結婚相談所でお見合いした男性セーブタさんの不誠実なふるまいを勤務先である郵便局に苦情を入れてみた。
しかし郵便局の苦情係、課長代理のソノダさんの答えは
「業務外のふるまいについては、関与しかねる。」
ということだった。
しかしわたしは、セーブタが郵便局員であることを鼻にかけ、わたしの働き方に文句をつけたことを引き合いに、ネチネチとソノダさんにからみ続ける。
「松本人志さんが『バカまじめ』という、仕事に一生懸命な郵便局員を演じるCMが流れていますよね。
セーブタさんの行いを見ていると、郵便局員は、バカまじめどころか、郵便局員であることを利用して、女性の価値をおとしめるような差別主義者ですよね。
するとあのバカまじめのCMは、誇大広告ということになりますよね。」
とわたしが言うと、ソノダさんは
「そうですね。」
と、バカまじめのCMが誇大広告であることを認めました!
そこは認めちゃっていいのか!?
あかんやろ~。
今度はばかまじめCMを制作した部署に電話して、ソノダさんが誇大広告だと認めたので、謝罪の言葉をHPに乗せてくださいって苦情を入れてやろうかな。
そこまではしないけどなー。
「では、わたしのこの苦情は、社内でどのように処理されるのですか。」
と聞いてみたら、それもお答えできないの一点張り。
ちょっとぐらい教えてくれてもいいやんねー。
ソノダさんがこのまま握りつぶすのか、セーブタに注意勧告ぐらいするのか、全社員にこのような苦情があったので、プライベートでの言動にも気を付けるようにと、一斉勧告するとかさ。
セーブタのところに、こんな苦情があったって注意がいったら、ヤツはびびって結婚相談所を退会するかもしれへんやん。
退会しなくてもちょっとした恐怖心ぐらい与えてやれるかもしれへんやん。
無理かな。
アイツは痛みを感じない虫男だからさ。
何とかソノダさんの「お答えできない。」の鉄壁の砦を崩そうとするものの、どうもそれはできないような気持ちになってきた。
これ以上ウダウダ言っても時間のムダだな。
と、同時に、わたしは当初何が目的でこんなことをしているのかとふと我にかえってみると、全てがバカバカしくなってきた。
わたしの当初の目的は、セーブタの謝罪と結婚相談所の退会処分。
結婚相談所が対応してくれないから、その矛先は勤務先である郵便局に向いた。
しかし、このソノダさんという男をネチネチと責めたててまで、やり遂げなければいけないことなのか?
わたしは奴隷程度だと思っていたセーブタに、反抗されたことが我慢ならないのだ。
しかしその奴隷男のために、これほど時間をかけて騒ぎ立てたところで、誰も得なんてしやしない。
そう思うと、わたしはこんなことに情熱を注いでいる自分があまりに愚かで滑稽で、笑えてきた。
そして、このソノダさんは多分、セーブタよりはるかに優秀な郵便局員である。
それが会ったこともない存在するかも分からないセーブタという無能な虫男の、わけのわからない愚痴を、初老のイカれた女に聞かされている。
セーブタという男がしでかした不始末の、尻拭いをさせられているのだ。
あんなマヌケな男の排泄物を処理させられているのと同じこと。
え?排泄物ってわたしのこと?
そう思うと、わたしのしでかしたこととはいえ、こんな苦情処理をさせられているソノダさんが哀れになって、ますます笑えてきた。
そこでわたしはケラケラと笑いながら
「じゃあ、もうソノダさんがわたしの話を聞いてくれたってことで、納得することにしますわ~。」
と、セーブタへの制裁をあきらめることにしたのである。
どのぐらいソノダさんにネチネチからんでたんだろうね。
さすがに1時間は経ってないと思うけど、記憶があいまい。
ソノダさんも最後の方が、わたしがケラケラニタニタ笑い出したから、さぞかし恐怖だったろうね~。
この女は、頭がおかしいのか、話が通じるのか、通じないのか、さぞかし不気味だったろうね~。
失敗した!
ころんは失敗したのである。
セーブタという男を追い詰めることに失敗したのである。
ちっきしょー!
こんなことなら、郵便局に苦情を入れるのやめて、やっぱり結婚相談所側に責任をとらせればよかった。
セーブタを退会させろ!
どうしても退会させられないのなら、このような会員を置いておく、結婚相談所が信じられない。
安心して活動できない。
だからわたしが退会する。
その変わり、全額会費を返金しろ!
って言えばよかった。
だって、今までこの結婚相談所がしてきたお見合い日程の間違いとか、こちらの質問に全く答えてなかったこととか、全部あげつらねたら、結局仲人の役割をはたしてないって結論が導き出せると思うの。
仲人なんてただの会費泥棒やん。
泥棒になりたくなかったら、会費を返せ!って言ったら、多分返金させることができたと思う。
お見合い料はどうしよう。
さすがにそこまで請求するのは、吝嗇が過ぎるか。
クッソー、失敗した。
結婚相談所側に、もう自分で何とかするから、連絡してくるな!と言ってしまった手前、今更、会費返せなんて言えない。
失敗したなぁ、もう。
いいえ、わたしは失敗したのではない。
成功しない一つの方法を学んだだけです。
そしてこの学びにより、さらにころんは、スーパーモンスタークレーマーへと進化を遂げたのです。
あぁ~、それにしても失敗した。
後悔してます。
続く