刑事コロンボ#1-1 殺人処方箋/Prescription:Murder コロンボの全てがつまっている記念すべき第一作のあらすじとネタバレ

刑事コロンボ
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世界中から愛されてやまない刑事コロンボの記念すべき第一作目は1968年公開の「殺人処方箋/Prescription:Murder」です。

わたしは1989年以降の新シリーズしか観たことがなかったので、コロンボのその若さにびっくり!

当たり前だけど、コロンボも若いときがあったのね…。

当時40歳ぐらいでしょうか。

新シリーズのとき、コロンボ演じるピーター・フォークは、御年62歳。
すでにグレーヘアーのじーさんでした。

それと比べると、旧シリーズのコロンボは、40歳よりもう少し若く見えます。

ですがコロンボは、年取ってからの方がいいですね。

年取って、白髪交じりのボサボサヘアに小太りな容姿は、どこかクマちゃんのようで愛くるしいです。

朗らかでおちゃめな性格が協調されています。

若いときは想像していたより若くて男前だったので、その知性やしたたかさ、犯人を追い詰めるギラギラした感じがむき出しで怖いです!

コロンボは陽気なおっさんとばかり思っていたのに、この人、実は性格悪かったんだ…と、震えあがりました。

この第一作「殺人処方箋」では、精神科医が犯人です。

何と、コロンボはその精神科医に精神分析をされています!

この精神分析により、わたしたちはコロンボというキャラクターの本質を知ることになるのです!

もともとは単発用の作品だったゆえに、犯人だけでなく、コロンボの性格がこの一話でしっかり分かるように描かれています。

それゆえクオリティも高いですよ。

今回はその「殺人処方箋」のあらすじやみどころ、ネタバレ、コロンボのお決まりのセリフをご紹介します。

#1 殺人処方箋/Prescription:Murder (1968年)

殺人犯: 精神科医 レイ・フレミング (ジーン・バリー)
被害者: 殺人犯の妻 キャロル・フレミング (ニナ・フォック)
殺害の動機: 浮気がばれた他

監督:リチャード・アーヴィング
脚本:リチャード・レビンソン ウィリアム・リンク
音楽:デイヴ・グルーシン

ロールシャッハ・テスト風のオープニング

何とも言えない印象的なオープニングです。

重々しく、時代を感じさせます。

タイトルバックにあるこの不思議な模様は、ロールシャッハ・テスト、というのですって。

インクのしみのような模様を患者に見せて、精神分析をするのに使われます。

「アルジャーノンに花束を」という小説にも出てきます。

犯人が精神科医だからの演出でしょうか。

もともと第一作目は、単発用の作品だったので、以降の作品では見られない貴重なオープニングです。

音楽はデイヴ・グルーシンがつとめていますが、殺人犯の感情や動揺にあわせて、おどろおどろしくも重厚な音楽が流れ、ドラマを盛り上げます。

主な人間模様

舞台はのちに殺人を犯す精神科医レイ・フレミングと、夫に殺されてしまう妻キャロルの結婚10周年パーティーから始まります。

非常に華やかなパーティーで、一目で二人がセレブカップルであるということが分かります。

そして教養をひけらかしているレイ・フレミングの人気ぶりを見ると、著名な知識人ということもすぐさま理解できます。

さらにコロンボシリーズをある程度見ていると、この人が犯人で、多分この人が殺されるんだろうな~って、最初の10分で分かりますね。

不穏なことに、夫婦の大切なパーティーを、夫のレイは患者に呼ばれたといって途中で抜け出してしまいます。

この患者というのが、実はレイの愛人、若手女優のジョーン・ハドソンです。

妻キャロルは、この二人の関係に気付いています。

これは何だか、雲行きあやしく、恐ろしいことが起りそうです…。

殺人の動機

大切な結婚記念パーティーを、夫に抜け出されたという辱めを受けた妻キャロル。

キャロルは、夫レイが愛人ジョーンと会っていたことにとっくに気が付いています。

そして夫レイに離婚をせまるのです。

その離婚の条件が、レイのスキャンダルを大々的に宣伝した上、精神分析医としての地位をたたきつぶし、財産を取り上げることでした。

つまりレイ・フレミングは全てを失うことになるのです。

もともとは、妻の財産目当ての愛のない結婚でした。

レイは以前から立てていた妻の殺害計画を実行するのです。

殺害のトリック 妻の替え玉を使った

レイは妻キャロルをメキシコ旅行に誘って安心させます。

そして油断させて、後ろから首を絞めて殺害します。

その後、家を荒らして金目のものをスーツケースに詰め込んで隠し、強盗の仕業に見せかけるのです。

ここで、妻の替え玉として、愛人のジョーン・ハドソンを利用します。

女優であるジョーンに、亡くなった妻のドレスを着せて、キャロルを演じさせるのです。

キャロルを演じる自信がないとおびえるジョーンを、レイは説得します。

人は固定観念によってものを見る。

これが連想の基本さ。

君はキャロルの服装をして僕といる。

つまり僕の妻さ。

殺害のアリバイ

レイは、妻キャロルのふりをしたジョーンと予約していたメキシコ行の飛行機に乗り込みます。

その飛行機が出発する直前に、二人は派手に夫婦ゲンカの芝居を打ちます。

怒って飛行機を降りてしまうジョーン演じる妻キャロル。

レイはそのままメキシコに向かいます。

つまり、メキシコに向かう直前まで妻といたことを、スチュワーデスと大勢の乗客が目撃していたということになりますね。

その後に妻が死んだことになれば、メキシコにいたレイのアリバイは成立します。

ちなみに下の画像が、妻キャロルです。

ジョーンが化けたキャロルと似てますかね。

メキシコのアカプリコで釣りをしながら、レイはスーツケースにつめこんできた架空の強盗の盗品を、海に捨ててしまいます。

証拠隠滅ですね。

コロンボ登場 作品開始後約30分

 

メキシコから殺人者レイは、妻キャロルの遺体を置いてきた自宅に帰ってきます。

すでに妻の遺体はなく、警察の捜査が入った後のようです。

事前に、家政婦が妻の遺体を見つけるように、ちゃんと仕込んでありましたからね。

ここで、ちょうどレイの自宅を操作していた刑事コロンボと遭遇します。

実に物語が始まってから、30分が経過しています。

犯人の誤算1 妻は生きていた?

ここでコロンボは、レイに

「何者かが侵入して奥さんを殺そうとしたんで…。」

と伝えます。

殺そうとしたんで…

殺そうとした!?

つまり妻キャロルは、殺されていませんでした!

生きていたのです!

これは殺人者レイにとって、最大の誤算、最大のミスでしょう。

このときのレイの慌てぶりを、刑事コロンボが見のがすはずはありません。

犯人の誤算2 愛人からの電話

コロンボとレイが、キャロルの入院している病院に向かおうとすると、愛人のジョーン・ハドソンから電話がかかってきます。

刑事の前で、愛人がいることがばれてしまったら、妻の殺人を疑われかねません。

レイは、電話口のジョーンを患者のようによそおい、

「今日の診療は無理ですな。金曜の2時に来てください。」

と伝えます。

これをコロンボが見逃すはずはありません。

電話を終えたレイとコロンボは、キャロルの入院する病院に向かいます。

うちのカミさん-1 初登場

キャロルの面会手続きを待つ間、コロンボはレイに捜査手続き上の質問をいくつかします。

コロンボはその質問内容をメモするための筆記用具を持っていません。

筆記用具を持たないというのは、コロンボのキャラクター上の特徴です。

そこでコロンボは、レイにペンを借りるのですが、

「毎朝カミさんにえんぴつを持たされるんですが、いっつも無くしちゃうんですよね。」

と、言い訳します。

コロンボの口から、カミさんが、初めて登場した貴重なシーンですね。

「うちのカミさんがね…。」は、コロンボの定番セリフなので、このブログでは何回登場するか、セリフとともに書き記していきます。

ここでコロンボが確認することは、全てレイの想定内範囲でした。

盗品のリストを作ってほしい

強盗殺人に装われた犯行ですので、コロンボはレイに盗品リストを作るように依頼します。

盗品が売りさばかれることにより、犯人の手がかりになるからです。

盗品から一切手がかりがでないように、レイはメキシコの海に、全て捨て去っています。

事件当日のアリバイ

コロンボは、事件当日レイがメキシコに発ったことをすでに捜査すみでした。

メキシコ警察に問い合わせたけれども、レイは正確な居場所は誰にも伝えていなかったので、行方は確認できませんでした。

コロンボは、すでにレイと妻に変装したジョーンが、飛行機でケンカしたことも捜査して確認済です。

またレイは、あえて妻キャロルと写った不鮮明な写真を自宅に残していきました。

その写真をモデルに、ジョーンはキャロルに化けたのです。

レイの思惑通り、コロンボはその写真を使って、スチュワーデスに確認しています。

スチュワーデスは、その写真を見て、ジョーンが演じた妻を、キャロルだと証言しました。

全て、レイの計画通り。

これでアリバイは完全に成立です。

コロンボの疑惑1 無言で帰宅したレイ

レイの親友である検事であるバートが、病院に駆けつけました。

コロンボはその検事に、こんな違和感を打ち明けます。

コロンボが自宅を捜査中、レイは無言で帰宅します。

「奥さんがいるはずなのに、普通ならただいま、とか言いそうなものでしょ?」

と疑問を口にするコロンボ。

バートは「奥さんとケンカ中だったからでは?」とその疑問を打ち消します。

そして、コロンボを「つまらん詮索をして、レイをわずらわせるな」と、諭すのです。

犯人の誤算3 コロンボの疑惑2 妻の意識が戻った!

意識不明のキャロルの面会許可がおり、レイとコロンボは病室に向かいます。

病室の前で、警備についていた警官により、キャロルの意識が戻ったことが二人に伝えられます。

顔面蒼白になり、ウロウロと落ち着きがなくなるレイ。

その様子をコロンボの鋭いまなざしが見つめます!

恐い!

全てを射抜くようなコロンボの視線、怖いです!

もう完全にレイを疑っていますね。

そして病室から医師が出てきて、キャロルが亡くなったことを伝えます。

ほっとするレイ。

念のために医師に「妻は何か言ってませんでしたか?」と尋ねます。

「最後にご主人さんの名前を…。」

と答える医師。

主人に殺された!と言いかけて息をひきとったのでしょうか。

レイの殺害現場の唯一の目撃者がいなくなった今、完全犯罪成立です。

コロンボの執拗な捜査開始

うちのカミさん-2、3

捜査のため、精神科レイのオフィスである診療室を訪れた刑事コロンボ。

レイのオフィスは、ゆっくり落ち着いており、患者は喋る気分になりやすいとベタ褒め。

そこでカミさんの話題登場です。

 

「カミさんの妹のね、居間ってヤツがほら、モダンなんですよ。

そこに座るとおっかなくて喋れないんです。

腎臓の形したでっかいコーヒーテーブルがでーんとあってねぇ、もう見るだけでぶるっちゃうんです。

そこの亭主、無口な男なんですが、あらぁあのテーブルにあたったんですなぁ。きっと…。」

 

とめどなく喋り続けそうなコロンボを、「何か特に御用でも?」とレイが遮ります。

やっとコロンボが本題に入ります。

コロンボは、天然なのか、ただのおしゃべり好きなのか、あるいはねらって犯人をじらしているのか、もう分かりません!

これがコロンボの恐いところです。

コロンボがレイに会いに来た口実の一つは、妻キャロルが亡くなった病院で借りたペンを返しにきたのです。

うっかり返し忘れていたことを謝りながら、コロンボのカミさんの話はさらに続きます。

「これが悩みの種でしてね。

どうも忘れっぽくて、カミさんも処置なしだと言ってます。」

一つだけ…-1

饒舌に捜査とは関係ない話を続けるコロンボに、レイは「まだほかにも何か?」と本来の要件を問います。

そこでコロンボはやっと、

「たいしたことじゃありませんが、一つ気になることがね。先生のお荷物が…。」

と本題に入るのです。

コロンボが、「一つ…。」と言ったときは、絶対一つではありません。

本当は、三つか四つはあります。

そしてまたこの「あともう一つだけ…。」というのも「うちのカミさん」と同じく定番セリフなので数えます。

コロンボの疑惑3 犯人の誤算5 消えた4キロの荷物

レイの荷物について、話をふった後、コロンボはたばこを吸おうとライターに火をつけようとします。

しかしなかなか火がつかないんです!

このなかなか火がつかないのも、本当につかないのか、コロンボがあえてじらして、レイの反応を観てるのか、もう分かりません!

たまらずレイは

「僕の荷物が何か?」

と、コロンボをうながすのです。

コロンボの要件とは、メキシコに向かったレイの荷物が、飛行機に乗り込むとき6キロオーバーしていたことです。

しかし帰りの飛行機では、2キロオーバーでした。

その消えた4キロの荷物の行方を、コロンボは確認しにきたのです。

消えた4キロは、盗まれたと見せかけた妻の貴金属や、犯行に使った凶器です。

レイはこれらが決して見つからないよう、遠く離れたアカプルコの海に捨ててしまいました。

さすがのレイも、荷物の重さまでコロンボが調べるとは思わなかったのでしょう。

核心に迫られたことに苛立ちながら、4キロの荷物と、妻の死がどう関係あるのです、とコロンボに言い返します。

コロンボは、

「いいえ、これも仕事でしたね。

すみずみまできちんとやっておきませんと。」

刑事としての、言い分を述べます。

レイは仕方なく、4キロは、医学雑誌や薬のカタログだったと、適当に話を作るのです。

コロンボの疑惑4 妻の消えたドレス 一つだけ-2

4キロの消えた荷物について、解決し、レイに捜査協力のお礼を述べて帰ろうとドアに近づくコロンボ。

しかし振り返って、例の定番セリフを口にします。

「そうそう、もう一つありました。」

ね、このコロンボの一つは、一つではなかったでしょ。

もう三つぐらいあるんです。

コロンボは、事件当日被害者キャロルが着ていた服を、レイに確認します。

キャロル、というよりキャロルに化けていたジェーンが着ていた服は、ブルーのウールのドレスと同色の手袋です。

レイはそう語り、スチュワーデスもコロンボに同じ証言をしています。

コロンボは、キャロルのドレスと手袋が見つからないことに疑問を持っています。

そしてその日の午後5時30分に、レイの自宅でこのドレスを探す約束をかわすのです。

このドレスの紛失はレイにとっては想定済で、ジョーンに頼んでクリーニングに出してあります。

犯人の誤算6 ジェーンが手袋をクリーニングに入れ忘れる

その日の2時、電話で診察の約束をしていたレイの愛人ジョーンが訪れます。

そうです!

この電話を聞いていたコロンボは、あえてこの時間に訪れることで、電話の相手が患者かどうかを確認しにきたのです。

コロンボは待合室で、診察を待つジョーンに話しかけて名前を確認します。

ジョーンが、レイに電話さえしなければ、コロンボに愛人の存在を知られることはありませんでした。

そしてまたジョーン、二つ目の失敗です。

ドレスと一緒にクリーニングに出すはずだった手袋を、ジョーンはうっかり自宅に持ち帰ってしまったのです。

レイはジョーンに手袋を取りに行くように指示し、コロンボが来る5時半までに、自宅で落ち合う約束をします。

犯人の誤算7 神出鬼没のコロンボ

3時頃でしょうか。

レイは自宅で、手袋を持ってきたジョーンを向かえ入れ、お酒を用意します。

完全犯罪に自信満々のレイと違って、ジョーンは罪の意識にさいなまれます。

レイは、愛し合う二人が一緒になるためには、これしか方法がなかったと、ジョーンを慰めるのです。

そして二人がいちゃいや始めたところに、やっぱり!!

コロンボ登場です。

捜査のために合いカギを持っているのか、ドアをガチャガチャやってます。

5時半の約束だったのにね!

慌てて隠れるジョーン。

当然、あらわれたコロンボに、レイは怒ります。

コロンボは

「先生のお時間をいただいてわずらわせるより、一人で探そうと思いました。

ご迷惑をかけないように…。」

と言い訳します。

逆にコロンボは、「それより…。」と話題をかえて、なぜレイが家にいるかをたずねます。

レイはキャロルのドレスと手袋が気になったので、早く帰宅し、探したと言い訳します。

そしてジョーンの持ってきた手袋を、コロンボに差し出すのです。

コロンボの疑惑5 なぜ手袋が出てきたのか

レイは、手袋は、妻の小物入れの引き出しにあったとコロンボに伝えます。

しかしコロンボは、「隅から隅まで探したのに…。」と納得できない様子。

執拗な性格のコロンボが、こんな大事なものを見逃すはずはありませんもの。

続いてコロンボは、ドレスを探したいとレイに申し出ます。

今、家探しされると隠れているジョーンが見つかってしまいます。

ここでレイにとっては天の助け。

クリーニング屋さんが、キャロルのドレスを持ってきます。

コロンボの「疑惑4」は解決しました。

お互い時間の無駄をしたものですな、というレイに

「アタシはどうも疫病神でしたね。」

と、コロンボは謝罪し、去ろうとします。

こういうコロンボのひょうひょうとして、自虐的なところ、好きですねぇ。

自虐的なことを言って、反省しているフリはしますが、実は一切こたえていません。

コロンボは鉄の心臓ですからね!

 

続く

 

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