイスに特別に頼んだわけでもなく、お互いの国と文化に敬意をはらいあって、観光しやすい関係を築きあげたのです。
何の努力もなく、スイスをリスペクトするような芸術すら生み出せないくせに、待遇だけよくしてもらおうなんて、ホント、あいつらずうずうしいですよね。
悔しかったら、ハイジを越える作品でも作ってみろってんだ。
今や日本は中国マネーにはかないませんが、いつまでも日本のハイジは、世界中に愛され続けることでしょう。
旅とはその土地に眠る魂を呼び起こすことである。