P企業、正式名称パワーハラスメント企業におけるわたしの主な業務についてだが、終わった案件についての完了資料を作ることである。
専門的な資料とはいえ、基本雛型があって社内システムより過去の案件からコピペして貼り付けるだけ。
さほど難しい仕事でもない。
今までにない業務のときが難しくて、ちょっと時間がかかるかな。
5分で完成する資料もあれば、数日がかりで仕上げることもある。
しかし一番悩ましい事情は、わたし一人で完結できる仕事ではないのである。
まず、その業務の営業担当者に完了届を用意してもらわないといけない。
続いて、関わった取引先にも引継資料を提出してもらわないといけない。
さらに、資料管理部にデータ登録をしてもらわないといけない。
最後に、資料が全部そろって完成した後、性悪係長の最終チェックと承認がいるのである。
大きい案件だとそれだけたくさんの取引先が関わっており、引継資料の数も膨れ上がるというわけである。
で、なかなかその引継資料を提出してくれない取引先があるというわけ。
この完了資料だが本来は、案件が終わってすぐに作成して提出する。
しかしP企業はずっとその作業をせずに、10年ぐらい放置していたという。
そこで今頃慌てて、過去にさかのぼってその完了資料を作成するように社長命令が出たというわけ。
以前に今のころんのポジションにいた、うつ病のウツ子さんが移動した先は、この完了資料のみを専門に作成する急遽作られた部署であった。
特に誰かの指示をあおぐ必要もなく、一人で黙々とできる仕事だわな。
性悪係長のせいで、ウツ病になったウツ子さんにうってつけの部署だわな。
で、業務が完了して3年以上立つ資料はウツ子さんが、3年未満の資料はわたしが作成することになったのである。
また随時新しい業務は完了し続けているので、その案件に関してはわたしが作る。
基本完了したその月の、月末までに提出するのが決まり。
さらに月末、完成させた資料の数を報告する。
しかしその完了資料作成がなかなか終わらず、本部長からの催促も厳しく、どんどん締め付けが厳しくなってくる。
翌月本社で行われる月一回の管理職会議で、性悪係長は提出した完了書類の数や、未提出の完了資料について報告する。
そのときに、本部長からネチネチと、何でこの数しか作成できない、何で未提出がこんなに残っていると責められるというわけ。
さらしものにされて皆の前で、ネチネチネチネチやられるらしいよ。
さすがパワーハラスメントより名前を頂戴したパワハラ企業。
企業全体にパワハラ上等の重圧がただよっているというわけだわな。
そしてその性悪係長が受けたプレッシャーは、そのままわたしにふってくるとうわけである。
性悪係長は本社で行われる圧迫会議で圧迫されないように、ネチネチとなぜ完了資料が作成できないのかとわたしを責め立てるわけである。
その最大の理由は、取引先が引継ぎ資料を提出してくれないことなのね。
それと資料管理部が忙しくてなかなかデータ登録をしてくれないこと。
で、それを説明する。
その取引業者にファックスを送ってるし、電話もしている。
その電話時にいつ頃に提出してくれると約束したのにそれが過ぎても連絡がない、ということを説明する。
すると性悪係長は、取引先が提出するまで電話をかけ続けろって指示するわけ。
それって派遣の仕事なの?
これほど連絡しても、提出するべき資料を出してくれないなら、ここはもう、管理職である性悪が、電話して一喝してくれればいいんじゃないの?
ほんま、いっちょかみの丸投げ。
全く頼りにならない。
むしろいない方がマシぐらいの上司やで。
それでしょうがないから電話するやん。
ある取引先の事務員さんが対応した。
担当者が留守だというので、わたしが
「何度もお願いしているのに、ちっと提出してくれないんですよ。」
と嘆くと、その事務員はふざけた調子で
「そうですよねー。」
って言いやがった…。
わたしは思わず
「そうですよねー、…って…。
それって社会人としてどうなんですか?」
と言ったら、怒ってその事務員の人、電話切っちゃった。
で、わたしはこのことを性悪係長に仕方なーく仕方なーく報告する。
すると係長は、その事務員さんには関係ないから、そういう言い方はよくないよといたって正論でわたしを諭しました。
素直にわたしも謝りました。
そして何と!その事務員さんは、その企業の社長の元奥様らしい…。
夫婦でやっている小さな下請企業でした…。
「えー!すごく声も若いし、いっつも頼りない反応だから新入社員かと思ってました!」
とわたしが驚いていたら、性悪係長は
「あの人声も見た目も若いねん。
義父の父の介護ができなくて離婚したけど、夫婦仲が悪いわけではないから、仕事場では一緒らしい。」
と教えてくれた。
ま、事務員として電話の受け答えすらままならないおばさんが、義父の介護なんて務まるわけないわな、と一つイヤなことをされたら、100倍以上の悪態をつくころんの性悪ったらこの上ない。
そしたらその日、何と、その企業は滞っていた資料を一気にメールで送ってくれたのです。
そのことを性悪係長に報告すると
「よかったやん。もっと言ってやって言ってやって!」
ってことで、ころんの取引先にたいする失礼な態度は、結果よければすべてよしということで、むしろお手柄のようになったのです。
で、何かことあるごとに性悪係長はわたしに
「ひどいこと言ったんやんな。
あなた、それでも人間ですかー!?って言ったんやろ。」
と冗談を言ってくるようになりました。
この事件、後で尾をひくことになるので、覚えておいてくれたら嬉しいな。
まあ覚えてくれなくても、リンク張って遡って読めるようにしておきます。
そのようなことで、毎月毎月、本社での管理職会議前後になると、性悪係長は、わたしの完了書類の作成を急ぐようにプレッシャーをかけてくるのである。
しかし資料は完成しているのに、性悪係長で止まっている分もある。
最終的に、性悪がチェックして承認してやっと完了ですからね。
その資料をわたしが、資料管理部に持っていって、承認してくれたら本社への報告システムに反映されるというわけです。
で、ある日わたしが
「性悪係長のところで止まっている分も、これだけありますよ。」
って言ったら、性悪に
「独身女は言い訳が多い。」
って言われた。
はいこれ、完全にセクハラでアウト!!
訴えたら勝てる!
今にして思えば、面白いから訴えてやればよかったな。
わたしはこう言われたことを、派遣会社に報告する。
すると派遣元の担当者は、とても驚いて神妙な面持ちで
「それは完全にセクハラの人権侵害です。
今度そういう発言があったら、アイシーリコーダーやスマホで録音してもかまいません。
あるいはすぐに何時何分にそういう発言があったかメモをしておくか、メモ代わりにこちらの報告のメールを送ってもらってもかまいません。」
とのことだった。
しかしさー、性悪にお前のところでとまっている業務もあるやんけと指摘したら、言い訳って…。
自分の痛いところをチクッて突かれる、逆切れしてこちらのプライベートに痛いところを加害者にして被害者ぶる。
クズやな。
すぐ手首切るブスのメンタルやな。
しかしなぜ、性悪係長が「独身女は言い訳が多い。」と言ったのか。
もう一人、言い訳の多い独身女がいたからである。
続く