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刑事コロンボ#8 死の方程式/ SHORT FUSE 1972年 あらすじとネタバレ キュートで憎めない殺人犯

刑事コロンボ

刑事コロンボ第八話「死の方程式/ SHORT FUSE」のゲストスターは、初めて登場するお調子者タイプです。

基本コロンボの殺人犯たちは、上流階級で頭脳明晰な人たちですから、何となく重々しい雰囲気を持ち、いかめしいタイプが多いんです。

ですが今回のロディ・マクドウォール演じる殺人犯ロジャー・スタンフォードは、今風の若者ファッションに身を包み、いたずら好きで明るく、くりくりっとした目と高いお鼻がとてもキュートです。

犯す犯罪は、爆弾を作って二人同時に爆死させたり、女性を利用したりとなかなかエグいのですが、最後まで憎めないキャラクターでした。

また今回の舞台は、電気自動車で移動する広大なスタンフォード科学工業、ロープウェイで登るパインワイルドと呼ばれる山の迫力のある風景、など壮大なロケ地も圧巻です。

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#8 死の方程式/ SHORT FUSE 1972年

刑事コロンボ:ピーター・フォーク(小池朝雄)

殺人犯:科学工業御曹司 ロジャー・スタンフォード/ロディ・マクドウォール(野沢那智)
被害者:殺人犯の叔父 デビット・バックナー/ジェームス・グレゴリー(大木民夫)
殺人犯の工業副社長:ローガン/ウィリアム・ウィンダム(村瀬正彦)
殺人犯の恋人:バレリー・ビショップ/アン・フランシス(翠準子)
殺人犯の叔母:ドリス・バックナー/アイダ・ルピノ(麻生美代子)

殺害の動機:父の築いたスタンフォード科学工業の譲渡を阻止するため

演出:エドワード・M・エイブロムス
脚本:ジャクソン・ギリス

殺害の動機と方法

ロジャーと叔父の不仲

亡き父が築いた大会社スタンフォード科学工業(スタンフォードケミカル)の御曹司ロジャー・スタンフォードは、専務とは名ばかりで、道楽に近い研究に社費を費やしていました。

しかし現社長で叔父であるデビット・バックナーが、会社を譲渡しようとしたため、ロジャーは阻止すべく殺害を決意します。

ロジャーが学生時代、彼の両親は工場の爆発事故で亡くなっています。

そこでロジャーの父の妹、つまり叔母のドリス・バックナーが彼を引き取り面倒を見ていました。

現社長のデビット・バックナーはこの叔母ドリスの婿に当たります。

ロジャーは当初からデビッドとドリスの結婚に反対するほど、叔父とは気が合いませんでした。

叔父はかねてよりロジャーが50万ドル以上もの社費を費やし、工場の一部を使って道楽のような研究をしているのが不満で、とうとう打ち切ってしまいました。

さらに運転手であるクインシーを使って、ロジャーの素行調査を行いました。

ロジャーはなかなかの不良ぶりです。

第1項 ラスベガスでの賭博の負債の生産を、社長夫人のサインを偽って小切手を切った。

第2項 麻薬におぼれている

第3項 アカプリコで車を盗み半年前メキシコ警察に逮捕される

叔父は会社譲渡を機会に、ロジャーを辞職させ、ヨーロッパに追いやるつもりなのです。

叔父殺害のトリック

ロジャーは叔父愛用のキューバ特産の葉巻の一本に爆薬をしこみ、葉巻ケースを開けて約1分で爆発する時限爆弾を作ります。

その時限爆弾つき葉巻ケースを、叔父デビッドの車に置かれていた葉巻ケースとすりかえます。

車のポケットに入っている葉巻も、抜いておきます。

また秘書室に置かれていた、叔父のコートのポケットの葉巻入れを抜き取って、こっそりデスクの下に落としておきます。

こうすることで、叔父がなるべく早くに時限爆弾つき葉巻ケースを使うように仕向けるのです。

そしてロジャーの思惑通り、譲渡の最終的話し合いのため、パインワイルドの山荘に向かった叔父の車は爆発しました。

この爆発で叔父デビッドと運転手クインシーの二人が、亡くなってしまうのです。

ロジャーの性格

今回の殺人犯ロジャー・スタンフォードは、陽気で軽い、おちゃめな性格のように思えます。

工場にある研究室の暗室で、趣味の写真を現像したりおもちゃや爆弾を作っています。

そして手作りのひもが噴射されるパーティースプレーを、オフィスで働く社員たちに発射したりするいたずら好きでした。

社長秘書であるバレリー・ビショップとは恋人関係にあるようで、彼女はロジャーに撮られた写真をしきりに気にしています。

きっと破廉恥な写真なのでしょう。

叔父デビット・バックナーが爆死しているであろう時間、ロジャーはバレリーとクラブで過ごします。

そしてシルバーのフェラーリに乗って帰宅すると、バックナー邸の一角にある運転手クインシーの部屋に忍び込み、タイプライターを盗み出すのです。

物語開始約19分コロンボ登場

おばんです

物語開始約19分で刑事コロンボ登場です。

クインシーの部屋をいったりきたりしているロジャーに

コロンボ
コロンボ

おばんです。

と、声をかけます。

「おばんです。」って…。

めちゃくちゃコロンボにマッチしてますよね。

英語音声で本当は何と言ってるのか聞いてみたけど、わたしの英語力では聞き取れませんでした。

今回から翻訳者が変わったのか、定番セリフ「うちのカミさん」という訳が本格的に登場します。

コロンボはデビット・バックナーが行方不明になったという通報を受け、バックナー邸にやってきたのです。

社長のデビッドは、副社長ローガンを始めとする譲渡反対派の恨みをかっており、かねてから手製爆弾や脅迫状で脅かされていたのです。

そのことから、連絡がつかない夫デビッドの身を、妻ドリスは案じていたのでした。

うちのカミさん-1 万年刑事の安月給取り

ロジャーが、警察にいくらでも知り合いがいるのに、交番に通報してコロンボを呼ぶなんて、と叔母ドリスをなじります。

するとドリスは、署長じきじきにえり抜き刑事を呼ぶようにお願いしてやってきたのがコロンボだと説明します。

「えり抜き?」と不思議そうにコロンボを見つめるロジャーに

コロンボ
コロンボ

いやいやうちのカミさんに言わすとさんざんですよ。

万年刑事の安月給取りだって。

と、定番セリフでコロンボは謙遜します。

当初、刑事としてのコロンボが見くびられるというのは定番シーンですが、毎回入れないといけないのでしょうかね。

コロンボの疑惑-1 留守録を聞くロジャー

コロンボは、7時半頃に録音されていた留守番電話の叔父の音声をロジャーに聞かせます。

叔父デビットの要件は、妻ドリスに、ロジャーの話を聞いてその後連絡がほしいというものでした。

一方で留守番電話には、ロジャーの目論見通り、いつもの場所に葉巻が見つからないため、葉巻ケースを開ける叔父デビットの様子が録音されていました。

しかし葉巻ケースを開けてから、約1分で時限爆弾が作動します。

この爆発音が録音されてしまえば、計画殺人であることが明らかになる可能性があります。

ロジャーは気が気でなく、何度も時計を見て爆発時間を計ります。

結局ロジャーにとっては幸いなことに、録音テープには爆発音は残されていませんでした。

しかし叔父と不仲だったロジャーが心配そうにしていた様子を見て、叔母ドリスは意外に思うのです。

コロンボは、ロジャーの家族関係や会社の跡継ぎについて、根掘り葉掘り聞きだそうとします。

不信感をあらわにするロジャーに

コロンボ
コロンボ

いやいや ただ その

フッと浮かんだことを尋ねてみただけですよ。

と言い訳するコロンボ。

それからコロンボは、叔父デビッドに女性関係がなかったかもロジャーに聞きます。

仕事一本やりの叔父にはないだろうとロジャーは説明します。

そして帰りかけたコロンボは、いつものごとく、ドアを開けてから振り返って

コロンボ
コロンボ

時計が狂うんですか?

と、ロジャーに問いかけます。

ロジャーが留守録を聞きながら、時計をチョクチョク見ていた理由を聞くのを、コロンボは忘れません。

ロジャーは、よくある癖だと説明します。

コロンボが帰宅後、ドリスはロジャーに、デビッドが留守録にメッセージを残していた件は何かと尋ねます。

デビッドはロジャーに、会社を辞めてヨーロッパで研究することを、ドリスに宣言すように命じていました。

しかし叔父が亡くなったことを知っているロジャーは、ドリスに、会社の法令関係の仕事をすることになったと嘘の説明をするのです。

そしてコロンボはこの事件について、ロジャーがかかわっていることにすでに気がついています。

コロンボの疑惑-2 車の爆発は事故か殺人か

デビッドと運転手クインシーの遺体と、谷に落ちてバラバラになった車が発見されました。

コロンボは捜査のため、ロープウェイに乗ってパインワイルドの山岳に向かいます。

この切り立った山々の絶景は、この作品のみどころです。

そして高いところや乗り物が苦手なコロンボが、真っ青な顔をしているのも、すでにおなじみになりました。

デビッドを乗せた車は、雨のためスリップし、崖にぶつかってガソリンタンクが爆発した事故であるという解釈が一つ。

一方で誰かが車に爆弾をしかけた殺人という可能性も視野に入れて、捜査を進めることになったのです。

デニスの葬儀を終えて、副社長ローガンは夫を亡くしたドリスに、会社を守りロジャーを跡継ぎにしたいと話、安心させるのです。

コロンボの捜査開始

うちのカミさん-2 カミさんの弟

コロンボは早速工場内にあるロジャーのオフィスの暗室を調べています。

落ちていたパーティースプレーを噴射して、ひもだらけになってしまいました。

それを見つけたロジャーは、コロンボがかぶったひもを取ってあげてます。

優しいですね。

コロンボは、立派な暗室を褒めながら

コロンボ
コロンボ

カミさんの弟がやはりカメラに凝ってるんですがいい趣味ですな。

と定番の家族の話で、ロジャーとの距離をつめます。

ロジャーは暗室は写真の現像だけでなく、発明をするための実験にも使っているとペラペラと喋ります。

硫酸の瓶とか青酸カリとかニトログリセンを、うっかりコロンボがひっくり返さなくてよかったと語ります。

ニトログリセンって、爆薬の原料ですよね。

そんなものを研究に使っているなんてベラベラ喋ったら、ロジャーが爆弾作れるってコロンボに気がつかれてデメリットしかありません。

コロンボは

コロンボ
コロンボ

あんた科学に強いんですな。

と、ロジャーがクビからぶらさげているメダルについて尋ねます。

ロジャーは、サイエンス・エキスパート・クラブのメダルで、21歳のときに化学の学位を取ったのだと話します。

その後法学部に行って、弁護士の資格も取ったのだそうです。

ろくに仕事もせず、遊んでばかりのロジャーですが、実は頭がよかったんですね。

そこでコロンボは、化学に強いロジャーに捜査の協力を頼むのです。

うちのカミさん-3 これは無理じゃわい

コロンボはロジャーに工場の案内を頼みながら、化学が苦手で学生時代は苦労したとて語ります。

コロンボの父親はコロンボを医者にしたかったようなのです。

コロンボ
コロンボ

しかし化学のテスト見せたら「これは無理じゃわい。」って…。

コロンボがよくできたテストでもたった43点だったそうです。

しかし「これは無理じゃわい。」って、そんな表現アメリカ人がしますかね。

だけどコロンボのお父さんって感じのいいまわしです。

ここではコロンボは家族の話で殺人犯の懐に入り込むのが定番手段なので、「うちのカミさん」として数えています。

化学が苦手だったコロンボは、ロジャーの得意分野と聞いて

コロンボ
コロンボ

地獄で仏に会ったような気がしたんですがね。

とおだてます。

しかしコロンボはすでにロジャーを疑っています。

ぬけぬけと爆弾犯探しを、よくぞロジャーに頼むなってそのしたたかぶりは、類を見ません。

だからこそ、わたしたちはコロンボに憧れるのです。

うちのカミさん-4 教師をしている友人

コロンボは今度は、家族ではありませんが教師をしている友人に聞いたといって

コロンボ
コロンボ

普通の薬品をうまい事混ぜ合わせれば、火薬なしでも爆弾作れるんですって?

と、ロジャーに尋ねます。

デビッドの車は谷に落ちる前に爆発を起こしているので、爆弾が仕掛けられていた仮定で捜査をすると範囲を絞れると、ロジャーに協力を頼むのです。

しかしロジャーは、

この工場には、化学の学位取得者が実に30人。
専攻した者は60人。
実験所が合計10ヵ所。
2000人余りの従業員は皆化学の知識がある。

とまあ、爆弾を作れる可能性がある人が、多すぎて絞るのは難しいと言います。

コロンボ
コロンボ

しかしみんなが社長の命を狙っていた訳じゃないんでしょ?

と、ある程度、怪しい人物を絞れるのではないかと示唆するコロンボにロジャーは

「でも大会社なんてのは欲望渦巻くジャングルと同じさ。

うわべはどいつもこいつも紳士でございますなんて澄ましているけれど一皮むきゃジャングルの猛獣みたいに鋭い牙をむいてるんだよ。

生活を脅かされるとなりゃ、同僚だろうが社長だろうがガブリとくる。」

と言います。

それを聞いてコロンボは

コロンボ
コロンボ

弱いな~。そいつは。

この種の事件は正体がつかみにくくって。

と、捜査が難航していることを嘆いてみせますが、本当はロジャーが犯人だと分かってるくせにね!

その通り

コロンボ
コロンボ

しかし事件の解決は意外に近いかもしれませんよ。

と、お得意のほのめかしです。

事件の鍵となるのは、留守録に残されたデビッド社長最後の肉声と、葉巻でした。

コロンボの疑惑-3 葉巻

コートにあるはずの葉巻ケースの行方

コロンボは、留守録に残されたデビッド社長の声により、いつもの場所に葉巻がなかったことを不信に思っています。

ロジャーと一緒に、葉巻を始めとするデビッド社長の身の回りのものを預かっていた秘書室へと向かいます。

秘書のバレリー・ビショップは、社長のコートのポケットからこぼれたのであろう、デスクの下に落ちていた葉巻入れを預かっているとコロンボに伝えます。

ロジャーがこっそり抜き取って落としておいた葉巻入れですね。

コロンボが

コロンボ
コロンボ

偶然にしちゃ出来過ぎると思ってね。

電話でも分かるとおり手元の葉巻は消えていた。

コートに入れといたのも車のポケットにあったのも。

と語ると、ロジャーは、誰かが叔父に新しい葉巻ケースを開けさせようと仕組んだのがコロンボの推理であると言い当てます。

バレリーがなぜ葉巻をそんなに気にするのかと不信がると

コロンボ
コロンボ

アタシどもの商売は因果な稼業でしてね。

くだらん事までいちいち調べなきゃならんのですよ。

と、コロンボは答えます。

そしてバレリーが事件当日、連絡がつかなかった理由を聞くのです。

バレリーはロジャーと過ごしていたのですが、映画を観に行ったと嘘をつきます。

するとロジャーが突然仕切りだして、コロンボがこの事件は葉巻ケースに仕掛けた爆弾による殺人を疑っていると、バレリーに話すのです。

葉巻ケースに爆弾が仕掛けられていた可能性

そしてロジャーは、爆弾が仕掛けられていたのは葉巻ケースと限らず、車のほかの場所かもしれないと言います。

ですがコロンボは、ファーガソンという車両係と秘書課員に、車の中にはスーツケースとコートと葉巻しかなかったことを、すでに確認しています。

するとロジャーはさらに仕切りだして、爆弾つき葉巻ケースをすりかえることができたのは、この秘書室としか考えられないと、言うのです。

そしてどのぐらい秘書室に社長の荷物が置かれていたか、出入りしたのは誰かを、バレリーにリストにするよう言いつけます。

バレリーは、ふと副社長のローガンも同じ葉巻を吸っていることを思い出したのでした。

副社長の葉巻ケースの行方

コロンボとロジャーは、副社長ローガンのオフィス室を訪ねます。

すると4箱あったはずの葉巻ケースが、3箱しかありませんでした。

恐らくこの葉巻ケースをロジャーが盗んで爆弾をしかけたのだと予想されます。

ロジャーはローガンととても仲が良く、気軽に部屋に入れる関係でした。

コロンボは指紋を調べたいので、葉巻ケースがしまわれた棚に鍵をかけ、誰にも触らせないようにお願いします。

ローガンが不信に思い理由を聞くと

コロンボ
コロンボ

いや刑事の職業病とでもいいますがささいな疑問が気になりましてね。

とコロンボはいつものごとく、刑事の職業病を言い訳にします。

ロジャーが、葉巻ケースに爆弾が仕掛けられていてそれが叔父の命を奪ったとコロンボは推理していると説明すると

コロンボ
コロンボ

いやヤマカンですよ。

とコロンボは言います。

ヤマカンどころか、ズバリ当たってますけどね!

ホント、コロンボはすっとぼけるのが上手いですね。

コロンボの疑惑-4 クインシーの手紙

コロンボが広い工場内を歩いて帰ろうとすると、ロジャーが電気自動車で送ってくれました。

コロンボは爆死した運転手クインシーの部屋から、ローガン副社長についてデビッド社長への報告書が出てきたと言います。

「ローガンは会社の譲渡計画を阻止するためにロジャーを通じてドリス夫人を抱き込もうとしている。」

といった内容のものでした。

これはロジャーが事件の夜に、クインシーの部屋に忍び込み、タイプライターを盗んだときに作った報告書ですね。

コロンボ
コロンボ

しかしまあ…。

いや~資本の力っていうのはたいしたもんですな。

こんな工場作り上げちまうんだから。

今日は本当にどぎも抜かれましたよ。

とコロンボは感想を口にします。

これは広大な工場に感心したのか、人間関係のドロドロへの皮肉なのか、どっちでしょうか。

この大きな敷地を持つ工場も、この作品の一つのみどころです。

コロンボは秘書課長により、クインシーはもともと警官だったことを突き止めています。

クインシーは確かにデビッド社長の運転手を務めながら、スパイのようなことも行っていたと、ロジャーはうなづくのです。

コロンボは、報告書を打ったクインシーのタイプライターを捜しています。

秘書課長によると、クインシーは秘密の仕事をするために、別に住まいを持っていたようなのです。

その秘密の住まいについて心当たりはないかと、コロンボは、ロジャーに尋ねねます。

ロジャーは、クインシーは「ハリー・J・オニール」という名前で、スパイ活動を行っていたかもしれないとコロンボに伝えます。

コロンボは早速「ハリー・J・オニール」について捜査を開始します。

またロジャーもクインシーのもう一つの住み家ハリー・J・オニール邸へ向かうのです。

ロジャーの仕掛けたトラップ

副社長ローガンの経歴とバレリーの写真

車に乗って工場を後にしようとするロジャーを、社長秘書で恋人のバレリー・ビショップが追いかけてきます。

バレリーは事件当日ロジャーと過ごしたのに、映画を観てたとコロンボに嘘をついたことを不安に思っています。

またロジャーが、副社長ローガンの経歴ファイルを持ち出したことや、バレリーの写真を撮ったことを気にしているのです。

バレリーの写真は、

「僕の宝物だぜ。誰にも分からないようにしまってあるよ。」

とロジャーが語るので、人に見せられないような写真ということが分かりますね。

葉巻ケースを捜すコロンボ

コロンボは再び事件が起こったパインワルドに出向いて、葉巻ケースが見つからないかを気にしています。

爆発の原因は分からないけど、爆薬に使われたのは、ある種の油性物質ではないかと、その場にいた警察官は語ります。

コロンボ
コロンボ

とにかく獲物は近い。

と、コロンボもまた最後のつめに入ろうとしています。

警察官が

「まるで狩人ですな。」と感想を言うと

コロンボ
コロンボ

いや~大会社の内部なんてジャングル同然だそうだよ。

ある人の言葉だが。

と、ロジャーのセリフを引用します。

ロジャーのトラップ

クインシーの家

ロジャーは、クインシーのもう一つの秘密の部屋に行って、盗んだタイプライターを置いておきます。

クインシーが黒人女性と写った写真が置かれていますが、これ、物語の最初当たりでロジャーにパーティースプレーでいたずらされた社長室オフィスの社員じゃないでしょうか。

ロジャーは夜までクインシーの部屋で過ごし、警察が来るのを見届けてから分かるように逃亡します。

でまあ、相手は警察ですから当然捕まって現行犯逮捕ですね。

しかしロジャーはすぐに釈放されて、叔母ドリスの家で警察に見張られています。

クインシーのタイプで偽の報告書

コロンボがやってきて、おそらくクインシーのタイプでロジャーが作ったであろう偽の報告書が次々と出てきます。

まず叔母ドリスは、夫のデビット社長の背広のポケットから、副社長ロジャーの裏切りに関する報告書が出てきたと言います。

偽の合成写真と預金通帳

続いてロジャーが隠したかったふりをしたのは、デビッド社長と秘書バレリー・ビショップが愛人関係にあったことを証明する写真でした。

恐らくロジャーが合成して作ったのでしょうね。

そのためにバレリーを誘惑したのだとしたら、ロジャーは本当にひどい男です。

そしてさらにこの写真を使ってクインシーが、デビッド社長を脅迫して、お金をゆすっていたという証拠の預金通帳まで出てきます。

ロジャーはクインシーの預金通帳に、大金を振り込んでおくというトリックまで使ったのでしょうか。

死人に口なしとは言いますが、当初からデビッド社長だけでなくクインシーも一緒に殺すことによって、始めて成立するトラップですね。

そしてロジャーは、叔母に叔父と秘書が愛人関係にあったことを知られないために、写真を盗むべくクインシーの家に忍び込んだのだと言います。

しかしその写真を見てしまった叔母は、激怒して、コロンボたち警官を追い出してしまいます。

夫の裏切りと副社長の裏切りを信じ込まされた叔母ドリスは、信頼できるのはロジャーしかいないと悲しみにくれるのでした。

社長が亡くなり、副社長に汚名をきせることに成功した以上、叔母が次の社長に選ぶのは、当然ロジャーということになります。

コロンボ最後のトラップ

思惑通り、スタンフォード科学工業の社長におさまったロジャー。

社長らしく、運転手つきキャデラックのリムジンで出社します。

すると元社長との愛人関係をでっち上げられた秘書バレリーが、解雇通知を受け取り頭を抱えています。

ロジャーは、かねてからアリゾナの砂漠地帯に住みたいと言っていたバレリーの母にたいする叔母のはからいではないかと言います。

悪いようにしないし、僕がついていると言って、バレリーを安心させますが、遠くに追いやって援助だけはするつもりなのでしょうか。

社長の椅子に腰かけてのんびりしているロジャーを、副社長ローガンとコロンボが訪ねます。

ローガンもまた、身に覚えのない解雇通知を受けて、深刻な表情を浮かべています。

コロンボは事故のあったパインワイルドで新たな証拠物件が見つかったので、ローガン副社長と一緒に行かないかとロジャーを誘います。

ローガン副社長は、パインワイルドの山荘で休養している元社長夫人ドリスに、身に覚えのない解雇について話し合いたいという目的もあります。

最初しぶっていたロジャーですが、やはり自分が犯した爆発ですから、気になり、ついて行くことにしました。

爆発したはずの葉巻ケース

パインワイルドのロープウェイ乗り場で、コロンボは袋に入った証拠物件を受け取ります。

そして叔母ドリスにも見せたいといって、渋るロジャーを山荘に向かうロープウェイに乗せるのです。

コロンボ
コロンボ

さて見てみますかな。

果たして何が出てくるか?

ゾクゾクしますな。

コロンボが袋から取り出したのは、爆発したはずの葉巻ケースです。

確かにわたしたちは葉巻ケースが爆発して車が炎上するのをテレビで観てますからね。

コロンボ
コロンボ

どうです?

やっぱり一緒に来てよかったでしょ。

と、ロジャーに話しかけるコロンボ。

「エヘヘ…。本当来てよかった。」

と苦笑するロジャー。

ローガン副社長は、「これが社長のものなら単なる事故だって事になるんだろ?」と嬉しそうです。

そりゃ、殺人なんてことになったら、企業イメージが著しく低下しますからね。

コロンボも、この葉巻ケース以外に爆発物が仕掛けられた形跡がないので、殺人ではなく事故として処理されるだろうと言います。

安心したローガン福社長が、解雇の理由についてドリスにぶつかってただしてみようというと、コロンボが

コロンボ
コロンボ

アタシが知ってます。

と続けます。

クインシーの報告書から、ロジャーがライバル会社から接待を受けていたり、企業秘密を売り渡していたことが判明したのです。

ローガン副社長は、クインシーのでっち上げだ、覚えがないと激怒します。

実は自分がでっちあげたロジャーは、内心冷や冷やしながら、叔母に心労をかけたくないので黙っていてほしいと頼みます。

コロンボ
コロンボ

いや~。

そんな心配もうないでしょう。

こいつのおかげで事情がすっかり変わったんだから。

と、コロンボは言って、ロジャーが爆弾を仕掛けたと思い込んでいる葉巻ケースを、ボン!とたたきます。

しかしコロンボが、バレリー・ビショップと社長の愛人関係についての話題は、ドリスの前では避けた方がよさそうだと言い出します。

そのことを聞いて不信な表情を浮かべるローガン社長に、あせったロジャーは

「あんた、口が軽すぎるよ!いい加減にしたまえ!」

と、とうとう怒鳴りだすのです。

コロンボ
コロンボ

そんなにどならなくてもいいでしょうが。

落ち着きをなくしたロジャーは

「つまらん話はもうやめようよ!

静かに座って景色を見よう。

すばらしい景色を眺めてくだらないことは忘れるんだ。」

と、必死で話題を変えようとします。

コロンボの最後の追い込み

 

コロンボ
コロンボ

しかしねロジャーさん。

真実は覆い難いもんだよ。

どうあがいても十重二十重に隠してもいつかはひょっこり顔を出す。

さあ、コロンボ、怒涛のたたみかけが始まります。

コロンボ
コロンボ

実をいうとアタシはあんたが爆薬を仕掛けたもんと狙いをつけてたんだ。このケースにね。

コロンボ
コロンボ

あんたには化学の知識もある。

蓋を開けたらはねるようにするくらい朝飯前だろう?

コロンボ
コロンボ

でも結局はアタシの見込み違い。

だってそうだろう?

ケースはご覧のとおりちゃんとしていて

爆発どころか焦げついた跡すらない。

そしてコロンボはとうとう葉巻ケースを開けてしまうのです。

ロジャーにとって葉巻ケースが無事となると、叔父は偶然にも本当にただの事故で亡くなったことになります。

そして葉巻ケースは、そのまま爆弾のしかけが残っていることになります。

ですからコロンボが葉巻ケースを開いてから、ロジャーは爆発までの時間を計るべく、時計をチラチラと見ざるを得ないわけです。

コロンボ
コロンボ

しかし皮肉だね。

あんたが犯人だとすると計算がピタリと合うんだけどな。

コロンボ
コロンボ

まずクインシーのの報告書だけどあんたなら彼のタイプで打つ事もできた。

コロンボ
コロンボ

社長とビショップ上のスナップにしてもそうだ。

あんたカメラマニアで現像にも強い。

あれぐらい簡単に合成ができる。

コロンボ
コロンボ

クインシーの預金通帳にしてもそうだ。

金さえ銀行に持ってきゃ誰でも作れる。

コロンボ
コロンボ

ローガンさんの葉巻を盗むのも君にはできる。

コロンボ
コロンボ

あれっ、あんたまた時計をチラチラのぞくね。

コロンボの怒涛の追い込みにロジャーは

「黙っててくれないか。頭がガンガンするんだ。」

と、根をあげます。

が、コロンボは追い込みをやめません。

コロンボ
コロンボ

どうして?これはあくまでもアタシの推理だよ。

のんびり聞いてりゃいいじゃない?

コロンボ
コロンボ

君には犯行の動機もある。社長の椅子だ。

専務の君には邪魔者は二人しかいない。

このローガンさんと社長だ。

コロンボ
コロンボ

目的を達した跡ビショップ嬢も追放する。

君と特殊な関係を結んでいた上に知り過ぎていて危険だからさ。

ロジャーが、ローガン副社長に

「こいつのおしゃべりを今すぐ止めてくれないか。イライラしてくるんだ。」

と命じます。

ローガン副社長は

「面白いじゃないか。

数学みたいに明快で。」

と、化学が苦手のはずのコロンボが、サイエンス・エキスパート・クラブのロジャーを追い詰めたのです。

「どいつもこいつも人をばかにしやがって!」

と怒り出すロジャーに

コロンボ
コロンボ

そう数学だよ。

こいつは「死の方程式」だ。

とコロンボは続けます。

これがこの物語の邦題「死の方程式」ですね。

「やかましい!黙れったら!」と言って、ロジャーはゴンドラの窓を開けようとします。

「爆発する…。」とうわごとのようにつぶやいて。

ロジャーが葉巻ケースを窓から捨てようとした拍子に、葉巻は散らばってしまいました。

恐怖にかられながら葉巻を拾い集めるロジャーを見て、ローガン副社長は

「どうも分からんな。このケースはどこで手に入れたんだね?」とコロンボに尋ねます。

コロンボ
コロンボ

あなたのオフィスです。

といってコロンボは、

コロンボ
コロンボ

一本いいですか?

と葉巻の持ち主のローガン副社長に、おねだりします。

「どうぞ。しかし変わった警察官だね。あんたも。」

とローガン副社長にうながされて、数本コートのポケットに葉巻をしまおうとするコロンボ。

「証拠品じゃないんですか?その葉巻は?」とローガンにたしなめられます。

コロンボ
コロンボ

そうか ついてないな アタシも。

証拠品の葉巻ケースが、コロンボの仕掛けたトラップだと気がついたロジャーは狂ったように笑いだします。

「やるね。あんた。」

と言ってロジャーは大切なサイエンス・エキスパート・クラブのプレートのついたネックレスをコロンボの首にかけます。

これがロジャーの敗北宣言でしょうか。

辺りにはロジャーの高笑いが響き渡るのでした。

そしてエンドロールです。

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今回のゲストスターロディ・マクドウォールの魅力

ロディ・マクドウォールが演じたこの作品の殺人犯ロジャー・スタンフォードは、くるくると変わる表情がチャーミングな明るいキャラクターでした。

行った犯罪は二人の人間を爆死させ、女性を騙してヒワイな写真を合成、仲のいい副社長の罪をでっちあげたり、何より母親同然の叔母を欺くなど、相当な外道です。

人を食ったような性格ではありますが、何となく母性本能をくすぐるというか、単にわたしの好みの顔なのか最後まで憎めませんでしたね。

ロジャーはペラペラ自分から喋るので、コロンボが一度も定番セリフ「あと一つだけ」を言わなかったのも印象的です。

謎解きも少なく、コロンボ作品としては物足りなさも残り、ロディ・マクドウォールの魅力に頼ってしまった感はいなめません。

しかしロープウェイのゴンドラという密室で、コロンボが怒涛の心理戦に挑むシーンは、緊迫感がありコロンボ節も満開で見ごたえがたっぷりでした。

今回のゲストスターロディ・マクドウォールは、子役出身で、かつてはこーんなに美しい美少年だったようですよ。

コロンボ出演当時は42歳で、実はピーター・フォークと1歳しか年齢は変わりません。

だけど子役時代の経験が生きてか、少年のような愛らしさを持つ生き生きとした演技が印象に残りました。

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コロンボの王手

今回のコロンボの王手は、トラップを仕掛けて犯人の自白を誘う、という解釈でよいのでしょうか。

ちょっと判断が難しいですね。

「うちのカミさん」を含めた家族の話は4回登場しました。

「もう一つ」というセリフは、珍しくありませんでした。

ではまた、刑事コロンボでお会いしましょう。

 

ユーネクストで無料でコロンボを観ることができます。

コチラです↓↓

 

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