「パワハラ、セクハラで訴えます!!」
「もう何年も何年も…
私に振られたからって
セクハラを続けて
いい加減にしてください!
もう我慢できない!
今度こそセクハラで訴えます!!」
バブル姫の大声が
響き渡ったある日の
月初。
かよわい?
女性社員が
大きな声で
パワハラとセクハラを
訴えているにも関わらず
誰も姫をかばったり
たしなめたりしなかったという。
聞かぬ存ぜぬ。
しかし心の中では
笑っていたか
またかよ、とあきれていたか。
結局所長と
姫の上司である
カップ課長が
興奮した姫を連れ出し
なだめたらしい。
その日
たまたま給湯室で
姫と同じフロアで働く
ローラさんとはち合わせた。
わたしは
「何か
たいへんでしたね。」
と話しかけると
ローラさんは
フフフっと笑って
「恥ずかしいねー。」
と答えた。
お昼休み
姫はいつも通りに見え
そのセクハラ事件については
何も言わなかった。
わたしも今日の今日なので
あけすけに聞くこともできず
触れなかった。
が数日後のお昼休みのことです。
姫は
ギンタさんは以前にいた
営業所の所長を訴えたりする
やばい人だということを
話出した。
そこでわたしはチャンスとばかりに
セクハラ事件当日
一体ギンタさんに
どんなパワハラをされたのか
聞いてみた。
姫が言う詳細は以下です。
バブル姫の
仕事の一つに
お客様に書いてもらった
アンケートを回収するという
業務がある。
そのアンケート自体
いらないんジャマイカという
話になってるのだが
バブル姫は
なぜかその仕事を
張り切ってこなしている。
アンケートの内容も
姫が考えたらしいが
分かりにくいらしい。
ギンタさんは
その回収したアンケートに
お客様が購入した
商品番号を
いつも書いてくれないらしい。
そこでバブル姫が
商品番号を
書くようにうながしたところ
ギンタさんは
姫をガン無視したという。
バブル姫の
堪忍袋の緒が切れて
商品番号を書かないなんて
パワハラだ!と
騒ぎ立てて冒頭の
騒動に発展したというわけ。
わたしは
あまりにあきれてしまい
すぐさまこう答えた。
「商品番号ぐらい
1分で調べられるんだから
自分で書いたらいいじゃないですか。
わたしやったら
そんなヘンなおっさんに
関わるのがイヤやし
そのぐらい自分で調べるわ。
そしてなるべく
そのおっさんに
関わらないようにするわ!」
するを姫は半笑いしながら
「ワタシはそれが
できひんのや…。」
と答えた。
いや、
できるやろーが!!
その部署で
一番ヒマで
一番仕事しない
バブル姫さんよー。
絶対バブル姫から
ギンタさんに
ちょっかいかけてるよね!
確かに商品番号を
きちんと書いた
アンケートを提出するまでが
ギンタさんの仕事。
だけど一分で調べられる
商品番号を
書かなかったぐらいで
パワハラ、セクハラと
騒ぎたてられた
ギンタさん可哀想…。
しかもバブル姫に
皆の前で大声で
「ワタシに振られた
腹いせに
嫌がらせばっかりして!」
と叫ばれたんやで。
これではセクハラしたのは
絶対バブル姫だよね!
商品番号を
書かなかったのは
パワハラでなく
ただの業務怠慢。
それを注意した
バブル姫をガン無視したのは
パワハラではないけど
嫌がらせ、つまり
ハラスメントには
なるかもしれないね。
職場のある人間を
無視する。
おおげさに言えば
人権侵害にも当たるかもしれない。
しかしバブル姫が
叫んだことは
セクハラの上
プライバシーの侵害
人格攻撃と
こちらの方が罪が重いんじゃない?
で結局
ローラさんが
争いが起きないように
姫がしている仕事を
自分が請け負うと
申し出たらしい。
バブル姫は
お客様センターという
部署勤務。
ローラさんは
経理課勤務。
部署を越えて
仕事を移動させるのは
ちょっと…ってことで
姫の上司である
カップ部長から
ストップがかかった。
そら自分の部下同士がもめて
そのため
別部署に
本来は自分たちでこなすべき仕事を
請け負ってもらうなんて
恥の上塗りだわな。
最終的には
ギンタさんが
商品番号を
きちんと書いてくれるように
なったらしい。
ギンタさんが
大人になってくれたと
いうわけですね。
そりゃー
職場で大声で
「ワタシに振られたくせに!」
って叫ばれる恥を思えば
誰でもそうするわな。
しかしそのセクハラ事件の
数カ月後のことです…。
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