実はころん
いくつか近くの
カフェを見つくろっていた。
どうせドトールのこと
何の計画もないんだなと
思っていたからさ。
でもまあ
まずはドトールさんの出方を
見ようと思っていると
ころんの見つくろったカフェとは
逆の方へと歩いていく。
そして
ここにしましょうかと決めたお店は…
何とドトール!!
だからドトールさんは
ドトールっていう名前なんだよーん。
ドトールって…
ドトールって…
40歳越えた初老の
そこそこ独身貴族なカップルが
クリスマスデートに…
しかも初めてのデートに
ドトールって…!!!
これはひどくないですか?
ここでころんが
「もっといいお店に
しましょうよ。」
って言えばよかったのだが
何だか言えなかったんだよね。
でも多分
ドトールに店を決められた途端
絶対ころん
イヤな顔をしたと思う。
ドトールに店を決められた途端
めちゃくちゃテンションが下がったわ。
多分ふてくされてたと思う。
そんなにふてくされるぐらいなら
お店変えましょうって
言えばよかったのにね。
まあ
食事したいというドトールさんに
わたしはお茶でもしてますと言ったから
ドトールにしたのかもしれないけどさ。
ドトールに入って
お互いメニューを選ぶ。
セルフやでセルフ。
メニュー選んで
自分で会計を済ますんやで!
多分、ドトールさんは
おごってくれようとしたのか
会計を済ませながら
ころんの方を振り返った。
ふてくされてるころんは
自分の分ぐらい
自分で払います~とばかりに
つーんってしてやった。
ってこたあ、
この日、映画はころんのおごり。
食事代は自分持ち。
こんな最低なデートってある?
女の方が多くお金払ってるやんけ。
前回おごってもらった
お礼とはいえ
クリスマスやで。
ふざけた男だ。
今までころんが経験した中で
サイッテーの
最高に面白くないデートやで。
ありえないありえないありえない。
ころんは
すっかりテンションが下がり
ふてくされてしまった。
ただでさえ
ふてくされた性格なのに
これ以上ふてくされたら
ドトールの手には負えないわな。
ふてくされたころんは
こちらから
ほとんど話しかけて
やらなかった。
ドトールでサンドイッチが何か
確か二人とも同じものを食べた。
でも、ドトールやもん
すぐ食べ終わってしまう。
その後の気まずい間といったら。
ホント、
カップルにとって
特に付き合い始めにとって
美味しいものを
二人で食べながら
これ、美味しいねって
言いあうのって
とっても大切だって思ったわ。
ちょうど少し前に
乙女課長と飲みにいったから
なおさら。
安い居酒屋とはいえ
乙女課長が頼んだものを
これ、美味しいでと
進められて食べる。
そのような楽しい
美味しい時間が
二人の距離を
ぐっと縮めるのだ。
一体ドトールは
何やってんだよ!
殿方の方のドトールと
お店の方のドトール両方やけどな。
しかも
さすがやっすいドトールやで。
客層も低く
お金のない女子高生とか
うるさいしみったれた
家族連れとかで
どんどん混み合ってきた。
まったり愛や
将来を語る雰囲気なんて皆無。
ころんのテンション下がりまくり!
混み合ったドトールは
お前ら食べ終わってんなら
とっとと出ていけって雰囲気。
でも出ていったところで
どこも行くとこないからね。
ころんが重く口を沈めた状況では
女慣れしてないドトールさんは
間が持たないのか
何度も時計を見る。
今考えたら失礼な話やで。
あー
つまんない
つまんない
つまんない。
この日、
何を話したのかは
ほとんど覚えてないけど
ドトールさんに
コーヒーはよく飲まれますかって
聞かれた気がする。
たまに飲みますね、って
答えた気がする。
朝は飲まれますかって
聞かれた気がする。
朝は時間がないので
飲まないですね。
朝からコーヒー飲まれるのですか
優雅ですね~。
わたし、朝苦手なんで
コーヒー飲んでる間があったら
その時間寝てたいわって
ふてくされながら
答えた気がする。
何度もドトールさんは
腕時計に目をやって
お店を出たそうな雰囲気だった。
だけど出たところで
映画館は上映ギリギリまで
入場できない。
だからそう言って
引きとめておいた。
映画館で立って待つのも
いややしー。
ぎりぎりに行ったらいいやん、
どうせ席は決まってるんやしね。
でもドトールさんが
限界お店を出たそうだったので
しょうがなく出ることにしたわ。
案の定
映画館はまだ入ることが
できなくて
吹き替え版だったので
子供連れの家族が
たくさん待っていた。
そこでわたしは
言ってやった。
「吹き替え版
失敗しましたね。
子供ばっかりで
きっとうるさくて
ゆっくり鑑賞できないわ。」
ホント
不機嫌なころんの
すさんだ心をあらわす
名言やな。
時間はやってきて
映画は始まる。
思ってたより
つまんない映画で
途中寝てしもたわ。
つまんない男と
つまんない映画と
つまんないクリスマス。
クリスマス糞くらえの
わたしにぴったりの
クリスマスやわな。
映画が終わって
二人で映画館を出る。
不機嫌なころんは
もうこんな
頭のはげあがった
つまんない男と
一秒も一緒にいたくないわと
とっとと帰ってやった。
何とまあ
ドトールさんは
ころんの不機嫌に
全く気がついて
おらんかったのだろうか。
にこにこしながら
「またお願いします。」
とか何とか
次回もよろしく、風なことを
言っておった。
フン。
そらあんたは
映画もおごってもらえて
懐も痛まず
こんな美女と
ドトールみたいな
やっすいファーストフードで
お茶できて楽しかったろうさ。
わたしは
クソがつくほど
つまんなかったぞ。
と
ふてくされた気持ちで
帰ったのだが
この日、
職場の新しい所長が
ころんのことを見かけたらしい。
「ニコニコしながら
河原町歩いてたよね。」
って言われたわ。
夕方って言うから
映画の帰りだろうね。
ふーん。
何でころん
ニコニコしてたんだろうね。
怒りすぎて
逆に笑ってたとか?
それ
何てきっちんがい。
こわっ。
まとめ
初老のカップル、ましてやクリスマスデートにドトールを使うのはやめましょう。
ふられても文句いえません。
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