ASDパワハラ上司タカピマとの窮屈なオフィスを離れて、大好きな所長グリーソンさんと車でお出かけ中のプチ初老ころん。
柴咲コウ風の新入社員、コウさんというおまけつき。
いやはや、実はおまけはころんの方なんだけどね。
何より得意な余計なひと言というヤツを述べて、その場を凍り付かせたものの、愛のドライブ、逃避行はまだまだ続くのです。
必死で巻き返しの挽回をはからねば。
そこでころんはひらめいた。
男を落とすにはまずほめろって言うじゃな~い。
そこでころんはグリーソンさんの運転を褒めるわけです。
所長の運転する車、初めて乗ったけど、静かな、落ち着いた運転ですね~。
実際グリーソンさんは、めちゃくちゃ運転上手くて乗り心地がよかった。
だいたい仕事できる人は、運転も上手いよね。
グリーソンさんは
俺も昔は荒い運転をしてたけど、ある年齢で静かな運転に落ち着いたわ。
と言うもんだから
え~。
今の運転からは想像もできなーい。
所長の荒い運転も乗ってみたかったな♡
とまあ、まるでデート中の恋人同士の会話のように、上手にギアを切り替えてゆく。
といっても、わたしもグリーソンさんも新入社員のコウさんも、職場のうっすい関係である。
その三人が、車という密室の中で会話で間を持たせるには、流れてゆく風景がかっこうの話題となる。
時々通り過ぎる飲食店を目にしながら、あのレストランは美味しいとか、ファミレスなら○○派だとか、そういう会話。
ころんさんはいつもいいもの食べてるんやろ?
などとグリーソンさんがふってくるものだから
そうでもないですよ。
いつもくら寿司とか王将とか行ってます。
やっぱり餃子は王将が美味しいですよね。
ウフフフフ…。
とまあ、安上りの気軽に誘える女アピール半端ない。
「今度どっかいいお店連れて行ってくださいよ~♡」と言いたかったけれども、娘ぐらいの年齢の新入社員のコウさんの前で、そこまで女出すのははばかられました。
ころんの脳みそからはすっかりそんなことは抜け落ちておりますが、一応仕事でお出かけしてるんですからね。
で、コウさんとグリーソンさんの愛用の、B級飲食店が割とかぶっていたので
うわあ。
お二人、食の好みが似ていていいですね♡
と、所長と新入社員の架け橋になってやるころんの気遣いといったら。
ホント、わたしって何て気が利く女なんだろ。
なのに何で結婚できないかな。
車内では、他愛もない和気あいあいとした会話が続く。
コウさんが子供の頃や学生時代にしていた習い事の話になった。
親にバレエを習わされていたのだが、ピンクや白のフリフリの衣装が嫌で止めたとかそんな話。
わたしは、あらゆる面で余計な女子力が高いから、ピンクとかレースとか花柄とかバレエの衣装とか、女の子っぽいものが大好き。
でもコウさんは苦手というので色が何を象徴するかという話になった。
するとグリーソンさんが
日本ではピンクがちょっとエッチな色として使われるけど、中国では黄色がエッチな色らしいで。
と言い出したので
へぇ~。博識ですね。
と持ち上げたところで、エッチつながりでふと思い出した。
コロナの影響で飲食店が閉まっているので、最近はラブホテルが女子会を開催するのに使われると、セフレのフレディが教えてくれたことを。
その話を職場で昼休みにすると、コウさんもラブホで女子会をやったことがあると言っていた。
大きなお風呂で泳いだり、大きなベッドで5~6人で寝たりして楽しかったんだと。
ころんはその話を思い出して
最近ラブホで女子会とかするんですって。
と話題をふったら、グリーソンさんは、あそこに見える建物がどーたらこーたらと言い出して、話題をそらした。
若い娘さんである新入社員コウさんの前で、ラブホの話、下ネタを言ってはいけないと思ったのだろうか。
いやはやその新入社員が、ラブホを女子会に使ってるんですど?
グリーソンさん、ずいぶん奥手で保守的ですね。
そんなわけで、またしても余計な話題を振って、その場を凍り付かせるブリザードころんなのでした。
愛の逃避行のはずが何やってんだか。
続く
ころんが最近買って、毎日職場で飲んでる黒酢。
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