作品情報
刑事コロンボ:ピーター・フォーク(小池朝雄)
殺人犯:上院議員候補 ネルソン・ヘイワード/ジャッキー・クーパー(中谷一郎)
被害者:選挙参謀 ハリー・ストーン/ケン・スウォフォード(槍田順吉)
ヘイワードの妻:ビクトリア・ヘイワード/ジョアンヌ・リンヴィル(稲野和子)
ヘイワードの愛人:リンダ・ジョンソン/タィシャ・ステアリング(津田京子)
演出:ポリス・セイガル
脚本:アービィング・パールバーク
アルビン・R・フリードマン
ローランド・キビ―
ディーン・ハーグローヴ
殺害の動機:邪魔になったため
- 殺害の動機とバッググラウンド
- 物語開始14分 本格的にコロンボ登場
- コロンボの捜査開始
- コロンボの観察力-2 リンダとの関係に気付く
- うちのカミさん-3 ヘイワードの熱烈なファン
- うちのカミさん-4 コロンボの38歳の弟
- うちのカミさん-5 こう言うんですよ
- コロンボの疑惑-6 車の照明と弾道
- コロンボの疑惑-7 ヘイワードがほっとしなかった
- コロンボの疑惑-8 リンダのストレス
- コロンボの疑惑-9 もう一つ-1 エンジンの温度
- コロンボの疑惑-10 ストーンと取り替えた上着
- うちのカミさん-6 ボーリングクラブの幹事
- コロンボの疑惑-11 上着を作る期間
- うちのカミさん-7 なかなかのやり手
- コロンボの疑惑-12 誕生日パーティーの手配
- うちのカミさん-8 もう一台ある車
- コロンボの引き寄せ術-1 ガソリンスタンドの閉店
- コロンボの疑惑-13 犯人が電話をかけた場所
- コロンボの疑惑-14 犯人がどこから電話をかけたのか
- コロンボの疑惑-15 ストーンの好みではない華奢な時計
- 一つ…1
- ヘイワードの狂言
- コロンボの王手
殺害の動機とバッググラウンド
舞台はロサンゼルス市警察から
今回の物語は、何とコロンボが勤務するロサンゼルス市警察から始まります。
殺人を犯すことになるのは、ゲストスタージャッキー・クーパーが演じる上院議員候補のネルソン・ヘイワード。
ヘイワードは州議員であった頃から地方の犯罪組織を締め付け、国会議員に選出された暁には、犯罪組織撲滅を謳って選挙活動を戦っています。
この度その犯罪組織から脅迫状が届いたために、ヘイワードはロス警察に報告に来たのですね。
このような事情からロス警察はヘイワードの身辺警備をせざるを得なくなります。
そしてコロンボもこの話題の上院議員候補を一目見ようと、物語冒頭から登場します。
議員候補の参謀と愛人
脅迫に屈せず選挙運動を続け、犯罪組織撲滅のため己を滅却し、勇気と信念を持って悪と戦うと豪語するネルソン・ヘイワード。
テレビで生中継中のこの演説を、あるホテルの一室から眺めているのは、ヘイワードの選挙参謀のハリー・ストーンと、ヘイワードの愛人リンダ・ジョンソンでした。
「トマス・ジェファソンも顔負けの名演説だ。」とヘイワードの演説を評するストーン。
トーマス・ジェファーソンはアメリカ合衆国の第三代大統領ですね。
首都ワシントンで就任演説を行った最初の大統領ということで、きっと演説が上手だったのでしょうね。
実はハリー・ストーンは、リンダをヘイワードと別れるように説得するために呼びつけたのでした。
リンダはヘイワードの妻の秘書も務めています。
ストーンの説得というより脅迫に近い別離勧告に、リンダはヘイワードの口から聞くまでは納得しないときっぱり言い張り、ホテルを出ていくのでした。
殺害の動機
ロス警察に護衛されながら、ハリー・ストーンの待機するホテルの一室まで戻ってきたネルソン・ヘイワード。
実は今回の脅迫状騒ぎは、参謀ハリー・ストーンが仕込んだ同情票を集めるための自作自演でした。
ヘイワードの演説にダメ出ししながら、自分のブレーンを褒めたたえるストーン。
ヘイワードは苦虫を嚙み潰したよう顔をして、嫌悪感を露わにしています。
そして自室に隠してある銃と時計を準備するのです。
計画的な殺人であることが分かりますね。
一方でストーンは、さらに自作自演でヘイワードの選挙事務所を襲わせようとしたり、ヘイワードの明日の演説にあれこれ口うるさく指示を出しています。
ストーンがリンダを呼んで、ヘイワードと別れるように口出ししたことに気がついたヘイワード。
リンダが必要だと言うヘイワードですが、ストーンはヘイワードに必要なのは自分だけだと強い口調で言います。
ヘイワードの議員生命のために、強引なやり口で何もかも投げうってきたストーン。
ヘイワードはストーンの操り人形のように私生活も監視されることに、辟易するようになっていたのでした。
ちなみにヘイワードは猿っぽい顔立ちですが、ストーンは少し男臭くてゴリラっぽいですね。
霊長類対決のはじまりはじまり。
殺害のトリック
ストーンの言う通り、リンダと別れ話をするため電話をかけることにしたヘイワード。
しかし電話をかけるフリだけして、リンダと会うという出かける口実を作ります。
犯罪組織の脅迫に屈せず選挙を戦うヘイワードは今や時の人ですから、警察や新聞記者が張り付いているというわけです。
そこでヘイワードはストーンと上着を交換し、身代わりになって警察を撒くように頼みます。
ヘイワードに化けたストーンは、ヘイワードの車に乗って海辺の別荘へと向かうわけです。
この作戦は見事に成功しました。
別荘のガレージでストーンを待ち受けていたヘイワードは、暗闇の中明かりをつけて、ストーンを銃殺します。
この銃はサイレンサーなのか、大きな音がしない銃ですね。
ヘイワードはストーンの腕時計を、準備していた時計と付け替えて、殺害偽装時刻9時20分に合わせてから壊します。
ハリー・ストーンはなかなか濃いキャラでよかったのですが、死んじゃいましたねぇ。
コロンボ作品の良いところは、殺害されるモブキャラも、キャラ立ちがすごいところですね。
殺害のアリバイ
ハリー・ストーン殺害を終えたネルソン・ヘイワードは、妻のいる自宅に戻ります。
一人酒浸りの妻ビクトリア・ヘイワードですが、実は今日は彼女の誕生日なのでした。
ヘイワードは親しい人を集め、妻ビクトリアのサプライズバースディーパーティーを企画していたのです。
ハリー・ストーンと入れ替わって、警察や記者たちを撒き、妻のパーティーに駆けつけたのだと得意げに語るヘイワード。
そしてストーン殺害偽装時刻の9時20分を過ぎた頃、こっそりと声色を使って警察に電話をかけます。
脅迫状を出した犯罪組織のふりをして、ネルソン・ヘイワードをガレージで殺害したと告げるのでした。
しかし自宅から警察に電話をかけるなんて、なかなかのうっかりさんだと思うのですが、いかがでしょうか。
物語開始14分 本格的にコロンボ登場
うちのカミさん-1 電話しなきゃ
冒頭にチラリと登場した刑事コロンボが、いよいよ本格的に登場です。
コロンボはルーツが同じイタリア系の歯医者に診察されており、同じくイタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ「リゴレット」より有名なアリア「La donna è mobile(女心の歌)」がかかっています。
歌っているのは恐らくイタリアの国宝と称された歌声の持ち主、ルチアーノ・パヴァロッティでしょうかね…。
間違ってたらゴメンね!
イタリア人の歯医者は、イタリアといえばマフィアのイメージだと文句ばっかり言ってます。
今回の殺人事件が犯罪組織による狂言から、マフィアと犯罪組織をからめているのでしょうか。
するとラジオから、上院議員候補のネルソン・ヘイワード殺害の臨時ニュースが流れてきました。
今日あの人見たばかりなのに。
返ってカミさんに電話しなきゃ。
と、最初の定番セリフ「うちのカミさん」登場ですね。
ちなみにこのシーン、コロンボの声が銀河 万丈さんのような気がするのですが、空耳でしょうか…。
コロンボの観察力-1 壊された街灯
コロンボは、上院議員候補のネルソン・ヘイワードが殺害された現場に駆けつけます。
殺人に慣れているコロンボですが、議員の候補者が殺されるとなると、がっくりくるそうです。
遺体が見つかったガレージ近くの街灯が壊れているのを見つけたコロンボは、子供のいたずらだと予想します。
コロンボも子供の頃、石を投げて街灯を壊して遊んだのですって。
とんだ悪ガキですね。
うちのカミさん-2 ヘイワードのファン
コロンボは殺されたのは、上院議員候補のネルソン・ヘイワードだと思っていたのですが、現場で被害者は選挙参謀のハリー・ストーンであったことに気がつきます。
まず一安心だよ。
カミさんがヘイワードのファンでね。
と、殺害された人物がネルソン・ヘイワードでなかったことに胸をなでおろすコロンボ。
カミさんがヘイワードのファンだったから、物語冒頭で必死にヘイワードの姿を追っていたのですね。
本当にカミさん想いのコロンボです。
そしてコロンボは、ハリー・ストーンがヘイワードに間違われて殺されたことを知るのです。
コロンボの疑惑-1 殺害時刻
コロンボは、ストーンの腕時計が9時20分で止まっていたことから、その時間が殺害推定時刻だと知らされます。
何かヘンに思ったのか、コロンボは念のために今10時であることを確認して、ストーンの乗っていた車に触れて何か確かめています。
そしてしっかりメモを取って、壊れた時計を確認するのでした。
コロンボの疑惑-2 明かり
コロンボは、ヘイワードに化けたストーンが、ホテルから警察を撒いて別荘に到着し、追いかけてきた犯罪組織に殺されたという推測を聞きます。
何か不信に感じたのかコロンボは、最初に現場に駆け付けたミラー警部に、明かりがついていたかを確認します。
ミラー警部は明かりはついてなかったといい、スイッチの場所も知らないと答えます。
コロンボは棚と棚の間の分かりにくい場所に、明かりのスイッチがあることを見つけました。
要は街灯が壊されて暗い中、犯人が何を頼りに被害者を銃殺したのかがコロンボの疑惑ですね。
コロンボの疑惑-3 被害者の洋服
コロンボは最後に、被害者の洋服をよく見ておきたいと運ばれてゆく車に乗りこんでチェックします。
署長に何度も、「君も聞いておいてくれ。」と言われているのを無視して、あちこち調べ回るもんですから
「君はどうしてそう消えるんだ?」なんて、軽く叱られていますね。
署長はヘイワードの警備の指揮を、コロンボはストーン殺害事件の指揮を取ることになりました。
ヘイワードが自宅にいるという情報を聞いて、コロンボは向かうことにします。
ヘイワードの軽口
妻ビクトリアの誕生日パーティー中の、ヘイワード邸を訪れる刑事コロンボ。
あやうくビクトリアに追い返されそうになりますが、ヘイワードに大事な話があると言って、何とか家に入り込みます。
ヘイワードは当然、コロンボが何の要件で来たか気がついているわけですが、とぼけて軽口をたたくたたく。
「コロンボさん、ついに隠れ家を発見されましたな。」
「せっかくの警備を出し抜いてしまってね。」
「服を取り換えるのは重罪になるわけかね。どうやらハリーと私は警察をごまかした罪で有罪になるらしいよ。ハハハ。」
「手回しがよすぎないかね。私は生きてるよ。」
とまあ、猿顔の人ってお調子者が多いですよね。
コロンボの疑惑-4 ストーンが別荘に行くこと
コロンボはやっと、ハリー・ストーンが殺害されたことを、ヘイワードに伝えます。
とてもショックを受けた様子のヘイワード。
コロンボはストーンが、ヘイワードと間違われて殺された可能性を示唆し
ストーンさんが別荘へ行くことをご存知でしたか?
と尋ねます。
ストーンに別荘に泊まるように伝えていたと言うヘイワード。
ここじゃないですかね。
コロンボがヘイワードが殺した可能性に気がついた最初の瞬間は…。
ストーンが別荘に行くことを知っていた人なんて、ヘイワードぐらいしかいませんからね。
これ、自白も同然ではないでしょうか。
コロンボは沈んだ様子のヘイワードに
犯人は必ず挙げてみせます。
と断言しますが、すでにコロンボの中で犯人が分かっていたからではないでしょうか。
コロンボの疑惑-5 パーティーの開始時刻
ストーンを失ったヘイワードの落ち込む様を見て、コロンボは仕方なく帰ることにします。
パーティー客たちもヘイワード邸を後にします。
コロンボは書類を整えるためと言って、パーティーが始まった時間を招待客に確認します。
8時半とのことでした。
妻の疑惑-1 ストーンを嫌っていたはずのヘイワード
ビクトリア・ヘイワード夫人は、パーティー客が去った自宅で、一人お酒に浸っています。
どうやら夫婦仲が冷めきっているので、お酒に逃げているようですね。
しかし久しぶりに自宅に泊まることになったヘイワードが、妻を寝室に誘います。
ビクトリアは、ハリー・ストーンを心底軽蔑していたヘイワードが、とても落ち込んでいたことを芝居だったと疑っているのです。
ヘイワードは、ストーンが自分の身代わりで殺されたのだからショックだったと説明します。
夫婦仲をこじらせてしまったことも、ビクトリアに謝罪するのです。
そして一緒に選挙区を回ることを提案し、秘書のリンダをおつきにすると説得します。
ビクトリアはこの説得にまんまと乗って、上機嫌です。
ヘイワードは妻の機嫌を取ることと、選挙活動中愛人リンダをそばに置く二つのことに成功しました。
さすが上院議員候補、なかなかの話術ですね。
この後、コロンボの怒涛の追い込みが待っていることも知らずにのんきなものですよ。
コロンボの捜査開始
コロンボの観察力-2 リンダとの関係に気付く
翌日コロンボは、ヘイワードの選挙事務所で、ヘイワードが優勢という新聞記事を読みながら、ヘイワードが訪れるのを待っています。
妻ビクトリアと選挙事務所に出所したヘイワードを、選挙スタッフたちは大きな拍手で迎えます。
コロンボも一緒に拍手しています。
ヘイワードは妻ビクトリアを労りながら、愛人のリンダにヘイワードの個室にある旅程のコピーを取ってくるように指示します。
リンダはどこかさみしげに、仲睦まじそうに見えるヘイワード夫妻を見つめます。
見てます見てます。
さみしげにヘイワード夫妻を見つめるリンダを、コロンボが見つめています。
これ、ヘイワードとリンダの不倫関係に気づいちゃったパターンですね。
うちのカミさん-3 ヘイワードの熱烈なファン
コロンボと顔を合わせたヘイワードは、投票について会話を交わします。
とにかくうちの女房はあんたの熱烈なファンでしてね。
と、コロンボのカミさんはヘイワードに投票するようですが、コロンボはまだ決めかねているとのこと。
そりゃあ、すでにコロンボはヘイワードが殺人容疑者であることを疑っていますから、殺人者に投票することは刑事としてはできないですよね。
コロンボを待たせて、のんきにオフィスでリンダといちゃつくヘイワード。
見てます見てます。
コロンボはその間、オフィスの様子を鼻歌を口ずさみながらウロウロと観察していますよ。
見覚えのある上着が新しくヘイワード宛に届けられましたよ。
うちのカミさん-4 コロンボの38歳の弟
ヘイワードは、リンダが部屋から出て行ったあと、コロンボを招き入れます。
ストーン殺害事件に進展はないとコロンボは言いますが、個人的にとても気になることがあるそうです。
その気になることを、ヘイワードの選挙ポスターの裏に図解で描き説明することにしたようです。
選挙ポスターならたくさんあるし、もったいないので節約するためだそう。
うちは節約第一主義で。
弟は38ですが子供の頃の半ズボンまだはいてますよ。
と、コロンボは家族の話をよくするということで、弟もうちのカミさんとして数えます。
子供の頃の半ズボンなんて、どう考えても入らないと思うのですが、わたしも高校生の頃のジャージはまだ着ていますけどね。
うちのカミさん-5 こう言うんですよ
筆記用具をよく忘れるコロンボですが、珍しく鉛筆を持っていたのに短すぎて役に立たないから、ヘイワードにペンを借ります。
これもコロンボの天然なのか作戦なのか、ちょっとヘイワードがイラついてきているのかいないのか。
ヘイワードは時間に追われていると、コロンボに説明します。
女房がこう言うんですよ。
とまた、カミさんの話題を口にするコロンボですが、「分かっています。要点をどうぞ。」とヘイワードに遮られてしまいました。
コロンボの疑惑-6 車の照明と弾道
コロンボは、ストーンはヘイワードと間違われて、ホテルからつけてきた犯罪組織に殺されたということで本署では一致していると説明します。
ですがヘイワードの別荘のガレージ前の街灯が壊れており、明かりもく暗い中、どうやって犯人がストーンを殺害したかが、コロンボの疑惑-2でした。
車のヘッドライトを使ってストーンの位置を確認したとも考えられますが、道がせまく上手く照らせる位置がないというのがコロンボの疑惑です。
上手く照らさる角度はあっても、それだとストーンを打った銃の弾道と合わないのだそうです。
コロンボはこれらのことを、選挙ポスターの裏に図を描いて、資料係から借りてきた配置図用の車のイラストを使って説明します。
しかしなかなかその車のイラストが見つけられず
あれ?忘れてきたかな。あっ あった。
どうも近頃年のせいかすっかり忘れっぽくなっちまってね。
というコロンボですが、絶対演出、フリでしょうね。
コロンボが殺人にかかわる大事なことを忘れるもんですか!
コロンボの疑惑-7 ヘイワードがほっとしなかった
コロンボの車のヘッドライトを使ってストーンを殺害することはほぼ不可能であったという説明に、とうとう納得せざるを得なかったヘイワード。
ここで仕方なーく仕方なーく、納得したフリをしているヘイワードの表情が何とも言えずコミカルで面白いです!
よくこんな顔できるなぁって感じますよ。
ヘイワードは仕方なーく仕方なーく、犯人はストーンを尾行したのではなく、別荘で待ち受けていた可能性を示唆します。
これもう、ほぼ自白も同然なのですが、ヘイワードは自分をねらった犯人が別荘で待ち受けていたのではないかと、コロンボに言います。
しかしコロンボは、たくさんの護衛がついていたヘイワードを狙えるわけもないし、尾行したからこそ、護衛がいなかったので殺人を決行したのではと疑問を呈じます。
人違いの殺人じゃないのかもしれません。
と、コロンボは犯人は最初からストーンを狙った可能性を示唆します。
核心を突かれたヘイワードは怒り出し、脅迫状を受け、自分に化けて自分の車に乗ったストーンが人違いで殺されたわけがないと熱弁するのです。
ほっとされるかと思ったのに。
と驚くコロンボ。
もし最初からストーンを狙った犯行なら、もうヘイワードが命を狙われる危険はないのですからね。
ここでもうコロンボはヘイワードが殺人者だと確信したのではないでしょうか。
コロンボの疑惑-8 リンダのストレス
話を終えたコロンボは、いったん立ち去ろうとします。
しかし車のヘッドライトの図解に使ったポスターや筆記用具を片づけ忘れたといったん戻ってきます。
これでも几帳面な方でね。
と片づけてから、部屋を出て行こうとして再度扉の前で振り返ってからの
あれですね。
人間というものはストレスが積もると妙な反応を示すもんですね。
とほのめかします。
それは日程表を取りに行ったリンダが、手ぶらで出て行き、日程表はそのままヘイワードの机に残っていたことを指しました。
これはもう、「お前たちができてること、俺は気付いてるぞ。」ってことですね。
コロンボの疑惑-9 もう一つ-1 エンジンの温度
コロンボはまたたび部屋を出ようとして扉を開けて出ていったのに、振り返ってからの~
あっうっかり忘れるとこでした。
もう一分だけ。
引っ掛かることがもう一つあって。
と、定番セリフ「もう一つだけ。」を使っての三度めの振り返りです。
コロンボはホテルからストーンの殺害された別荘までの距離60㎞を実際車で走ってみたと言います。
するとエンジンが冷えるまで1時間50分かかったそうです。
なのにストーンが運転していた車のエンジンは、9時20分に殺害されたはずなのに、45分後の10時過ぎにはすっかり冷えていました。
つまり殺害時刻に矛盾があるというのがコロンボの言い分ですが、ヘイワードはこの疑問を軽く流します。
コロンボの疑惑-10 ストーンと取り替えた上着
やっとコロンボはヘイワードの個室を出て行き、扉を閉めました。
ヘイワードがほっとしたのもつかの間、まさかの4度目のコロンボの帰還!
ヘイワードさんまたまた忘れてました。
どうも忘れっぽくてね。
というコロンボは、絶対忘れてませんよね。
疑惑6のときの「年のせいかわすれっぽくなってきた。」の伏線の回収ですね。
コロンボは、ヘイワードの警備に加わったことを伝えます。
ヘイワード、かわいそ~。
コロンボに終始つきまとわれる大義名分ができちゃったのね。
明らかに迷惑そうな気持を押し殺して
「君がいてくれるなら心強いかぎりだ。」と大人の対応をするヘイワード。
しかし扉を閉めて、コロンボを追い出そうとします。
しかしさらにコロンボは食いついて
あの~ぶしつけな質問なんですが。
事件とは関係ないです。
背広の上着おいくらで?
と、先ほど届けられた上着について尋ねます。
もちろんコロンボはストーンが殺されたときに来ていた上着と同じものだと気がついているから尋ねているわけですよね。
コロンボはこの上着がオーダーメイドで、しつらえたお店まで聞き出すことに成功します。
まだヘイワードに食いつき気味のコロンボですが、ヘイワードは何とかコロンボを追い出します。
いや~コロンボしつこかったですね~。
しかしお見事!
ヘイワードをしっかり追い込むのに大成功。
まずは完璧にコロンボのシナリオ通りと言ってもいいでしょう!
うちのカミさん-6 ボーリングクラブの幹事
コロンボは、ヘイワードがオーダーメイドで上着を作ったチャドウィックというお店を訪れます。
この店員コンビは、前作「別れのワイン」のレストランのウェイターコンビに見えるのですが、気のせいでしょうか。
コミカルなシーンです。
コロンボは、ヘイワードの上着と全く同じものを作りたいようで、店員にあれこれ訪ねています。
女房が近所のボウリングクラブの幹事やっててね。
今年のボウリング祭りってのをやるんだ。
スカッとして行きたいんだ。
と、コロンボはボウリング祭りのディナーに着て行く上着を作りたいようです。
コロンボの疑惑-11 上着を作る期間
コロンボはヘイワードと同じ上着を作ることにしたようですが、10日もかかるということで、土曜日のボウリング祭りには間に合わないことが分かりました。
コロンボはこの店を紹介してくれたヘイワードの上着が早く出来上がったことから、自分の上着もそう便宜を計ってくれると思ったと言います。
しかし今日届けられたヘイワードの上着は、10日も前に注文したものでした。
まるでストーンの殺害された昨夜、同じ上着がダメになることが分かっていたような出来事ですね!
うちのカミさん-7 なかなかのやり手
ビクトリア・ヘイワード夫人が理事でも務めているのでしょうか。
カリフォルニア・ヒューマン・リレーションが寄贈したリクレーションセンターの完成を祝う式典の挨拶をしています。
そこへやってきたコロンボは、ビクトリア夫人の秘書でもありヘイワードの愛人でもあるリンダ・ジョンソンを見つけて声をかけるのです。
リンダはコロンボを避けようとしますが、コロンボがねらった獲物を逃すはずもありません。
コロンボはストーン殺害当夜のビクトリアの誕生日パーティーを誰が手配したかを知りたいようです。
うちのカミさんはなかなかのやり手でね。
付き合いの方はカミさんが引き受けてるんです。
アタシ、時間がメチャメチャなんでね。
と、コロンボは忙しいヘイワードに代わって、パーティーの手配をした人物を探しています。
コロンボの疑惑-12 誕生日パーティーの手配
リンダは、ビクトリア夫人のパーティーについては知らなかったとコロンボに答えます。
コロンボは、ビクトリアの秘書も、殺された選挙参謀のハリー・ストーンも、誕生日パーティーを知らなかったことに、疑問を感じています。
コロンボはストーンの遺した日程表から、彼の有能さを褒めたたえ、ヘイワードが自分でパーティーを用意した可能性について、リンダに聞き込みをします。
リンダはストーンへの不快感を示し、暗にヘイワードと不仲であることがパーティーを知らなかった理由ではないかとにおわせます。
一方でヘイワードをとても尊敬していると褒めたたえるのです。
あなたすばらしいお嬢さんだ。
あなたに指示されているヘイワードさん果報者ですよ。
とリンダに伝えて去ってゆくコロンボは、愛人だってとっくにお見通しだよ~という捨てゼリフでしょうか。
ヘイワードとストーンが不仲であったことを知ったコロンボ。
ここにヘイワードがストーンを憎んで殺したという動機が明らかになるわけです。
うちのカミさん-8 もう一台ある車
コロンボが車を走らせていると、警察の交通取締りに捕まってしまいます。
ここからはあまり本編の筋に関係のないコミカルなシーンで、初回放映時にカットされたのでしょうね。
声が銀河 万丈さんにバトンタッチです。
コロンボの車にあちこち不備を見つけた警官は「そろそろ新車に買い替えられては?」とすすめますが、
もう一台あるんだよ。カミさんのが。
あっちはどうってことない車だけど。
と、愛車プジョー403コンバーチブルに、並々ならぬ思い入れがあることが分かりますね。
コロンボの引き寄せ術-1 ガソリンスタンドの閉店
その後コロンボは車を修理に出して、そこでトラックを借りヘイワードの別荘まで走らせます。
熱心に時間を計るコロンボ。
修理屋に愛車プジョー403の受け取りに行くと、車の状態が悪すぎるために、思った以上に修理代がかかってしまいました。
そこで警察を名乗って、小切手での支払いを申し出るコロンボ。
従業員に
「変装して仕事中ですか?」
と、コロンボが刑事に見えないお約束の楽しいシーンですね。
この車の修理屋を兼ねたガソリンスタンドは、ヘイワードの別荘から一番近いお店でした。
そしてコロンボは、事件当夜、このお店がガソリンの不足で8時にはお店を閉めたことを知るのです。
さすが足で捜査するコロンボです。
まるで事件のヒントがあるところを最初から知っているかのように、次々と真実を引き寄せます。
コロンボの疑惑-13 犯人が電話をかけた場所
投票日を前日に控えたヘイワード邸は、警察やマスコミ、その他のスタッフでものものしい雰囲気です。
愛人のリンダは、ヘイワードにコロンボが聞き込みに来たことを伝えて不安そう。
何やら段ボールをひと箱抱えて、コロンボがやってきました。
ヘイワードさん!
ご相談したいことが2~3できたんですが、今どうもまずいようですな。
ひどくお忙しそうだから。
と声をかけるコロンボに、最優先でコロンボの質問に応じようとするヘイワード。
コロンボを恐れ、コロンボの疑惑を晴らしてしまわねばと、そのあせりを隠すようにコロンボをもてなします。
あんまりホイホイしてくださるんで言うこと忘れちゃった。
と、いつもはそのしつこさを嫌がられるコロンボのこのセリフ。
コロンボは、ヘイワードがストーンと取り替えた上着が気に入って、チャドウィック洋服店を訪れたことを伝えます。
標準型のサイズで上着ならばぴったり合うけど、コロンボの足は膝が少しへんてこなそうです。
コロンボはヘイワードの上着のキャメルヘアの布が気に入ったのですが、
ところがです。
こいつが悩みの種になってるんですけれども、上着一着で10日かかるんですと。
と、必要な日までに仕立てられないと愚痴を言います。
ヘイワードは追い詰められているのか「失礼だけど飲ませていただくよ。君もどうだい?」と一度話を切りました。
コロンボは、ストーンと取り替えた上着がダメになったのは4日前なのに、どうして10日前にそのことが分かったかのように注文をすませていたことが引っ掛かると伝えます。
ヘイワードは、その上着はもともと袖がたるんでいて、煙草の焼け跡もついていたからだと説明します。
コロンボは何となく腑に落ちない様子です。
コロンボの疑惑-14 犯人がどこから電話をかけたのか
実は上着なんかよりもっと頭が痛いのはです。
これこそ本当のミステリーでしてどうにも答えが出ないんです。
と新たな疑問をほのめかすコロンボ。
しかしヘイワードは、その疑問も自分なら「多分分かると思うよ。」と自信たっぷりに答えます。
ストーン殺害の疑惑が解けるのは犯人だけですから、すでにヘイワードは犯行を知らぬ間に認めていて、ひたすら言い訳を考えているだけになってゆくのが面白いシーンです。
コロンボはストーンが殺害された別荘に行ったけれども、周囲に電話をかけられる場所が一切なかったと、疑問を呈じます。
9時20分に殺害されたストーンですが、殺害を伝える電話が警察に入ったのは、9時23分でした。
一番近いガソリンスタンドでも、7分間車を走らせる必要があるのです。
ヘイワードの言い訳-1 ストーンは5分時計を進めていた
ヘイワードは、ストーンは約束の時間に遅れないようにいつも時計を5分進めていたとコロンボに言い訳をします。
ですからヘイワードが殺されたのは9時15分で、7分後、犯人はスタンドの公衆電話から警察に知らせたのだと説明するのです。
これで謎は解けただろというヘイワードに
いいえ。
スタンドはガソリン切れで8時に早じまいしてるんです。
と、否定するコロンボ。
表情が固まるヘイワードがみものです。
コロンボはヘイワードを、殺害犯だと確信している表情で、じーっと蛇のような目で追い続けています。
ヘイワードの言い訳-2 別荘の電話
ヘイワードは、犯人はストーンが殺された別荘の電話を使ったのかもしれないとコロンボに言います。
コロンボは警察にかかった電話は市内電話、別荘だと市外電話に当たり、記録がないとこの可能性を否定します。
ヘイワードの言い訳-3 スタンドの公衆電話の場所
ずっと犯人と確信した瞳でヘイワードを見つめ続けるコロンボにいたたまれなくなったのか、必死で逃げ道を探るヘイワード。
コロンボにガソリンスタンドの公衆電話は、店の外にあったならかけられる可能性を示します。
(店の)中です。
と、あっさり答えるコロンボ。
蛇のような目つきをしたコロンボが、哀れなカエルを飲み込むのは、もはや時間の問題ですね。
コロンボの疑惑-15 ストーンの好みではない華奢な時計
ヘイワードはプールサイドで、選挙キャンペーンの演説動画を撮影していますが、コロンボが気になって仕方がない様子です。
コロンボは居合わせたヘイワードの妻ビクトリアに声をかけ、殺されたストーンについて聞き込みます。
コロンボが抱えていた段ボールには、ストーンが身に着けていた靴や洋服が入っていました。
ストーンはあまりおしゃれとは言えず、身に着けるものは丈夫で長持ちすることが最優先。
なのに殺害時つけていた時計は、華奢で壊れやすい時計だったのです。
衣類とちぐはぐな時計をなぜストーンがつけていたかがコロンボの疑惑です。
コロンボがストーンの衣類を持って、時計屋に行き、合う時計をみつくろってもらうと出てきたのが、セイコー5スポーツスピードタイマー、6139クロノグラフでした。
コロンボがテントの柱に激しく打ち付けても壊れない頑丈な時計です。
ビクトリアも、ハリーが選ぶなら華奢な時計でなくこの時計だと太鼓判を押します。
一つ…1
ねえ奥さん。
一つ伺いたいんですがね。
嫌な気がなさるかもしれませんがこれも仕事でして。
と、ビクトリアに話しかけるコロンボ。
ビクトリアと話した後、コロンボは去ってゆきます。
ヘイワードは気が散って、敵陣の重要な情報すら上の空で、ビクトリアがコロンボと何を話していたかを確認します。
コロンボはパーティーの夜、9時15分から30分までの間に部屋を出なかったかをビクトリアに尋ねたのでした。
ストーンとヘイワードが不仲であったこと、そしてストーンは政治的な殺人で被害にあったわけではないことなどを、殺人課刑事であるコロンボに確認され、ビクトリアは動揺しています。
必死でビクトリアを落ち着かせるヘイワードですが、コロンボに夫婦ともに追い詰められてしまいました。
さあほぼ証拠はそろい、コロンボの中では詰んでいると言っても過言ではありませんが、ヘイワードの悪あがきが始まります。
ヘイワードの狂言
自作自演-1 脅迫状
コロンボにほぼ王手をかけられたも同然のヘイワードは、苦し紛れか何なのか脅迫状を自作自演で作成します。
「命が惜しければ辞退しろ」
と新聞の文字を切り取って、筆跡を分からなくした脅迫状です。
翌朝ヘイワードは選挙本部の金庫に保管していたストーンを殺害した銃を、コートのポケットに隠します。
電話で愛人のリンダを呼んで、落ち着かないのかお酒をあおるヘイワード。
その様子を察して心配するリンダに、ヘイワードは脅迫状を見せます。
ヘイワードは、コロンボはこの脅迫状を狂言だと考えるので、自分で警察に届けても無駄だといい、リンダが見つけたことにするように、上手く仕向けます。
リンダは美人でよく気がつき空気も読むし、一途で純粋でひたむきで本当に男性からしたら理想の女性ですよね。
ビクトリア夫人も何だかんだ言ってもヘイワードへの愛は失っていないし、ほったらかしでもお酒に逃げるだけですんだできた女房です。
こんな素晴らしい女性二人に愛されるには、ヘイワードは気が小さくて器も小さく姑息な卑怯者のような気がするのは、わたしだけでしょうか。
自作自演-2 銃
脅迫状のため、ますます強い警備がついたヘイワードは、警察の見守るホテルで待機します。
コロンボも隣の部屋の記者ルームで待機していますが、ソファでゴロゴロしています。
部下のバーノン刑事に、ヘイワードが一人になったら教えてほしいと頼むコロンボは、何を待っているのでしょうか。
ヘイワードにケースを持ってくるように頼まれたリンダが部屋を訪ねます。
厳しい警護の中、リンダが身体検査を受けたことにヘイワードは不服そうなフリをしますね。
想定内範囲だったくせにね。
リンダが持ってきたアタッシュケースを受け取り、電話をするから一人になりたいとバーノン刑事に伝えるヘイワード。
寝室で一人になったヘイワードは、コートに隠していた銃を持ち、テラスに出ます。
そして窓の外から銃で部屋に向かって撃ち抜きます。
銃弾は窓ガラスに穴を開け、壁に穴を開けました。
その壁の穴をソファで隠して、銃はリンダの持ってきたアタッシュケースにしまいます。
部屋を出てリンダにこのケースを選挙本部の金庫に入れるように伝えるのです。
そこへビクトリア夫人が、ホテルの部屋を訪れました。
リンダをちらっと見るビクトリアは、ヘイワードとの関係に何となく気がつき始めている様子ですね。
そしてヘイワードとビクトリアは夫婦そろって投票に出かけます。
バーノン刑事は当然コロンボに、ヘイワードが寝室で一人になったこと、夫人と投票に出かけたことを伝えます。
コロンボは何かをたくらんでいますね。
自作自演-3 爆竹で発砲を偽造
投票を終えた夜、ホテルではお疲れパーティーが開かれている様子ですね。
支援者に挨拶にまわるヘイワードを、ぴったりとバーノン刑事が護衛します。
隙を見て寝室に入るヘイワード。
ポケットに隠していた爆竹を、テラスで鳴らします。
大きな音に驚き、ヘイワードのいる寝室に駆け込むバーノン刑事や大勢の人たち。
手早く的確な指示を出すバーノン刑事ですが、ホテルの高層階の窓の外から銃を撃つことが不可能だと疑問を口にします。
するとヘイワードは演技なんでしょうが、「私が銃を撃ったとでもいうのか!」と興奮して怒りをあらわにします。
たじたじのバーノン刑事ですが、救いの神とばかりにコロンボがやってきます。
ヘイワードが狙撃されたことをすでに聞いているコロンボは
ホテルを包囲する必要はないと言っといた。
狙撃した人物はまだこの部屋の中にいる。
と断言するのです。
コロンボのチェックメイト
狙撃犯が部屋の中にいると聞いて、コロンボがヘイワードが撃ったと思っていることを口にします。
はい。
と、ヘイワードが撃ったことを断言するコロンボ。
しかし「ならばここに拳銃はあるか?」というヘイワードに
いや恐らくないでしょうな。
と答えるコロンボ。
ヘイワードはたて続けにコロンボを責め立てます。
「すると拳銃がないことは認めるのか?」
はい。
ヘイワードは窓ガラスの銃弾が貫通した後を指さして、コロンボを質問責めにします。
「これは弾の通った跡か?」
はい。
「この角度で狙ったとすればこの部屋のこのいすに掛けていた人物を狙ったものと思っていいんじゃないか?」
はい。
「そしてその一発は目的の人物を打ち損じた。
この壁のこの弾痕がその外れた一発であることは君も同意するか?」
はい。
「さらにこれはハリー・ストーンを殺したその同じ拳銃から発射されたものであることも、犯人は同一人であることも認めるか?」
はい。
「では君のなすべきことは弾を掘り出し警察で線条痕の検査をすることだろう!?」
いいえ。
と、初めてノーを突き付けたコロンボに、固まるヘイワード夫妻。
弾はとっくに掘り出してあります。
同じ拳銃であることはすでに検査で立証されました。
とコロンボはポケットからハンカチに包まれた弾を見せます。
コロンボの疑惑-16 電話をかけないヘイワード
コロンボはヘイワードが一人になったタイミングで何かするのではないかと記者ルームで待っていました。
ヘイワードの部屋は615で、記者ルームは616です。
実はヘイワードが電話をかけると、隣の部屋の記者ルームの電話のライトもつくのです。
コロンボはヘイワードが電話をかけると寝室にこもったのに、一向に電話のライトはつきません。
じゃあ何しにここへ入られたのか?
それが分からなかった。
それで好奇心を起こしてお二人が投票に出られた留守これ幸いとここにやってきて調べてみました。
そしてコロンボは、ガラス戸の弾痕、壁の穴を見つけ、弾を掘り出したのです。
たった今狙撃されたとおっしゃるがその3時間前に掘ったんです。
全ての証拠を突き付けたコロンボは、物語を締めくくります。
あなたを逮捕します。
目を閉じて覚悟を決めるヘイワードでした。
コロンボの王手
今回の刑事コロンボは、コロンボが王手を決めたというよりも、犯人が余計な自作自演をして自滅してしまいましたね。
まんまと一番の証拠となる凶器である銃弾を、自ら差し出すという失態。
ですからコロンボの王手としては、銃弾を見事に探し出したことになるのでしょうか。
終始コロンボに追い詰められっぱなしのヘイワードは、ライバルとしては少し物足りない殺人犯でした。
その分、ヘイワードのコロンボに追い詰められて慌てる様子がコミカルで楽しい作品でもあります。
「うちのカミさん」という定番セリフは8回登場し、これも多いですね。
そのうち一つはコロンボの弟についてですので、正確に言えば7回ですね。
「もう一つ」という定番セリフは、一回だけ登場しました。
今回の原題「Candidate for Crime」は、犯罪の候補者という意味です。
選挙活動中の候補者が殺人犯だったので、上手くからめたも良いタイトルですね。
邦題の「野望の果て」は、選挙に当選するという野望ため、脅迫状を偽造までしたのに叶わなかった悲哀をあらわしているのでしょうか。
ヘイワードがコミカル過ぎて悲哀はそんなに感じませんでした。
では、また刑事コロンボでお会いしましょう!
刑事コロンボが、視聴できる動画サービスは、以下の二つです。
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