わたしはやらないやらないと言い続けた、リスト作成の仕事。
一言もやると言ってないのに、乞食部長が勝手にわたしがやることを納得したと言ってたらしい。
で、その仕事の分担を決める会議が、乞食部長、紙袋さん、スエオ、わたしの4人で開かれたのである。
その会議の司会は紙袋さんだった。
紙袋さんは、わたしがやる前提で、勝手に分担をホワイトボードに書き出した。
その分担方法とは…。
わたしが今まで提出した書類の説明書きや控えを、官公庁ごとにファイリングしてるわけね。
ぶあついファイルで20冊ぐらいあったのかなぁ?
そのファイルを、4人+、滋賀営業所のシガさんと分担して、一人4冊づつチェックしてリスト化するという内容でした。
この時点でわたしはイライラした。
まずわたしはやると言ってないのに、勝手に分担が決まっている。
しかもそのファイル、一冊ごと同じ分量が入ってるわけではない。
見やすいように地域ごとにわたしは分けてるわけ。
例えば大阪府だったら工業地域になるから、市町村も多く、ファイルはパンパン。
山口県だったら、さほど登録する場所がないから、ファイルはうすうす。
大阪府一冊で、山口県10冊分ぐらいある。
でも紙袋さんの分け方では、大阪府一冊、山口県一冊という分け方。
全然分担の振り分けが平等ではない。
業務が多い人と、少ない人の差が激し過ぎる。
そういうことを何も考えてないし、分かってない。
分かってないのは無理もない。
だってわたしの仕事だもん。
紙袋さんに分かるはずもない。
とにかく分かってもいない仕事をかってにふりわけやがってとますますイライラしてきた。
で、確か紙袋さんの話を遮るように
「わたしはそん無駄な仕事、しませんよ。」
って早い段階で言ってやった。
乞食部長と紙袋さんは え~!?みたいになってたけど、スエオは黙ってた。
多分やらないやらないと言い張ってたから、さもありなんって分かってたんだろうね。
で、さらにわたしが
「だってこの会社は、やりたくない仕事はやらなくていいんでしょ。
紙袋さんとスエオだって、案件チェックを全然やってないじゃないですか。」
と言ってやった。
案件チェックというのはだな、その入札参加資格を提出している400の自治体のホームページを定期的にチェックする。
で、当社でできそうな仕事がないか探す仕事。
それをわたしと紙袋さんとスエオさんの三人でチェックするという仕事なのに、わたし一人でずーっとやってた。
紙袋さんとスエオは忙しくてできないんだってさ。
で、二回ほどやってね、って言ったけどやってくれなかった。
二度めのときは、乞食部長の前で、
「たまには紙袋さんも案件チェックやってね。」と言い残して帰ってやった。
すると乞食部長が
「え!?やってないの?」
と驚いていた。
わたしが今回のリストをやる必要なしと判断したように、紙袋さんとスエオにとって案件チェックはやらなくていい仕事なんでしょう。
でもそれは、二人が決めることでなくて、上司である乞食部長が決めることなんじゃない?
で、そのわたしが乞食部長に紙袋さんの怠慢をチクってやった翌日のことである。
紙袋さんが何だかわたしにすり寄ってきて
「ワタシね~
案件チェックやりたいんです。
でも忙しくてどうしてもできないんです~。」
って言いにきやがった!!
わたしはそんなこと言われると思わなかったので、びっくりこいて
「そうなんや…。」
と言うしかなかった。
後で考えたら、できないなら、わたしでなくて、乞食部長に言って!
本来は自分でするべき仕事を、契約社員一人に押しつけるって、アンタのやってることは、パワハラやで!!
ぐらい言ってやればよかった。
このぐらい言われないと分からないのが紙袋さんだからで、あーる。
あーる企業の紙袋さんで、あーる。
そのときのイライラがずっとたまってたんだろうね。
ネチネチ執念深い性格のわたしの、たまってた怒りが一緒に爆発したというわけです。
わたしの言い分としては、あんたらもやりなくない仕事をやらず、わたしに押しつけてるんだから、わたしもやりたくない仕事はやりまっせーん、ということです。
こいつらがいい加減な仕事をしてるおかげで、こっちも正当化できる言い分ができていやはやラッキーラッキー。
で、紙袋さんが何か言い返してきたけど、もう忘れた。
多分、案件チェックと今回の提出リストは、話が違うみたいなことを言ってきたんだと思う。
それをわたしが、やりたくない仕事をやってないのは一緒でしょ、一緒の意味でしょ、みたいに言い返したと思う。
自分はやるべきことをしてないのに、余計な仕事を押しつけてくるな、ぐらいわたしのことだから言ってそうだな。
もう覚えておらんわ。
すると乞食部長が
「どの仕事をするかどうかを決めるのは、ころんさんではない。
上司である僕だ!」
みたいなことを言ってきた。
で、わたしは
「まあ、そうですね…。」
と乞食部長の言い分を認めたあと、聞きかえした。
「証明書類取得と、実印申請を総務にしてもらう話はどうなってるんですか?」
そしたら、乞食部長はまだ何もアクションを起こしてないと言った。
ちなみに乞食部長は総務のナオミ課長が大好き。
ナオミ課長も乞食部長を上手く使ってる。
だからナオミ課長が損になるようなことをするはずはないんだよ。
むしろナオミ課長がするべき仕事を、こちらにいつも押しつけられているぐらい。
とりあえずその場しのぎで、「ころんさんの業務を減らすよ~。」と言ったが、実際行動に移すつもりは一切ない。
そういう男だ。
そこでわたしは言った。
「別にこのリスト作成ね、やれと言われたらそらできますよ。
9時10時まで残ったり、休日出勤したらそれはできる。
でもそれってね、契約社員という働き方の範疇を越えてますよね!!」
そしたら何と乞食部長が返したことには
「それ、Mさんにも言われたよ。」
だった…。
はあああぁぁあああ!?
Mさんに言われたことを、いまだ一切改善できてないってことだよね。
アホか!
何を考えて毎日仕事しとるんや!
アホかアホかアホかアホか!!
あ、こいつ救いようのないアホやった…。
優秀だと言われていたMさん。
そのMさんもわたしと同じことを思っていたなら、わたしは間違ってない!
間違ってないよ!
絶対にこの仕事はやらない!
何でもMさんは乞食部長があまりにも話が通じないから、乞食を通りこして、その上のワンマン常務に訴えたらしいよ。
ワンマン常務がベラベラと紙袋さんに喋ってたらしい。
わたしが契約社員なので、それ以上の仕事はやりませんと言い張る中、乞食部長は何とか説得をこころみるが、わたしがこんな男に負けるはずもない。
「チームワークだから…。」
とか言い出したけど、一番弱い立場の契約社員に、過剰な仕事を押し付けるのは、チームワークではなく、パワーハラスメントではないですか?
と言ってやればよかったな。
さすがにそこまでは言えなかったね。
わたしはどちらかというと、相手が誰だろうが、間違ってることははっきりと指摘するタイプ。
しかもオブラートに包んで言うということができない。
逆に相手がオブラートに包んだ言い方をしてくると、もういいから結論を言えってイライラする。
だからわたしは結論から言います。
そしてこのように口が過ぎるわたしだが、たいてい後悔するのは、言い過ぎたことではない。
もっと言ってやればよかったと後悔するのだ。
これだけ言ってやっても、もっと言ってやればよかったと後悔するわたしが、自分が正論だと信じている言い分を通すのに何の迷いもあるはずもない。
乞食部長がチームワークだと言い出したことに、おきれいな言葉を使って、まるめこめようとしやがってとますます腹が立ってきた。
で、とうとうここまで言ってやった。
「だいたい、そっち(営業部全体)がふがいないから、こっちまで余計な仕事がまわってくるんでしょ。
先日の業務見直しの会議だって、結局総務に仕事を移行してもらえないんだったら、ただの時間の無駄じゃないですか。
あの会議で半日もつぶれたおかげで、業務も遅れた。
なんにも前進してない。
わたしはやらないって結論が出てるんだから、それをやれやらないと言ったところで時間のムダ。
この時間でさっさとリスト作成に取り掛かればいいのに。」
もうこれ言っちゃうとおしまいだわな。
それを言っちゃーおしめーよー、て寅さんに笑われるわ。
すると紙袋さんが、真っ赤に目をはらしながら言った。
「わたし、やりますから!
案件チェックもころんさんの仕事もわたしがやりますから!
だからこの仕事をしてください!」
………………。
………………。
???
わたしの頭に?が浮かんだ。
それは、本来のわたしの仕事を紙袋さんに手伝ってもらう。
そこでわたしの時間が空くので、リスト作成をわたしに手伝えってこと?
「何でそんな効率悪いことすんの?
業務のたらいまわしみたいやん。
普段担当している仕事を、その担当者がした方が、間違いも少ないし早くない?」
とわたしが言ったら、皆無言になった。
そしてとうとう乞食部長が
「時間の無駄とか言われちゃったらしょうがないね。
じゃあころんさんは、しなくていいよ。」
と、とうとう折れたのです!
部長が、入社して数カ月の、一番下っ端の契約社員に折れた!
ころんの攻撃力、恐るべし…。
が、なんとなーく、気まずい雰囲気も残り、後味も悪かったですね。
別に休日出勤の手当ても残業代も出るんだから、ここでこの仕事を引き受けて、職場を円滑に過ごすというのが、大人の社会人でしょうね。
だって、リストなんて作ってしまえば、その仕事は完了ですしね。
永久的に続く仕事でもない。
しかしここで引き受けてしまうと、契約社員の立場のまま、正社員並みに働くことが当たり前になるやんか。
それだけは絶対に避けたかった。
そしてこの、ころん、始めて乞食部長にブチ切れる事件以来…。
びびったのか、乞食部長がわたしにとっても気を使ってくれるようになったのです。
間違ったウザい気の使い方だけどな。
さすが、ころんさん、
ころんさんは頑張ってくれてるよ~、とかおべっかを使うようになったのです。
さすがって…
オマエみたいなアホの基準で、さすがとか言われても嬉しくも何ともねーつーの。
さすがとか思うなら、わたしを正社員に推薦してくれればいいのにね!
そしたらその恩で、わたしは乞食部長に頭が上がらなくなるのにね!
乞食部長はとにかく人を利用しようという人なんだが、頭が悪過ぎて、どうやったら人がついてくるかも分からない。
哀れな男だ。
しかし、乞食部長ところんのバトルはこれで、収束せず、第二段が間もなく始まるのであった。
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