刑事コロンボ#1-2 殺人処方箋/Prescription:Murder 何と!コロンボが精神分析をされちゃいます!あらすじとネタバレ

刑事コロンボ
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約100分程度の作品、刑事コロンボ殺人処方箋。

今夜は中間部、物語が約60分弱進んだところから、あらすじを綴ります。

妻キャロルを完全犯罪で殺した夫レイ・フレミング。

コロンボは、捜査上のいくつかの疑問をレイに問い合わせ、問題は解決したかのように思えました。

ところが何と!

キャロルを殺したという犯人が名乗り出るのです!

#1 殺人処方箋/Prescription:Murder (1968年)

新犯人の自白

レイの自宅を捜査中の、コロンボに電話がかかってきます。

何とキャロルを殺した犯人が名乗り出たというのです。

そんなはずはありませんよね。

コロンボも「ひょうたんから駒ってヤツですよね。」と捨てゼリフを残して、レイのもとから去っていくのです。

新犯人トミーの自白の矛盾点

キャロル殺しの取り調べを受ける、自首した新犯人トミー。

コロンボと一緒に、レイはこの取り調べを聞くことになります。

コロンボに感想を求められたレイは、こう答えます。

「皆嘘だな。あの自白は。

あの男は明らかに神経症だ。

殺人があるたびに自白の衝動にかられる症状は珍しくない。

己を罰したいという衝動があるんだ。

目立ちたいという欲求からかもしれんが、あの供述はすぐにくずれるだろうな。」

トミーは実際、神経症で軍隊を除隊になっています。

トミーの矛盾1 キャロルの口をふさぎ首をしめた

トミーは、キャロルがわめいたので口を押え、首をしめたと供述しています。

しかしキャロルは後ろから、首を絞められています。

親指の後が、首の後ろについていたのです。

トミーの矛盾2 レイのスーツケースの頭文字

トミーは、レイが出かけるのを目撃し、スーツケースにRFという頭文字があったと証言します。

その頭文字から、レイ・フレミングという名前を割り出し、留守をねらって強盗に入ったのです。

しかしレイのスーツケースには、頭文字はありません。

うちのカミさん-4 あ、そうそう

トミーが、真犯人ではなく、ただのイカれた狂言者だと分かり、レイはイラつきます。

コロンボが、レイをためすために、トミーを仕掛けたのではないかと疑います。

そして、ドアを開けて、帰ろうとします。

するとコロンボが、「あ、そうそう。アカプルコでは釣りはなさいましたか」と、話しかけるのです。

「少しは。なぜ?」と問いなおすレイに、コロンボは今、釣りにこっていると説明します。

「今カミさんとこの夏どこに行くか検討中なんです。」

はい、4回目のカミさん登場です。

コロンボは続けて、近場の海はゴミ捨て場になっているが、外海なら大きいので何を捨てても平気だろう、とレイに問いかけます。

捨てた雑誌やカタログは、釣りに持っていったのかと、レイに聞くのです。

すでに、レイが強盗に盗まれたと見せかけた貴金属や凶器を海に捨てたことに気がついていて、カマをかけてるのですね。

この推理が当っていれば、コロンボの疑惑4、4キロの荷物の行方は解決です。

たまりかねたレイは部屋をして出ようと開けかけたドアを再びしめて、コロンボのもとに戻ってきます。

「君のつまらん質問にできるだけこたえてきたが、もう限界だな。」

と、吐き捨てます。

冷静に思えるレイの堪忍袋の緒が切れた瞬間です。

「君は全く関係のない枝葉点にばかりこだわっている。

捜査の小さな穴が気になるんだろけど、小さな穴に気をとられなければ大きな手掛かりがつかめるんじゃないのかね。

ひょっとして僕を疑っているじゃないかとさえ思うことがあるんだがね。」

コロンボの心の奥をつこうとしたレイの質問に、コロンボはこうとぼけます。

「先生を…?

とんでもありません。

だって飛行機にのってらしたんだから。」

レイは、アリバイが決してくずせないことに自信満々です。

さらにレイは、トミーを雇って殺させたという可能性もあるだろうと、コロンボを追い詰めます。

つめよられたコロンボは、無表情で冷たくレイに答えます。

「それはありませんね。

トミーに聞きましたから。」

コロンボがとっくにトミーの裏をとっているという用意周到さを見せつける冷ややかなシーンです。

レイを信じていないのに、トミーの証言を信じているのです。

このときのコロンボの、無表情が怖いです!

捜査からはずされたコロンボ

あたしを患者にしてもらえませんか

コロンボの執拗な捜査に辟易したレイ。

友人の検事バートに、コロンボのしつこさは病気だから、圧力をかけて捜査からはずすように頼みます。

コロンボはこの件で、レイが妻殺しの犯人だと確信するのです。

しかしこれであきらめるコロンボではありません。

捜査から外れたため、今度は患者として、レイに接近します。

「あたしを患者にしてもらえませんか。

ホント、悩んでるんですよ。

どっかこうおかしいに違いないんです。

とにかく人様をイライラさせたり、怒らせたりしましたね。

先生ならお分かりかと思いまして。」

よくもまあ、いけしゃあしゃあと…。
この犯人に近づこうとする執念!

コロンボが悩んでるなんて、絶対、ウソですよね!

どこまで本気でどこまで嘘なのか、分からないところもまた、コロンボの魅力、コロンボの恐ろしさなのです。

うちのカミさん-5

ここで5回目のカミさん登場です。

「カミさんが診てもらうべだと言いましてね。

あたしの問題っていうのはですね、疑り深いっていうことです。

人を信じない。これが問題なんですね。

例えば担当から外されたりりすると、すぐ誰かの圧力じゃないかと勘繰るんです。

裏に何かあるなってねぇ…。」

コロンボはカミさんを口実に、レイが犯人だと確信していることをにおわせます。

どこまでも図太い男です。

コロンボを評価し始めたレイ

とうとうレイは、コロンボの執念を、評価するにいたります。

笑いながらこう言うのです。

「フッフフ…。

君は実に見事な男といえるな。

君のようにしつこい人物は初めてだよ。

だが愛嬌がある。

驚くべきはその愛嬌だな。

道化だと言われたことは?

君は油断もすきもないずるがしこい妖精のようなものだ。

担当からはずされたという口の下からまだ信じられないほどのあつかましさで押しかけてくるんだから。

見上げたもんだ。

感にさわることではあるが敬意を払う。

一杯どうだね?」

コロンボに夢中になる視聴者と、おいつめられる犯人の気持ちを、このセリフが全て代弁していますね。

そうなんです。

コロンボには、なぜか憎めない不思議な愛嬌があるんです。

ゾンビのようにしつこい、ストーカーみたいなおっさんなのにね!

高い頭脳を持つ精神科医として、レイはコロンボの愛嬌と知性に、興味を持ったのかもしれません。

コロンボの精神分析

コロンボとレイは酒を酌み交わしながら、一見、たわいのない話を始めます。

コロンボが、ミステリー小説は必ず犯人が捕まるが、現実はそうは行かないと言い始めたところで、レイは、

「また始まったな。」

と会話をさえぎるのです。

始まったのは、コロンボが犯人を追い詰めてゆくテクニック、暗におまえがあやしいとほのめかすことです。

レイはこれを、「チェンジオブペイス」と説明を続けます。

「実に計算されている。

その小道具の葉巻にいたるまでな。」

確かにコロンボの安葉巻は、シリーズを通して彼のキャラクターの一つです。

この葉巻、コロンボの計算だったのですね。

レイは、コロンボの精神分析を始めます。

この分析に、わたしたちが愛してやまないコロンボの本質が全てつまっています。

「君のは典型的な代償作用の実例といえる。

欠点をカバーする代償作用さ。

君は優れた知性を持つがそれを隠している。

道化のようなふりをしている。

なぜか?その外見のせいだ。

外見のせいで押しも利かないし尊敬もされない。

が君はその弱点を逆に武器とする。

君は不意打ちをかける。

見くびっていた連中はそこで見事につまづく。

今夜の訪問もそうだ。」

もうこのセリフだけで、コロンボの人物像の全てが説明されていますね。

これは、初めてコロンボを目撃し、その不思議な魅力にとりこになりつつあるわたしたちへの、解説にもなっています。

コロンボは、素直に白旗を上げます。

「いや~こうやられちゃ手も足も出ません。

先生の前じゃよっぽど気をつけないと。

さすがによく分かってらっしゃる。」

とね。

コロンボが完全敗北を認めたとしても、わたしたちは彼が絶対にあきらめないことをすでに知っています。

物語最大の見どころ 二人の心理合戦

自分の精神分析をされ、全て見抜かれてしまったコロンボ。

今度はコロンボは、自分が追っている犯人、完全犯罪を行った殺人者の精神分析をレイに頼みます。

これはものすごい挑戦、暗に、レイ自身の精神分析を求めています。

本当に狡猾なじじいです。

この当たりの会話劇、心理合戦がこの物語、最大のみどころではないでしょうか。

この刑事コロンボ第一作は「殺人処方箋」はもともと舞台劇だったそうで、緊張感あるウィットに富んだ二人の駆け引きも大きなみどころです。

コロンボの挑戦に、レイは架空の完全犯罪者、つまり自分の精神分析を始めます。

「衝動的ではなく、立案し、計画し、危険を最低限とし、感情ではなく理性によって方向づけられている。

それにおそらく学歴も高いな。

ある分野の専門家かもしれん。

とにかく普通の人間だが非常にち密で勇気もある。

いかなる犯罪でもやり遂げるには強じんな意思が必要だ。」

こうなってくると、レイは完全に自画自賛し、自分の犯罪に酔っているようでもあります。

しかしコロンボは、そんな完璧な人物でも、殺人を犯したのであれば、精神異常ではないかと、鋭いつっこみを入れます。

レイはこれを否定します。

「道徳に反する行動をしたとしても、道徳は絶対ではない。

相対的だ。

殺人に嫌悪を抱いたとしても、唯一の解決法とあれば、用いるだろうよ。

それは現実主義であって、精神異常ではない。」

何という自己弁護でしょう。

このセリフが、高慢で尊大なレイのキャラクターを全て物語っています。

コロンボの刑事としての矜持

コロンボはさらに、そういう完全犯罪者をどうやって捕まえたらいいかと、レイに相談します。

つまり、お前を逮捕するにはどうすればいいかと、聞いているんですね。

本当にずうずうしい、肝の据わったじじいです。

レイははっきりと、犯人は捕まらないと断言します。

自分の犯した完全犯罪に自信たっぷり、事実上の勝利宣言ですね。

コロンボは、犯人は捕まらないかもしれないと、レイの言葉を認めた後、こう切り返します。

「それでもまあ、あたしたちだってプロですからね。

例えば今のその殺人犯にしてもです。

頭はいいが素人ですから一遍こっきりしか経験していないわけです。

ところがあたしらにとって殺しってやつは仕事でしてね。

年に100回は経験してます。

ねえ先生。

これは大した修練です。」

下手に出て犯人を観察するコロンボにしては、珍しく刑事としての矜持を見せます。

しかしレイは、コロンボは間違った結論に飛びついており、自分は犯人ではないと、言い放ちます。

さらに刑事コロンボにありがちなのですが、犯人は必ず余計なことを言って、自分の首をしめるのです。

「仮に僕が殺していたとしても、君には立証できないだろうな。」

と。

これは暗に自分が殺したと、とうとう認めているんでしょうね。

ですがそれが立証できない限り、レイは逮捕されません。

レイには立証されない確固たるアリバイがあるので、無駄なことは辞めろとコロンボを諭すのです。

 

続く

 

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