刑事コロンボ#1-3 殺人処方箋/Prescription:Murder 犯人逮捕への執念と精神科医との最期の心理戦を見逃すな!

刑事コロンボ
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刑事コロンボ第一作殺人処方箋の後半部、完結編です。

完全犯罪を成功させたレイ・フレミングをくずすのは無理だと判断したコロンボ。

共犯者であるレイの愛人、ジェーン・ハドソンに近づきます。

みどころは、コロンボの真相を追求する燃えるような執念。

精神科医との心理的駆け引き、頭脳戦です。

会話劇が楽しめるように、セリフを丁寧に記載しています。

#1 殺人処方箋/Prescription:Murder (1968年)

共犯者愛人ジェーンをねらうコロンボ

レイを決してくずすことができないと踏んだコロンボは、共犯者である愛人のジョーン・ハドソンにねらいをつけます。

映画女優であるジョーンの職場、撮影所を訪れるのです。

うちのカミさん-6

例のごとく、コロンボはなかなか本題に入らず、ジョーンをじらします。

そして小道具である葉巻を取り出して、たばこをすう許可を願いでます。

「うちのカミさんなんか、パイプにしろって言いますが、あたしはパイプはどうも苦手です。」

とお決まりのカミさんネタ、6回目の登場ですね。

そしてコロンボの、ジェーンへの怒涛のたたみかけが始まるのです。

コロンボのたたみかけ1 レイとジョーンの仲にかまをかける

コロンボは、ジョーンに、レイ・フレミングとはいつから付き合っているのかと聞きます。

ジョーンが愛人であることを、コロンボはすでに知っています。

ジョーンはもちろん、医者と患者としての付き合いだと、きっぱりと言い張ります。

コロンボのたたみかけ2 レイと最後に会った日

コロンボは、ジェーンにレイと最後に会った日を確認します。

ジェーンは、コロンボと初めて会った診察の日だと証言します。

コロンボのたたみかけ3 メイク技術の確認

コロンボは、映画女優であり舞台衣装を身に着け、舞台メイクをしているジョーンに聞きます。

メイクは自分でしているのかと。

これは、ジョーンがキャロルに変装したときのメイクのテクニックを、暗にほのめかしているんですね。

コロンボのたたみかけ4 キャロルを殺したのはレイだと断言する

なかなか本題に入らないコロンボに、しびれを切らしたジョーン。

コロンボに説明を求めます。

コロンボは言います。

「こんなことさぞかしショックだと思いますが、多分あの人が奥さんを殺したんです。」

動揺を隠そうとするジョーンを、コロンボは冷たく観察します。

コロンボのたたみかけ5 サングラスを見せる

コロンボは藪から棒に、バッグからサングラスを取り出します。

サングラスをかけてキャロルに変装したジョーンは、動揺します。

それを見たコロンボは、さらに、サングラスをかけてみるかと、ジョーンのさらなる動揺を誘います。

ジョーンは耐え切れず、弁護士を呼ぶと、コロンボに言い出します。

コロンボはフレミング事件の捜査からはずされたんだから、わたしに質問する権利はないと、ジョーンは言います。

コロンボのたたみかけ6 ジョーンとレイの仲をつっこむ

ジェーンが言うには、レイと会ったのは、コロンボが捜査担当を外される前です。

なのになぜ、コロンボが担当を外されたと知っているのかと、ジョーンを質問責めにします。

電話で聞いたと答えるジョーン。

さらにコロンボは、よく電話をする仲なのかと、質問を続けます。

コロンボのたたみかけ7 実は捜査担当は外されていなかった

そして実はコロンボは、捜査担当を外されていなかったことを、ジョーンに伝えます。

コロンボに圧力がかかったとき、上司は言いました。

「コロンボ君。

君はどうやら核心に触れたらしい。

この線をつめてくれ。」

これを聞いたジョーンは、コロンボと話してボロが出ることを恐れます。

そして弁護士を呼ぶことに決めます。

コロンボのたたみかけ8 弁護士が必要なのは容疑者だと教える

どうしてジェーンが弁護士が必要なのかを問い詰めるコロンボ。

弁護士にどんな容疑かと聞かれたら、殺人の共犯だと答えると良いとコロンボは逆にジェーンを脅かすのです。

そりゃあ、やましいことがなければ、弁護士を呼ぶ必要はないですものね!

ジョーンは弁護士を呼ぶのをやめます。

コロンボのたたみかけ9 スチュワーデスと会わせる

コロンボはジョーンを、キャロルに化けた彼女を目撃したスチュワーデスに会わせようとします。

コロンボは言います。

「あいにくブルーのドレスもないし、手袋もないし、サングラスもかけてくれないでしょうが、それでも確認できないともかぎりませんし。

そう かつらもないね。」

さすがにスチュワーデスに会えば、ジョーンの変装が見破られてしまう可能性の方が高いですね。

ジョーンは何のことか分からないと必死にとぼけます。

コロンボのたたみかけ10 愛人だと断定する

ジョーンは、自分は「レイの事件とは関係ない」と、思わず彼のファーストネームを口にします。

その馴れ馴れしいレイという呼び方を、見逃すコロンボではありません。

彼女がレイの「愛人でしょ。」とコロンボははっきりと断定します。

コロンボのたたみかけ11 殺されたキャロルの写真を見せようとする

コロンボはジョーンに、キャロルに会ったことがあるのか訊ね、遺体の写真を見るように言います。

ジョーンが拒むと、

「そうだね。あんた実物を見てるんだし二度と見たくないだろうね。」と、ジョーンの気持ちを代弁します。

ジョーンが殺害現場にいたこと。

レイの完全犯罪のトリック。

コロンボはもう全て見抜いており、さらにジョーンは殺人の共犯者であるとたたみかけるのです。

コロンボのたたみかけ12 ジョーンの罪の意識をかきたてる

ここから一気にコロンボは、ジョーンの犯した罪を責め立てます。

「あんたがいなきゃ奥さんは生きてられた!

死体置き場にいずに済んだ!

あんたが殺したも同じだ!」

コロンボの言うことは、いたって正しい。

ですが、心の弱い美しい女性への言葉としては、とげがあり過ぎます。

ちょっとジョーンがかわいそうでした。

まあ、殺人の共犯者ですからね。

ここまで言われても文句言えないぐらいの罪を犯してますからね。

ジョーンは、コロンボの責めに耐え切れず、「やめてー!!」と絶叫します。

コロンボの思惑通り、弱いジョーンを落とすことができたかに思えましたが…。

ジョーンの大逆襲

ジョーンを追いつめることに成功したコロンボは、本部で供述をとると彼女に告げます。

しかし、絶望の淵に追いやられて、一度感情を爆発させたことが、返ってジョーンを冷静にさせたのでしょうか。

毅然とした態度で、コロンボに正論を述べます。

「嫌よ。これ人権侵害よ。」と。

ジェーンは、肝の据わった目で、コロンボをにらみつけ言います。

自分はこの事件とは全く関係ないし、コロンボのやりたいようにすればいいと。

でも何も立証できないと。

コロンボは、本部でジョーンの供述をとることをあきらめ、彼女を開放します。

コロンボのジョーンへの最終忠告が怖すぎる!!

コロンボのもとから去ろうとするジョーン。

コロンボは、ジョーンに怒涛のたたみかけを行い、こんな忠告をします。

「ハドソンさん。

これからが本番だと腹くくっとくことですよ。

あたしだってこんなことやりたくないが、これからはあんたを参らせるためにありとあらゆる手を使うつもりだ。

フレミングはひとつだけミスやった。

あんたを使ったことだ。弱いあんたをね。

今日はおもいがけず気丈なところを見せられましたがね。

明日ということもある。

その次の日もある。その次の日もある。

遅かれ早かれあんたはしゃべることになる。

その時が来るまで質問され尾行され駆り立てられる。

フレミング先生にも止めようがないんだ。

あんた一人で頑張るしかない。

あたしはあんたを落としてあいつを逮捕します。

これは約束します。」

あまりに怖いセリフだったので、全文書いてしまいました。

わたしは60歳をこえた、温和で陽気なまんまるじーさんの新コロンボしか知りませんでした。

それがまさか若いときのコロンボが、こんなにギラギラしていたとは…。

ジョーンの弱さをつく激しいセリフですが、この駆け引きや心理戦もまた刑事コロンボの醍醐味なのです。

レイにすがろうとするジョーン

家に帰ったジョーンですが、刑事の張り込みがついています。

たまらずジョーンはレイに電話をかけ、会いたいとすがります。

しかしレイは、張り込みがついている今会うのはまずいので、明日の朝、診察に来るように伝えます。

エディング 最後の心理戦へ

ジョーンの自殺

約束の診察時間にジョーンが来ないので、心配になったレイは彼女の家を訪ねます。

ジョーンの自宅には、すでにコロンボを始めとする警察官や救急車が待機しています。

レイは、プールサイドに倒れており、タンカーで運ばれてゆくジョーンを目撃するのです。

コロンボはレイに、ジョーンは睡眠薬を大量に飲み、自殺したと説明するのです。

レイは、ジェーンを追い込んだコロンボを責めます。

コロンボは

「説教は結構だ。

これは一生あたしの責任としてしょっていきます。

だがあんたにも責任がある。

二人で殺したんだ。」

と逆にレイを責めるのです。

そしジョーンは、レイを守るために自殺したのだと、コロンボは続けるのです。

「ところでおめでとう。

これであんたは一生ご安泰だね。

あんたの勝ちですよ。」

ジョーンの死によって、レイの完全犯罪をくずすことが不可能になったコロンボは、敗北を宣言するのです。

見事ないやみです。

コロンボ最後の心理戦

完全犯罪を手にしたレイは、コロンボのもとを去ろうとします。

ここでコロンボは

「しかし同情すべき点もある。」と捨てセリフを吐きます。

思わす足をとめて、ふりかえるレイ。

愛人のジョーンと一緒になるために妻を殺したレイ。

しかしその大切な愛人を失ったレイには、もう何も残っていないと、コロンボは言います。

これから先はさぞかし孤独な人生を送るだろう。

それならば、真相を話した方が楽になるし、何よりジョーンへの手向けになると、コロンボは自白をすすめるのです。

コロンボを鼻で笑う完全犯罪者

コロンボの言葉を聞いたレイは、鼻で笑います。

「君を買いかぶりすぎたようだな。」とコロンボに言い放ちます。

そしてジョーンを愛していたわけではなく、アリバイのために利用しただけだと、言うのです。

仮に妻を殺していたとしても、自分のためであって、大部屋女優のためではない。

レイの冷酷で利己的な本性がむき出しになった瞬間です。

レイはコロンボに、自分は完全なる勝利者だと宣言したかったのでしょうか。

あるいはただの道具であったジョーンを、本気で愛していたとコロンボが信じ込んでいたのが、あまりに滑稽だったのでしょうか。

この傲慢さが、レイの足元をすくいます。

コロンボの仕掛けたブーメラン

このレイの情のない言葉を聞いて、あらわれたのは死んだはずのジョーンでした。

プールに倒れていたのは、ジョーンではなく、全く別の女性だったのです。

これがコロンボが仕掛けた罠です。

レイが、ジョーンを妻キャロルに仕立て上げたトリックを、今度はコロンボがそのまま使い、ある女性をジョーンに見せかけたのです。

このジョーンのふりをした女性、誰か分からないのですが、多分警察関係の人?

しかしジョーンも、よくもまあ、このコロンボの罠に協力したものですね。

コロンボが説得したのでしょうか。

何はともあれ、レイはキャロルを演じきれるか不安になっていたジョーンを、「人は固定観念によってものをみる」といって、説得しました。

まさにレイは、固定観念でジョーンの自宅に倒れている女性を彼女だと思い込み、完全犯罪がくずれたのです。

盛大なブーメランでした。

ジェーンは、コロンボに全てを話すことを決意するのです。

ちょっとだけなごむラストシーン

ラストシーン、ジェーンの供述をとろうとするコロンボ、ペンが見つからず、部下が手渡しています。

筆記具を忘れるのは、相手の懐に入り込み作戦ではなく、どうやらコロンボは天然で、忘れっぽい性格は本当のようですね。

まとめ

この「殺人処方箋」はもともとは舞台劇で、単発で制作されたテレビ映画です。

単発作品とあって、ほかの作品より、コロンボのキャラクターがより深く描き出されています。

多少説明くさいと感じる部分もありますが、第一作として、コロンボを知らしめるには、優れた構成力を持つ良い作品だと思います。

精神医に、コロンボが心理戦を挑むのも面白いですね。

一つ気になったのは、コロンボが、レイが弱いジョーンを使ったのが失敗だったと、彼女を追い込むシーンです。

わたしは弱いジョーンを使ったのが失敗というよりも、弱いからこそ利用されたと解釈しました。

ジョーンはもともとはレイの患者でしたから、いわゆるメンヘラというヤツですね。

メンヘラ女は依存心が強いので、利用しやすいのです。

レイが殺した妻キャロルは、強く高い知性を持った人物だったので、利用できるような弱さを持たなかったのです。

だから殺すしかなかったのです。

そう考えるとレイの失敗は、弱い女性を使ったことではなく、自分の傲慢で尊大な性格ですね。

コロンボシリーズの犯人は、だいたい自信家である性格によって、足をすくわれます。

ま、最後、傲慢さに溺れて失墜するセレブをながめるのが、コロンボの醍醐味、最高のカタルシスですからね。

ではまた、刑事コロンボでお会いしましょう。

 

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